上司の方へ部下との関わり
ルールを守らない部下への対応
先に答え
ルールを守らない部下への対応は、守らない理由を分けて考えることから始めます。決まりを知らなかったのか、知っていても出張や繁忙期などで守れない事情があるのか、決まりの理由に納得していないのかで、上司がかける言葉は変わるからです。「守ってください」と繰り返したり、人柄の話にしたりせず、二人で話せる場で事情を尋ね、決まりの理由を上司の言葉で伝えてください。守れない事情があれば段取りを一緒に考え、決まりに反するおそれがあるときは、上司が一人で判断せず、就業規則を確認して人事に相談します。
数字で見る
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談を、会社や組織の考えや状況を理解する場としても使っている人が少なくありませんでした。また、面談をしている一番の理由が会社や上司から言われているためという人は、自分の仕事を進めるためという人より、面談の成果を実感している割合が低くなっていました。面談についての数字ですが、決まりの理由を話す場に面談を使うことは、会社の考えを知る場としても面談を使っている部下の側の使い方と合っています。
- 38.5%
- 1万人調査
- 面談をしている理由(5つまで選択)に「会社や組織の考えや状況を理解するため」を選んだ人の割合
- 最も多い「自分の仕事を進めるため」(52.8%)に次いで、2番目に多い答えでした。上司との面談を、会社の考えや状況を知る場としても使っている人が少なくありません。
- 12.5%
- 1万人調査
- 面談をしている一番の理由が、会社や上司から言われているためという人のうち、成果を実感している人の割合
- 一番の理由が「自分の仕事を進めるため」の人では41.2%でした。同じ面談でも、本人が自分の理由を持って臨んでいるかどうかで、成果の実感に大きな差があります。
1万人調査は、上司との面談について尋ねたもので、職場の決まりを守っているかどうかや、その理由は尋ねていません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
ルールを守らない部下への対応は、 守らない理由を分けることから始める
ルールを守らない部下への対応は、なぜ守られていないのかを分けて考えるところから始めます。決まりを知らなかったのか、知っていても守れない事情があるのか、決まりの理由に納得していないのかで、上司が最初にかける言葉は変わるからです。
ここでは、経費精算を毎月25日までに、領収書の原本を添えて出す決まりがある部署で、部下の精算が締め日を過ぎることが続いている場面を例にします。
| 場面 | よくある様子 | 上司の最初の一言 |
|---|---|---|
| 決まりを | 異動してきたばかりで、 | 「この部署の |
| 知っていても | 月末に | 「締め日の |
| 決まりの | 「数日 | 「締め日がある |
| 決まりに | 領収書の | その場で |
表の最初の3つの場面のどれに当たるかは、本人と話してみないとわかりません。「だらしない」「意識が低い」と人柄の話にする前に、まず事情を尋ねてください。
ルールを守ってほしいときは、 決まりの理由を上司の言葉で話す
決まりを守ってほしいときは、「守ってください」と繰り返すより、なぜその決まりがあるのかを、上司が自分の言葉で話すことをおすすめします。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談をしている理由(5つまで選択)として、「会社や組織の考えや状況を理解するため」を選んだ人が38.5%いました。最も多い「自分の仕事を進めるため」(52.8%)に次ぐ答えです。面談を、会社の考えや状況を知る場としても使っている人が少なくないということです。
KAKEAIの1万人調査では、面談をしている一番の理由が、会社や上司から言われているためという人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は12.5%でした。一番の理由が「自分の仕事を進めるため」の人では41.2%です。同じ面談でも、本人が自分の理由を持って臨んでいるかどうかで、成果の実感に大きな差があるということです。
面談についての数字ですが、決まりの理由を話す場に面談を使うことは、会社の考えを知る場としても面談を使っている部下の側の使い方と合っています。
決まりの話は、守ってほしいと伝えるだけの時間にせず、理由と事情を話し合う時間にするとよいでしょう。経費精算の締め日であれば、理由は、経理が月末までにその月の費用をまとめる必要があることや、立て替えた本人に早く精算金を振り込めることなどです。上司自身が理由を知らないときは、経理の担当者に確認してから伝えましょう。
- 締め日が25日なのは、経理で月末までに今月の費用をまとめる必要があるからなんです。遅れた分は、経理の方が毎月まとめ直してくれています。
- ○○さんが立て替えたお金も、締め日に間に合えば翌月10日に振り込まれます。遅れると1か月先になってしまうので、それも気になっていました。
- 私も、理由まではきちんと伝えていませんでした。ほかにも、意味がわかりにくい決まりがあれば教えてください。
場面ごとの、ルールを守らない部下への伝え方と最初の一言
伝え方は、場面に合わせて変えてください。どの場面でも、人前ではなく二人で話せる場を選び、責める口調ではなく、事実を一緒に確認する形で切り出します。
- 今日は1つ、経費精算の締め日のことで相談したいことがあります。責めたいのではなく、遅れが続いている理由を知りたいんです。
決まりを知らなかったとき
異動や入社のすぐあとや、決まりが変わった直後は、本人が決まりを知らないことがあります。この場合は、伝えていなかったことを上司から認めたうえで、決まりと理由を説明します。
- 前の部署は月末締めだったんですね。この部署は25日締めなのを、最初にお伝えすべきでした。
- 今月の分は、私から経理に事情を話しておきます。来月からは、25日までに出してもらえると助かります。
- ほかにも、前の部署と違っていて戸惑っている決まりがあれば、遠慮なく聞いてください。
決まりは知っているが、 守れない事情があるとき
締め日を知っていても、出張や繁忙期が重なって間に合わないことがあります。このときは本人の努力の問題にせず、何が重なっているのかを聞き、守れる段取りを二人で考えましょう。仕事の割り振りが関わっているなら、上司が割り振りを見直します。
- 締め日の前に、どんな仕事が重なっているのか教えてもらえますか。
- 月末の出張が続いていたんですね。私の割り振りで、25日の前に予定が詰まっていたのかもしれません。
- 出張から戻った日に、領収書だけ先にシステムへ登録しておく形はどうでしょう。○○さんがやりやすい方法があれば、それで進めましょう。
決まりそのものが今の仕事に合っていないなら、上司が見直しを担当部署に相談します。見直しが決まるまでは、今の決まりの中でできる方法を二人で考えます。
- 出張の多い人には、25日締めが厳しいのはよくわかりました。締め日の扱いについては、私から経理に相談してみます。それまでは、今の締め日で進められる方法を一緒に考えさせてください。
決まりの理由に納得していないとき
「数日遅れても、誰も困らないですよね」と言われても、反論として受け取らないでください。まず本人の考えを聞き、そのうえで上司の考えを伝えます。考えが分かれたままなら、その場で納得してもらうことを目的にしないでください。決まりが変わるまでは守ってほしいことと、意見は上司から担当部署に伝えることを、分けて話すとよいでしょう。
- そう感じているんですね。どんなところで、そう思ったのか教えてもらえますか。
- 経理の側では、締め日のあとに届いた精算を、毎月個別に処理していると聞いています。部署全体で遅れが多いことも、私は気になっているんです。
- 締め日が今の仕事に合わないという意見は、私から経理に伝えます。ただ、決まりが変わるまでは、25日に合わせてもらえますか。
決まりに反するおそれがあるとき
領収書の日付や金額が出張の予定と合わないなど、決まりに反するおそれがある場合は、上司が一人で判断しないでください。就業規則と経費の規程を確認し、人事や経理の担当に相談したうえで、会社の決まりに沿って進めます。本人と話すときも、不正と決めつけず、確認したいことを事実として伝えます。処分や評価への影響は、上司からは口にしないようにしましょう。
- 先月の精算で、領収書の日付と出張の日程が合わないものがあったので、確認させてください。何か事情があれば教えてもらえますか。
- 私の見間違いかもしれないので、出張の予定表を一緒に見てもらえますか。
ルールを守らない部下への対応で、 避けたいこと
避けたいのは、強く言い続けることと、何も言わずにやり過ごすことの両方です。
- 人前で注意する。同僚の前で締め日の遅れを指摘されると、本人には決まりの理由より、恥ずかしさのほうが残りやすくなります。
- 同じ注意を、理由を添えずに繰り返す。「守ってください」を何度言っても、守れない事情や、納得していない点は見えてきません。
- 人柄の話にする。「だらしない」「社会人として」と言われても、部下は何を変えればよいのかがわかりません。話題は、どの決まりが、いつ守られなかったかに絞りましょう。
- 逆に、気まずさから黙認する。遅れが続いても何も言わずにいると、本人は問題がないと受け取りがちです。決まりを守っているほかの人との間にも、不公平が生まれます。
- 本人と話す前に、上司どうしで扱いを決めてしまう。まず本人から事情を聞き、そのうえで必要な相談をします。
- 上司自身が決まりを守っていない。上司の精算が遅れているのに部下にだけ求めると、決まりの話より、立場の話に聞こえてしまいます。
KAKEAIは、1つのやり方を、どの場面にも当てはめることをおすすめしません。決まりを知らなかった人、守れない事情がある人、理由に納得していない人とでは、必要な話が違うからです。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、職場の決まりを守ることについても、上司と部下の両方が当事者だと考えています。上司は決まりの理由を伝え、守れない事情があれば一緒に段取りを考えます。部下の側も、守れない事情や決まりへの意見を早めに上司に伝えられると、二人で手を打てる時間が増えます。
決まりについて話したあと、 二人のやり取りを振り返る
決まりについて話したあとは、締め日に間に合ったかどうかだけでなく、二人の間でどんな話ができたかを振り返ります。
- 守れなかった事情を本人から聞けていたら、次は、その事情に合わせて決めた段取りが翌月どう進んだかを、1on1で一緒に確認しましょう。
- 決まりの理由を伝えられていたら、次は、ほかにわかりにくい決まりがないかを尋ねてみてください。
- 決まりへの意見を担当部署に伝えると約束したなら、返事が来た時点で、上司から結果を伝えます。
- 翌月も遅れが続いたときは、責める前に、前回決めた段取りのどこで止まったのかを尋ねるところから始めます。
翌月の締め日に間に合ったときは、上司から一言伝えるとよいでしょう。
- 今月は締め日に間に合わせてくれて、ありがとうございます。経理の方も助かっていました。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
会社の決まりに沿った対応や人事への相談を先にしたうえで、1on1で本人にどう伝え、どう話を聞くかを準備するときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の前に、「メンバーに伝えたいこと」に入力して。
決まりについて伝えたいことを、 どの話題の流れで切り出すかを、 1on1の前に考えておけます。
マネジャー権限でご自身のメンバーと行う1on1では、「予定・履歴」の次の1on1のカードの「メンバーに伝えたいこと」に、切り出したいことを入力できます。保存すると「1on1前のAIアドバイス」が書き直され、どの話題の流れの中で切り出すと自然かが示されます。入力した内容は部下には表示されず、ご自身向けのアドバイスにだけ使われます。
話す1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
伝えたいことを先に示したうえで、 部下の事情を聞く一言を用意して1on1に臨めます。
Kakeai AI が、選ばれたテーマと、部下が選んだ期待する対応、これまでの1on1をもとに、今回どう切り出すとよいかと、最初の一言の案を書きます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。
6月5日の定例で分担の大枠は決まりましたが、今日はその線引きをもう少し具体的に決めてしまいたいと思っています。小野寺さんの担当範囲で、今どこが一番動かしにくいですか。
1on1の終了後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。
注意したあとも、 部下の事情を聞き直すきっかけを次の1on1に持てます。
部下の返事が短いまま次の話に移った場面があると、次の1on1でどう声をかけ直すかの一言の案が書かれることがあります。ご自身向けの内容です。
次回、業務の確認に入る前に「最近、どう?」と一言置いてみると、小野寺さんが自分から話す余地が生まれます。
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よくある質問
何度注意してもルールを守らない部下には、 どう対応すればよいですか。
何度注意してもルールを守らない部下には、同じ注意を繰り返す前に、前回話したあと、どこで止まったのかを尋ねてください。決まりを知らなかったのか、守れない事情があるのか、理由に納得していないのかで、次にすることは変わります。事情があるなら段取りを一緒に決め直し、上司の仕事の割り振りが関わっていれば、割り振りを上司が見直します。決まりに反するおそれがあるときは、就業規則を確認し、人事に相談しましょう。
ルールを守らない部下を、 みんなの前で注意してもよいですか。
ルールを守らない部下を、同僚の前で注意することはおすすめしません。人前で指摘されると、本人には決まりの理由より恥ずかしさが残りやすく、守れない事情も話しにくくなるからです。注意は二人で話せる場で、どの決まりがいつ守られなかったのかを事実として伝え、本人の事情を尋ねる形で行います。安全やお客様に関わる場面で、その場で止める必要があるときは、止めることだけを短く伝えてください。
部下から「この決まりは意味がない」と言われたら、 どう答えればよいですか。
部下から「この決まりは意味がない」と言われたら、反論として受け取らず、まず、どこに意味がないと感じたのかを尋ねてください。そのうえで、決まりがある理由を上司の言葉で説明します。考えが分かれたままなら、決まりが変わるまでは守ってほしいことと、意見は上司から担当部署に伝えることを分けて話すとよいでしょう。伝えた意見の結果は、返事が来た時点で部下に伝えます。
ルールを守らないことを、 部下の人事評価に反映してもよいですか。
ルールを守らないことが評価にどう関わるかは、会社の評価基準と就業規則で決まります。上司が一人で「評価に響く」と伝えたり、評価で厳しくすると予告したりするのは避けましょう。評価基準に関わる決まりであれば、どの項目に関わるのかを、評価の時期を待たずに普段の面談で一緒に確認しておくとよいでしょう。扱いに迷うときは、人事の担当に相談してください。
上司自身がルールを守れていないときは、 どうすればよいですか。
上司自身がルールを守れていないときは、部下に求める前に、まず上司の側から改めてください。上司が守っていない決まりを部下にだけ求めると、決まりの理由より、立場の違いを理由にしているように聞こえるからです。守れていなかったことを認めたうえで、「私も締め日に間に合わせます。一緒にそろえましょう」と伝えると、部下も事情や意見を話しやすくなります。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/subordinate-not-following-rules
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: