上司の方へ部下との関わり
営業の部下をどう指導すればよいか
先に答え
営業の部下を指導するときは、次に控えている商談を1つ決めて、その前と後に話すことをおすすめします。商談の前には何をどう話すかを一緒に具体的に考え、商談のあとは部下の見方を先に聞いて振り返ります。受注や失注の結果が出てからまとめて指導すると、話した内容を試せる商談が先になるからです。KAKEAIの1万人調査では、上司と週1回以上面談している人でも、面談が毎回またはほぼ毎回そのあとの行動につながっていると答えた人は49.8%でした。会う回数が多くても、話したことが行動になるとは限りません。指導の中身は、次の商談で使える形にして伝えましょう。
数字で見る
KAKEAIの1万人調査では、上司と週1回以上面談している人でも、面談がそのあとの行動につながっていると答えた人は半分に届きませんでした。面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ない人が挙げた理由には、時間の制約に加えて、今動く必要を感じていないことも含まれています。会う回数が多いだけでは、話したことが行動になるとは限らないということです。
- 49.8%
- 1万人調査
- 上司と週1回以上面談している人のうち、面談が毎回またはほぼ毎回行動につながっていると答えた人の割合
- 2週間〜1か月に1回の人では39.8%、半年〜1年に1回の人では29.3%でした。面談の頻度が高い人ほど高いものの、週1回以上の人でも半分に届いていません。会う回数が多くても、話したことが行動になるとは限らないということです。
- 13.4%
- 1万人調査
- 面談が行動につながりにくい理由(5つまで選択)として、「今動く必要性を感じていない(緊急度が低い)」を挙げた人の割合
- 尋ねた相手は、面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人です。「時間やコストの制約で動けない」は15.4%でした。動けない理由には、急ぐ理由を感じていないことも含まれています。
- 22.2%
- Kakeai AI 1on1 利用データ
- 「Kakeai AI 1on1」で行われた1on1のうち、木曜に行われた回の割合
- 金曜は20.8%、月曜は17.1%でした。曜日ごとに見ると、1on1は木曜と金曜に多く行われているということです。
1万人調査は職種を分けて集計していないため、数字は営業職に限ったものではありません。利用データの曜日の割合は、1on1を始めた日時をもとに集計したものです。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
営業の部下の指導は、 次の商談を1つ決めて、 その前と後に行う
営業の部下を指導するときは、次に控えている商談を1つ決め、その商談の前と後に話すことをおすすめします。指導の内容を部下が試せるのは次の商談なので、その商談に近い時点で話すほうが、指導が行動になりやすいと考えられるからです。
営業の指導は、受注や失注の結果が出たときや、月末に数字を見るときに行われることがあります。どちらも結果がはっきりする時点ですが、そこで話したことを試せる商談は、早くても翌週以降になります。結果を待たずに次の商談の前に話しておけば、部下は指導の内容をすぐに試せます。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司と週1回以上面談している人のうち、面談が毎回またはほぼ毎回そのあとの行動につながっていると答えた人は49.8%でした。2週間〜1か月に1回の人では39.8%、半年〜1年に1回の人では29.3%です。面談の頻度が高い人ほど高いものの、週1回以上の人でも半分に届いていません。会う回数が多くても、話したことが行動になるとは限らないということです。
以下では、業務用の空調設備を扱う会社で既存のお客様を訪問し、保守契約の更新と古い設備の入れ替えを提案している部下を例にします。
| 指導する時点 | 話すこと | 上司の最初の一言 |
|---|---|---|
| 商談の | その商談で | 「来週の○○ |
| 商談の | 部下の | 「訪問、 |
| 月末に | 数字を | 「今月の |
商談の前の指導: 決めたいことと最初の質問を、 具体的に一緒に考える
商談の前の指導では、その商談で何を決めたいのかと、最初に先方に確認することを、部下と一緒に具体的に考えます。「しっかり準備して」「お客様の立場で考えて」のような助言だけでは、部下は次に何をすればよいのかがわかりにくいからです。
1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)では、1on1が行われた曜日は木曜が22.2%で最も多く、金曜が20.8%でした。曜日ごとに見ると、木曜と金曜に行われる回が多いということです。1on1が木曜や金曜にあるなら、その時間の一部を、翌週の商談の準備に使うのも1つの方法です。
- 来週の○○社様の訪問は、保守契約の更新のお話でしたね。今回の訪問で、何が決まるといいと考えていますか。
- 更新の時期を伺うだけでなく、入れ替えの話も切り出したいんですね。最初に、どんな質問をしようと考えていますか。
- 私なら、最初に「この夏、効きが悪いと感じたお部屋はありませんでしたか」と伺います。先方が困っている場所がわかれば、入れ替えの話を出しやすくなるからです。
- 今の話は、○○社様に合いそうですか。担当の方のことは○○さんのほうが詳しいので、合わないと思ったら言ってください。
部下が具体的なアドバイスを求めているときは、上司の経験を一般論で話さず、この商談のどの場面で、何をどう言うかまで伝えます。意見を求められたときは、部下にも考えがあることが多いので、まずそれを尋ね、そのあとで上司の意見を伝えましょう。
KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に一番期待することとして「具体的なアドバイスがほしい」を選んだ人が18.3%いました。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は42.7%で、回答者全体の31.9%を上回っています。具体的な助言を一番に求めている人は、面談の成果を実感している割合が高いということです。
- 入れ替えの見積もりは、今回の訪問で出す方法と、次の訪問で持っていく方法がありますね。○○さんは、どちらがよいと考えていますか。
- 技術担当の同行が必要なら、私から頼んでおきます。いつまでに決まれば間に合いますか。
商談のあとの指導: 部下の見方を先に聞き、 次の訪問で変えることを1つ決める
商談のあとは、受注や失注の結果を待たず、当日か翌日のうちに短く話すことをおすすめします。先に部下がどう感じたかを尋ね、そのあとで上司の考えを、理由と一緒に伝えます。
- 訪問、お疲れさまでした。先方の反応で、○○さんが気になったところはありましたか。
- 入れ替えの話を出したとき、先方の課長が「予算は来年度」とおっしゃったんですね。○○さんは、その言葉をどう受け取りましたか。
- 私は、来年度の予算に入れていただくなら、秋のうちに概算の金額をお伝えしておくのがよいと考えています。○○さんの考えと違っていたら、教えてください。
- 次の訪問で変えることを、1つ決めませんか。どれから始めてみましょうか。
更新を見送られた商談や、失注した商談のあとも、同じ順番で話します。結果を責める言葉から始めると、部下は次から、結果がはっきりするまで相談しにくくなるかもしれません。
- 更新は見送りというお返事でしたね。残念でした。先方が見送った理由として、○○さんが考えていることを教えてもらえますか。
- 私が先方に伝えた条件に足りないところがあったなら、それも言ってください。次の提案の前に、一緒に作り直しましょう。
急ぐ理由のない営業の仕事が後回しになるときの指導
設備の入れ替えの提案や、新しいお客様への訪問のように、今週やらなくても困らない仕事は、後回しになりやすいものです。この場合は、やる気や姿勢の問題として話さず、いつ、どのお客様に出すかを二人で決めることをおすすめします。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人に、その理由を尋ねています(5つまで選択)。「今動く必要性を感じていない(緊急度が低い)」を挙げた人は13.4%でした。「時間やコストの制約で動けない」は15.4%です。動けない理由には、時間が足りないことだけでなく、急ぐ理由を感じていないことも含まれているということです。面談についての数字ですが、営業の仕事でも、やり方はわかっていても急ぐ理由がないために後に回る提案はあると考えられます。
- 入れ替えの提案は、今週でなくても困らない仕事なので、後に回りやすいですよね。私も担当していたころは同じでした。
- 先方の予算が決まる時期から逆算すると、いつまでに概算の金額をお伝えできるとよさそうですか。
- まず、どのお客様から始めましょうか。最初のお客様の分は、私も一緒に資料を見ます。
- 既存のお客様の対応で手が回らない週は、遠慮なく言ってください。どの仕事を後に回すかを、一緒に決めましょう。
訪問の回数や提案の数の目標は必要ですが、それだけを伝えて終えないようにしましょう。数の目標だけでは、どのお客様に、何を持っていくのかが決まらないからです。
営業の部下を指導するときに、 避けたいこと
避けたいのは、結果が出たあとにまとめて指導することと、1つの型を全員に当てはめることです。逆に、任せたからといって、商談の前後に何も話さないことも避けましょう。
- 受注や失注の結果が出てから、まとめて指導する。話した内容を試せるのは次の商談なので、結果を待たずに、商談の前と後に短く話します。
- 月末に数字を読み上げて、理由を問い詰める。数字は、二人とも同じものを見ています。一緒に確かめたら、翌月の商談の準備の話に移りましょう。
- 上司の成功談を、そのまま当てはめる。お客様や設備の状況が違えば、同じ言い方は使えません。経験を話すときは、この商談のどの場面で使うかまで伝えます。
- 1つの型を、どの商談にも当てはめる。KAKEAIは、1つの型や手順を、どの場面にも当てはめることをおすすめしません。型は最初の手がかりにして、お客様に合わない点は二人で変えていくとよいでしょう。
- 逆に、任せたからといって、商談の前後に何も話さない。部下が迷っていても、相談する時間がなければ、迷ったまま次の商談に向かうことになります。
営業の部下への指導の振り返り方
指導がうまくいったかどうかは、その月の受注の数だけでなく、二人の時間の使い方で振り返ります。1か月ほどたったところで、次のように見直してみてください。
- 指導の話が次の商談と結びついていなかったときは、次の1on1で、来週の商談を1つ一緒に選ぶところから始めます。
- 商談のあとに話す時間が取れなかったときは、商談の前の打ち合わせで、終わったあとに話す時間を先に決めておきます。
- 上司が引き受けたこと(技術担当への依頼、値引きの相談など)が済んでいなければ、次の1on1の最初に、どこまで進んだかを上司から伝えます。
- 急ぐ理由のない提案を出すお客様と時期が決まったら、その前の1on1で、資料を一緒に見る時間を取ります。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、面談のよしあしは、そのあとの行動で見るものだと考えています。営業の指導も、話した内容が次の商談で使われたかどうかに目を向けるとよいでしょう。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
部下の育成を計画しても、日々の仕事の中で何に挑戦し、どこまで進んだのかが二人の間で見えなくなるときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
任せた仕事を話す1on1の実施中に、話題の提案で。
新しく任せた仕事の範囲と期限を、 1on1が終わる前に二人で決めておけます。
右の列の下の球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)か、下のバーの「サイコロをふる」をクリックすると、Kakeai AI が、その回の会話とこれまでの1on1を踏まえて話題を1つ提案します。まだ決まっていない話があると、いつまでに何をするかを二人で決める提案になることがあります。お二人の画面に同じものが表示されます。
残り5分ほどです。今日話した「市場規模の試算」の件がまだ決まっていません。いつまでにどこまで仕上げるかを、お二人でここで一つ確かめておきませんか。
次の1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
前回の1on1のあとに勧められた関わり方を、 次の1on1で続けて試せます。
前回のふりかえりで勧められた一言があると、今回の1on1のどこで使うとよいかと一緒に書かれます。ご自身向けの内容で、部下には部下向けの別の内容が表示されます。
前回(6月9日)のふりかえりでお伝えした「対象国、4か国で進めてもらって大丈夫だった?」という確認を、今日の冒頭に一言入れてみてください。
育成の振り返りや評価の前に、「概要」の画面で。
評価コメントを書く前に、 部下がどの仕事で何に取り組んできたかを、 二人の記録で見返せます。
「概要」の画面のダイジェストは、この半年の二人の1on1を、Kakeai AI がこれまでの流れ、いま途中になっている話とそれが誰の手元にあるか、決まった次の一歩とその実行の順に文章にしたものです。仕事の広がりのような変わり目が、日付と一緒に書かれることもあります。お二人に同じものが表示されます。
6月25日の2回目では、藤本さんが比較表を持ち寄り内容を確認しました。…比較表を作る仕事が、売り方を考える仕事へと踏み込んだ回でした。
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よくある質問
営業の部下への指導は、 いつ行うのがよいですか。
営業の部下への指導は、次に控えている商談の前と、その商談のすぐあとに行うことをおすすめします。受注や失注の結果が出てからまとめて指導すると、話した内容を試せる商談が先になるからです。商談の前は、その商談で決めたいことと最初の質問を一緒に考えます。商談のあとは部下の見方を先に聞き、次の訪問で変えることを1つ決めましょう。
営業の部下に、 上司の成功体験を教えてもよいですか。
上司が自分の営業の経験を部下に伝えること自体は、問題ありません。ただし、お客様や扱う商品の状況が違えば、同じやり方がそのまま使えるとは限りません。経験を話すときは、次の商談のどの場面で、何をどう言うかまで具体的に伝え、そのお客様に合いそうかどうかを部下に尋ねるとよいでしょう。
提案や新規開拓を後回しにしてしまう営業の部下には、 どう指導すればよいですか。
今週やらなくても困らない提案や新規開拓は、後回しになりやすい仕事です。やる気の問題として話すより、いつ、どのお客様に出すかを二人で決めることをおすすめします。KAKEAIの1万人調査では、面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人の13.4%が、理由に「今動く必要性を感じていない(緊急度が低い)」を挙げていました。急ぐ理由を感じないことも、行動に移りにくい理由の1つだということです。
営業の部下の指導に、 ロールプレイは必要ですか。
ロールプレイは、商談の最初の質問や、価格の伝え方を練習するときに役立ちます。ただし、全員が同じ台本で繰り返すより、その部下が次に控えている商談の場面に合わせて行うほうが、実際の商談でそのまま使えます。練習のあとは、実際の商談でどうだったかを、部下の見方から先に聞いて振り返りましょう。
営業の部下が、 商談のあとに相談に来ないときはどうすればよいですか。
営業の部下が商談のあとに相談に来ないときは、商談の前の打ち合わせの時点で、終わったあとに話す時間を決めておくことをおすすめします。「終わったら、15分だけ話しませんか」と先に伝えておけば、結果が出ていなくても話しやすくなります。話すときは、上司から「先方の反応はどうでしたか」と尋ね、部下の見方を先に聞きましょう。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/sales-guidance-around-each-deal
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
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