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上司が悪いのか、 部下が悪いのか
先に答え
上司が悪いのか、部下が悪いのかは、答えが出ても止まっている仕事は動きません。悪い側を決める代わりに、起きたことを「決めていなかった」「伝わっていなかった」「進まなかった」の3つに分けて、二人で決め直すことをおすすめします。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談のあと行動につながりにくい人が挙げた理由のうち、「ありたい状態が定まっていない」は16.3%で、集計に並ぶ10の答えの中で3番目に多い答えでした。部下の側が挙げた理由には、本人の力不足より、二人の間で決めたり用意したりできるものが多く含まれていると考えられます。
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KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談のあと行動につながりにくい人が挙げた理由は、本人の力不足より、目指す状態や情報や時間が足りないことのほうが多くなっていました。最も多い答えは「その時々によって違う」で、本人にも理由がはっきりしないことも少なくありません。誰が悪いかを決める前に、何が決まっていなかったかを二人で見るとよいでしょう。
- 16.3%
- 1万人調査
- 面談のあと行動につながりにくい人が挙げた理由(5つまで選択)のうち、「ありたい状態が定まっていない」の割合
- 「スキルが不足していてできない」は9.1%でした。本人の力不足より、目指す状態が定まっていないことのほうが、動けなかった理由として多く挙げられています。
- 15.9%
- 1万人調査
- 面談のあと行動につながりにくい人が挙げた理由(5つまで選択)のうち、「行動するために必要な情報が揃っていない」の割合
- 「時間やコストの制約で動けない」は15.4%、「裁量や権限がなくできない」は9.4%でした。情報・時間・権限は、部下が一人では用意しにくいものです。
- 26.1%
- 1万人調査
- 面談のあと行動につながりにくい人が挙げた理由(5つまで選択)のうち、最も多かった「その時々によって違う」の割合
- 次に多いのは「特にない」の23.4%でした。動けなかった理由を、部下本人もはっきり言えない場合が少なくありません。本人にも分からない出来事について、どちらが悪いかを外から決めるのは難しいと考えられます。
この数字は、上司との面談のあと行動につながるのが「半分くらいの回」か、それより少ないと答えた6,074人に、理由を5つまで選んでもらったものです。上司の側に同じことを尋ねた数字はありません。職場で起きた問題の責任がどちらにあるかを尋ねた調査ではありません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
「上司が悪いのか、 部下が悪いのか」は、 答えが出ても仕事が進まない問い
上司が悪いのか、部下が悪いのかという問いは、どちらに答えが出ても、止まっている仕事は動きません。悪い側が決まると、悪いとされた人は言い分を言いにくくなり、もう一方は何も変えないまま次に進みます。同じことが、次の仕事でもう一度起きやすくなります。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司と部下の間で起きることについては、上司も部下も両方が当事者だと考えています。どちらか一方に責任を負わせる形では、二人の間に起きたことの半分しか見えません。
以下では、「誰が悪いか」の代わりに、起きたことを3つに分けて、二人で決め直す進め方を書きます。上司の立場で読んでも、部下の立場で読んでも使えるように、どちらの側からの最初の一言も載せています。
起きたことを3つに分ける: 決めていなかった、伝わっていなかった、進まなかった
上司と部下の間で「相手が悪い」と感じる出来事は、多くは次の3つのどれかに当たると考えられます。どれも人柄の話ではなく、二人の間で何が決まり、何が伝わり、何が足りなかったかの話です。
| 起きたこと | よくある場面 | 決め直すこと |
|---|---|---|
| 決めていなかった | 任せる | 範囲・ |
| 伝わっていなかった | 一方は | 決めたことを |
| 進まなかった | 決めて | 足りなかったものを、 |
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人に、その理由を5つまで選んでもらいました。「ありたい状態が定まっていない」が16.3%、「行動するために必要な情報が揃っていない」が15.9%、「時間やコストの制約で動けない」が15.4%でした。「スキルが不足していてできない」は9.1%です。つまり、部下の側が挙げた動けなかった理由では、本人の力不足より、目指す状態や情報や時間が足りないことのほうが多かったということです。
同じ質問で最も多かった答えは「その時々によって違う」の26.1%で、次が「特にない」の23.4%でした。動けなかった理由を、部下本人もはっきり言えない場合が少なくないということです。面談についての数字ですが、本人にも理由が分からない出来事について、どちらが悪いかを外から決めるのは難しく、足りなかったものを二人で見るほうが先だと考えられます。
上司の側に同じことを尋ねた数字は、この調査にはありません。上司の側にも、言ったつもりのこと、決めたつもりのことがあるかもしれません。だからこそ、どちらが悪いかより、何が決まっていなかったかを二人で見るほうが、次に進みやすくなります。
上司の立場と部下の立場、 それぞれの決め直しの最初の一言
以下では、部下が受け持っていた取引先への納品が、約束の日より1週間遅れた場面を例にします。上司は「報告が遅かった」と感じ、部下は「人手が足りないと前に言った」と感じている、という状況です。
上司の立場で、 どちらが悪いかを決める前に言うこと
上司の立場では、まず、自分の側に決めていなかったことや伝わっていなかったことがないかを、部下と一緒に見ます。悪い側を探す口調にならないよう、起きたことを一緒に並べる言い方にします。
- 納品が遅れた話を、誰が悪いかではなく、どこで止まったかで一緒に見直したいんです。時間を取ってもらえますか。
- 私の理解では、人手が足りないという話は先月の面談で聞いていました。そのあと、私が何かを決めたり動いたりしたかというと、していませんでした。
- ○○さんから見て、どの時点で遅れそうだと分かりましたか。私が知らなかったことがあれば教えてください。
部下の報告が遅かったと感じていても、先に「報告が遅い」と結論を言わず、報告しにくかった事情がなかったかを尋ねます。
- 遅れそうだと分かった時点で、私に言いにくかったことはありましたか。言いにくかったのなら、そこを変えたいです。
- 次に同じことが起きたら、どの時点で、どんな形で知らせてもらえると助かるか、一緒に決めませんか。私からは、週の初めに一度、進み具合を聞くようにします。
決め直したことは、上司が自分の側の行動から先に言います。
- 私は、人手の話を部長に今週中に相談して、結果を金曜に伝えます。○○さんには、遅れそうだと感じた時点で、理由が分からなくても一言知らせてもらえると助かります。
部下の立場で、 上司が悪いと感じたときに言うこと
部下の立場では、上司が悪いと感じていても、そのまま言えば言い争いになりがちです。起きたことを「決まっていなかったこと」「伝わっていなかったこと」の言葉に置き換えると、同じ内容を伝えても、上司の側で受け取りやすくなります。
- 納品の遅れについて、私なりに整理したので、聞いていただけますか。人手が足りないことは先月お伝えしましたが、そのあと誰が何をするかは、私の中でも決まっていませんでした。
- 遅れそうだと分かったのは2週間前でした。そのときに言わなかったのは、何とか間に合わせられると思っていたからです。言うべきでした。
- 次からは、遅れそうだと感じた時点でご相談したいです。そのとき、どこまで私が判断してよいか、決めていただけますか。
上司の指示や判断に原因があると感じるときも、相手の非を言う形ではなく、自分がどう受け取っていたかを言います。
- 先月の面談で人手の話をしたとき、私は、課長が人を手配してくださるものと受け取っていました。私の受け取り方が違っていたのなら、教えていただけますか。
- 今後、同じような話をしたときには、課長が動くのか私が動くのかを、その場で決めていただけると助かります。
上司がこの話を聞いてくれないときは、同じことを二度伝えても変わらなければ、人事の担当に相談します。その場合も、「上司が悪い」ではなく、何が決まっていないかを事実として伝えます。
本当に片方に原因があるときの言い方
決めていて、伝わっていて、できる条件もそろっていたのに、片方の手違いで起きたことはあります。上司の指示が間違っていた、部下が報告すべきことを報告しなかった、という場合です。その場合も、「悪い」という言葉は使わず、何が起きて、次に何を変えるかを言います。
上司の側に原因があったときは、上司が自分の言葉で認めます。
- 納品日の変更を、私が○○さんに伝えていませんでした。私の落ち度です。取引先には、私から説明します。
- 今後、納品日が動いたときは、私から当日中に伝えます。
部下の側に原因があったときは、起きた事実と、次に変えることを伝えます。評価の結果や評価に響くかどうかは上司の一存では決められないので、その場で約束したり、脅したりしません。
- 取引先からの納期の確認に、返事が残っていたと聞いています。責めたいわけではなく、同じことが起きないようにしたいので、一緒に振り返ってもらえますか。
- 返事を保留にするときは、「いつまでに返す」とだけ先に送っておきませんか。それだけでも、相手の受け取り方は違ってくると思います。
- 評価の話は、別の機会に、評価シートを一緒に見ながら話します。今日は、次に変えることだけ決めましょう。
部下の側に原因があったとしても、上司には、気づく機会がなかったかを振り返る点が残ります。進み具合を聞く機会があったか、報告しやすい状態だったかは、上司の側で変えられることです。
「どちらが悪いか」を決めたくなるときに、 おすすめしないこと
おすすめしないのは、本人と話す前に結論を決めることと、話を人柄に向けることです。
- 本人と話す前に、上司どうしや同僚どうしで「あの人が悪い」と決める。本人の言い分を聞かないまま決まった結論は、本人には伝わっても納得されにくく、二人の間の決め直しにはつながりません。
- 性格や姿勢の話にする。「責任感がない」「指示が雑だ」と言われても、相手は次に何を変えればよいか分かりません。話題は、何が決まっていなかったか、何が伝わっていなかったかに絞ります。
- 「どちらも悪い」で終える。両方が当事者であることと、両方に非があると言うことは別です。何を決め直すかまで言わなければ、同じことが起きやすくなります。
- 上司が、部下に謝ることを求める。謝る言葉を求めると、本人の言い分が出てきにくくなります。上司の側に認めることがあれば、先に上司が認めます。
- 「評価には響かない」と言って安心させようとする。評価の結果は上司の一存では決められないので、この言葉は果たせない約束になります。
- 上司との関係を、部下の側だけで何とかしようとする。二度伝えても変わらないときは、一人で抱えず、人事や相談窓口に相談します。強い叱責や無視が続いているときは、ハラスメントに当たるかどうかを自分で判断せず、会社の相談窓口に伝えてください。
話し合いがうまくいったかを、 そのあとの仕事でどう振り返るか
二人の話し合いがうまくいったかどうかは、どちらが謝ったかではなく、そのあとの仕事で振り返ります。
- 話し合いの終わりに、次に起きたときに誰が何をするかが、二人の言葉で決まっていたでしょうか。決まっていなければ、次の面談で、決め直すことを1つに絞って話します。
- 決め直したことを、言った側がその日に実行できたでしょうか。上司が引き受けたことは、上司から結果を伝えます。
- 次に遅れそうな仕事が出たとき、以前より早い時点で、二人のどちらかが口に出せたでしょうか。出せていれば、決め直しはうまくいっています。
- 話し合いのあと、相手の性格や姿勢ではなく、決め直したことに目が向いていたでしょうか。性格の話に戻っているなら、まだ何かが決まっていないのかもしれません。
「誰が悪いか」の答えは出なくてかまいません。次に同じことが起きたときの動き方が決まっていれば、二人の仕事は前に進みます。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
上司と部下の話がすれ違ったり、一度崩れた信頼関係を立て直したりしたいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
行き違いを話した1on1の後に、「1on1のAI要約」で。
すれ違いの原因を片方だけに置かず、 二人がそれぞれ認めたことを同じ記録として残せます。
Kakeai AI が、二人が話したことを、どちらが何を述べ、何を認めたかという形で要約にします。評価や採点の言葉ではなく、事実の言葉で書くように作られています。
入社5ヶ月を経て、長谷部さんが社内の意思決定の手順(関係者への根回し)に最初戸惑ったことを振り返りました。3月の件については柳瀬さんも説明不足を認めています。
1on1の終了後に、「1on1後のAIアドバイス」で。
関係の立て直しを上司だけ、 部下だけの努力にせず、 二人がそれぞれ次の1on1で試すことを持てます。
上司と部下のそれぞれに、その回のご自身の発言を踏まえた「今回よかった点」と「次の1on1や日常へ向けて」が書かれ、それぞれ本人にだけ表示されます。部下の側にも、次の1on1で自分から一言添えてみる、といった案が書かれることがあります。
次回、西村さんのレポートを見せてもらう場面で、「社内の評価の場面だと緊張の種類が違うので、レポートを書きながら少し慣らしていきたいです」と一言添えてみませんか。自分の言葉で伝えておくと、西村さんも見せ方を考えやすくなります。
次の1on1の前に、「概要」の画面で。
どちらが動く番になっている話なのかを、 二人が同じ文章で確かめられます。
「概要」の画面のダイジェストには、いま途中になっている話と、それが誰の確認待ちになっているかが書かれます。お二人に同じものが表示されます。
石田さんの返答が出るまで長谷部さんは仕様書側を動かさない方針で、現在は柳瀬さんの確認待ちの状態です。
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この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)
- 1万人のデータで見る、1on1の頻度・時間・場所・話題の実態
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- 明日の1on1からできること(前・最中・直後・日常の4つの場面と、具体的な声のかけ方)
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よくある質問
仕事がうまくいかないとき、 上司と部下のどちらの責任ですか。
仕事がうまくいかないとき、上司と部下のどちらの責任かを決めても、止まっている仕事は動きません。起きたことを3つに分けてください。任せる範囲や期限が決まっていなかったのか、決めたことが伝わっていなかったのか、決めて伝わっていたが時間や情報が足りず進まなかったのか、です。どれも人柄ではなく、二人の間で決め直せることです。上司も部下も、両方が当事者です。
部下の立場で、 上司が悪いと思うときはどう伝えればよいですか。
部下の立場で上司が悪いと感じるときは、「上司が悪い」とは言わず、何が決まっていなかったか、何が伝わっていなかったかの言葉に置き換えて伝えます。たとえば、「先月お伝えしたあと、誰が何をするかは決まっていませんでした。次からは、その場で決めていただけますか」という形です。同じことを二度伝えても変わらないときは、一人で抱えず、人事や相談窓口に相談してください。
上司の立場で、 部下が悪いと思うときはどう対応すればよいですか。
上司の立場で部下が悪いと感じるときは、結論を言う前に、自分の側に決めていなかったことがないかを部下と一緒に見直してください。KAKEAIの1万人調査では、面談のあと行動につながりにくい人のうち、「行動するために必要な情報が揃っていない」を理由に挙げた人は15.9%でした。「スキルが不足していてできない」の9.1%より多く、部下が動けなかった理由には、上司の側で用意できたものが含まれていることがあります。
上司と部下のどちらが悪いかを、 人事や上司の上司に判断してもらってもよいですか。
上司と部下のどちらが悪いかを第三者に判断してもらっても、二人の間で何を決め直すかは決まりません。まず二人で、何が決まっていなかったか、何が伝わっていなかったかを話すことをおすすめします。ただし、二度伝えても変わらないときや強い叱責や無視が続いているときは、二人の間だけで解決しようとせず、人事や相談窓口に相談してください。ハラスメントに当たるかどうかは、自分で判断せず、会社の窓口に委ねます。
明らかに部下のミスで問題が起きたときも、 上司の責任になりますか。
部下の手違いで問題が起きたときも、上司には、気づく機会がなかったかを振り返る点が残ります。進み具合を聞く機会があったか、報告しやすい状態だったかは、上司の側で変えられることです。部下に対しては、「悪い」という言葉を使わず、起きた事実と、次に変えることだけを伝えてください。評価に響くかどうかは上司の一存で決められないので、その場で約束も脅しもしません。
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出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/is-the-boss-or-subordinate-at-fault
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
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