上司の方へ部下との関わり
報連相をしない部下への対応
先に答え
報連相をしない部下への対応は、「報連相をしてください」と繰り返すより、報告・連絡・相談のどれが、どんな場面で届いていないのかを分けることから始めるとよいでしょう。基準が二人の間にない、部下が切り出せない、知らせても上司から何も反応がない、の3つが混ざっていることがあるためです。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)に「報告したい」を選んだ人が25.3%いました。部下の側にも、上司に報告したいという期待はあるということです。上司は、何をいつどの形で知らせてほしいのかを仕事の言葉で伝えます。悪い知らせにはまず知らせてくれたことへのお礼を伝え、受けた報連相には上司が何をしたかを伝えてください。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談で上司に「報告したい」と期待する部下は少なくありませんでした。話すべきことを切り出せないと困っている人でも、面談が成果につながっていると感じる割合は全体より高くなっています。一方、話したことを上司が覚えていない、日常にいかさないと感じている人は、成果の実感が全体より低くなっています。報連相は部下だけに求めるものではなく、受けた上司がどう応じるかまで含めて考えるとよいでしょう。
- 25.3%
- 1万人調査
- 面談で上司に期待すること(5つまで選択)に、「報告したい」を選んだ人の割合
- 「意見を聞きたい」33.6%や「具体的なアドバイスがほしい」32.0%ほど多くはありませんが、上司に報告したいという期待を持つ人は、部下の側にも少なくありません。
- 9.7%
- 1万人調査
- 面談の困りごと(複数回答)に、「話したいこと、話すべきことを切り出せない」を挙げた人の割合
- 20代の回答では15.0%でした。この人たちのうち面談が成果につながっていると感じている人は36.5%で、全体の31.9%より高くなっています。切り出せないことに困っていても、面談そのものを役に立たないと感じているとは限らない、という意味です。
- 26.4%
- 1万人調査
- 面談の困りごとに「上司が以前会話したことを覚えていない」を挙げた人のうち、成果を実感している人の割合
- 「会話したことを上司が日常にいかさない・約束を守らない」を挙げた人では23.2%で、どちらも回答者全体の31.9%を下回っています。話したことを上司が覚えていない、日常にいかさないと感じている人は、面談の成果を実感しにくい傾向があります。
数字はいずれも上司との面談について尋ねたもので、日々の報連相について尋ねたものではありません。本文では、面談についての数字であることを断ったうえで、報連相の話に当てはめています。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
報連相をしない部下への対応で、 まず分けること
報連相をしない部下への対応は、「報連相をしてください」と繰り返すことより、報告・連絡・相談のどれが、どんな場面で届いていないのかを分けることから始めることをおすすめします。上司の目に「報連相をしない」と映る状態には、3つの場合が混ざっていることがあります。何をいつ知らせればよいのかの基準が二人の間にない場合、話すべきことを部下が切り出せない場合、知らせても上司から何も反応がないので意味を感じにくくなっている場合です。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談で上司に期待すること(5つまで選択)に「報告したい」を選んだ人は25.3%でした。つまり、上司に報告したいという期待を持つ人は、部下の側にも少なくないということです。
同じ調査で、上司との面談の困りごと(複数回答)に「話したいこと、話すべきことを切り出せない」を挙げた人は9.7%で、20代の回答では15.0%でした。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は36.5%で、回答者全体の31.9%より高くなっています。切り出せないという困りごとは、面談が役に立たないと感じることとは別の困りごとだと考えられます。
悪い報告や相談は、日々の報連相でも切り出しにくいものです。面談についての数字ですが、「報連相をしない」と見える場面にも、部下が報告したい気持ちや言うべきことを持ちながら、切り出せていない場合が含まれているかもしれません。
以下では、部下が外注先に依頼している製品カタログの制作を担当し、納期と仕様の管理をしている場面を例にします。
| 報連相の種類 | 「しない」と見えるときに起きていると考えられること | 上司の最初の一言 |
|---|---|---|
| 報告 | 何を、 | 「進み具合は、 |
| 連絡 | 悪い | 「教えてくれて、 |
| 相談 | 自分で | 「仕様の |
報連相の基準を、 上司から具体的に伝える
報連相の基準は、「こまめに」「早めに」ではなく、何をいつどの形で知らせてほしいのかを仕事の言葉で伝えます。基準がないまま「報連相をしてください」と言うと、部下は、すべてを報告するか、何も報告しないかのどちらかに寄りがちです。
- 「報連相をしてください」と言うだけでは、私も曖昧でした。カタログの仕事で、私がその日のうちに知りたいのは、納期と金額に関わる変化の2つです。
- それ以外の進み具合は、火曜の1on1でまとめて教えてもらえれば十分です。
- 連絡はチャットで一言でかまいません。「外注先から納期が3日遅れると連絡がありました」だけで足ります。
相談については、部下が自分で決めてよいことと、上司に相談してほしいことの線引きを、二人で決めます。
- 仕様を変えるかどうかは、○○さんの判断で決めてよいところと、私に相談してほしいところがあります。線引きを、今ここで一緒に決めませんか。
- 色や文字の細かな調整は、○○さんの判断で進めてください。金額と納期が変わる変更は、決める前に相談してほしいです。
基準を伝えるときの理由は、上司が困るからではなく、仕事を止めないためだと伝えます。
- 早く分かれば、営業に出す日を調整するなど、一緒に打てる手が増えます。私のためというより、仕事を止めないためです。
悪い報告や相談を、 部下が切り出しやすくする
悪い報告を受けたときの上司の最初の一言は、その1件の対応だけでなく、次の悪い知らせが届く早さにも影響しやすいものです。遅れの知らせを受けたら、まず、知らせてくれたことへのお礼を伝えます。
- 教えてくれて、ありがとうございます。遅れが分かった時点で言ってもらえたので、まだ手が打てます。
- 叱るつもりはありません。今の状況を、分かっている範囲で教えてください。
- 次に同じことがあったら、今日のように、分かった日のうちに一言もらえると助かります。
相談を受けたときは、部下が何に困っていて、どうしたいと考えているのかを把握することから始めます。意見を求められたら、部下自身の考えを先に尋ね、そのうえで、上司の意見を理由と一緒に具体的に伝えます。
- 相談してくれて助かります。何に困っていて、どうしたいと考えているか、まずそこから教えてください。
- 私の意見を言う前に、○○さんはどちらがよいと思っていますか。
- 私なら、仕様の変更は今回は見送って、次の版に入れます。印刷の日程を動かすと、営業の予定にも響くからです。
報告しにくいと感じている点があるかどうかも、上司から尋ねてみてください。上司の受け方に原因があることもあります。
- 報告しにくいと感じることがあれば、それも教えてください。私の受け方に原因があるかもしれません。
報連相を受けた上司が、 何を伝えるか
報連相は、部下から上司への一方通行として語られがちですが、受けた上司がどう応じるかによって、部下が報連相をする意味を感じられるかどうかが変わると考えられます。1万人調査では、上司との面談の困りごとに「上司が以前会話したことを覚えていない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は26.4%でした。「会話したことを上司が日常にいかさない・約束を守らない」を挙げた人では23.2%で、どちらも回答者全体の31.9%を下回っています。つまり、話したことを上司が覚えていない、日常にいかさないと感じている人は、面談の成果を実感しにくい傾向があるということです。
面談と日々の報連相は別の場面ですが、報連相でも似たことが起きている可能性があります。知らせても上司が覚えていない、相談しても何も動かない、という経験が重なると、部下にとって報連相をする理由は薄れていくかもしれません。上司が部下に伝えたいのは、受け取ったという返事と、それを受けて上司が何をしたかの2つです。
- 先週報告してもらった、外注先の納期の遅れは、営業の部長に伝えました。出す日を1週間ずらすことで、了解をもらっています。
- 前回の1on1で、校正の確認を私が引き受けていました。金曜までに返します。
- 相談してもらった仕様の変更は、次の版に入れる方向で、私から企画の担当に話しておきます。
上司の側からの報連相も、同じ重さで考えます。会社で決まったことや、上司が引き受けたことの結果は、部下が聞く前に上司から伝えます。KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司も部下も、両方が当事者だと考えています。報連相も、部下だけに求めるものではありません。
- 私からも、会社で決まったことは早めに伝えます。先に知っておいてほしいことがあれば、言ってください。
報連相をしない部下への対応で、 避けたいこと
避けたいのは、報連相がないことを部下だけの問題にすることと、逆に、すべてを報告するよう求めることの両方です。
- 「報連相をしてください」とだけ言うこと。何を、いつ、どの形で知らせればよいのかが部下に伝わりません。仕事の言葉で基準を伝えます。
- 報告がなかったことを、その場で叱ること。叱られた経験は、次の悪い知らせを遅らせるおそれがあります。まず、知らせてくれたことに感謝を伝えるとよいでしょう。
- 悪い知らせに、怒りを見せること。遅れの知らせを受けた直後の一言が、次に遅れが起きたときの報告の早さに関わることがあります。
- 逆に、すべてを報告するよう求めること。細かなことまで報告を求めると、部下は上司に聞いてからでないと動きにくくなりがちです。その日のうちに知らせることと、1on1でまとめて話すことを分けます。
- 報連相を受けたあと、上司が何も伝えないこと。受け取ったという返事と、上司が何をしたかを伝えないと、部下にとって報連相をする理由は薄れがちです。
- 上司の側からは、何も知らせないこと。会社で決まったことや、上司が引き受けたことの結果も、部下に届いていなければ、報連相は片方だけのものになります。
報連相をしない部下への対応がうまくいったかの振り返り方
うまくいったかどうかを振り返るときは、報告の回数が増えたかではなく、悪い知らせが届く早さと、上司が部下に何を伝えたかを見るとよいでしょう。次の点を、1か月ほどたったところで振り返ってみてください。
- 外注先の遅れのような悪い知らせは、分かった日のうちに上司に届いているでしょうか。
- 報連相を受けたあと、上司は、受け取ったことと自分が何をしたかを部下に伝えているでしょうか。
- その日のうちに知らせることと、1on1でまとめて話すことの線引きが、二人の言葉になっているでしょうか。
- 部下が報告しにくいと感じている点を、上司から尋ねたでしょうか。
カタログの仕事が終わったら、次の仕事を任せるときに、その仕事での「その日のうちに知らせてほしいこと」を、もう一度短く決め直すとよいでしょう。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
部下が相談や報告をしてくれない、本音や不満が見えないと感じるときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
報告を受けるだけの時間にせず、 部下が話したいことを持ち込める場として1on1を始められます。
Kakeai AI が、選ばれたテーマと、部下が選んだ期待する対応、これまでの1on1をもとに、今回どう関わるとよいかと、最初の一言の案を書きます。たとえば初めての1on1では、進み具合を聞く前に、この場をどう使いたいかを部下に先に聞く入り方が勧められることがあります。ご自身向けの内容です。
「今日が初めての1on1です。山岸さんにとってこの場をどう使うと一番役に立つか、まず聞かせてもらえますか。」…業務の進捗を聞く前に「この場をどう使いたいか」を先に聞くと、山岸さんが何を持ち込んでよいかを自分で決める余地が生まれます。
1on1の開始直後に、Kakeai AI のメッセージ欄で。
その回にどう関わってほしいかを、 言葉で確かめるところから1on1を始められます。
Kakeai AI が、準備されたテーマと、部下が選んだ期待する対応を挙げ、前回の一歩があればその担当の方に、無ければテーマを選んだ方に、最初の一言を向けます。期待する対応が選ばれていない回には、どう関わってほしいかを尋ねることもあります。期待する対応は、部下の側だけが選べます。
長谷部さん、このテーマを今日はどう関わってほしいですか?話を聞いてほしいのか、一緒に考えてほしいのか、具体的なアドバイスが欲しいのか、一言教えていただけますか?
1on1の終了後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。
相談を待つだけでなく、 その回に決まった仕事の話から、 部下が困りごとを言い出しやすい問いを用意できます。
「1on1後のAIアドバイス」のご自身向けの欄に、困りごとを広く尋ねた問いに部下が短く返した場面があると、その回に決まった仕事に結びつけて尋ね直す一言の案が書かれることがあります。部下には別の内容が表示されます。
次回、同じ問いをもう少し絞って出してみることが一手になります。たとえば「仕様書の番号の件、石田さんと話した後で、長谷部さんが動きにくいことが出てきたら教えてください」のように、今日決まった動きに紐づけた形で聞くと…
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よくある質問
報連相をしない部下には、 どう対応すればよいですか。
報連相をしない部下には、「報連相をしてください」と繰り返すのではなく、何をいつどの形で知らせてほしいのかを仕事の言葉で伝えることをおすすめします。「その日のうちに知りたいのは、納期と金額に関わる変化の2つです。それ以外は火曜の1on1でまとめて教えてもらえれば十分です」のように言います。あわせて、自分で決めてよいことと相談してほしいことの線引きを、二人で決めてください。
報連相をしない部下を叱ってもよいですか。
報連相をしない部下を叱ることは、おすすめしません。叱られた経験は、次の悪い知らせを遅らせるおそれがあるからです。「報連相をしない」と見える場面には、部下が言うべきことを持ちながら、切り出せていない場合も含まれているかもしれません。遅れの知らせを受けたら、まず知らせてくれたことへのお礼を伝えてください。
部下が悪い報告をしてこないのは、 なぜですか。
部下が悪い報告をしてこない理由として考えられるのは、悪い知らせを切り出しにくいこと、何をいつ知らせればよいかの基準がないこと、知らせても上司が動かなかった経験があることの3つです。決めつけずに、「報告しにくいと感じることがあれば、それも教えてください。私の受け方に原因があるかもしれません」と、上司から尋ねてみてください。悪い報告を受けた直後の上司の一言は、次の悪い知らせが届く早さにも影響しやすいものです。
部下に報連相の基準を伝えるには、 どう言えばよいですか。
部下に報連相の基準を伝えるときは、「こまめに」「早めに」ではなく、仕事の名前と知らせてほしい変化を具体的に言います。「カタログの仕事で、私がその日のうちに知りたいのは、納期と金額に関わる変化の2つです」という言い方です。連絡の形も、「チャットで一言でかまいません」と決めておきます。理由は、「早く分かれば、一緒に打てる手が増えるからです」と、上司の都合ではなく仕事を止めないためだと伝えるとよいでしょう。
部下の報連相を受けたあと、 上司は何をすればよいですか。
部下の報連相を受けたあと、上司が伝えたいのは、受け取ったという返事と、それを受けて上司が何をしたかの2つです。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとに「上司が以前会話したことを覚えていない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は26.4%でした。全体の31.9%を下回っています。「先週報告してもらった納期の遅れは、営業の部長に伝えました」のように、上司が何をしたかを部下が聞く前に伝えてください。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/subordinate-does-not-report-or-consult
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: