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部下の方へ部下との関わり

上司が責任を部下のせいにするとき、どうすればよいか

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

上司が責任を部下のせいにするときは、その場で言い返すより、何が起きたかの事実を順に話すことをおすすめします。そのあとの面談で、その仕事の判断を誰がする決まりだったのかを上司と確認し直します。結果の出る前に、判断の分担が二人の間で決まっていなかったことがあるからです。KAKEAIの1万人調査では、上司に期待することとして「期待していることは特にない」を選んだ人のうち、面談が成果につながっていると感じる人は8.4%で、どの答えの人よりも低くなっています。面談についての数字ですが、責任を押しつけられても、上司に判断や情報を求めることは続けるとよいでしょう。繰り返されて評価や処分に関わるときは、就業規則と人事の相談窓口に確認してください。

数字で見る

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談が行動につながりにくい人が挙げた理由の中に、自分には決める権限がないことが含まれていました。また、上司に何も期待していない人は、面談が成果につながっていると感じる割合が、どの答えの人よりも低くなっています。どちらも責任の押しつけを尋ねた数字ではありませんが、責任を押しつけられたときも、上司への期待をなくしてしまうより、仕事ごとの判断の分担を確認し直すことをおすすめします。

9.4%
1万人調査
面談が行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ない人が理由に挙げた「裁量や権限がなくできない」の割合
同じ人たちが挙げた理由では、「スキルが不足していてできない」は9.1%でした。責任の押しつけを尋ねた数字ではありません。話したことを行動に移せない理由として、スキルの不足と同じくらいの人が、自分には決める権限がないことを挙げているということです。
8.4%
1万人調査
面談で上司に一番期待することが「期待していることは特にない」の人のうち、面談が成果につながっていると感じる人の割合
回答者全体では31.9%です。「期待していることは特にない」を選んだ人は15.6%で、その人たちの成果の実感は、この質問のほかのどの答えの人よりも低くなっています。上司に何も期待していない人では、面談の成果を感じている人の割合が特に低いということです。

この調査は、上司との定期的な面談について部下の立場で答えたもので、責任の押しつけや、上司が手柄を自分のものにすることについては尋ねていません。

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。

上司が責任を部下のせいにするとき、何が起きているのか

上司が責任を部下のせいにする場面は、部下の側から見ると、自分が知っている出来事が、上司の口から別の経緯で語られる場面です。腹が立つのは当然ですが、中身を分けてみると、何から手をつければよいかが見えてきます。次の3つのどれか、またはいくつかが重なっていることがあります。

  • 誰が判断するのかが決まっていなかった。部下は上司の判断を待っていたつもりで、上司は部下が進めるものだと思っていた、という形です。結果が出てから、判断を待っていた側に責任が向くことがあります。
  • 経緯を省いて説明している。上司が自分の上司やお客様に説明するときに途中の経緯を省き、部下の名前だけが残る形です。上司に悪意があるとは限らず、説明の場で時間がないことも、上司自身が経緯を正しく覚えていないこともあります。
  • 人格を責める言い方になっている。「○○さんはいつもこうだ」のように、出来事ではなく人柄に向いた言い方が繰り返される形です。これは仕事の話として確認し直すだけでは収まらないことがあり、会社の決まりと人事の相談窓口が関わります(相談先の節で触れます)。

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人に、その理由を尋ねています(5つまで選択)。「裁量や権限がなくできない」を挙げた人は9.4%で、「スキルが不足していてできない」の9.1%と同じくらいでした。つまり、話したことを行動に移せない理由として、自分には決める権限がないことを挙げる人もいるということです。

面談についての数字ですが、責任を部下のせいにされる場面も、もとをたどると、誰が判断するのかが二人の間で決まっていなかったということがあるかもしれません。その場合は、上司の人柄より先に、仕事ごとの判断の分担から話すとよいでしょう。

上司の側にも事情があります。上司もまた自分の上司に結果を説明する立場にあり、どこまで部下に任せているのかが、上司自身にもはっきりしていないことがあります。上司の事情を知っておくのは、上司をかばうためではなく、どこから話を始めれば二人で進め方を直せるかを考えるためです。

その場でどう答えるか:言い返さず、事実を順に話す

責任を押しつけられた場で部下ができるのは、言い返すことでも黙ることでもなく、何が起きたかの事実を順に話すことです。誰が悪いかではなく、いつ何があったかを話します。

ここでは、取引先から納期の短縮を求められ、部下(○○さん)が課長に可否の確認を頼んだあと返事が遅れ、取引先への回答が遅れて苦情になった場面を例にします。部長への報告の場で、課長が「○○さんの確認が遅れた」と説明しました。

  • 補足してもよいでしょうか。納期の確認は、3日の月曜に私から課長にお願いし、取引先への回答は、課長の判断を待つ流れになっていました。私のほうでも催促が遅れたので、そこは直します。
  • 今は取引先への対応を優先したいので、経緯の整理はあとで課長と一緒に行い、改めてご報告します。

その場で上司の説明を正面から否定する形にしないのは、上司を守るためではありません。人前で否定されると、上司は自分の説明を守る方向に動きやすく、事実の話が進まなくなると考えられるからです。

二人になってから、改めて切り出します。

  • 先ほどの説明で、私の確認の遅れだけが理由になっていたのが気になりました。経緯を一度、一緒に整理していただけますか。
  • 課長を責めたいのではなく、次に同じことが起きないように、どこで判断が止まったのかを一緒に見たいです。
  • 私からの催促が遅れたことは、私の側の直す点です。課長の判断を待っていた間のことは、課長の口からも部長に伝えていただけますか。

次に向けて:判断を誰がするのかを、仕事の話として上司と確認する

繰り返さないために、仕事ごとに「自分の判断で進めてよい範囲」と「上司の判断を待つこと」を、面談で確認します。責任の話としてではなく、仕事の進め方の話として切り出すほうが、上司も答えやすくなります。

  • 取引先への納期の回答は、どこまで私の判断で返してよいでしょうか。たとえば、標準の納期の範囲内なら私から返し、短縮の依頼は課長に確認する、という分け方はどうでしょうか。
  • 課長の判断をお待ちするときは、お願いした日と期限をメールにも残すようにします。期限が近づいたら、前日にもう一度お声がけしてもよいでしょうか。
  • 判断を待っている間に取引先から催促が来たら、「社内で確認中です」と私から返してよいですか。

判断を求めたことと、返事があった日は、メールやチャットの履歴で、二人に見える形にしておきます。上司を疑って証拠を集めるためではなく、あとで経緯を二人が同じように思い出せるようにするためです。口頭で頼んだときは、その日のうちに短く送っておくとよいでしょう。

  • 先ほど口頭でお願いした、A社の納期短縮の可否の確認です。取引先への回答期限は10日の金曜です。ご判断をいただけたら、私から回答します。

手柄を上司が自分のものにするときは、自分の仕事が周りに見える形を相談する

責任は部下に、手柄は上司に、という形で悩む人もいます。手柄を取り返そうと人前で主張すると、周りには上司との争いに見え、本題の仕事から離れてしまいます。それよりも、自分の仕事が周りに見える形を、上司に相談して決めるほうが進みやすいでしょう。

  • 来週の部会で今回の取引先の対応を報告するとき、経緯と再発防止の部分は私から説明してもよいでしょうか。
  • 取引先に送る提案資料の作成者の欄に、私の名前も入れていただけますか。
  • 期末の評価の前に、私が担当した案件を整理してお見せしたいです。次の1on1で時間をいただけますか。

上司に何も期待しなくなる前に:判断と情報を求め続ける

責任を押しつけられると、上司に何も期待せず、最低限しか関わらないようにしたくなるものです。ただ、上司への期待をなくしてしまうことには、気をつけたい点もあります。

KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に一番期待することとして「期待していることは特にない」を選んだ人が15.6%いました。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じる人は8.4%で、回答者全体の31.9%を大きく下回り、この質問のどの答えの人よりも低い数字です。上司に何も期待していない人は、面談が仕事の役に立っていると感じにくい、という傾向がうかがえます。

責任の押しつけを尋ねた数字ではありませんが、そうした上司も、仕事の判断や会社・他部署の情報など、上司の立場だからこそ持っているものがあります。期待をゼロにするより、判断してほしいこと、教えてほしい情報を具体的に求め続けるほうが、仕事は止まりにくくなるでしょう。

  • 今日は、A社の納期について課長のご判断をいただきたいことが1つあります。私の案は短縮に応じる方向ですが、先に課長のお考えをうかがってもよいでしょうか。
  • 来月の生産計画で、営業の側が知っておいたほうがよいことがあれば、教えていただけますか。

KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司と部下は両方が当事者であり、どちらか一方だけに責任を負わせるべきではないと考えています。責任を部下だけに向ける上司の言い方は、この考えと合いません。同時に、上司の言い方を変えることを、部下一人の責任にする必要もありません。

繰り返されるとき、評価や処分に関わるとき:相談先の確認

事実を話して判断の進め方を上司と確認しても同じことが繰り返されるとき、評価や処分に関わるとき、人柄を責める言い方が続くときは、一人で抱えずに相談先を使います。評価や処分の扱いと、言い方がハラスメントに当たるかどうかは、一概には判断できません。就業規則と、人事の相談窓口に確かめてください。

  • 上司の上司や人事に相談するとき。上司の人柄ではなく、仕事の事実(頼んだ日・返事があった日・起きたこと)と、二人で何を試したかを伝えます。
  • 評価に関わるとき。評価の面談で、自分が根拠にしたい仕事を具体的に挙げて伝えます。評価に納得できない場合の相談先は、人事に確認します。
  • 人柄を責める言い方が続くとき。会社の決まりに沿って、人事の相談窓口に相談します。眠れない、体調に出ているといった状態なら、産業医や医療の専門家にも早めに相談してください。

人事の担当には、次のように切り出します。

  • 課長との間で、判断の経緯についての認識が合わない状態が、3か月ほど続いています。評価にも関わる話なので、どこに相談すればよいかを教えていただけますか。

上司とのやり取りが変わったかを振り返る

責任の押しつけが減ったかどうかは、上司が謝ったかではなく、自分で判断してよい範囲が二人の間ではっきりし、同じ形の出来事が起きなくなったかで振り返ります。部下の立場では、次のように進めてみてください。

  • 自分の判断で進めてよい範囲と上司の判断を待つことを、1つの仕事で上司と話せたら、次は、ほかの仕事でも同じ分け方を決めていきます。
  • 判断を頼んだことと返事があった日が二人に見える形で残るようになったら、次は、期限の前日に声をかける形も上司と決めておきます。
  • 結果が悪かったときに事実を順に話せたら、次は二人になってから、どこで判断が止まったかを一緒に整理します。
  • 上司に判断や情報を求めることを続けられていたら、次の面談では、判断してほしいことを1つに絞って最初に伝えるとよいでしょう。
  • 同じことが繰り返されているなら、次は、仕事の事実をまとめて相談先に話します。
  • この1か月、納期の回答は私の判断で返す範囲が決まったので、取引先への返事が早くなりました。課長にご判断をお願いする形も、今の進め方で続けてよいでしょうか。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。

社内の相談窓口や人事への相談とは別に、上司との1on1でご自身から伝えられることを準備したいときに、会社でKakeai AI 1on1を利用している場合は次のことができます。

1on1の前に、「1on1の準備」と「1on1前のAIアドバイス」で。

上司の関わり方を待つだけでなく、その回の1on1をどう使うかを自分から決めて臨めます。

「1on1の準備」で、テーマと、上司に期待する対応(「話を聞いてほしい」「一緒に考えてほしい」など)を選べます。選んだ内容は上司の画面にも表示されます。「1on1前のAIアドバイス」には、ご自身向けに、その回をどう使いたいかを最初に上司へ伝える一言の案が書かれることがあります。上司には、上司向けの別の内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

何を話したいかを最初に伝えることで、柳瀬さんも一緒に考えやすくなりますし、今日この場をどう使うかが自分で決められます。

1on1の終了後に、「1on1後のAIアドバイス」で。

上司に考えが伝わっていないと感じるときに、自分の側から返し方を1つ変えて試せます。

ご自身向けに、その回に自分から話せた場面と、次の1on1で試せる一言が書かれます。「承知しました」のような短い返事が続いた場面があると、次に自分がすることを一言添える言い方が示されることもあります。上司には別の内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

次回、同じ場面になったとき、「承知しました。まず長谷部さんに確認します」のように、次に自分がする一手を一言添えてみてください。…

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  • 成果・成長の実感を左右するもの(実施理由・上司への期待・困りごと・行動への接続)
  • 明日の1on1からできること(前・最中・直後・日常の4つの場面と、具体的な声のかけ方)

よくある質問

上司が自分のミスを部下のせいにするのは、どうしてですか。

上司が責任を部下のせいにする理由は1つではありません。たとえば、誰が判断するのかが決まっていなかったことや、説明の場で経緯を省いたこと、人柄に向いた言い方の癖などが考えられます。KAKEAIの1万人調査は責任の押しつけについて尋ねていないので、数字で理由を言うことはできません。部下の側からできるのは、理由を推し量ることより、自分の判断で進めてよい範囲と上司の判断を待つことを、仕事の話として上司と確認し直すことです。

上司に責任を押しつけられたとき、その場で反論してもよいですか。

上司に責任を押しつけられたとき、人前でその場で反論することはおすすめしません。人前で否定された上司は、自分の説明を守る方向に動きやすく、事実の話が進まなくなりがちです。その場では「補足してもよいでしょうか」と前置きして、いつ何があったかの事実を順に話すまでにし、経緯の整理は二人になってから改めて切り出します。自分の側に直す点があれば、それも先に言葉にします。

上司が部下の手柄を自分のものにするとき、どうすればよいですか。

上司が部下の手柄を自分のものにするときは、人前で取り返そうとせず、自分の仕事が周りに見える形を上司に相談することをおすすめします。報告の場で経緯の部分を自分から説明すること、資料の作成者の欄に名前を入れること、評価の前の面談で担当した案件を整理して伝えることが、相談しやすい形です。評価に納得できない場合の相談先は、人事に確認します。

責任を押しつける上司のことを、人事や上司の上司に相談してもよいですか。

責任を押しつける上司のことを、人事や上司の上司に相談することはかまいません。相談するときは、上司の人柄ではなく、仕事の事実(頼んだ日・返事があった日・起きたこと)と、二人で何を試したかを伝えます。評価や処分の扱い、言い方がハラスメントに当たるかどうかは、就業規則と人事の相談窓口に確認してください。眠れない、体調に出ているといった状態なら、産業医や医療の専門家にも早めに相談します。

責任を押しつける上司とは、できるだけ関わらないほうがよいですか。

責任を押しつける上司とも、判断と情報を求める関わりは続けることをおすすめします。KAKEAIの1万人調査で、上司に期待することとして「期待していることは特にない」を選んだ人のうち、面談が成果につながっていると感じる人は8.4%で、どの答えの人よりも低い割合でした。何も期待していない人は、面談の成果を感じにくいということです。関わり方を変えるなら、判断してほしいことと教えてほしい情報を、具体的に求める形にしてください。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/when-manager-blames-you-for-results

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: