人事・経営の方へ管理職・マネジメント
マネジメント不足・不全とは何か
先に答え
マネジメント不足・不全とは、職場でマネジメントの働きが十分に果たされていない状態を指す言葉です。マネジメント不足は、主に管理職の数や時間が足りない状態を指します。マネジメント不全は、管理職も仕組みもあるのに、その働きが果たされていない状態を主に指します。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人が、合わせて60.7%いました。これは面談についての回答ですが、不全のサインを見るときも、面談が行われているかより、面談のあとに仕事が動いているかに目を向けるとよいでしょう。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司と定期的に面談をしている人の半数を超える人が、面談のあと行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えていました。また、面談の頻度が低い人ほど、やらされ感を困りごとに挙げる割合が高くなっています。面談についての数字ですが、マネジメント不全のサインも、面談の実施率より、面談のあとに仕事が動いているかに表れやすいと考えられます。
- 60.7%
- 1万人調査
- 上司との面談がそのあとの行動につながっているかを尋ねた質問で、半分くらいの回か、それより少ないと答えた人の割合
- 「半分くらいの回でそうなっている」「ほぼそうなっていない」「全くそうなっていない」の合計です。「毎回そうなっている」「ほぼ毎回そうなっている」は合わせて39.3%でした。半数を超える人が、行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えています。
- 22.7%
- 1万人調査
- 上司との面談が半年〜1年に一度の人のうち、困りごとに「やらされ感・義務感での実施」を挙げた人の割合
- 週1回以上の人では8.8%でした。面談の頻度が低い人ほど、面談を義務のように感じていることを困りごとに挙げる割合が高い、という傾向があります。
1万人調査は、部下の立場で上司との面談について尋ねたもので、マネジメント不足・不全そのものは尋ねていません。数字は、面談のあとの行動と、面談の受け止め方についての回答です。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
マネジメント不足・不全とは何か: 意味と、2つの言葉の違い
マネジメント不足・不全とは、職場で、マネジメントの働きが十分に果たされていない状態を指す言葉です。マネジメントの主な働きには、目標の共有・仕事の割り振りと権限の委任・進み具合に応じた判断・評価とその理由の説明・一人ひとりの成長の支援などがあります。このうちのどれかが止まっていると、管理職がいても、仕事や人の成長が前に進みにくくなります。
2つの言葉は、似た意味で使われることが多いものの、指している状態に違いがあります。
| 言葉 | 主に指している状態 | 例 |
|---|---|---|
| マネジメント不足 | マネジメントに | 管理職の |
| マネジメント不全 | 管理職も | 面談は |
人事・経営が手を打つときは、どちらに近いのかを先に見分けておくと、打つ手を選びやすくなります。足りないのが人や時間であれば、管理職の業務量や人数の見直しが有効です。管理職も仕組みもあるのに働きが果たされていない場合は、管理職の数を増やしても、状態は変わらないかもしれません。
マネジメント不全のサイン: 職場に出る6つの兆し
マネジメント不足・不全のサインは、管理職の数や研修の受講の記録よりも、部下の仕事の進み方に表れることが多いようです。以下では、機械の設計を行う課で、図面の作成と承認を進めている場面を例にします。
| サイン | 職場で見えること | 人事・経営が確かめること |
|---|---|---|
| 判断が止まる | 図面の | 管理職の |
| 目指すことが | 設計変更で | 目標を |
| 評価の | 部下が、 | 期の |
| 面談の | 面談は | 面談の |
| 面談が | 面談が、 | 面談の |
| 管理職が手一杯 | 課長が | 管理職の |
どれか1つが見えたからといって、すぐにマネジメント不全と決めつける必要はありません。いくつかのサインが同じ職場で続いているときに、仕組みの側から見直すきっかけにするとよいでしょう。
部下の側の数字に表れる、 マネジメント不全のサイン
部下の立場で尋ねた調査の数字には、面談が行われていても、そのあと行動につながっていないと感じている人が少なくないことが表れています。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談が、そのあとの行動につながっているかを尋ねています。「毎回そうなっている」「ほぼ毎回そうなっている」と答えた人は、合わせて39.3%でした。「半分くらいの回でそうなっている」「ほぼそうなっていない」「全くそうなっていない」と答えた人は、合わせて60.7%です。つまり、上司と定期的に面談をしている人の半数を超える人が、面談のあと行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えているということです。
同じ調査で、面談の困りごと(複数回答)に「やらされ感・義務感での実施」を挙げた人は、上司との面談が週1回以上の人では8.8%でした。半年〜1年に一度の人では22.7%です。面談の頻度が低い人ほど、やらされ感を挙げる割合が高くなっています。
面談についての数字ですが、マネジメント不全のサインに当てはめて考えることもできます。面談が行われているかどうかより、面談のあとに仕事が動いているか、面談が義務になっていないかを見るほうが、職場の状態をつかみやすいと考えられます。KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、面談のよしあしは、そのあとの行動で見るものだと考えています。
マネジメント不全に、人事・経営ができること
マネジメント不全に対して人事・経営ができるのは、管理職を責めることではなく、管理職が働きを果たせる仕組みを整えることです。次の4つから始めることをおすすめします。
- 判断の権限の範囲を見直す。管理職の判断を待って止まっている仕事があれば、主任や担当者に任せられる範囲を、部長と課長で一緒に決めます。
- 管理職の担当の仕事の量を見直す。管理職が自分の担当の仕事で手一杯になっていれば、担当を減らすか、ほかの人に移します。
- 期の途中で評価の見通しを伝える場を設ける。期末にまとめて伝える形になっていれば、普段の面談で評価の見通しを話してよいことを、管理職に伝えます。
- 面談のあとに何が変わったかを、管理職どうしで話す場を設ける。実施した回数ではなく、面談のあとに動いたことを持ち寄ります。
人事の担当者が課長に話を聞くときの言い方です。管理職を点検するためではなく、仕組みの側の課題を見つけるために尋ねます。
- 課のみなさんの仕事で、課長の判断を待って止まっているものはありますか。理由が権限の範囲にあるなら、決まりの見直しを一緒に考えたいと思っています。
- 図面の承認に、今どのくらいの日数がかかっていますか。課長お一人で抱えている確認があれば、教えてください。
- 評価の見通しを、期の途中で部下の方に伝える場は持てていますか。持ちにくい事情があれば、教えてください。
- 1on1の実施回数ではなく、1on1のあとに何が変わったかを、来月の課長会で話していただけないでしょうか。
経営や部長が、課長の仕事の量について話すときの言い方です。
- 課長が自分の設計の仕事で手一杯になっていないか、来月の部長会で一度話しませんか。課長が持っている図面の数を減らせるかどうかも、あわせて考えたいと思っています。
課長が、自分の上司に相談するときの言い方です。
- 承認待ちの図面が増えていて、私のところで止まっています。標準部品の図面は、主任に承認を任せられないか、ご相談したいです。
課長が、課のメンバーと話すときの言い方です。
- この図面で、私の承認を待って止まっているところはありますか。先に決められるところは、今日決めてしまいましょう。
- 今回の設計変更で何を目指しているのかを、私から一度お話しします。そのあとで、○○さんの考えも教えてください。
- 寸法の許容差の決め方は、○○さんの判断で進めてもらってかまいません。お客様の仕様に関わるところだけ、相談してください。
- 今期の評価で、今の時点で私が考えていることをお話しします。図面の差し戻しが減ってきている点は、評価シートのこの項目に当たります。○○さんは、どう感じていますか。
- 前回の1on1で話に出た設計の確認会は、日程を決めるのに手間取っていませんか。私のほうで調整したほうがよければ、言ってください。
- この1on1が、やらなければならない時間になっていないかが気になっています。役に立っていることと、変えたほうがよいことを、1つずつ教えてもらえますか。
メンバーの側から、止まっている仕事を課長に伝えるときの言い方です。
- 図面の承認を待っている間に、次の設計に進んでよいかを決めていただけますか。
- 今回の設計変更で、何を優先すればよいかが分からなくなっています。一緒に整理していただけますか。
- 評価の見通しを、期末より前に一度うかがえますか。次の設計で何を直せばよいか、早めに知っておきたいです。
管理職が長時間労働や体調の不調を抱えているように見えるときは、仕組みの見直しとは別に、本人の希望を聞いたうえで、産業医や人事の担当者につないでください。
マネジメント不全への対策で、 人事・経営が避けたいこと
マネジメント不全への対策で避けたいのは、実施率のように数字にしやすいものだけで状態を判断することと、管理職の負担をさらに増やすことです。
- 1on1の実施率を管理職の目標にする。人事が1on1の記録の中身を読む。KAKEAIは、1on1の実施率を管理職の目標にすることと、人事が1on1の記録の中身を読むことを、どちらもおすすめしません。実施率が上がっても、面談のあとに仕事が動いているかは分かりません。記録を人事が読むと、部下が話したいことを話しにくくなるおそれもあります。
- 研修だけで解決しようとする。管理職の判断の権限が狭い、担当の仕事が多すぎるといった仕組みの課題は、研修を受けても変わりません。
- 管理職の数を増やすことだけで解決しようとする。管理職も仕組みもあるのに働きが果たされていない状態であれば、管理職の数を増やしても、同じことが起きるかもしれません。
マネジメント不全への取り組みがうまくいっているかを、 どこで見るか
マネジメント不全への取り組みがうまくいっているかどうかは、面談の実施率や研修の受講率ではなく、部下の仕事の進み方で見ることをおすすめします。半年ほどたったところで、次の流れで取り組みを振り返ってみてください。
- 管理職の判断を待って止まっている仕事が減ってきたら、次は、任せられる範囲をほかの業務にも広げられないかを、部長と課長で話してみてください。
- それぞれの仕事で何を目指しているのかが、上司と部下の間でそろってきたら、次は、期の途中で評価の見通しを伝える場づくりに進みます。
- 評価の見通しが期の途中で部下に伝わるようになったら、次は、面談のあとに決めたことが次の回までに動いているかを、管理職どうしで話す場を設けます。
- 止まっている仕事が減らないときは、判断の権限の範囲と、管理職の担当の仕事の量の見直しに立ち戻るとよいでしょう。
振り返りの点は、人事が1on1の記録の中身を読むのではなく、管理職や部下に直接尋ねて確かめてください。面談のあと行動につながっているかを尋ねる社内のアンケートを行うのも、1つの方法です。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
管理職を育て、登用し、支える仕組みを整えても、研修で学んだことが日々の1on1で生かされているかが見えにくいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
管理職が部下との1on1を終えるたびに。
研修で学んだことを、 管理職が自分の1on1の具体的な場面で振り返り続けられます。
管理職ご本人向けに、Kakeai AI が「1on1後のAIアドバイス」で、その回によかった関わり方と、次の1on1や日常で試せることを書きます。このアドバイスはご本人にだけ表示されます。1on1のAI要約と文字起こしは1on1をしたお二人の画面に表示され、システム管理者には表示されません。ご契約によっては、要約をほかの方に共有する機能もあります(共有した相手はお二人とも確認できます)。システム管理者が見られるのは、マネジャーごとの「Get Advice」(直近1か月の1on1のまとめと、1on1の強みと伸び代を示す画面)です。
…数字の報告を受け取るだけでなく、担当者がその数字をどう読んでいるかを問う形は、西村さんが自分の判断を持ち込む場を作りました。…
システム管理者が「Get Advice」を見るとき。
管理職一人ひとりの1on1の強みと伸び代を、 ご本人と同じ画面で知り、 どこを支えるかを考える材料にできます。
「Get Advice」は、マネジャー権限をお持ちの方ごとに、直近1か月の1on1のまとめ、Kakeai AI が挙げる「1on1をよりよくするための3つのポイント」、テーマや関わり方ごとの「強み」と「伸び代」を示す画面です。マネジャーご本人のほか、マネジャーを支える立場として、システム管理者の方もご覧いただけます。
新任の管理職が、部下と初めて1on1をするとき。
着任したばかりの管理職でも、 部下がこの場に何を期待しているかを聞くところから1on1を始められます。
1on1が始まるとき、Kakeai AI が開始の挨拶をします。テーマも前回の一歩も無い初めての回では、話題を一つ出すか、この場で話したいことを尋ねることがあります。お二人の画面に同じものが表示されます。
…今日が初めての1on1です。この場をどう使うと一番役に立つか、山岸さん、いかがでしょう?
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よくある質問
マネジメント不足とは、どういう意味ですか。
マネジメント不足とは、マネジメントに使える人や時間が足りず、目標の共有や仕事の割り振り、判断や評価といった働きが十分に果たされていない状態を指します。管理職の数が少ない場合や、管理職が自分の担当の仕事で手一杯になっている場合が当たります。管理職も仕組みもあるのに、その働きが果たされていない状態は、マネジメント不全と呼ばれることが多いようです。
マネジメント不全のサインには、 どんなものがありますか。
マネジメント不全のサインは、部下の仕事の進み方に表れると考えられます。たとえば、管理職の判断を待って仕事が止まることや、部下が期末に初めて評価を聞くこと、面談をしても決めたことが動かないことです。ほかに、優先することが上司と部下の間でそろっていないことや、面談が義務として受け止められていること、管理職が手一杯で相談に乗れないこともサインになります。いくつかが同じ職場で続いているときは、仕組みを見直すきっかけにします。
マネジメント不足や不全の原因は何ですか。
マネジメント不足や不全の原因は、職場によって異なります。管理職の担当の仕事が多すぎる、判断の権限が狭く管理職のところで仕事が止まる、評価の見通しを期の途中で伝える場がない、といった仕組みの側の要因が重なっていることもあります。管理職個人の能力の問題と決めつけず、権限の範囲や仕事の量、評価の伝え方を、部長や管理職と一緒に確かめてみてください。
マネジメント不全を、人事はどうやって把握すればよいですか。
マネジメント不全を把握するには、1on1の実施率や記録の中身ではなく、面談のあとに仕事が動いているかを見てください。KAKEAIの1万人調査では、面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人が、合わせて60.7%いました。管理職や部下に直接尋ねる、面談のあと行動につながっているかを尋ねる社内のアンケートを行う、といった方法があります。
マネジメント不全は、管理職研修で解決できますか。
マネジメント不全は、管理職研修だけでは解決しにくいと考えられます。管理職の判断の権限が狭いことや担当の仕事が多すぎること、評価の見通しを伝える場がないことといった仕組みの課題は、研修を受けても変わらないからです。研修を行う場合も、権限の範囲や仕事の量の見直しとあわせて進め、研修のあとに面談で何が変わったかを、管理職どうしで話す場を設けるとよいでしょう。
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出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/what-is-management-deficiency
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: