上司の方へ1on1
業務委託の相手と1on1をしてよいか
先に答え
業務委託の相手と1対1で定期的に話す時間を持つこと自体は、仕事を前に進めるのに役立つことがあります。ただし、社員との1on1と同じ中身を、そのまま当てはめないほうがよいでしょう。話す内容は、成果物と要件の食い違いや、こちらの判断や素材の遅れなど、契約の範囲の仕事に絞ります。評価やキャリア、働き方には、こちらからは踏み込みません。発注する側が進め方にどこまで関わってよいかは契約の内容によって変わることがあるため、場を設ける前に契約書を確かめ、法務や人事の担当に確認してください。
数字で見る
KAKEAIの1万人調査は、会社員が自分の上司との面談について答えたもので、業務委託の相手との打ち合わせについては尋ねていません。社員の面談でも、時間の半分ほどは具体的な仕事の話に使われています。また、自分の仕事を進めるために面談をしている人のほうが、面談の成果を実感しています。業務委託の相手との打ち合わせも、お願いしている仕事を前に進めるための時間として持つことをおすすめします。
- 47.2%
- 1万人調査
- 上司との面談の時間のうち、「具体的な仕事」の話が占める割合(本人の答えの平均)
- 「人事評価」は14.0%、「会社や部署の方針」は11.5%、「今後のキャリア」は6.1%でした。社員の面談でも、時間の半分ほどは具体的な仕事の話に使われています。
- 41.2%
- 1万人調査
- 面談をしている一番の理由が「自分の仕事を進めるため」の人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- 一番の理由が「会社または所属組織または上司から実施するように言われているため」の人では12.5%でした。仕事を進めるための時間として面談をしている人のほうが、面談の成果を実感している人の割合が高いということです。
どちらの数字も、会社員が自分の上司との面談について答えたものです。業務委託の相手との打ち合わせについての数字ではありません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
業務委託の相手と1on1をしてよいか: 社員の1on1とは分けて考える
業務委託の相手と1対1で定期的に話す時間を持つこと自体は、仕事を前に進めるのに役立つことがあります。ただし、社員との1on1と同じ中身を、そのまま当てはめないほうがよいでしょう。業務委託の相手は社内の部下ではなく、お願いする仕事の範囲は、契約で決まっているからです。
業務委託の契約では、発注する側が仕事の進め方にどこまで関わってよいかが、契約の種類や内容によって変わることがあります。定期的な1対1の場を設ける前に、契約書の内容を読み直したうえで、法務や人事の担当に相談してください。相手が別の会社に所属していて、その会社を通して仕事をお願いしている場合は、相手の会社との取り決めもあわせて確認します。このページでは、契約上の扱いについては判断せず、話し方と話す内容に絞って書きます。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、1on1は、その部下の仕事を決められる直属の上司が行うのがよいと考えています。ただし、上司であっても、部下の仕事を見てもいないなら、上司が行う意味はありません。業務委託の相手は部下ではないので、この考えをそのまま当てはめることはできません。それでも、相手の仕事を実際に見ている人だからこそ話せることがある、という点は同じです。業務委託の相手との打ち合わせは、成果物を見て、要件や期限を決められる発注側の担当者が行うとよいでしょう。
以下では、自社の採用サイトのリニューアルで、ページのデザインを業務委託のデザイナーにお願いしている場面を例にします。
社員との1on1と、 業務委託の相手との打ち合わせで変わること
業務委託の相手との打ち合わせでも、仕事の話はほぼそのまま残ります。一方で、評価やキャリア、働き方の話は、社員との1on1とは扱いが変わります。話題ごとの違いは次の通りです。
| 話題 | 社員との1on1 | 業務委託の相手との打ち合わせ |
|---|---|---|
| 仕事の | 正面から話す | 成果物と |
| 評価 | 人事評価の | 人事評価はない。 |
| 仕事の | 一緒に | どこまで |
| この先の | まず本人の | こちらからは |
| 体調や私生活 | 話された | 納期や |
| 会社や | 決まっている | 仕事に |
KAKEAIの1万人調査は、会社員が自分の上司との面談について答えたもので、業務委託の相手との打ち合わせについては尋ねていません。この調査では、面談の時間のうち、それぞれの話題が占める割合を、回答者本人に尋ねています。答えの平均は「具体的な仕事」が47.2%、「人事評価」が14.0%、「会社や部署の方針」が11.5%でした。「今後のキャリア」は6.1%、「心身の状態」は4.5%です。社員との面談でも、時間の半分ほどは具体的な仕事の話に使われているということです。業務委託の相手との打ち合わせで中心になるのは、このうちの仕事の話だと考えられます。
同じ調査では、面談をしている一番の理由が「自分の仕事を進めるため」の人のうち、「面談が成果につながっている」と感じている人は41.2%でした。一番の理由が「会社または所属組織または上司から実施するように言われているため」の人では12.5%です。仕事を進めるための時間として面談をしている人のほうが、面談の成果を実感しているということです。業務委託の相手との打ち合わせについての数字ではありませんが、打ち合わせを持つなら、お願いしている仕事を前に進めるための時間として持つことをおすすめします。
業務委託の相手との打ち合わせで話すことと、 最初の一言
業務委託の相手との打ち合わせでは、成果物と要件の食い違い、こちらの判断や素材の遅れ、こちらの側の進め方で直してほしい点を話すとよいでしょう。どれも、発注する側が動くことで解消しやすいものです。
初めに、打ち合わせの目的と時間の扱いを相手と決める
打ち合わせを始める前に、何のための時間か、どのくらいの間隔と長さで行うかを相手と決めておきます。打ち合わせの時間が契約上の作業時間に含まれるかどうかも、契約の内容に合わせて確認しておくと、あとで食い違いが起きにくくなります。
- 社員の1on1とは別に、採用サイトの仕事を前に進めるための打ち合わせを持ちたいと考えています。
- 月に1回、30分ほど、デザインの進み具合と、こちらで決めることを話す時間をいただけないでしょうか。
- 打ち合わせの時間の扱いは、契約の内容に合わせたいと考えています。ご都合も含めて、ご意見をうかがえますか。
成果物と要件の食い違いを早めに埋める
- トップページの案をありがとうございました。採用チームから出た意見を、先にお伝えしてもよろしいでしょうか。
- 前回お伝えした要件の中で、分かりにくかったところや、こちらで決まっていなくて困っているところはありますか。
- 社員の写真を大きく使う、という方向は、採用チームも気に入っています。そのうえで、応募のボタンをもう少し目立たせたいという意見が出ています。
- 公開前の確認の進め方は、契約でお約束した内容に沿って、今のうちに一緒に決めておきたいです。
こちらの判断や素材を待ってもらっているとき
発注する側の判断や素材の遅れで作業が止まっているなら、まずそのことを認め、いつまでに何を出すかを伝えます。
- 社員の写真の素材は、こちらの手配が遅れていて申し訳ありません。来週の火曜までにお送りします。
- 色の方向性は、採用チームの中でまだ決めきれていません。私が水曜までに取りまとめて、お伝えします。
こちらの側の進め方について、 意見を尋ねる
業務委託の相手から見て作業しにくい点は、こちらから尋ねないと出てきにくいかもしれません。修正の依頼の出し方や、確認にかかる日数などを尋ねてみてください。
- 私たちの側の進め方で、作業しにくいところはありますか。修正の依頼の出し方など、変えたほうがよいことがあれば、遠慮なく教えてください。
- 確認のお返事に、毎回3日ほどかかってしまっていました。次からは、翌日中にお返事できるようにします。
相手の事情に話が及んだとき
相手の働き方やほかの仕事の状況に話が及んだときは、納期や作業量に関わる範囲で聞き、それ以上は尋ねません。
- 来週はほかのお仕事が重なっていて、作業が遅れそうなんですね。早めに教えていただき、ありがとうございます。
- 作業の進め方はお任せしています。公開日に関わりそうなことだけ、早めに教えていただけると助かります。
- 公開日に間に合わせるために、どのページから先に仕上げていただくのがよいか、一緒に考えさせてください。
業務委託の相手との打ち合わせで、 避けたいこと
避けたいのは、社員との1on1の形をそのまま持ち込むことと、反対に、要件を一方的に伝えるだけで終えることです。
- 社員の1on1の制度や記録の書式を、そのまま当てはめる。評価やキャリアの欄がある書式を使うと、相手が答えに困る項目が並びます。業務委託の相手との打ち合わせ用に、話す内容を絞った形を用意しましょう。
- 作業の手順や作業する時間帯を、細かく指示する。どこまでお願いしてよいかは、契約の内容によって変わることがあります。迷うときは、法務や人事の担当に相談してから伝えましょう。
- 関係づくりのためだけに、仕事の話のない時間を定期的に持つ。打ち合わせの時間は、相手が仕事に使える時間でもあります。
- 要件だけを伝えて、相手の意見を聞かずに終える。成果物の作り手だからこそ気づいている問題が、話に出ないままになります。
- 相手のほかの取引先や、ほかの仕事について詳しく尋ねる。納期に関わる範囲を超えて尋ねる必要はありません。
社内のチームの中で、業務委託の相手も社員と同じ打ち合わせに加わっている場合もあります。そのときも、社員との1on1と、業務委託の相手との打ち合わせは、別のものとして分けて考えるとよいでしょう。社員の評価や異動の話が、業務委託の相手のいる場で出ないようにする配慮も必要です。
業務委託の相手との打ち合わせがうまくいっているかを、 二人でどう振り返るか
打ち合わせがうまくいっているかどうかは、話が弾んだかではなく、成果物と納期に向けて、二人の仕事が進んだかどうかで振り返ります。発注する側の担当者が中心になり、相手の意見も聞きながら振り返ったあとに、次にすることを挙げます。
- 打ち合わせを重ねて手戻りが減ってきたら、どの話し方が役に立ったかを相手と話し、次の打ち合わせでも続けます。
- 発注する側が引き受けた判断や素材が約束の日に間に合わなかったときは、次の打ち合わせの最初にそのことを伝え、新しい期限を決めます。
- こちらの進め方で作業しにくい点を相手から聞けたら、次の打ち合わせまでに1つ直し、そのことを伝えます。
- 話す内容が契約の範囲の仕事から外れそうになったら、成果物と納期の話に戻し、迷う点は法務や人事の担当に相談します。
見直すきっかけとして、打ち合わせの終わりには、発注する側がすることと相手が次に進めることを、二人で言葉にしておくとよいでしょう。次の打ち合わせは、その2つがどうなったかから始められます。
- 私は水曜までに色の方向性をお伝えします。その間に、採用情報のページの案を進めていただける、ということでよろしいでしょうか。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
メンターなど、上司と部下の組み合わせではない相手と1on1を行うときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
上司と部下ではない方同士の1on1で(ご契約による)。
メンターなど、上司と部下ではない相手との1on1も、 同じ Kakeai AI 1on1 の画面で行えます。
ご契約によっては、上司と部下の組み合わせではない方同士でも、Kakeai AI 1on1 で1on1を行えます。対象は、Kakeai AI 1on1 にご登録の方同士です。
1on1が始まってすぐ、右の列のメッセージ欄で。
上司と部下ではない相手との1on1でも、 その回が何のための時間かを二人で確かめてから話し始められます。
Kakeai AI の開始の挨拶。1on1の前に選ばれたテーマと期待する対応、前回決まった次の一歩を挙げます。前回の一歩があればその担当の方に、無ければテーマを選んだ方に、最初の一言を向けます。お二人の画面に同じ内容が表示されます。
こんにちは!今日からお二人の1on1をサポートします。準備されたテーマは「稟議・根回しの実際の手順」×「具体的なアドバイスが欲しい」の1つです。長谷部さん、いかがでしょう?
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よくある質問
業務委託の相手と1on1をすると、 偽装請負にあたりますか。
業務委託の相手と定期的に1対1で話すことが契約上どう扱われるかは、契約の種類や内容、打ち合わせで何をどこまで話すかによって変わることがあり、このページでは判断できません。定期的な1対1の場を設ける前に、契約書の内容を確かめ、法務や人事の担当に確認してください。相手が別の会社を通して仕事をしている場合は、その会社との取り決めもあわせて確認します。
業務委託の相手との1on1では、 何を話せばよいですか。
業務委託の相手との打ち合わせでは、成果物と要件の食い違いや、こちらの判断や素材の遅れなど、契約の範囲の仕事を話すとよいでしょう。「私たちの側の進め方で、作業しにくいところはありますか」と尋ねると、発注する側が直せる点が見つかることがあります。終わりには、発注する側がすることと、相手が次に進めることを二人で言葉にしておきます。
業務委託の相手にも、 評価やキャリアの話をしてよいですか。
業務委託の相手には社内の人事評価がないため、社員と同じ評価の話はしません。代わりに、成果物を受け入れる基準を、契約に沿って相手と見直します。この先のキャリアは、相手自身が決めることなので、こちらからは話題にせず、相手から話があったときに聞く程度にとどめるとよいでしょう。社員の1on1の書式に評価やキャリアの欄があるなら、そのまま使わないことをおすすめします。
業務委託の相手との1on1は、 誰が行うのがよいですか。
業務委託の相手との打ち合わせは、相手の成果物を実際に見て、要件や期限を決められる発注側の担当者が行うとよいでしょう。成果物を見ていない人が話しても、要件の食い違いや、こちらの判断の遅れには気づきにくいからです。相手が別の会社を通して仕事をしている場合は、誰と話すのがよいかを、相手の会社との取り決めに沿って確認します。
業務委託の相手との打ち合わせの時間は、 作業時間に含まれますか。
業務委託の相手との打ち合わせの時間が作業時間や報酬の対象に含まれるかどうかは、契約の内容によって異なります。打ち合わせを始める前に契約書を読み直し、分からない点は法務や人事の担当に相談したうえで、相手とも話し合って決めておくとよいでしょう。あとから食い違いが起きないよう、打ち合わせの間隔と長さもあわせて決めておきます。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: