上司の方へ評価の面談
AIで評価コメントを作るときのプロンプト
先に答え
AIで評価コメントを作るときのプロンプトには、上司が持っている5つの材料を書きます。その期に部下の仕事で何が起きたか(事実)・評価項目と段階ごとの基準の文言・上司の考えとその理由・期の途中で部下に伝えたこと・来期に期待することです。AIに任せるのは、文を整えることと足りない事実を問い返すことまでにし、評価の段階を決めることや書いていない事実を補うことはさせません。材料を入れずに生成すると、誰にでも当てはまる一般的な文になりがちで、読んだ部下には、自分の仕事のどこを見てもらえたのかが伝わりにくくなります。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司の話が役に立たないと感じている人や、上司が以前の会話を覚えていないと感じている人は、面談の成果の実感が低くなっていました。上司の話が自分の仕事に使えるかどうか、前に話したことが踏まえられているかどうかが、部下にとっての面談の受け取り方と関わっていることがうかがえます。
- 8.2%
- 1万人調査
- 面談の困りごとに「上司の話が役に立たない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- 回答者全体の31.9%を大きく下回り、集計に並ぶ15の困りごとの中で最も低い数字です。上司の話が自分の仕事に使えないと感じている人は、面談から得るものも少ないと感じています。
- 6.2%
- 1万人調査
- 面談の困りごとに「上司が以前会話したことを覚えていない」を挙げた人の割合
- この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は26.4%で、回答者全体の31.9%を下回ります。前に話したことを上司が覚えていないと感じている人は、面談の成果を感じにくい傾向があるということです。
- 47.2%
- 1万人調査
- 上司との面談の時間のうち、「具体的な仕事」の話が占める割合(回答者の答えの平均)
- 「人事評価」の話は14.0%でした。面談の時間の半分近くは、評価の話より、具体的な仕事の話に使われているということです。
調査は、AIで評価コメントを作ることや、評価コメントの読まれ方は尋ねていません。数字は、上司との定期的な面談の困りごとと、面談の時間の使われ方についての答えです。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
AIで評価コメントを作るときのプロンプト: 材料は上司が書き、 AIには整えてもらう
AIで人事評価のコメントを作るときは、上司が持っている材料をプロンプトに書き出し、AIにはそれを文章に整えてもらうことをおすすめします。「○○さんの評価コメントを書いてください」とだけ頼むのでは、材料が足りません。材料とは、その期に部下の仕事で何が起きたか(事実)・評価項目の基準・上司の考えとその理由・期の途中で部下に伝えたこと・来期に期待することの5つです。
この5つは、どれもAIが持っていない情報です。材料を入れずに生成すると、AIは誰にでも当てはまる一般的な文を返しがちです。「主体的に業務に取り組み、周囲との連携も良好でした」という文は、読んだ部下にとって、自分の仕事のどこを見てもらえたのかが分からない文です。
AIに任せるのは、文を整えること、材料に足りない事実を上司に問い返すこと、読み手である部下の立場で読み直すことの3つです。評価の段階を決めること、書いていない事実を補うこと、人柄や性格を書くことは、AIにさせません。
AIで作る評価コメントを部下の役に立つものにするには、 材料が要る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談の困りごとに「上司の話が役に立たない」を挙げた人のうち、「面談が成果につながっている」と感じている人は8.2%でした。回答者全体の31.9%を大きく下回り、集計に並ぶ15の困りごとの中で、成果の実感が最も低い数字です。上司の話が自分の仕事に使えないと感じている人は、面談から得るものも少ないと感じているという結果です。面談についての数字ですが、評価コメントも、読んだ部下にとって仕事に使えるかどうかで受け取り方が分かれると考えられます。
どの仕事のどの点を見たのかが書いてあれば、部下は次の期に何を変えるかを考えやすくなります。一般的な言葉だけのコメントは、AIが書いたかどうかにかかわらず、部下にとって自分の仕事に使えないものになりがちです。
同じ調査で、面談の困りごとに「上司が以前会話したことを覚えていない」を挙げた人は6.2%いました。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は26.4%で、回答者全体の31.9%を下回ります。前に話したことを上司が覚えていないと感じている人は、面談の成果を感じにくい傾向があるということです。期の途中の面談で何を話したかも、プロンプトに入れておきたい材料の1つです。
また、上司との面談の時間のうち「具体的な仕事」の話が占める割合は、回答者の答えの平均で47.2%でした。面談の時間の半分近くは、仕事そのものの話に使われているということです。1on1の終わりに、話した仕事の事実と決めたことを二人で確認して残しておけば、期末に記憶をたどらなくても、評価コメントの材料として使えるでしょう。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、1on1は、その部下の仕事を決められる直属の上司が行うのがよいと考えています。ただし、上司であっても、部下の仕事を見てもいないなら、上司が行う意味はありません。上司が行う意味は、その場にいる人だからこそできる観察や、聞くこと、感じることにあります。評価コメントをAIで作るときも同じです。上司が部下の仕事を見ていなければ、プロンプトに書く材料がありません。AIが代わりに書けるのは文であって、観察ではありません。
評価コメントのプロンプトの例: 入れる5つの材料
以下では、社内システムの運用保守を受け持っている部下の、「安定運用」という評価項目のコメントを作る場面を例にします。プロンプトは、材料を見出しごとに分けて書くと、AIが取り違えにくくなります。
- 次の材料をもとに、人事評価のコメントの下書きを作ってください。あなたの役割は、文章を整えることと、材料に足りない事実を私に質問することです。評価の段階を決めたり、書いていない事実を補ったりしないでください。
- 【評価項目と基準】項目は「安定運用」。この等級の「期待通り」は「障害の一次対応を一人で完了できる」、「期待を上回る」は「再発防止の対策まで自分で立案し、実行できる」。
- 【今期の事実】障害の一次対応は12件で、すべて当日中に復旧した。そのうち3件は、再発防止の対策を自分で立案し、手順書を更新した。4月の定期メンテナンスで事前の連絡に漏れがあり、営業部門の業務が1時間止まった。
- 【私の考え】段階は「期待通り」。理由は、一次対応は基準に届いている一方で、再発防止まで進めたのはまだ一部で、連絡の漏れが1回あったため。
- 【期の途中で本人に伝えたこと】6月の1on1で連絡の漏れについて話し、メンテナンスの告知を2回に分ける案を本人が出した。それ以降、漏れはない。
- 【来期に期待すること】再発防止の立案を、障害の半数以上で本人が行うこと。
- 【書き方】300字以内。本人が読む文章として、人柄や性格の言葉は使わず、仕事の事実と基準で書く。段落は2つ(今期の評価とその理由、来期に向けて)。
5つの材料のうち、1つでも書けないものがあれば、そこがコメントの弱い点です。「今期の事実」が書けないときは、評価の根拠がまだ手元にないということです。AIを使う前に、面談の記録を見返すか、部下に尋ねてみてください。
| 材料 | プロンプトに書くこと | 書けないときに起きること |
|---|---|---|
| 評価項目と基準 | 項目の | コメントが |
| 今期の事実 | 件数・ | AIが |
| 上司の考え | 段階と、 | AIが |
| 期の | いつ、 | コメントが |
| 来期に | 仕事の | 「引き続き |
AIから下書きが返ってきたら、事実と違う箇所や、書いていない事実が足されている箇所、人柄の言葉になっている箇所を直します。下書きが、基準の文言や、自分が面談で伝えた内容と合っているかも見ます。
プロンプトに入れてはいけないもの、 AIに任せないこと
AIで評価コメントを作るときは、会社のAIの利用の決まりに従います。個人情報や社外のサービスへの入力の可否は、人事と情報システムの担当に確認してください。会社が認めていないサービスに、部下の名前や評価の内容を入力することは、評価コメントの出来とは別の問題を起こします。
- 部下の名前や、本人を特定できる情報。会社が認めたサービス以外では入力しません。プロンプトの中では「本人」「Aさん」で足ります。
- 評価の段階をAIに決めてもらうこと。「この事実ならAかBか」とAIに問うと、基準を知らないAIが段階を決める形になります。段階は上司の考えとして書き、AIには理由の文を整えてもらいます。ここでは、段階の判断をAIに任せることをおすすめしません。
- 事実の補完。「ほかにも良い点を足して」と頼むと、AIは起きていない出来事を書くことがあります。足りないなら、面談の記録と自分の観察に戻ります。
- 人柄や性格の記述。「真面目」「協調性がある」は、どの事実を指すのかが分からず、本人も次に何を変えればよいかが分かりません。仕事の事実と基準で書きます。
- 面談で話していない内容。コメントで初めて知らされる指摘は、部下にとって、期末に突然届く評価になります。面談で話していないことは、コメントより先に、面談で話します。
AIで作った評価コメントを、 評価面談でどう使うか
評価コメントは、面談で読み上げる原稿ではなく、面談で話す内容を、あとで読み返せるように書いたものです。面談では、コメントと同じ内容を上司の言葉で話し、部下の受け取り方を尋ねます。
- 評価コメントは、今日お話しする内容を、あとで読めるように書いたものです。先に、口頭でお話しします。
- 今期は「期待通り」と考えています。理由は、障害の一次対応12件をすべて当日中に復旧できたことと、再発防止の対策まで進めた障害がまだ一部だったことです。
- 4月の連絡の漏れについては、6月に話した通りで、その後は漏れがありませんでした。コメントにも、その経緯を書いています。
- 私が把握していない仕事があれば、教えてください。コメントに入れたいです。
- コメントを読んで、事実と違う点や、言葉の受け取り方が気になる点があれば、教えてください。直します。
- 来期は、障害の半数以上で、再発防止の立案まで○○さんにお願いしたいと考えています。○○さんは、どう思いますか。
部下から、コメントと面談の話が違うと言われたときは、どちらが正しいかを争うより、コメントのほうを直します。コメントは、二人の間で話した内容の記録だからです。
- その点は、私の書き方が足りていませんでした。今の話を踏まえて、コメントを直します。
AIで評価コメントを作る進め方の振り返り方
AIで評価コメントを作る進め方がうまくいったかどうかは、コメントの文章の整い方ではなく、面談のあとに二人の間で何が残ったかで分かります。次の3つを振り返ってみてください。
- コメントに書いた事実を、部下が面談で初めて聞いた、という箇所はなかったでしょうか。
- 部下から、コメントに書いた事実の訂正や、知らなかった仕事の追加が出てきたでしょうか(出てきたなら、材料が足りていなかった点が分かります)。
- 来期に期待することが、仕事の名前で二人の間に残っているでしょうか。
コメントで初めて伝えた事実や部下からの訂正が多かったときは、次の期は、1on1の終わりに話した仕事の事実と決めたことを二人で確認し、1行ずつ残しておくことから始めてみてください。それが、来期の評価コメントの材料になります。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
評価をつける時期になって、期の初めの仕事ほど思い出せず、評価の根拠になる事実がそろわないときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
評価をつける前に、「予定・履歴」を見返すとき。
評価コメントの事実の文を、 記憶ではなく、その時期に二人で話して残した要点から書き始められます。
履歴のカードの「1on1のAI要約」には、1on1ごとに、話のまとまりごとの見出しと要点、決まった次の一歩の担当と期限が残っています。期間やテーマで絞り込んで探せます。お二人に同じ内容が表示されます。人事評価の点や評価コメントを Kakeai AI が作る機能はありません。
海外向けサポートの方向性 海外では担当が現地に行く日本式の対応が難しく、台湾製のように製品をすぐ交換・送付する方式が有効ではないかという話になった。 藤本さんが「それ、私、考えてみたいです」と話し、…売り文句の案を7月9日までに考えることを引き取った。
評価をつける前に、「概要」のダイジェストを読むとき。
期末に近い出来事だけでなく、 期の初めからの仕事の流れと、 その後どうなったかを見返したうえで評価を考えられます。
ダイジェストは、Kakeai AIが直近6か月の二人の1on1を、これまでの流れ、いま途中になっている話とそれが誰の手元にあるか、決まった次の一歩とその実行、の順に文章にしたものです。次の一歩をクリックすると、その一歩が生まれた背景、決めたこと、実行と結果がまとめて表示されます。1on1が終わるたびに書き直され、お二人に同じものが表示されます。
…比較表を作る仕事が、売り方を考える仕事へと踏み込んだ回でした。 6月11日の競合比較の話から生まれた一歩として、藤本さんが競合3社の製品比較表を6月25日までに出すことが決まっており、6月24日に実行済みです。…
評価をつける前に、決めた一歩の一覧を見るとき。
期の途中に二人で決めたことと、 そのうち実行まで進んだことを、 評価の根拠を考える材料として一覧で確認できます。
「MOVE」は、1on1で決めた次の一歩と目標が、期限の順に並ぶ一覧の画面です。種類・状態・担当・期限・テーマで絞り込めます。1on1の実施中に「決定する」をクリックした次の一歩に加え、「+ MOVEをつくる」で作った一歩や目標も並びます。実行済みの印は、担当の方がご自身で付けます。
次の一歩の例:文言「市場規模の試算の方法を決める(何を掛けるか・割合をどう置くか・理由を書く)」・担当「森 陽菜」・期限「2026/07/07」
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この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
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よくある質問
AIで人事評価のコメントを書かせるとき、 プロンプトには何を入れればよいですか。
AIで人事評価のコメントを書かせるときのプロンプトには、5つの材料を入れます。その期に部下の仕事で起きた事実(件数・日付・出来事)・評価項目と段階ごとの基準の文言・上司の考え(段階とその理由)・期の途中で部下に伝えたこと・来期に期待することです。あわせて、AIの役割を「文章を整えることと、足りない事実を質問すること」に限り、段階を決めたり事実を補ったりしないように書いておきます。
AIに評価の段階(AやBなど)を決めてもらってもよいですか。
AIに評価の段階を決めてもらうことは、おすすめしません。段階は、会社の評価基準に照らして、部下の仕事を見てきた上司が決めるものです。AIは、その会社の基準の運用も、部下の仕事の実際の様子も知りません。プロンプトには、段階を上司の考えとして理由と一緒に書きます。AIに頼むのは、その理由を部下に伝わる文に整えることです。
AIで評価コメントを作るとき、 部下の名前や個人情報を入力してもよいですか。
AIで評価コメントを作るときに部下の名前や個人情報を入力してよいかどうかは、会社のAIの利用の決まりによります。社外のサービスへの入力の可否と、使ってよいサービスを、人事と情報システムの担当に確認してください。会社が認めたサービス以外では、名前や本人を特定できる情報は入力せず、プロンプトの中では「本人」「Aさん」と書けば足ります。
AIで作った評価コメントを、 そのまま使ってもよいですか。
AIで作った評価コメントをそのまま使うことは、おすすめしません。下書きが返ってきたら、事実と違う箇所や、書いていない事実が足されている箇所、人柄や性格の言葉になっている箇所を直します。下書きが、評価基準の文言や、上司が面談で部下に伝えた内容と合っているかも見ます。コメントは、面談で話す内容を本人があとで読み返せるように書いたものなので、面談の話と違うところがあれば、コメントのほうを直します。
AIで作った評価コメントだと部下に分かったら、 問題になりますか。
AIで文章を整えたこと自体より、コメントに部下の仕事の事実が入っていないことのほうが、問題になりやすいと考えられます。どの仕事のどの点を見たのかが書いてあれば、文章をAIで整えていても、部下は自分の仕事を見てもらえたと受け取りやすくなります。逆に、誰にでも当てはまる一般的な文は、誰が書いても役に立ちにくいものです。会社がAIの利用について決まりを設けている場合は、その決まりに従ってください。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/ai-prompt-for-performance-review-comments
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: