上司の方へ部下との関わり
部下のタイプ別の叱り方
先に答え
部下のタイプ別の叱り方を考えるときは、部下を性格で分けるより、何が起きたのかと叱ったときの部下の様子で、伝え方を分けることをおすすめします。初めての誤りや上司が基準を伝えていなかったときは、叱るより基準を伝えます。約束が守られなかったときや同じことが続くときは、事情を先に聞いたうえで、守られなかった点を短く伝えます。叱ったあとに黙り込む、言い返す、落ち込むといった様子は同じ人でも場面で変わるので、その場の様子に合わせて次の一言を選んでください。
数字で見る
KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)として「話を聞いてほしい」を選んだ人は20.8%で、それだけを選んだ人は3.2%でした。「その時々によって違う」を選んだ人も28.7%います。面談についての数字ですが、叱る場面でも、部下を性格のタイプに当てはめて叱り方を決めるより、起きたことと本人の様子で伝え方を選ぶことをおすすめします。
- 3.2%
- 1万人調査
- 面談で上司に期待すること(5つまで選択)として、「話を聞いてほしい」だけを選んだ人の割合
- 「話を聞いてほしい」を選んだ人は20.8%で、その多くはほかの選択肢もあわせて選んでいました。1人の部下が上司に求めることは、1つとは限りません。
- 28.7%
- 1万人調査
- 面談で上司に期待すること(5つまで選択)として、「その時々によって違う」を選んだ人の割合
- 選べる答えの中で4番目に多い答えでした。同じ人でも、回によって上司に求めることが変わる場合があると答えた人が、少なくありません。
1万人調査は、上司との面談で上司に期待することを尋ねたもので、叱られる場面や部下の性格は尋ねていません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
部下のタイプ別の叱り方は、 性格ではなく、起きたことと叱ったときの様子で分ける
部下のタイプ別の叱り方を考えるときは、部下を性格で分けるより、何が起きたのかと叱ったときの部下の様子で、伝え方を分けます。同じ人でも、起きたことや、その日の状況によって、受け取り方は変わるからです。
ここでは、請求書の発行を任せている部下が、金額の誤りや発行の遅れを出した場面を例にします。分け方は、次の2つです。
- 何が起きたかで、上司が伝えることを決めます。初めての誤りか、約束が守られなかったのか、同じことが続いているのか、お客様に影響が出ているのかで話す中身が変わります。
- 叱ったときの様子で、その場の次の一言を選びます。黙り込む、言い返す、落ち込む、すぐに謝って終わろうとするといった様子は同じ人でも場面によって変わります。
部下を性格のタイプで分けて叱り方を決めると、 外れることがある
「打たれ弱い人には優しく」「反発する人には理詰めで」のように、性格で分けて叱り方を決めておくと、その日の本人に合わないことがあります。部下が上司に求めることは、1人の中でも1つとは限らないからです。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)として「話を聞いてほしい」を選んだ人は20.8%でした。一方で、「話を聞いてほしい」だけを選んだ人は3.2%です。聞いてほしいと答えた人の多くが、ほかの選択肢もあわせて選んでいて、1人が上司に求めることは1つとは限らないということです。
KAKEAIの1万人調査では、同じ問いで「その時々によって違う」を選んだ人が28.7%いました。選べる答えの中で、4番目に多い答えです。同じ人でも、回によって上司に求めることが変わる場合があると答えた人が、少なくないことを示しています。
面談についての数字ですが、叱る場面でも、部下を1つの性格のタイプに当てはめて叱り方を決めておくと、その日の本人に合わないことがあると考えられます。
KAKEAIは、1つの叱り方の型を、どの場面にも当てはめることをおすすめしません。性格で決めた型も、起きたことや本人の様子が違えば、合わなくなるからです。
性格で推し量る代わりに、普段の1on1など落ち着いて話せるときに、指摘を受け取りやすい形を本人に尋ねておくのも1つの方法です。答えは変わることもあるので、ときどき尋ね直しましょう。
- 仕事で気になることがあったとき、私からどう伝えると受け取りやすいですか。その場で短く言うのと、あとで時間を取って話すのとでは、どちらが話しやすいでしょう。
- 言い方が強すぎると感じたときは、遠慮なく教えてください。
起きたことで分ける部下の叱り方と、 最初の一言
何が起きたかによって、上司が伝えることは変わります。どの場面でも、話は人柄ではなく、起きたことと仕事の基準に絞ります。
| 起きたこと | 上司が伝えること | 最初の一言 |
|---|---|---|
| 初めての | 叱るより | 「単価の |
| 二人で | 事情を | 「発行の |
| 同じことが | 前回 | 「前回 |
| お客様に | まず二人で | 「先方への |
初めての誤りでは、上司が基準を伝えていたかどうかを先に振り返ります。伝えていなかったなら、叱るのではなく、基準と理由を伝える場にします。
- 今月の△△社さんへの請求書で、単価が先月のままになっていました。改定のお知らせが、私のところで止まっていたんです。
- 改定後の単価表を、一緒に見てもらえますか。
二人で決めた約束が守られなかったときは、事情を先に聞き、守られなかった点を短く伝えます。約束の理由も、あわせて伝え直しましょう。
- 金額の誤りを二人で防ぐために、発行の前に私も一度確認する約束でした。今回はそのまま送られていたので、何か事情があったのか教えてもらえますか。
- 急ぎだったんですね。急ぎのときは、私が席にいなくても、チャットで声をかけてもらえればすぐに確認します。
同じことが続いているときは、叱り方を強める前に、前回決めた対策が行われたのか、行っても防げなかったのかを尋ねます。行っても防げなかったなら、見直すのは対策のほうです。
- 単価表との照合は、今回もしてくれていたんですね。それでも誤りが出たなら、照合の手順のほうを変えたほうがよさそうです。
お客様に影響が出ているときは、まず二人で対応を進め、原因の話は対応が落ち着いてからにします。
- △△社さんから金額の問い合わせが来ています。訂正した請求書の送付とお詫びを、先に一緒に進めましょう。
叱ったときの部下の様子で変える、 次の一言
叱ったあとの部下の様子は、同じ人でも場面によって変わります。様子に合わせて、次の一言を選んでください。
黙り込んだとき
黙り込んだときは、答えを急がせず、上司の言い方が強すぎなかったかも振り返ります。
- 急いで答えなくて大丈夫です。話せるところから教えてください。
- 私の言い方が強かったかもしれません。責めたいのではなく、次の請求書をどう進めるかを一緒に決めたいんです。
言い返してきたとき
言い返してきたときは、言い方を注意する前に、まず話の中身に答えます。知らなかった事情が出てきたら、上司の見方を見直します。
- 単価の改定が営業から届いていなかったんですね。それは私も知りませんでした。届いていなかった経緯を、教えてもらえますか。
- 教えてくれてよかったです。次の改定からは、営業から私にも連絡が来るように頼んでおきます。
落ち込んだり、涙ぐんだりしたとき
落ち込んだ様子のときは、起きたことの話と、本人の仕事全体の話を分けて伝えます。
- 話してくれて、ありがとうございます。今回の誤りは、手順のどこかで確認が抜けたということで、○○さんの仕事全体の話ではありません。
- 少し時間を置いてから、続きを話しましょうか。
すぐに謝って、 話を終えようとするとき
すぐに「すみません」で終わりそうなときは、謝罪を受け取ったうえで、次にどうするかを一緒に考える時間を取ります。
- 謝ってくれて、ありがとうございます。ただ、謝ってもらうことより、次にどうすれば防げるかを一緒に考えたいんです。どこで確認が抜けたと思いますか。
部下を叱るときに避けたいことと、 ハラスメントが心配なとき
避けたいのは、強く叱りすぎることと、叱るべきときに何も言わずにおくことの両方です。
- 人前で叱る。同僚の前で叱られると、本人には起きたことより、恥ずかしさのほうが残りがちです。
- 人柄や性格を言葉にする。「あなたはいつも雑だ」と言われても、部下は何を変えればよいのかがわかりません。
- 以前の誤りまで持ち出す。何か月も前のことまで並べられると、部下は今回の話のどこを直せばよいのかがわかりにくくなります。
- 性格のことを本人に告げる。「○○さんは、そういう性格だから」と言われると、部下は自分を決めつけられたように感じます。
- 逆に、気まずさから何も言わずにおく。お客様に影響が出ているのに伝えずにいると、本人は次に防ぐ手がかりを得られません。
大きな声を出す、人格を否定する言葉を使う、長い時間叱り続ける、といった叱り方は避けてください。そのうえで、どのような叱り方がハラスメントに当たるかは、上司が一人で判断しないようにしましょう。迷うときは、就業規則を確認し、人事の担当に相談してください。
叱ったあと、 次の請求書の発行で二人のやり取りを振り返る
叱ったあとは、その場の「わかりました」より、次の同じ仕事で二人のやり取りがどうだったかを振り返ります。
- 叱る前に事情を聞けていたら、次は、その事情に上司の側で手を打てることがないかを考えてみてください。
- 二人で決めた手順が次の請求書で使えていたら、そのことを次の1on1で言葉にして伝えましょう。
- 同じ誤りが続いたときは、本人の注意力を問う前に、手順や仕事の割り振りを二人で見直します。
- 叱ったあとに相談が減ったと感じたら、上司から請求書の進み具合について声をかけ、話しかけやすい雰囲気をつくります。
- 今月の請求書は、照合の手順を変えてから誤りが出ていませんね。手順の見直しを一緒に考えてくれて、ありがとうございました。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
注意や指摘を伝える必要があるのに、切り出し方に迷って先送りしたり、伝えたあとに受け止めてもらえたのかがわからなかったりするときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の前に、「メンバーに伝えたいこと」に入力して。
注意したいことを、どの話題の流れで切り出すかを、 1on1の前に考えておけます。
マネジャー権限でご自身のメンバーと行う1on1では、「予定・履歴」の次の1on1のカードの「メンバーに伝えたいこと」に、切り出したいことを入力できます。保存すると「1on1前のAIアドバイス」が書き直され、どの話題の流れの中で切り出すと自然かが示されます。入力した内容は部下には表示されず、ご自身向けのアドバイスにだけ使われます。
伝える1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
伝える中身だけでなく、 部下が何を求めているかに合わせた切り出し方を、 1on1の前に考えておけます。
Kakeai AI が、部下が選んだ期待する対応(「具体的なアドバイスが欲しい」など)とこれまでの1on1を踏まえて、どう切り出すとよいかと、最初の一言の案を書きます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。
競合の範囲と情報源については、自分がやってきた中でこういう切り方をしていた、という話をまず共有しますね。そのうえで、森さんが今どこで迷っているかを聞かせてもらえますか。
伝えた1on1の終了後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。
言いっぱなしになった指摘や問いに、 次の1on1でどう戻るかを、 具体的な一言で準備できます。
ご自身の返し方で部下の話が途中で終わった場面や、部下が答えに詰まったまま次の話に移った場面があると、次の1on1でその話にどう戻るかの一言の案が書かれることがあります。言い方が悪かったという指摘ではなく、次に試すこととして書かれます。ご自身向けの内容です。
加藤さんが何を怖れているのか、もう少し聞ける余地が残っています。…次回、昇格試験の準備状況を確認するタイミングで、「社内の評価の場面って、具体的にどんなときが一番きつい?」と一問戻してみませんか。
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よくある質問
叱ったあとに部下が落ち込んでしまったときは、 どうすればよいですか。
叱ったあとに部下が落ち込んでしまったときは、起きたことの話と、本人の仕事全体の話を分けて伝えます。たとえば「今回の誤りは、手順のどこかで確認が抜けたということで、○○さんの仕事全体の話ではありません」と伝えます。そのうえで、続きの話は少し時間を置いてからにするかを本人に尋ねるとよいでしょう。上司の言い方が強すぎなかったかも、あわせて振り返ってください。
叱ったときに部下から言い返されたら、 どう対応すればよいですか。
叱ったときに部下から言い返されたら、言い方を注意する前に、まず話の中身に答えます。上司が知らなかった事情が出てきたときは、経緯を詳しく聞き、必要なら上司の見方を見直しましょう。その場で「言い方は、あとで話しましょう」と予告すると、部下が伝えたかった中身が置き去りになりがちです。言い方が気になったときは、落ち着いてから別の機会に話します。
部下の性格に合わせて叱り方を変えるのは、 よいことですか。
部下の性格を推し量って叱り方を決めておくと、その日の本人に合わないことがあります。同じ人でも、起きたことや状況によって受け取り方が変わるからです。性格で決める代わりに、何が起きたかで伝えることを決め、叱ったときの様子で次の一言を選ぶほうが、その日の本人に合います。指摘を受け取りやすい形は、普段の1on1で本人に尋ねておくとよいでしょう。
叱ったときに「はい」と言ったのに、 次も同じことが起きたときはどうすればよいですか。
叱ったときに「はい」と言ったのに次も同じことが起きたときは、叱り方を強める前に、前回決めた対策が行われたのか、行っても防げなかったのかを尋ねてください。行われていなかったなら、行えなかった事情を聞きます。行っても防げなかったなら、見直すのは対策のほうです。手順や仕事の割り振りを、二人で決め直しましょう。
部下の叱り方が、 パワハラにならないか心配です。
部下の叱り方がパワハラにならないか心配なときは、上司が一人で判断せず、就業規則を確認し、人事の担当に相談してください。叱り方としては、大きな声を出すことや人格を否定する言葉、人前で叱ること、長い時間叱り続けることは避けましょう。話は起きたことと仕事の基準に絞り、部下の事情を先に聞いて、次にどうするかを一緒に決める形にします。
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出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/scolding-by-situation-not-type
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: