上司の方へ部下との関わり
モンスター部下、問題児の部下への対応
先に答え
「モンスター部下」「問題児」と感じる部下への対応は、呼び名をいったん外すことから始めてください。困っている行動を「期限や連絡」「周りへの言い方」「指示への反論」「就業規則やハラスメントに関わる行為」の4つに分け、1つずつ事実で本人と話します。KAKEAIの1万人調査では、面談のあと行動につながりにくい人が挙げた理由で最も多いのは「その時々によって違う」の26.1%で、理由は1つに決まらないことがうかがえます。規則に関わる行為は、上司が一人で判断せず、人事と就業規則に確認します。性格の問題と決めて距離を置くことも、注意を強くしていくことも、おすすめしません。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談のあと行動につながりにくい人が挙げた理由は、1つにまとまっていません。上位は「その時々によって違う」「特にない」で、「自己像・ありたい姿と衝突してやりたくない」は最も少ない答えでした。面談のあと動けないのは、本人がやりたくないからとは限らないと考えられます。また、上司が面談に前向きでないと感じている人では、面談の成果の実感が全体より低くなっています。
- 26.1%
- 1万人調査
- 面談が行動につながりにくい人のうち、その理由に「その時々によって違う」を選んだ人の割合
- 面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人の数字です。尋ねた10の答えの中で最も多く、次が「特にない」の23.4%でした。行動につながらない理由は、本人にもはっきりしないことが多いと考えられます。
- 8.3%
- 1万人調査
- 同じ人たちのうち、理由に「自己像・ありたい姿と衝突してやりたくない」を選んだ人の割合
- 面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人の数字で、尋ねた10の答えの中で最も少ないものです。自分のありたい姿と合わないからやりたくない、という理由は少数でした。面談のあと動けないのは、本人がやりたくないからとは限らないと考えられます。
- 20.4%
- 1万人調査
- 面談の困りごとに「上司が実施に前向きではない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じる人の割合
- 回答者全体では31.9%でした。上司が面談に前向きでないと感じている人は、面談が成果につながっていると感じる割合が、全体より低くなっています。
この調査は、上司が部下の行動をどう受け取っているかを尋ねたものではありません。数字は、面談が行動につながらない理由と、面談の困りごとを、部下の立場で答えた結果です。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
「モンスター部下」「問題児」という呼び名を、 いったん外す
部下の行動に困っているとき、最初にしたいのは、「モンスター部下」「問題児」という呼び名をいったん外すことです。呼び名は上司の側の受け取り方で、本人に何が起きているかを示していません。1つの名前でまとめると、期限の遅れも周りへの言い方も指示への反論も、同じ「性格の問題」に見えてしまいます。すると、どれから手をつければよいかが決まらなくなります。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人に、その理由を尋ねています(5つまで選択)。最も多い答えは「その時々によって違う」の26.1%でした。次が「特にない」の23.4%で、どちらも本人にも理由がはっきりしない答えです。一方、「自己像・ありたい姿と衝突してやりたくない」は8.3%で、尋ねた10の答えの中で最も少ない数字でした。行動につながらない理由は1つに決まらず、自分のありたい姿と合わないからやりたくない、という理由は少数だということです。
面談についての数字ですが、上司が問題だと感じる行動についても、理由は人や場面によって違うと考えられます。
1つの呼び名でまとめず、行動を1つずつ分けて、事実をもとに本人と話すことをおすすめします。1つの名前を付けると、行動ごとに違う理由を聞きそびれやすくなるからです。
問題の行動を4つに分けて、 1つずつ本人と話す
上司が「問題行動」と感じるものは、おおむね次の4つに分けられます。対応と、誰が扱うかが違うので、分けてから話します。
ここでは、お客様との保守契約の更新手続き(更新案内の送付・契約書の作成・社内の承認)を担当している部下と、その上司(課長)を例にします。
| 行動 | 上司が本人と話すこと | 誰が扱うか |
|---|---|---|
| 期限を | どの仕事の | 直属の |
| 同僚や | いつ、 | 直属の |
| 上司の | 反論の | 直属の |
| 就業規則や | 事実の | 人事・ |
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、部下の行動に問題があると感じるときも、上司と部下の両方が当事者だと考えています。本人と話す前に、上司どうしで本人の扱いを決めてしまうことは避けてください。本人の言い分を聞かないまま決めた対応は、本人にとっては一方的な通告になります。
期限や連絡を守らないとき、 周りへの言い方が強いとき: 最初の一言
期限や連絡の話は、人柄ではなく、どの仕事のどの期限かを具体的に言います。
- 更新案内の送付が、予定の15日を過ぎています。お客様への影響が出る前に、今どこまで進んでいるかを教えてもらえますか。
- 遅れそうだと分かった時点で教えてもらえれば、お客様への連絡や段取りの組み直しを一緒にできます。次からは、間に合わないと分かったらその日に一言もらえますか。
- 間に合わせるために、私が動いたほうが早いことはありますか。承認の催促なら、私から部長に話せます。
- 遅れたことを責めたいわけではありません。お客様に迷惑がかからない形を、今日ここで一緒に決めたいんです。
遅れの理由を本人に聞くときは、「なぜ」より「何があれば」の形で尋ねます。
- 契約書の作成で、進めにくくなっていることはありますか。情報、時間、ほかの仕事との優先順位のどれかなら、一緒に整理しましょう。
- 私の指示で、分かりにくかったところはありませんか。あれば、言い直します。
周りへの言い方が強いときは、上司が見た事実と、相手にどう届いたかを伝え、本人の受け取り方を聞きます。
- 昨日の打ち合わせで、△△さんに「それは聞いていない」と強い調子で言っていましたね。△△さんは、そのあと話しにくそうにしていました。
- 言いたかったことは何だったのか、教えてください。内容はもっともでも、届き方で損をしているように私には見えました。
- お客様へのメールの「それはこちらの責任ではありません」という一文は、お客様には強く届いたかもしれません。書き方に迷うときは、送る前に声をかけてもらえれば一緒に考えます。
- △△さんに言いたかったことは、私から伝えたほうがよければ、そうします。○○さん自身から話したいなら、言い方を一緒に考えましょう。
指示に反論するとき、 規則に関わる行為があるとき
指示への反論は、上司への態度の問題と受け取る前に、反論の中身を聞きます。上司が、指示の理由を伝えきれていなかったということもあります。
- 更新の案内を全件一斉に送る、という私の指示に反対でしたね。理由を教えてください。私の説明が足りなかったかもしれません。
- ○○さんの案のほうが、お客様ごとの事情に合うと思いました。ただ、承認の期限があるので、今回は一斉送付で進めたいと考えています。次回の更新では○○さんの案で進めたいのですが、どう思いますか。
- 決めたあとで進め方を変えたほうがよいと思ったときは、変える前に一言相談してもらえますか。一緒に決め直しましょう。
- 私の指示に納得できないときは、その場で言ってもらって大丈夫です。その場で話してもらえれば、二人で進め方を決め直せます。
就業規則やハラスメントに関わる行為は、上司が一人で判断しないでください。事実を確認したうえで、会社の決まりに沿って人事に相談します。本人への伝え方も、人事と相談してから決めます。
- 先週の打ち合わせでのことで、△△さんから話を聞きました。会社の決まりに関わることなので、私の判断ではなく、人事と一緒に確認を進めます。○○さんの話も、きちんと聞きます。
- 今日は事実を確認するだけで、何かを決める場ではありません。○○さんから見て何があったのかを、順に教えてください。
部下の問題行動への対応で、 避けたいこと
避けたいのは、本人の性格の問題として片づけることと、注意を重ねて強くしていくことの、両方です。
- 性格の問題と決めて、距離を置く。距離を置くと、期限や言い方について本人と話す機会そのものがなくなります。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の困りごとに「上司が実施に前向きではない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じる人は20.4%で、回答者全体の31.9%を下回ります。上司が面談に前向きでないと受け取っている人ほど、面談に成果を感じにくいという傾向です。
- 注意の回数を増やし、言い方を強くする。同じ注意を繰り返しても変わらないときは、本人が動けない理由を、上司がまだ聞けていない可能性があります。「何があれば」を聞き直してみてください。
- 周りの部下から話を集めて、本人と話す前に対応を決める。事実の確認は必要ですが、本人の言い分を聞く前に決めた対応は通告になります。
- 人事に任せて、上司は関わらない。規則に関わる行為の判断は人事と行いますが、仕事の期限や言い方の話は、直属の上司しかできません。
- 評価や異動を持ち出して従わせる。評価の結果や異動は上司の一存では決まらず、脅しとして受け取られかねません。
問題行動への対応がうまくいっているかの振り返り方
対応がうまくいっているかどうかは、本人が従順になったかではなく、二人の間で仕事が止まらなくなったかで振り返ります。次の点を、自分に問いかけてみてください。
- 「問題児」という見方ではなく、どの仕事のどの行動かを、具体的に本人と話せたでしょうか。
- 遅れそうなときに本人が先に連絡しやすい形を、二人で決められたでしょうか。
- 指示を出すときに、その理由まで伝えているでしょうか。
- 本人と話す前に、上司どうしで扱いを決めてしまった場面はなかったでしょうか。
- 規則に関わる行為について、人事と相談しながら進められたでしょうか。
本人からの連絡が増えていないなら、次の面談では、本人に尋ねることから始めてみてください。
- 遅れそうだと分かったときに、どんな形なら私に言いやすいですか。チャットの一言でも、朝の立ち話でもかまいません。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
会社の決まりに沿った対応や人事への相談を先にしたうえで、1on1で本人にどう伝え、どう話を聞くかを準備するときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の前に、「メンバーに伝えたいこと」に入力して。
決まりについて伝えたいことを、 どの話題の流れで切り出すかを、 1on1の前に考えておけます。
マネジャー権限でご自身のメンバーと行う1on1では、「予定・履歴」の次の1on1のカードの「メンバーに伝えたいこと」に、切り出したいことを入力できます。保存すると「1on1前のAIアドバイス」が書き直され、どの話題の流れの中で切り出すと自然かが示されます。入力した内容は部下には表示されず、ご自身向けのアドバイスにだけ使われます。
話す1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
伝えたいことを先に示したうえで、 部下の事情を聞く一言を用意して1on1に臨めます。
Kakeai AI が、選ばれたテーマと、部下が選んだ期待する対応、これまでの1on1をもとに、今回どう切り出すとよいかと、最初の一言の案を書きます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。
6月5日の定例で分担の大枠は決まりましたが、今日はその線引きをもう少し具体的に決めてしまいたいと思っています。小野寺さんの担当範囲で、今どこが一番動かしにくいですか。
1on1の終了後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。
注意したあとも、 部下の事情を聞き直すきっかけを次の1on1に持てます。
部下の返事が短いまま次の話に移った場面があると、次の1on1でどう声をかけ直すかの一言の案が書かれることがあります。ご自身向けの内容です。
次回、業務の確認に入る前に「最近、どう?」と一言置いてみると、小野寺さんが自分から話す余地が生まれます。
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よくある質問
モンスター部下、問題児の部下には、 どう対応すればよいですか。
「モンスター部下」「問題児」と感じる部下には、呼び名をいったん外し、困っている行動を4つに分けてください。期限や連絡、周りへの言い方、指示への反論、就業規則やハラスメントに関わる行為の4つです。KAKEAIの1万人調査では、面談のあと行動につながりにくい人が最も多く挙げた理由は「その時々によって違う」の26.1%で、理由は1つに決まっていませんでした。性格の問題として片づけず、どの仕事のどの行動かを具体的に本人と話します。
問題のある部下について、 本人と話す前に上司の上司や人事に相談してもよいですか。
問題行動のある部下について、上司の上司や人事に相談すること自体はかまいません。ただし、本人と話す前に、上司どうしで本人の扱いを決めてしまうことは避けてください。本人の言い分を聞かないまま決めた対応は、本人にとって一方的な通告になります。就業規則やハラスメントに関わる行為は別で、上司が一人で判断せず、会社の決まりに沿って人事と一緒に確認を進めます。
何度注意しても変わらない部下には、 どうすればよいですか。
何度注意しても部下が変わらないときは、注意を強くするより、行動の理由を聞き直すことをおすすめします。同じ注意を重ねても変わらないのは、本人が動けない理由が、まだ二人の間で話されていないからかもしれません。「なぜ」ではなく「何があれば進むか」を尋ねてください。
部下の問題行動は、 記録しておくべきですか。
部下の問題行動の記録は、何のために残すかで扱いが変わります。期限や言い方の話なら、あとで食い違いが起きないように、本人と話して決めたことをその場で二人で確認し、メモに残しておくとよいでしょう。就業規則やハラスメントに関わる行為は、会社の決まりに沿って、人事に相談したうえで記録を残します。本人に知らせないまま行動を書きためることは、証拠を集める形になるので、おすすめしません。
問題行動のある部下に、 評価や異動の話をして改めさせてもよいですか。
問題行動のある部下に、評価を下げることや異動をちらつかせて改めさせることは、おすすめしません。評価の結果や異動は上司の一存では決まらず、脅しとして受け取られかねません。伝えるなら、評価の基準を具体的な仕事の場面で示します。たとえば「更新案内の送付期限を守れているかどうかを、私は大事にしたいと考えています」のように、何を変えてほしいかを行動の言葉で話してください。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/subordinate-with-repeated-problem-behavior
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: