部下の方へ上司との関わり
上司に見下される・馬鹿にされるとき
先に答え
上司に見下される、馬鹿にされると感じたときは、言われた言葉を、仕事の中身への指摘と人柄や能力への決めつけに分けて受け取ることから始めてください。指摘には「どの点が足りないか、具体的に教えていただけますか」と返して仕事の話に戻し、決めつけには言い返さず、仕事の事実を短く伝えて終えます。続くときは、1on1で、直す点を一緒に教えてほしいと仕事の話として頼みます。KAKEAIの1万人調査では、面談で本音を言えない困りごとを挙げた人は21.8%で、面談で言いたいことを言えずにいる人は珍しくありません。繰り返されるなら、日時と内容を残して会社の相談窓口や人事の担当に相談してください。ハラスメントに当たるかの判断は、相談窓口に委ねます。
数字で見る
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談で本音を言えない困りごとを挙げた人が5人に1人を超えていました。面談についての数字で、見下された経験を尋ねたものではありませんが、上司に言いたいことを言えずにいる人は珍しくないということです。また、信頼関係がなく安心して話せないと感じている人は、面談が成果につながっていると感じる割合が全体より低くなっています。安心して話せるかどうかは、面談が役に立っているという実感とも関係していることがうかがえます。
- 21.8%
- 1万人調査
- 上司との面談の困りごとに、切り出せない・本音が話せない・安心して話せない、のどれかを選んだ人の割合
- 上司との面談で言いたいことを言えずにいる人は、5人に1人を超えています。面談で本音を言えないことは、珍しい困りごとではないということです。
- 25.2%
- 1万人調査
- 「上司との信頼関係がなく安心して話せない」を選んだ人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- この困りごとを選んだ人は8.0%で、その人たちの成果の実感は25.2%でした。回答者全体の31.9%より低く、安心して話せないと感じている人は、面談が成果につながっていると感じにくい傾向があります。
1万人調査は、上司との定期的な面談で困っていることを尋ねたもので、上司に見下された、馬鹿にされたと感じた経験そのものは尋ねていません。数字は、面談の困りごとごとに、成果の実感を比べたものです。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
上司に見下される・馬鹿にされると感じるとき、 言葉を2つに分けて受け取る
上司に見下された、馬鹿にされたと感じたときは、言われた言葉を2つに分けて受け取ることをおすすめします。仕事の中身への指摘と、人柄や能力への決めつけの2つです。見下されたと感じたことは、感じた側にとって事実です。一方で、上司がそのつもりで言ったのかどうかは、言葉だけからは分かりません。2つに分けるのは、上司をかばうためではなく、自分が次に何をするかを決めるためです。
| 言われた言葉の例 | どちらに近いか | 部下ができること |
|---|---|---|
| 「この提案書では、 | 仕事の | 何を |
| 「そんなことも | 混ざっている | 知らなかった |
| 「君には | 人柄や | 言い返さず、 |
| 人前での | 人柄や | その場では |
仕事の中身への指摘は、言い方が厳しくても、何を直せばよいかが入っています。人柄や能力への決めつけには、直す点が入っていません。指摘は仕事の話として受け取り直し、決めつけは言い返して勝とうとせず、事実を残して相談先に委ねます。この分け方が、部下の側でできる対応の土台になります。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談で本音を言えない困りごとを挙げた人が21.8%いました。「話したいこと、話すべきことを切り出せない」「自分自身への評価や見られ方への影響が気になり本音が話せない」「上司との信頼関係がなく安心して話せない」のどれかを選んだ人です。つまり、上司との面談で言いたいことを言えずにいる人は、5人に1人を超えています。面談についての数字で、見下された経験そのものを尋ねたものではありません。ただ、上司に言いたいことを言えずにいるのは、自分一人だけのことではありません。そう知っておくと、自分を責めずに次の一手を考えやすくなるでしょう。
上司に見下されたと感じたとき、 その場での返し方: 仕事の話に戻す
その場での返し方の基本は、言い返して勝つことではなく、話を仕事の中身に戻すことです。以下では、顧客向けの提案書を作っている部下が、課長から厳しい言葉を受ける場面を例にします。
仕事の中身への指摘だったとき
厳しい言葉でも、直す点が入っているなら、直す点だけを受け取ります。何を直せばよいかが分からないときは、その場で聞いてかまいません。
- ご指摘ありがとうございます。どの点が足りないか、具体的に教えていただけますか。直して、明日もう一度お持ちします。
- 価格の根拠が弱い、という点ですね。承知しました。昨年の実績の数字を足して作り直します。
「そんなことも知らないのか」と言われたとき
知らなかったことは、そのまま認めてかまいません。知らなかったことと、仕事ができないことは別です。続けて、どこを見れば分かるのかを聞くと、話は仕事に戻ります。
- はい、初めて聞きました。どこを見れば分かるか、教えていただけますか。
- 承知しました。今後は提案書を作る前に、過去の案件の記録を確認するようにします。
人柄や能力を決めつける言葉だったとき
「君には無理だよ」のような言葉には、直す点が入っていません。言い返すと、話は能力の有無の言い合いになり、仕事の話には戻りません。自分の仕事の事実を短く伝えるか、どこが足りないと考えているのかを尋ねて、話を終えてかまいません。
- この提案書は、先週お客様に説明して、次の打ち合わせの約束をいただいています。
- どの部分がまだ足りないとお考えか、教えていただけますか。そこを埋めたいです。
人前で言われたとき
人前では、その場で詳しく反論しないほうが、自分の立場を守りやすくなります。詳しい点はあとで個別に聞くと伝え、話を終えます。
- ご指摘は分かりました。詳しい点は、あとで個別に伺います。
- 少し考えて、あとでお返事します。
言い返したい気持ちが強いときは、一呼吸おいて、その場では何も言わないという選択もあります。黙ったことは、負けではありません。
上司に馬鹿にされることが続くときは、 1on1で言い方の話を仕事の話として頼む
見下されたと感じる言葉が続くときは、1on1など二人で話せる時間に、言い方の話を仕事の話として持ち込むことができます。「見下さないでください」と言うより、「何を直せばよいかが分かる形で伝えてほしい」という頼み方にすると、上司も応じやすくなります。
先に、上司に期待することを言ってから本題に入ると、話が感情の言い合いになりにくくなります。
- 今日は1つ、ご意見をいただきたいことがあります。提案書の作り方で、私に何が足りないかを、具体的に教えていただけますか。
- 先週の会議で「素人の案」と言われたとき、何を直せばよいかが分かりませんでした。次からは、直す点を一緒に教えていただけると助かります。
- 人前でご指摘をいただくと、焦ってしまって内容が頭に入りにくくなります。直してほしい点は、個別に伺えると落ち着いて受け取れます。
- 私の仕事で、任せられないとお考えの部分があれば教えていただけますか。何ができれば任せていただけるかを知りたいです。
上司の側には、言い方の癖、期待の裏返し、本人も気づいていない余裕のなさといった事情があるかもしれません。そうした事情は、言い方を正当化する理由にはなりませんが、上司が自分を嫌っていると決めつける材料にもなりません。1on1で頼んだあとに伝え方が変わるかどうかは、次に何をするか(もう一度頼むか、相談先に話すか)を決める手がかりになります。
KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごととして「上司との信頼関係がなく安心して話せない」を選んだ人は8.0%でした。この人たちのうち、「面談が成果につながっている」と感じている人は25.2%で、回答者全体の31.9%より低くなっています。つまり、安心して話せないと感じている人は、面談が成果につながっていると感じにくい傾向があります。
面談についての数字ですが、上司の言葉で安心して話せなくなったときは、言い方の話を1on1で頼むか、続くときは相談先に話すかを決めておくとよいでしょう。
上司に見下されることが繰り返されるときに、 部下ができること
言い方の話を伝えても人柄や能力への決めつけが繰り返されるときに部下ができることは、事実を残すことと、一人で抱えずに相談することです。
このページでは、上司の言葉がハラスメントに当たるかどうかの判断はしません。当たるかどうかは、内容や頻度や状況によって変わります。判断と対応は、会社の相談窓口や人事の担当に委ねてください。相談する前に、次のことをしておくと、事実を伝えやすくなります。
- 言われた日時、場所、言葉、その場にいた人を書き留めておきます。相談のときに、記憶ではなく事実として伝えるためです。
- 自分がどう返したか、そのあと仕事の割り振りや扱いが変わったかも、日付と一緒に残します。
- 書き留めたものは、自分だけが見られる場所に置きます。
- 上司から、人前で能力を否定するような言葉が続いています。ハラスメントに当たるかは私には分かりませんが、記録を持ってきましたので、どう対応すればよいかご相談したいです。
信頼できる同僚に、その場面がどう見えていたかを聞くのも1つの方法です。自分の受け取り方が偏っていないかを確かめられ、相談するときの材料にもなります。
- 先週の会議の場面、どう見えていましたか。私の受け取り方が偏っていないか、知りたいです。
自分の価値は、上司の言葉ではなく、仕事の事実で測ってください。お客様の反応や期限を守った案件、直して採用された提案書など、自分の仕事の記録は上司の言葉とは別に残ります。
上司に見下されたと感じる状況が変わったかどうかを振り返る
状況が変わったかどうかは、上司の言葉が優しくなったかではなく、仕事の話が二人の間で進むようになったかで振り返るとよいでしょう。振り返ったあとに次にすることは、次の4つです。
- 何を直せばよいかが分かる指摘まで、決めつけと同じように受け取っていたと気づいたら、次は、直す点だけを取り出して仕事の話として返します。
- 言い返さずに済ませた場面で、あとから自分を責めていたら、自分の仕事の事実の記録を見返してみてください。その場で黙ったことは、負けではありません。
- 1on1で言い方についてまだ伝えていなかったら、次の1on1で、直す点を一緒に教えてほしいと1つだけ頼みます。伝えたあとも変わらなければ、もう一度頼むか、相談先に話すかを決めます。
- 繰り返される言葉をまだ相談先に話せていなかったら、日時と内容を残したうえで、会社の相談窓口や人事の担当に相談してください。
1on1で伝えたあとの回では、変わった点があれば、それを上司に伝えてかまいません。二人のやり取りが、仕事の話として続きやすくなります。
- 前回お願いしたあと、直す点を先に教えていただけるようになって、作り直しが早くなりました。ありがとうございます。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
否定や細かい指摘、強い言い方が続き、言われたことのどこまでが仕事の直す点なのかが分からなくなるときに、会社でKakeai AI 1on1を利用している場合は次のことができます。
1on1の最中と終了後に、「1on1のAI要約」で。
指摘が続いた回でも、 何を直し、 誰がいつまでに何をするかを、 二人が同じ記録で確かめられます。
Kakeai AI が、会話から1on1全体の概要、話のまとまりごとの要点、決まった次の一歩を書き、1on1の最中は2分ごとに書き直します。終了時に確定したものが、そのまま履歴になります。お二人の画面に同じ内容が表示され、システム管理者には表示されません。ご契約によっては、要約をほかの方に共有する機能もあります(共有した相手はお二人とも確認できます)。評価や採点の言葉を使わず、話された事実の言葉で書くように作られています。
…西村さんが冒頭の1枚に機能ではなく導入効果を数字で書くよう具体的に伝え、藤本さんが更新版を7月中にC社へ出し直すことになりました。…
1on1のあと、「1on1後のAIアドバイス」で。
上司に短く問われて一言で返した場面について、 次は状況と自分の次の動きを添えて返す言い方を考えておけます。
ご自身向けの内容で、上司には別の内容が表示されます。上司に短く問われて一言で返した場面があると、その場面を取り上げ、次は状況と自分の動きをどう添えるかの例が示されることがあります。言い換えは、言い方の誤りの指摘ではなく、次に試すこととして書かれます。
…返事が来ていれば「返事が来ました。内容は〜です。」と事実を添えて知らせる。来ていなければ「まだ来ていないので、もう一度送ります。」と自分の次の動きを一言置く。どちらの形でも、状況と自分の判断をセットで伝える練習になります。…
1on1後のAIアドバイスの「今回よかった点」で。
否定や指摘が続いたと感じる回でも、 自分が言葉にできた場面を、 実際の発言とともに振り返れます。
その回に、自分の考えや状況を上司に言葉で返せた場面が、実際の発言を引いて取り上げられます。ご自身向けの内容で、上司には別の内容が表示されます。
…何が分からないかをそのまま伝えられたことで、西村さんから佐々木さんへの確認という次の手が出てきました。困りごとを「分からない」で止めず、何がどう分からないかを説明できたことが、今日の一歩につながっています。
1on1の実態を1万人のデータで見たい方は、無料のレポートをお受け取りください。
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この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)
- 1万人のデータで見る、1on1の頻度・時間・場所・話題の実態
- 成果・成長の実感を左右するもの(実施理由・上司への期待・困りごと・行動への接続)
- 明日の1on1からできること(前・最中・直後・日常の4つの場面と、具体的な声のかけ方)
よくある質問
上司に馬鹿にされたとき、 その場でどう返せばよいですか。
上司に馬鹿にされたと感じたときは、その場では言い返さず、話を仕事の中身に戻します。「そんなことも知らないのか」には「初めて聞きました。どこを見れば分かるか教えていただけますか」と返し、「君には無理だよ」のような決めつけには「どの部分が足りないとお考えか、教えていただけますか」と尋ねて終えます。人前で言われたときは「詳しい点は、あとで個別に伺います」と伝え、その場では反論しないほうが立場を守りやすくなります。
上司に見下されていると感じるのは、 自分の思い込みでしょうか。
上司に見下されていると感じたことは、感じた側にとって事実で、思い込みと片づける必要はありません。一方で、上司がそのつもりで言ったかどうかは、言葉だけからは分かりません。そこで、言われた言葉を、何を直せばよいかが入っている指摘と、人柄や能力への決めつけに分けて受け取ることをおすすめします。信頼できる同僚に「あの場面はどう見えていましたか」と聞くと、自分の受け取り方が偏っていないかを確かめることができます。
上司に見下されることを、 1on1で本人にどう伝えればよいですか。
上司に見下されていると感じることを1on1で伝えるときは、「見下さないでください」と言うより、「何を直せばよいかが分かる形で伝えてほしい」と、仕事の話として頼んでみてください。そのほうが、上司も応じやすくなります。たとえば「先週の会議で『素人の案』と言われたとき、何を直せばよいかが分かりませんでした。次からは、直す点を一緒に教えていただけると助かります」のように、どの場面で、どう伝えてほしいかを具体的に伝えます。
上司に見下される、 馬鹿にされるのは、ハラスメントに当たりますか。
上司の言葉がハラスメントに当たるかどうかは、内容や頻度や状況によって変わるため、このページでは判断しません。判断と対応は、会社の相談窓口や人事の担当に委ねてください。相談する前に、言われた日時・場所・言葉・その場にいた人を書き留めておくと、記憶ではなく事実として伝えられます。1on1で言い方について頼んでも繰り返されるときや、仕事の割り振りや扱いが変わったと感じるときは、一人で抱えずに相談することをおすすめします。
上司に見下されて自信がなくなったとき、 どうすればよいですか。
上司に見下されて自信がなくなったときは、自分の価値を上司の言葉ではなく、仕事の事実で測ってみてください。お客様の反応や期限を守った案件、直して採用された提案書など、自分の仕事の記録は上司の言葉とは別に残ります。KAKEAIの1万人調査では、面談で本音を言えない困りごとを挙げた人は21.8%で、面談で言いたいことを言えずにいる人は珍しくありません。自分を責めず、次の1on1で頼むことを1つ決めるところから始めるとよいでしょう。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/boss-looks-down-on-me-belittled-at-work
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
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