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マネージャーの権限と責任はどこまでか
先に答え
マネージャーの権限と責任の範囲は、会社の職務権限の規程と、任された仕事によって決まり、共通の答えはありません。一般的には、部下の仕事の割り振りや優先順位、任された予算の範囲での判断、勤怠の承認や一次評価などが権限として任されます。責任を持つのは、チームの目標と、任せた仕事の結果です。範囲は自分の上司と人事の担当に確認し、部下には決めてよい範囲を言葉で伝えておくとよいでしょう。任せたあとの結果は、部下だけに負わせず一緒に引き受けます。労務や安全に関わる法律上の責任は、人事の担当や専門家に確認してください。
マネージャーの権限と責任はどこまでか: 会社の決まりと、 任された仕事で決まる
マネージャーの権限と責任の範囲は、会社の職務権限の規程と、自分が任された仕事によって決まります。どの会社にも当てはまる共通の答えはありません。同じ「マネージャー」でも、決められる範囲は会社や部署によって大きく異なります。
そのうえで、一般的な例を挙げると、次のようになります。権限は「自分の判断で決められること」、責任は「結果を引き受けること」と考えると整理しやすくなります。
| 分野 | 権限の例(決められること) | 責任の例(引き受けること) |
|---|---|---|
| 仕事 | 部下の | チームの |
| お金 | 任された | 予算の |
| 人 | 勤怠や | 部下の |
| お客様や他部署 | 自分の | 問題が |
採用や異動、昇格や給与のように、最終的な決定を人事や経営が行う事柄もあります。マネージャーがどこまで関わるのかは、会社によって異なります。
マネージャーの権限の範囲を確認する方法と、 尋ね方
自分の権限の範囲は、思い込みで決めずに、会社の決まりと自分の上司の言葉で確かめておきましょう。範囲が分からないまま判断すると、権限の外のことを約束したり、逆に決めてよいことまで上司に回したりしやすくなります。
確かめる先は、主に次の4つです。
- 職務権限の規程や決裁の基準:誰が、どの金額や内容まで承認できるかが書かれています。
- 組織図と辞令:自分が誰の上司で、どの仕事の責任者なのかが分かります。
- 任された目標:期の初めに上司と合意した目標が、責任を持つ範囲の目安になります。
- 自分の上司と人事の担当:規程に書かれていない判断の線は、上司に尋ねるのが近道です。
以下では、住宅のリフォーム会社の工事課で、課長が現場の担当者と一緒に工事を進める場面を例にします。課長は、まず自分の上司と人事に、決めてよい範囲を尋ねておきます。
- 部長、課長として決めてよい範囲を、一度確認させてください。追加工事の見積もりは、どこまでなら私の判断でお客様に出してよいでしょうか。
- 工期の延長をお客様にお伝えするときは、事前に部長にご相談したほうがよいですか。
- 職務権限の規程で、課長が承認できる範囲を確認したいです。最新の版は、どこで見られますか。
労働時間の管理や安全への配慮、ハラスメントの相談への対応のように、法律が関わる責任もあります。マネージャーが法律の上でどこまで責任を負うかは、会社の規程と状況によって異なるので、言い切ることはできません。就業規則を読んだうえで人事の担当に確認し、必要に応じて社会保険労務士や弁護士などの専門家に相談してください。
マネージャーの権限は、 部下に「決めてよい範囲」として伝える
マネージャーの権限は、自分で決めるためだけのものではありません。そのうち、どこまでを部下の判断に任せるのかを決めて伝えることも、権限の大事な使い方です。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人が、その理由を5つまで選んでいます。「裁量や権限がなくできない」を挙げた人は9.4%でした。つまり、面談で決めたことが進まない理由として、自分には決める権限がないことを挙げる部下もいるということです。
面談についての数字ですが、任せる範囲がはっきりしないことが、部下の仕事が止まる理由の1つになっている場合もあると考えられます。任せる範囲は、部下の考えを先に尋ねてから決め、言葉にして伝えます。
- 職人さんの日程の組み方は、○○さんの判断で決めてかまいません。工期が変わりそうなときだけ、先に相談してください。
- 追加工事の見積もりは、今は私が確認してから出しています。来月からは、どの工事なら○○さんの判断で出せそうか、一緒に決めませんか。
- 自分で決めるか私に相談するかの線を、○○さんはどこに引くのがよいと思いますか。
- お客様の前で迷ったときは、「担当の課長に確認して、今日中にお返事します」と伝えてもらえれば大丈夫です。
任せた範囲は、仕事に慣れてきたら少しずつ広げていきます。広げるときも、理由と一緒に伝えましょう。
- 浴室の工事は、この半年、○○さんの見積もりで問題が出ていません。来月からは、浴室の追加工事の見積もりを、○○さんの判断で出してもらおうと考えています。どうでしょうか。
マネージャーの責任: 任せたあとも結果を引き受け、 部下と一緒に負う
マネージャーの責任は、任せた仕事で問題が起きたときに表れます。任せたあとも、結果への責任はマネージャーに残ります。お客様や他部署への説明はマネージャーが引き受け、部下とは原因を一緒に整理しましょう。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司も部下も両方が当事者であり、上司だけ、部下だけに責任を負わせるものではないと考えています。部下の判断で起きたことも、マネージャーの任せ方や伝え方とつながっているからです。
- 工期の遅れは、お客様には私からもご説明します。工程の見直しを、私が先に相談していれば防げたかもしれません。
- 責めるためにお聞きするのではありません。次の現場で同じことが起きないように、どこで予定がずれたのかを一緒に整理させてください。
- 職人さんの手配が重なったのは、私が別の現場の予定を伝えていなかったからです。次からは、月曜の朝に全員の予定を共有します。
- ○○さんの判断で進めてもらった部分も、課の仕事として私が引き受けます。気になっていることがあれば、遠慮なく話してください。
一方で、決めてよい範囲の中で部下が判断したことは、その結果を早めに上司と共有する、という約束を二人で決めておくと安心です。
- ○○さんが決めたことは、その日のうちに一言教えてもらえると助かります。お客様から課に問い合わせがあったときに、○○さんが現場に出ていても、すぐにお答えできるからです。
権限の外のことを部下から求められたときは、決められないことを正直に伝え、誰に何を伝えるのかを具体的に話します。
- 給与のことは、私だけでは決められません。今日伺ったことは、評価の面談のときに部長にもお伝えします。
- 来期に担当する現場は、まだ決まっていません。○○さんの希望を伺っておいて、決める場で私からお伝えします。
マネージャーの権限と責任の使い方で、 避けたいこと
避けたいのは、権限と責任のどちらかに偏った使い方です。抱え込みすぎても、任せきりにしても、部下の仕事は前に進みにくくなります。
- 権限を抱え込み、すべてを自分で決める。小さな判断まで上司の確認を待つことになり、部下の仕事が止まります。部下が判断の経験を積む機会もなくなります。
- 逆に、範囲を決めずに任せきりにする。何を決めてよいのかが分からないまま任されると、部下は判断に迷い、結果の責任だけを負うことになります。
- 問題が起きたとき、責任を部下だけに負わせる。原因を部下の不注意だけに求めると、次から相談が遅れやすくなります。
- 逆に、責任を一人で抱え、部下には何も伝えない。部下は何が起きたのかを知らないまま、同じ判断を繰り返すかもしれません。
- 権限の外のことを約束する。昇給や異動、評価の結果のように、自分だけでは決められないことは約束しません。決める人と、決まる時期を伝えます。
マネージャーの権限と責任の使い方を、 どこで振り返るか
権限と責任の使い方がうまくいっているかは、マネージャーが忙しく判断しているかでは分かりません。部下が迷わずに仕事を進められているかと、問題が起きたときに二人で次の手を決められたかで振り返ることができます。1か月ほどを区切りに、次のように見直してみてください。
- 部下から「これは決めてよいですか」と尋ねられることが続いたなら、次の1on1で、決めてよい範囲を一緒に見直しましょう。
- 自分の確認待ちで止まっている仕事があったなら、そのうちの1つを、次の月から部下の判断に任せてみてください。
- 問題が起きた現場で、原因を部下に尋ねただけで終わっていたなら、次は、自分の任せ方や伝え方で変えることも1つ伝えてみてください。
- 規程や上司の言葉で確かめていない判断を続けていたなら、次の上司との面談で、範囲を一度確認しておくと安心です。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
仕事を任せる範囲や、誰が判断するのかがはっきりしないまま話が終わり、あとで二人の理解が食い違ってしまうときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の最中、次の一歩の候補が出るとき。
部下に任せることと上司が引き受けることを、 1on1の中で担当と期限の形にして分けられます。
会話の中から次に取り組むことが出てくると、Kakeai AI がその発言をもとに次の一歩の候補を作り、担当と期限を入力していきます。上司が引き取ったことが候補になることもあります。決めるのはお二人で、どちらからも「決定する」をクリックできます。終わり際に球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)を押すと、部下の分と上司の分を分けて確かめようという提案が出ることもあります。
残り3分ほどです。今日話した「仕様書の体裁」と「試作工程と海外仕様」の件で、柳瀬さんが石田さんへの確認を引き取り、長谷部さんが両工程を用意する形になっています。この二つ、期限や連絡のタイミングをお二人でここで一つ確かめておきますか。
1on1の最中と終了後、「1on1のAI要約」で。
部下が自分で決めてよい範囲と、 上司が判断することの分け方を、 あとから二人で同じ記録で見返せます。
Kakeai AI が、話のまとまりごとの要点に、何が決まり、誰が何を担当し、どの判断を誰が行うかを、話した内容をもとに書きます。お二人の画面に同じ内容が表示されます。
Gマーク認証は必須でなく要望として表に入れており、取得要否の判断は柳瀬さん側(営業含む)が行う。
相手との「概要」の画面のダイジェストで。
決めたことが実行まで進んだかを二人が同じ文章で確かめてから、 次に試すことを話し合えます。
ダイジェストは、この半年のお二人の1on1を Kakeai AI が文章にしたものです。これまでの流れ、いま途中になっている話とそれが誰の手元にあるか、決まった次の一歩とその実行の順に書かれ、1on1が終わるたびに書き直されます。お二人に同じものが表示されます。
…6月22日の「バンコク要件確認」の話から、小野寺さんがタイ拠点(バンコク)との要件確認…を7月6日までに行うことが決まっています。決まった一歩は2件、実行済みは1件です。
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よくある質問
マネージャーと責任者は、 同じ意味ですか。
マネージャーと責任者は、会社によって使い方が異なります。マネージャーは、部下の仕事を決めて評価する役職の呼び方として使われる一方で、責任者は、案件や拠点など特定の仕事に責任を持つ人を指す言葉として使われることもあります。責任者に部下の評価や勤怠の承認の権限があるかどうかは、職務権限の規程と辞令で確認してください。
マネージャーには、部下の人事権がありますか。
マネージャーが部下の人事にどこまで関わるかは、会社によって異なります。採用や異動、昇格や給与の最終的な決定は、人事や経営が行う会社もあります。マネージャーは、一次評価や配置への意見を出す形で関わる例があります。自分の権限の範囲は、職務権限の規程を読み、自分の上司と人事の担当に確認しておくと安心です。
部下のミスの責任は、 マネージャーが取るべきですか。
部下に任せた仕事で起きたミスでも、結果への責任はマネージャーにも残ります。お客様や他部署への説明はマネージャーが引き受け、部下とは、原因を責めずに一緒に整理するとよいでしょう。部下の判断で起きたことも、任せ方や伝え方とつながっているからです。就業規則に関わる扱いが必要な場合は、人事の担当に相談してください。
権限がないのに、責任だけ負わされていると感じるときは、 どうすればよいですか。
権限がないのに責任だけを負わされていると感じるときは、まず自分の上司に、決めてよい範囲を具体的な場面で尋ねてみてください。「この見積もりは、私の判断で出してよいですか」のように、実際の仕事で聞くと答えが得やすくなります。そのうえで、責任を持つには決める権限が必要な事柄を挙げ、範囲を広げられないかを相談します。
マネージャーは、部下の労働時間に責任がありますか。
マネージャーは、部下の働く時間や体調に気を配り、仕事の量や優先順位を調整する立場にあります。ただし、法律の上でどこまで責任を負うかは、会社の規程と状況によって異なり、言い切ることはできません。就業規則を読んだうえで人事の担当に確認し、必要に応じて専門家に相談してください。
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出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/manager-authority-and-responsibility
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: