部下の方へ上司との関わり
話を聞いてくれない上司にどう伝えるか
先に答え
話を聞いてくれない上司に伝えるときは、話し始める前に、聞いてほしい時間と、そのあとに上司に期待することを言ってください。「3分だけ途中で止めずに聞いていただけますか。そのあとでご意見をいただきたいです」という切り出し方です。KAKEAIの1万人調査では、上司に期待することを5つまで選べる質問で「話を聞いてほしい」だけを選んだ人は3.2%でした。聞いてほしい人の多くは、意見やアドバイスなど、ほかの期待も一緒に持っている、ということです。結論を急ぐ上司には結論と頼みごとを先に言い、口頭で届かないときは要点を3行で送っておくとよいでしょう。怒鳴る、無視するといったことが続く場合は、就業規則の相談窓口と人事に相談してください。
数字で見る
「話を聞いてほしい」は、部下が上司に期待することの中では少数の答えで、それだけを求めている人はさらに少なくなっています。KAKEAIの1万人調査では、聞いてほしい人の多くが、意見やアドバイスなど、ほかの期待も一緒に持っていました。1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)も見てみます。先に「聞いてほしい」と伝えて始めた回では、知ってもらえたという感想が多く選ばれていました。
- 7.9%
- 1万人調査
- 上司との面談で上司に一番期待することとして、「話を聞いてほしい」を選んだ人の割合
- およそ13人に1人です。最も多い答えは「その時々によって違う」の20.9%で、「具体的なアドバイスがほしい」「意見を聞きたい」「一緒に考えてほしい」の3つを合わせると45.6%でした。聞くことだけを一番に求めている人は、少数です。
- 20.8%
- 1万人調査
- 上司に期待すること(5つまで選択)として、「話を聞いてほしい」を選んだ人の割合
- 5つまで選べる質問では20.8%が「話を聞いてほしい」を選びましたが、それだけを選んだ人は3.2%でした。聞いてほしい人の多くは、意見やアドバイスなど、ほかの期待も一緒に選んでいるということです。
- 54.7%
- Kakeai AI 1on1 利用データ
- 部下が「話を聞いてほしい」を選んで始め、感想を送った回のうち、「自分のことや状況を知ってもらえました」が選ばれた回の割合
- 部下が感想を送った回全体では46.2%でした。先に「聞いてほしい」と伝えて始めた回では、知ってもらえたという感想が多く選ばれています。聞いてほしいことを先に伝えるのは、部下の側からできることです。
1万人調査の「話を聞いてほしい」は、上司との面談で上司に期待することを尋ねた質問の選択肢で、上司が話を聞いてくれるかどうかを尋ねたものではありません。利用データの割合は、1on1の前に部下が選んだ上司への期待と、終えたあとに送った感想を集計したものです。会話の中身を示すものではありません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
話を聞いてくれない上司との間で、 何が起きているのか
「上司が話を聞いてくれない」と感じる場面は、1つではありません。話の途中で結論を出される、話しているうちに上司の話にすり替わる、そもそも時間を取ってもらえない、の3つに分かれます。どの場面でも、部下の側からできるのは、上司を変えることではなく、話の届け方を変えることです。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談で上司に一番期待することとして「話を聞いてほしい」を選んだ人は7.9%で、およそ13人に1人でした。期待することを5つまで選べる質問では、「話を聞いてほしい」を選んだ人は20.8%です。ただし、「話を聞いてほしい」だけを選んだ人は3.2%でした。つまり、聞いてほしいと思っている人の多くは、意見やアドバイスなど、ほかの期待も一緒に選んでいるということです。
1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)には、部下が1on1の前に「話を聞いてほしい」を選んで始めた回があります。その回のうち、終えたあとに部下が送った感想で「自分のことや状況を知ってもらえました」が選ばれた回は54.7%でした。感想を送った回全体では46.2%です。先に「聞いてほしい」と伝えて始めた回では、知ってもらえたという感想が多く選ばれています。
この2つの数字から言えるのは、聞いてほしい人の多くが意見やアドバイスなどほかの期待も一緒に持っていること、そして、先に「聞いてほしい」と伝えた回では知ってもらえたという感想が多いことです。そこで、上司に「聞いてほしい」と伝えるときは、どこまで聞いてほしくて、そのあとに何を期待しているかまで言うことをおすすめします。「黙って聞いてください」という頼みだけだと、上司は何を返せばよいか分からず、途中で結論を出したり、自分の経験を話し始めたりしがちです。
上司の側にも事情があります。部下の話を聞くのが仕事だと分かっていても、次の会議が迫っていれば結論を急ぎますし、自分が同じ経験をしていれば、よかれと思って話してしまいます。上司が「聞かない人」だと決めつけず、まずは伝え方を1つ変えてみてください。
| 聞いてくれないと感じる場面 | 上司の側で起きていること(考えられること) | 部下の側からできること |
|---|---|---|
| 話の | 結論を | 結論と |
| 上司の | 似た | 聞いてほしい |
| 時間を | 立ち話では、 | 用件と |
話を聞いてくれない上司への伝え方: 聞いてほしい時間と、 その先の期待を先に言う
話を聞いてくれない上司に伝えるときの基本は、話し始める前に、聞いてほしい時間と、そのあとに上司に期待することを言うことです。以下では、新しく入った人への業務の引き継ぎを任されて、自分の仕事と重なって回らなくなっている場面で書きます。
- 引き継ぎの件で、3分だけ途中で止めずに聞いていただけますか。聞いていただいたあとで、課長のご意見をいただきたいです。
- 今日は、まず状況をお伝えしたいです。判断していただきたいことは、そのあとに1つあります。
- うまく説明できるか自信がないので、分かりにくいところがあれば、途中で止めて聞いていただけると助かります。
聞いてほしい話が終わったら、上司が話し始めるのを待たず、何を返してほしいかを自分から言います。
- ここまでが今の状況です。ここからは、課長のお考えをうかがいたいです。引き継ぎの時間を、どこで取るのがよいと思われますか。
- 私の案は、来週から午前中の1時間を引き継ぎに充てることです。この案について、ご意見をいただけますか。
聞いてくれないと感じる場面ごとの伝え方
伝え方は、3つの場面で少しずつ変わります。
話の途中で結論を出されるとき
結論を急ぐ上司には、結論と頼みごとを先に言い、理由はそのあとに短く添えます。上司が途中で結論を出すのは、話の行き先が見えないと、先に答えを出したくなるからだと考えられます。行き先が先に見えれば、上司も理由を聞く余裕を持ちやすくなります。
- 結論から言うと、引き継ぎの時間を週に3時間取りたいです。理由は2つあります。
- 課長の結論はわかりました。1つだけ、その前提になる事実をお伝えしてもよいですか。今の引き継ぎは、私の勤務時間の外にはみ出しています。
上司の話にすり替わるとき
上司が自分の経験を話し始めたら、その話を受け取ったうえで、自分の話に戻します。上司の話をさえぎる必要はありませんが、戻る一言は部下から言ってかまいません。
- 課長が同じ立場だったときのお話、参考になります。その経験を踏まえて、今の私の状況にはどう当てはまりそうでしょうか。
- ありがとうございます。話を戻してもよいですか。私が困っているのは、引き継ぎの時間を取ると、自分の担当の期限に間に合わないことです。
時間を取ってもらえないとき
立ち話で切り出すと、上司はいつ終わるか分からないので、短く済ませようとしがちです。用件と所要時間を先に伝え、1on1か面談の時間に移すことをおすすめします。
- 引き継ぎの進め方について、15分ほどご相談したいです。今週、どこかでお時間をいただけますか。
- 急ぎではないので、次の1on1で話させてください。先に、要点を3行でお送りしておきます。
口頭で届かないときは、 3行で書いて先に送る
口頭で何度伝えても届かないと感じるときは、話す前に、要点を文字で送っておくとよいでしょう。口頭で聞くより、文字で読むほうが頭に入りやすい上司もいます。書くのは、用件、上司に期待すること、自分の案の3行で十分です。
- 【引き継ぎの件・ご相談】1. 新しく入った○○さんへの引き継ぎが、私の担当の期限と重なっています。2. 引き継ぎの時間の取り方について、ご意見をいただきたいです。3. 私の案は、来週から午前の1時間を引き継ぎに充てることです。次の1on1で5分いただけますか。
送ったあとは、話す場で「お送りした3行の件です」と切り出せば、最初から説明し直す必要がなくなります。
- お送りした引き継ぎの件です。もしお読みいただけていたら、2つ目に書いた時間の取り方のところから、お話ししてもよいですか。
話したことが次の回に残っていないと感じるときも、文字が役に立ちます。話の終わりに、決まったことと上司が引き受けたことを、自分から短く送っておくとよいでしょう。
- 今日お話しした件を、私の理解で書きます。来週から午前の1時間を引き継ぎに使ってよいこと、課長から○○さんの所属の部署に一言入れていただくことの2点でした。違っていたら教えてください。
上司が話を聞かないことはパワハラか: 怒鳴る・無視・人格否定が続くとき
上司が話を聞いてくれないこと自体がパワハラに当たるかどうかは、このページでは判断しません。ただし、話そうとすると怒鳴られる・業務の連絡を無視される・人格を否定する言葉を言われる、といったことが続く場合は別です。伝え方を工夫する問題ではなくなります。
その場合は、就業規則に書かれている相談窓口と、人事の担当に相談してください。相談のときに状況を正確に伝えられるように、いつ・どの場面で・何を言われたかを自分のためのメモとして残しておくとよいでしょう。眠れない、食欲が落ちた、出勤がつらいといった体調の変化があるときは、産業医や医療の専門家にも早めに相談することをおすすめします。
- 人事の方に相談です。上司に業務の相談をしようとすると、話の途中で怒鳴られることが続いています。日付と内容を控えていますので、まずお話を聞いていただけますか。
上司に話が届くようになってきたかを振り返る
伝え方を変えたあとは、上司が変わったかではなく、二人のやり取りが前と比べてどう変わったかを振り返ってみてください。
- 話し始める前に、聞いてほしい時間と、そのあとに上司に期待することを言えたでしょうか。
- 話の終わりに、上司から意見や判断が返ってきたでしょうか。返ってこなかったとき、自分から「ここからはお考えをうかがいたいです」と言えたでしょうか。
- 文字で送った要点は、次に話す場で前提として使われたでしょうか。
- 決まったことと上司が引き受けたことが、次の回まで二人の間に残っていたでしょうか。
3回ほど続けても、意見も判断も返ってこない状態が変わらないときは、1on1の中で、話の進め方そのものを上司に相談するのも1つの方法です。
- 最近、相談の仕方を変えてみているのですが、課長から見て、話しにくくなっている点はありますか。私のほうで直せることがあれば教えてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
上司に話を聞いてもらえない、話しかけるきっかけや雑談の話題がつかめない、相談をどう切り出せばよいか分からないときに、会社でKakeai AI 1on1を利用している場合は次のことができます。
1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
相談の最初の一言を、 上司に期待することと一緒に、 1on1の前に準備できます。
Kakeai AI が、これまでの1on1と今回の準備の内容を踏まえて、今回の1on1で意識するとよい点を書きます。ご自身向けの内容で、上司には別の内容が表示されます。部下向けの内容には、上司にどう関わってほしいかを自分から伝える提案が入り、最初に言う一言の例が示されることもあります。
…「今日は業務の進め方で迷っていることがあるので、一緒に考えてもらえますか」…
1on1が始まってすぐ、Kakeai AI のメッセージ欄で。
話し始める前に、 テーマごとに上司に期待することを、 二人が同じ画面で確かめられます。
Kakeai AI が、準備されたテーマと期待する対応を挙げ、前回の一歩があればその担当の方に、無ければテーマを選んだ方に、最初の一言を向けます。期待する対応が選ばれていない回には、どう関わってほしいかを尋ねることもあります。メッセージ欄は、お二人に同じ内容が表示されます。
…準備されたテーマは「東南アジアの新規開拓リスト」×「一緒に考えてほしい」、「スキルや力の向上」×「具体的なアドバイスが欲しい」の2つです。藤本さん、いかがでしょう?
1on1の最中に、球体をクリックしたとき。
用意してきた話が後回しになったまま1on1が終わりそうなときに、 その話に戻るきっかけが二人の画面に出ます。
「1on1実施中」の画面の右の列の下にある球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)を押すと、Kakeai AI が二人の1on1の履歴と関係を踏まえた話題を一つ提案します。その回に選ばれたテーマは提案の候補の先頭に置かれます。話題の提案は、お二人の画面に同じものが表示されます。
事前テーマに「今後のキャリア」(期待する対応:「話を聞いてほしい」)が挙がっています。今日の会話では競合比較の話が進みましたが、このテーマはまだ触れていません。今日のうちに少し時間を取って、今どんなことを考えているか聞かせてもらえますか?…
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この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)
- 1万人のデータで見る、1on1の頻度・時間・場所・話題の実態
- 成果・成長の実感を左右するもの(実施理由・上司への期待・困りごと・行動への接続)
- 明日の1on1からできること(前・最中・直後・日常の4つの場面と、具体的な声のかけ方)
よくある質問
話を聞かない上司には、 どう切り出せばよいですか。
話を聞かない上司には、話し始める前に、聞いてほしい時間と、そのあとに上司に期待することを言って切り出してください。「3分だけ途中で止めずに聞いていただけますか。そのあとでご意見をいただきたいです」という形です。KAKEAIの1万人調査では、上司に期待すること(5つまで選択)に「話を聞いてほしい」だけを選んだ人は3.2%でした。聞いてほしい人の多くはほかの期待も一緒に持っているので、期待することまで伝えるとよいでしょう。
上司が話の途中で結論を出してしまうときは、 どうすればよいですか。
上司が話の途中で結論を出してしまうときは、部下の側から、結論と頼みごとを先に言い、理由をあとに回す順番に変えてみてください。上司が途中で結論を出すのは、話の行き先が見えないと先に答えを出したくなるからだと考えられます。結論が出たあとに伝えたい事実があれば、「1つだけ、前提になる事実をお伝えしてもよいですか」と断ってから、短く伝えます。
上司に口頭で何度言っても伝わらないとき、 メールで伝えてもよいですか。
上司に口頭で何度言っても伝わらないときは、話す前にメールやチャットで要点を送っておくことをおすすめします。書くのは、用件、上司に期待すること、自分の案の3行で十分です。送ったあとに「お送りした件です」と切り出せば、説明し直す手間が省けます。話し終えたあとに、決まったことと上司が引き受けたことを自分から短く送っておくと、次の回に話が残ります。
上司が話を聞いてくれないのは、 パワハラに当たりますか。
上司が話を聞いてくれないこと自体がパワハラに当たるかどうかは、状況によるため、このページでは判断できません。ただし、話そうとすると怒鳴られる・業務の連絡を無視される・人格を否定する言葉が続くといった場合は、伝え方の問題ではありません。就業規則に書かれている相談窓口と人事の担当に相談し、いつ、どの場面で、何があったかをメモに残しておいてください。体調に変化があれば、産業医や医療の専門家にも相談してください。
上司が自分の話ばかりして、 私の話を聞いてくれません。 どうすればよいですか。
上司が自分の話ばかりするときは、上司の話を受け取ったうえで、自分の話に戻す一言を部下から言ってかまいません。「参考になります。その経験は、今の私の状況にどう当てはまりそうでしょうか」と尋ねると、上司の話を自分の相談につなげられます。話し始める前に「3分だけ聞いていただいて、そのあとでご意見をいただきたいです」と時間を区切って伝えておくと、話がすり替わりにくくなります。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/boss-does-not-listen-how-to-get-through
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: