上司の方へ部下との関わり
責任感がない部下への対応
先に答え
部下に責任感がないと感じたら、「責任感」という言葉で伝える前に、気になっている行動を具体的に分けてください。期限を過ぎても連絡がない、「担当ではない」と言う、引き受けたことが途中で止まる、といった行動です。部下の側には、期限の大事さが伝わっていない、担当の範囲が決まっていない、判断に迷っているなどの事情があるかもしれません。まず今の状況と事情を尋ね、そのうえで、担当の範囲と期限、自分で判断してよいことを二人で決め直すことをおすすめします。上司が引き受けたことも、同じように期限を決めて守りましょう。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談で話したことが行動に移らない理由として、時間の制約や今急ぐ必要を感じていないことなど、さまざまな答えが挙がっていました。上司が面談での約束を守らないと感じている人は、面談の成果を実感している割合が低くなっています。部下の行動だけを見て人柄を判断せず、事情を尋ねたうえで、上司の約束も同じように守ってください。
- 15.4%
- 1万人調査
- 面談が行動につながらない理由(5つまで選択)として、「時間やコストの制約で動けない」を選んだ人の割合
- 面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人に尋ねた結果です。「今動く必要性を感じていない(緊急度が低い)」は13.4%、最も多い「その時々によって違う」は26.1%で、理由は1つに決まらず、人によってさまざまです。
- 23.2%
- 1万人調査
- 上司が約束を守らないという困りごとを挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- この困りごとを挙げた人は、回答者全体の6.2%でした。その人たちが面談の成果を実感している割合は、回答者全体の31.9%より低くなっています。上司が約束を守っていないと感じている人は、成果を実感しにくい傾向があります。
1万人調査は、上司との定期的な面談について部下の立場で尋ねたもので、部下の責任感については尋ねていません。行動につながらない理由は、面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた6,074人に尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
部下に責任感がないと感じたら、 まず気になる行動を分ける
部下に責任感がないと感じたら、「責任感」という言葉で伝える前に、気になっている行動を具体的に分けてみてください。「責任感」は人柄を表す言葉なので、そのまま伝えても、部下は何を変えればよいのかが分かりません。行動に分けると、行動ごとに部下の側の事情が見えてきます。
| 気になる行動 | 部下の側にありうる事情 | 上司が最初にすること |
|---|---|---|
| 期限を | 期限が | 責める |
| 「それは | 担当の | どこまでが |
| 引き受けたことが | 判断に | 止まっている |
| ミスを | 評価への | 原因 |
表の事情は、あくまで「ありうる」ものです。どれに当たるかは、部下に尋ねてみないと分かりません。
責任感がないように見える行動と、 部下の側の事情
責任感がないように見える行動の裏には、上司からは見えていない事情が部下の側にあるかもしれません。上司から見えている行動だけで、部下の気持ちを判断しないことが出発点です。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人(6,074人)に、その理由を尋ねています(5つまで選択)。「時間やコストの制約で動けない」を選んだ人は15.4%、「今動く必要性を感じていない(緊急度が低い)」は13.4%でした。最も多かったのは「その時々によって違う」で、26.1%です。つまり、話したことが行動に移らない理由は1つに決まらず、時間の制約や今急ぐ必要を感じていないことも含めて、さまざまです。面談についての数字ですが、責任感がないように見える行動の裏にも、部下の側のさまざまな事情があると考えられます。
事情が分からないまま「もっと責任感を持ってほしい」と伝えても、部下は何を変えればよいのかが分かりません。まず、どの行動が気になっているのかを具体的にし、その行動について部下の事情を尋ねることをおすすめします。
部下に責任感がないと感じる場面ごとの、 最初の一言
最初の一言は、行動の事実と、上司が知りたいことを伝える形にします。以下では、マーケティングの部署で、秋の展示会の出展準備を部下に任せている場面を例にします。
期限を過ぎても連絡がないとき
期限を過ぎても連絡がないときは、遅れたことを責める前に、今の状況と見通しを尋ねます。あわせて、早めに知らせてほしい理由を、仕事の都合として伝えるとよいでしょう。
- 展示会の配布資料は、昨日が入稿の期限でしたね。今どこまで進んでいるか、教えてもらえますか。
- 間に合わないかもしれないと分かった時点で教えてもらえると、印刷会社に相談する時間が取れて助かります。
- 今回は、私から印刷会社に入稿日の相談をしてみます。次からは、遅れそうなときは前日までに声をかけてもらえますか。
「それは私の担当ではない」と言われたとき
担当ではないと言われたときは、言い返す前に、部下が担当の範囲をどう受け取っていたのかを尋ねます。範囲を決めていなかったのであれば、上司の伝え方を見直す機会です。
- 来場者リストの整理は、○○さんにお願いしているつもりでいました。○○さんは、どう受け取っていましたか。
- 私の伝え方が、あいまいだったかもしれません。展示会の準備で○○さんにお願いしたいことを、ここで一緒に書き出しませんか。
- ほかの仕事で手一杯であれば、そのことも教えてください。優先順位を一緒に決め直しましょう。
引き受けたことが途中で止まっているとき
止まっている仕事があるときは、どこで迷っているのかを尋ね、上司が出せる情報や判断があれば、その場で伝えます。
- ブースの装飾の発注が、先週から止まっているようです。どこで迷っているか、教えてもらえますか。
- 予算の上限が決まっていないと、発注先を選べませんよね。上限は、私が今日中に部長に確認します。
- 決めるために、ほかに足りない情報はありますか。
ミスを認めず、 人のせいにするように聞こえるとき
ミスの話で部下が言い訳をしているように聞こえるときも、原因を問い詰めるより先に、次の手を一緒に決めます。原因は、落ち着いてから二人で整理するほうが、事実を確かめやすくなります。
- 原因は、あとで一緒に整理しましょう。まず、来場者への案内をどう直すかを決めたいです。
- 私の確認の仕方にも、見直すところがあると思っています。次の展示会に向けて、二人で手順を見直しませんか。
仕事を任せるときに、 担当の範囲と期限を二人で決める
責任感がないように見える行動は、仕事を任せる時点で、担当の範囲・期限・自分で判断してよいこと・困ったときの相談先を二人で決めておくと、起こりにくくなることがあります。次の4つを、任せるときに言葉にしておきます。
- 担当の範囲:どこからどこまでを任せるのか。
- 期限:いつまでに、何がそろっていればよいのか。
- 判断してよいこと:部下が自分で決めてよいことと、先に相談してほしいこと。
- 相談先:困ったときに、誰に声をかければよいのか。
- 展示会の準備のうち、配布資料と来場者リストは、○○さんにお願いしたいと考えています。ブースの装飾は、私と一緒に進めましょう。
- 印刷会社を選ぶのは、○○さんの判断で進めてかまいません。予算を超えそうなときだけ、先に相談してください。
- 困ったときは、まず私に声をかけてください。私が不在の日は、△△さんに相談してもらえれば大丈夫です。
- 途中で迷ったら、決めきれていなくても早めに相談してください。一緒に考えたほうが早く進むこともあります。
- 私のほうは、来週の水曜までに、印刷の予算の上限を決めてお伝えします。
上司が引き受けたことも、部下にお願いすることと同じように、いつまでに何をするかを言葉にしておきます。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとに「会話したことを上司が日常にいかさない・約束を守らない」を挙げた人が6.2%いました。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は23.2%で、回答者全体の31.9%を下回っています。上司が約束を守っていないと感じている人は、面談の成果を実感しにくい傾向があります。
KAKEAIは、上司も部下も、両方が当事者だと考えています。期限を守ることを部下にお願いするなら、上司が引き受けたことも、同じように期限を決めて行いましょう。
部下に責任感がないと感じるときに、 避けたい関わり方
- 「責任感を持ってほしい」とだけ伝えること。どの行動を、どう変えてほしいのかが部下に伝わりません。
- 人前で、遅れやミスを指摘すること。部下は、次から遅れを言い出しにくくなります。指摘は、二人で話せる場で行いましょう。
- 何も言わずに、仕事を取り上げること。仕事を外された理由が分からないままになり、次に何を任されるのかも見えにくくなります。
- 反対に、何も言わずに、上司が穴を埋め続けること。上司の負担が増えるうえ、部下は何が足りなかったのかを知る機会を失います。
- 評価シートに、「責任感がない」と人柄の言葉で書くこと。書くなら、どの仕事でどんな遅れがあったのかと、次の期に何を期待するのかを書きましょう。
何度伝えても期限の遅れが続き、体調や家庭の事情が関係していそうなときは、仕事の話だけで解決しようとしないでください。本人の了解を得たうえで、人事の担当や産業医に相談しましょう。
関わり方を変えたあと、 二人の仕事の進め方はどう変わったか
1〜2か月たったら、部下の責任感が上がったかどうかではなく、二人の仕事の進め方がどう変わったかを振り返ってみてください。
- 仕事を任せるときに担当の範囲と期限、判断してよいことを二人で言葉にできていれば、途中で迷ったときに部下も相談しやすくなります。
- 遅れそうなときに、期限より前に部下から声がかかるようになっていたら、その知らせを責めずに受け取り、一緒に手を打ちます。
- 止まっている仕事があったときに、責める前に理由を尋ねていたかを、上司自身が振り返ります。尋ねていなければ、次の回から理由を先に尋ねることから始めます。
- 上司が引き受けたことを伝えた期限までに行えていたら、そのことも部下に伝えます。遅れたときは、部下にお願いしているのと同じように、早めに知らせます。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
仕事を任せたあとの進み具合が見えず、細かく口を出しすぎるか、任せきりになるかで迷うときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
報告を受ける1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
任せた仕事の出来だけでなく、 部下が途中で何を考えて決めたのかを聞いてから、 中身を一緒に確かめられます。
部下が「この1on1へのメモ」に書いた内容や、選んだ期待する対応(「報告したい」など)を踏まえて、報告をどの順で受け取るとよいかが書かれます。部下が自分の判断で加えたことを先に尋ねる、といった入り方が示されることもあります。ご自身向けの内容です。
インドの地元1社が加わっていることも含め、実際に調べてみて変わったことや気づいたことを先に聞いてから、表の中身を一緒に見ていくと、森さんが何を判断して今の形にしたかが見えてきます。
仕事を任せる1on1の実施中に。
任せる仕事の期限を、 部下の考えを聞きながら、 1on1の中で二人で決めておけます。
会話の中から次に取り組むことが出てくると、Kakeai AI が次の一歩の候補を作り、話に出た担当と期限を入れます。期限が決まっていない候補が残っているときに右の列の下の球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)をクリックすると、いつまでにするかを二人で決める提案が出ることがあります。決めるのはお二人で、「決定する」はどちらからもクリックできます。
残り4分ほどです。今日話した「一次調査の報告」の件で、一歩の候補が2つ出ています。「競合調査の表に代理店が日系か現地かの列を追加する」と「試算のやり方に割合の根拠(理由)を書く手順を入れる」、それぞれいつまでにやるかをお二人で一つ確かめて終わりませんか?森さん、いかがでしょう?
任せた1on1の終了後に、「今回よかった点」で。
口を出した場面と任せた場面のそれぞれで何が起きたかを、 具体的な発言で振り返れます。
部下が自分で考えた進め方を受け止めた場面や、ご自身が先に一言添えた場面が、実際の発言とともに書かれます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。
要件表の項目についても「こっちで一回作ってみて」という小野寺さんの進め方を「それでいいと思う」と任せた判断は、相手が動きやすい余白を作っています。
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よくある質問
責任感がない部下に、 どう伝えればよいですか。
部下に責任感がないと感じたときは、「責任感を持ってほしい」と人柄の言葉で伝えるより、気になっている行動を具体的に伝えるほうが、何を変えればよいのかが部下に分かります。たとえば「昨日が入稿の期限でしたね。今どこまで進んでいるか、教えてもらえますか」のように、事実と、上司が知りたいことを伝えます。続けて、遅れた事情を尋ね、次からどうするかを二人で決めるとよいでしょう。
部下が「それは私の仕事ではない」と言うときは、 どうすればよいですか。
部下に「それは私の仕事ではない」と言われたときは、言い返す前に、部下が担当の範囲をどう受け取っていたのかを尋ねてください。担当の範囲を言葉にして決めていなかったのであれば、上司の伝え方を見直す機会です。ほかの仕事で手一杯という事情があれば、優先順位を一緒に決め直します。そのうえで、どこまでを任せるのかを、二人で書き出しておきます。
責任感を持ってもらうために、 大きな仕事を任せたほうがよいですか。
大きな仕事を任せること自体は、部下にとって機会になります。ただし、担当の範囲・期限・自分で判断してよいこと・困ったときの相談先を決めずに任せると、途中で止まりやすくなります。任せる仕事の大きさより、任せるときにこの4つを二人で言葉にしておくことを大事にしてください。上司が引き受けることも、期限と一緒に伝えておきましょう。
責任感がない部下を、 評価ではどう扱えばよいですか。
部下に責任感がないと感じているときの評価では、「責任感がない」と人柄の言葉で書かず、どの仕事でどんな遅れや中断があったのかを、評価の基準に照らして書くことをおすすめします。あわせて、次の期に期待する行動を具体的に書きましょう。評価の時期を待たず、普段の面談で評価の基準を一緒に見ておくと、期末に初めて伝えることも避けられます。
何度伝えても期限を守らない部下には、 どうすればよいですか。
何度伝えても期限の遅れが続くときは、期限の前に途中の確認日を決め、どこで止まりやすいのかを二人で見つけることから始めるとよいでしょう。任せる範囲が広すぎる場合は、範囲を小さくして進め直します。体調や家庭の事情が関係していそうなときは、仕事の進め方だけで解決しようとせず、本人の了解を得たうえで、人事の担当や産業医に相談してください。
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出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/subordinate-lacking-sense-of-responsibility
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: