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上司と部下の歩み寄りは、 どう進めればよいか
先に答え
上司と部下の歩み寄りは、意見を半分ずつ譲り合うことではありません。二人の間にある1つの仕事について、上司は自分の考えと理由と決める範囲を、部下は仕事の事実と上司に期待することを同じ場に出し、次にすることを1つ決めることで進みます。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)として最も多く選ばれたのは「意見を聞きたい」33.6%でした。「話を聞いてほしい」は20.8%で、上司の考えを求める人のほうが多くなっています。意見が合わないときは真ん中を取らず、試す期間と結果を見る日を決めることを落としどころにするとよいでしょう。
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KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査でも、「Kakeai AI 1on1」の利用データでも、部下が上司に期待することとして最も多いのは、上司の意見を聞くことや一緒に考えることでした。話を聞いてもらうことを選んだ人や回は、それより少なくなっています。歩み寄りの場でも、上司は考えと理由を出し、部下は事実と上司に期待することを出して、次にすることを1つ決めることをおすすめします。
- 33.6%
- 1万人調査
- 面談で上司に期待すること(5つまで選択)として、「意見を聞きたい」を選んだ人の割合
- 選べる答えの中で最も多く選ばれました。「話を聞いてほしい」は20.8%です。上司の意見を求める人のほうが、話を聞いてほしい人より多い、ということです。
- 19.4%
- Kakeai AI 1on1 利用データ
- 部下が1on1の前に選んだ、上司に期待することのうち、「一緒に考えてほしい」の割合
- 選ばれた中で最も多い答えです。「話を聞いてほしい」は11.7%で、選べる6つの中で最も少なくなっています。実際の1on1でも、最も多く選ばれているのは上司と一緒に考えることで、上司が考えを出すことが求められています。
1万人調査の数字は、上司との定期的な面談で上司に期待することを5つまで選んだ結果です。利用データの数字は、部下が1on1の前に選んだ、上司に期待することの、選ばれた中での内訳です。どちらも、上司と部下の意見の対立や歩み寄りそのものを尋ねたものではありません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
上司と部下の歩み寄りとは、 何をそろえることか
上司と部下の歩み寄りは、意見を半分ずつ譲り合うことでも、どちらかが折れることでもありません。二人の間にある1つの仕事について、上司は自分の考えと理由と決める範囲を出します。部下は、仕事の事実と上司に期待することを出します。そのうえで、次にすることを1つ決めることで、歩み寄りは進みます。
歩み寄りを「上司が譲ること」や「部下が上司の立場を察すること」と考えると、上司は意見を引っ込め、部下は黙ることになり、二人の間の仕事は動きません。部下が上司に期待することの数字を見ると、最も多く選ばれているのは上司の意見を聞くことです。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談で上司に期待すること(5つまで選択)として最も多く選ばれたのは「意見を聞きたい」で、33.6%でした。「話を聞いてほしい」は20.8%です。つまり、上司の意見を求める人のほうが、話を聞いてほしい人より多くなっています。
「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)では、部下が1on1の前に選んだ、上司に期待することを集計しています。選ばれた中で最も多かったのは「一緒に考えてほしい」19.4%でした。「話を聞いてほしい」は11.7%で、選べる6つの中で最も少なくなっています。実際の1on1でも、最も多く選ばれているのは上司と一緒に考えることです。面談についての数字ですが、歩み寄りの場でも、上司が考えを出して一緒に考えることが求められていると考えられます。
歩み寄りが止まるのは、おおむね次の3つの場合です。
| 歩み寄りが止まる場合 | 実際に起きていること | 先に出す一歩 |
|---|---|---|
| 上司が | 上司の | 上司から |
| 部下の | 部下の | 部下から |
| お互いに、 | どちらも、 | どちらからでも |
上司の立場からの歩み寄り: 考えと理由と決める範囲を出す
上司の立場からの歩み寄りは、意見を引っ込めることではなく、自分の考えと理由、そして自分が決める範囲を、部下に分かるように言葉にすることです。以下では、お客様からの問い合わせへの返信を、上司が送信前にすべて確認している職場で、部下が「返信が遅れる」と感じている場面を例にします。
まず、上司が今の進め方にしている理由を伝え、部下の側で起きていることを尋ねます。
- 返信を全部私が確認するようにしているのは、先月、料金の説明で行き違いがあったからです。○○さんの側では、この確認でどこが苦しくなっていますか。
- 今の進め方に、○○さんはどんな考えを持っていますか。私の案を言う前に、まず知りたいです。
- 確認を待っている間、お客様への連絡はどうしていますか。待たせている時間は、私も知っておきたいです。
次に、上司が本当に気にしている点を絞って伝えます。全部を確認したいという気持ちを言葉にしてみると、本当に気にしている点は1つか2つに絞れることがあります。
- 私が気にしているのは、返信の早さより、料金と契約の説明が合っているかの1点です。それ以外の問い合わせは、確認なしで返してもらって大丈夫です。
そのうえで、上司の案を出し、試す期間と結果を見る日を提案します。
- 私の考えとしては、料金と契約に関わる返信だけ私が見て、ほかは○○さんの判断で返すのがよいと思っています。1か月試して、月末の1on1で、返信までの時間と行き違いの有無を一緒に見ませんか。
- 私が間違っていたら、そう言ってください。先月の行き違いは、私の説明不足も原因でした。
- この話は今日で終わりにせず、月末にもう一度しましょう。それまでに私がすることは、確認を当日中に返すことです。
部下の立場からの歩み寄り: 事実と、上司に期待することを出す
部下の立場からの歩み寄りは、上司の事情を察して我慢することではなく、自分の側で起きている事実と、上司に期待することを言葉にすることです。上司は、部下から聞かない限り、確認待ちの時間や、お客様からの催促があったことを知りません。
最初に、今日は一緒に考えてほしいことがあると伝え、事実から話します。
- 今日は、問い合わせ対応の進め方について、一緒に考えていただきたいことがあります。
- 事実からお伝えします。先週は、確認待ちで返信までに2日かかった問い合わせが続き、お客様から催促をいただきました。
次に、上司が確認で見ている点を尋ねます。上司の心配の中身が分かると、部下の側で先に整えられることが見つかります。
- 課長が確認で見ていらっしゃるのは、どの点でしょうか。それが分かれば、私のほうで先に整えて出せます。
そのうえで、部下からの案を出し、上司の判断を求めます。
- 私からの提案は、料金に関わる返信だけ確認をお願いし、ほかは私の判断で返すことです。行き違いがあれば、その日のうちにご報告します。
- 確認を外していただくのが難しければ、確認の時間を決めていただけませんか。14時と17時の2回見ていただければ、お客様への返信は当日中にできます。
- 私の案に無理があれば、理由を教えていただきたいです。納得できれば、今の進め方で続けます。
- 課長が心配されている行き違いを減らすために、私のほうでできることがあれば教えてください。
意見が合わないとき、 落としどころをどこに置くか
考えを出し合っても意見が合わないときは、落としどころを意見の真ん中ではなく、試す期間と結果を見る日を決めることに置きます。どちらが正しいかをその場で決めようとするより、1か月試した結果を二人で見るほうが確かです。
上司が自分の判断で決めることが残る場合は、決めたことと理由をはっきり伝え、見直す時期も一緒に伝えます。
- 料金の返信だけは、私が見ることを続けたいと考えています。料金の説明は、一度行き違うとお客様にご迷惑がかかり、取り戻すのに時間がかかるからです。ただ、1か月後にもう一度、この進め方でよいかを一緒に見直します。
- 確認を待たせる時間は、私が短くします。14時と17時に必ず見るようにします。
部下の側は、上司の判断に納得できなくても、次にできることを1つ決めて動くと、見直しの材料がたまります。
- 分かりました。では、確認をお願いする返信を減らせるよう、料金の説明の定型文を私が作ります。次の1on1で見ていただけますか。
- 1か月後の見直しのときに、確認待ちの時間を私のほうで記録してお持ちします。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司と部下の関係は「まず関係づくり」で止めるものではなく、仕事の話を前に進める中でできていくと考えています。ただし、関係には段階があり、段階によって合う関わり方は変わります。まだ身構えている段階では、小さな仕事で1つ決めて動かすことから始めるとよいでしょう。
上司と部下の歩み寄りで、 避けたいこと
避けたいのは、歩み寄りを気持ちの問題にして、仕事の話を後ろに回すことです。上司と部下のどちらの側にも、避けたいことがあります。
- 上司が意見を引っ込めて、部下に合わせる。部下が上司に期待することとして最も多く選ばれているのは、上司の意見です。意見を言わないことは、部下から見ると判断を手放したように映ることがあります。
- 部下が上司の事情を察して、黙って従う。部下の側の事実が上司に届かないままになり、上司は問題がないものと受け取りがちです。
- 意見の真ん中を取る。「確認は半分だけ」のような折衷は、どちらの心配にも答えていません。試す期間と結果を見る日を決めるほうが、二人とも納得しやすくなります。
- まず食事や雑談で距離を縮めようとする。距離が縮まっても、仕事の進め方の違いはそのまま残ります。歩み寄りは、仕事の話の中で進めるほうが早いと考えられます。
- 相手が変わるのを待つ。上司も部下も、相手に何をしてほしいかを言わないままでは、どちらも動けません。先に一歩を出すのは、どちらからでもかまいません。
上司と部下の歩み寄りが進んでいるかを、 どこで見るか
歩み寄りが進んでいるかは、二人の雰囲気がやわらいだかではなく、二人の間にある仕事の進め方が1つでも変わったかで振り返ります。次の3つを、上司と部下のどちらの立場でも考えてみてください。
- 上司の考えと理由は、部下に言葉で届いていたでしょうか。
- 部下の側で起きている事実と、上司に期待することは、上司に言葉で届いていたでしょうか。
- 話し合いの終わりに、試すことと結果を見る日が1つ決まっていたでしょうか。
3つがそろっていたら、次は、決めた日に二人で結果を見て、続けるか変えるかを決めます。そろっていなければ、欠けていた一歩を、次の面談で自分の側から出すところから始めるとよいでしょう。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
上司と部下の話がすれ違ったり、一度崩れた信頼関係を立て直したりしたいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
行き違いを話した1on1の後に、「1on1のAI要約」で。
すれ違いの原因を片方だけに置かず、 二人がそれぞれ認めたことを同じ記録として残せます。
Kakeai AI が、二人が話したことを、どちらが何を述べ、何を認めたかという形で要約にします。評価や採点の言葉ではなく、事実の言葉で書くように作られています。
入社5ヶ月を経て、長谷部さんが社内の意思決定の手順(関係者への根回し)に最初戸惑ったことを振り返りました。3月の件については柳瀬さんも説明不足を認めています。
1on1の終了後に、「1on1後のAIアドバイス」で。
関係の立て直しを上司だけ、 部下だけの努力にせず、 二人がそれぞれ次の1on1で試すことを持てます。
上司と部下のそれぞれに、その回のご自身の発言を踏まえた「今回よかった点」と「次の1on1や日常へ向けて」が書かれ、それぞれ本人にだけ表示されます。部下の側にも、次の1on1で自分から一言添えてみる、といった案が書かれることがあります。
次回、西村さんのレポートを見せてもらう場面で、「社内の評価の場面だと緊張の種類が違うので、レポートを書きながら少し慣らしていきたいです」と一言添えてみませんか。自分の言葉で伝えておくと、西村さんも見せ方を考えやすくなります。
次の1on1の前に、「概要」の画面で。
どちらが動く番になっている話なのかを、 二人が同じ文章で確かめられます。
「概要」の画面のダイジェストには、いま途中になっている話と、それが誰の確認待ちになっているかが書かれます。お二人に同じものが表示されます。
石田さんの返答が出るまで長谷部さんは仕様書側を動かさない方針で、現在は柳瀬さんの確認待ちの状態です。
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この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)
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よくある質問
上司と部下が歩み寄るには、 どちらが先に動くべきですか。
上司と部下の歩み寄りは、どちらから先に動いてもかまいません。上司からなら、今の決め方の理由を改めて話し、部下の側で起きていることを尋ねます。部下からなら、自分の側で起きている事実と、上司に期待することを伝えます。お互いに相手が変わるのを待っていると、どちらも動けません。先に一歩を出した側が損をする、という考え方はせず、仕事を前に進める一歩として出してみてください。
上司が部下に歩み寄るとき、 意見を控えたほうがよいですか。
上司が部下に歩み寄るときも、意見を控える必要はありません。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)として最も多く選ばれたのは「意見を聞きたい」33.6%で、「話を聞いてほしい」は20.8%でした。上司の意見を求める人のほうが多い、ということです。歩み寄りとして上司がするのは、意見を引っ込めることではありません。自分の考えと理由を伝え、部下の考えを尋ね、自分が決める範囲をはっきりさせることです。
部下の立場から上司に歩み寄るには、 何を言えばよいですか。
部下の立場から上司に歩み寄るには、自分の側で起きている事実と、上司に期待することを言葉にします。たとえば「今の進め方で起きていることを事実からお伝えします」「確認で見ていらっしゃるのはどの点でしょうか」「私からの提案はこうです。無理があれば理由を教えてください」のように伝えます。上司の事情を察して黙って従うと、部下の側の事実が上司に届かず、上司は問題がないものと受け取りがちです。
上司と部下で意見が合わないとき、 落としどころはどこに置けばよいですか。
上司と部下で意見が合わないときは、意見の真ん中を取るのではなく、試す期間と結果を見る日を決めることを落としどころにします。「1か月この進め方で試して、月末の1on1で結果を一緒に見る」のように決めれば、どちらが正しいかをその場で決めなくても動けます。上司の判断で決めることが残る場合は、理由と見直しの時期を一緒に伝え、部下は次にできることを1つ決めて動くと、見直しの材料がたまります。
上司と部下の歩み寄りに、 食事や雑談は役に立ちますか。
食事や雑談で距離が縮まることはありますが、仕事の進め方の違いはそのまま残ります。上司と部下の歩み寄りは、二人の間にある仕事の話の中で進めるほうが早いと考えられます。関係は、まず関係づくりで止めるものではなく、仕事の話を前に進める中でできていくものです。雑談から始めてもかまいませんが、その回のうちに、仕事の進め方について1つ決めるところまで進めるのがおすすめです。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/boss-subordinate-meeting-halfway
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: