上司の方へ部下との関わり
仕事が遅い部下を、 どう指導すればよいか
先に答え
部下の仕事が遅いと感じたときは、「もっと早く」と伝える前に、その仕事を工程に分けて、どの工程で何日かかっているのかを本人と一緒に並べることをおすすめします。時間がかかる理由は3つに分かれます。返事や上司の確認を待っている場合、抱えている仕事が多い場合、やり方そのものに時間がかかる場合で、上司ができることはそれぞれ違います。KAKEAIの1万人調査では、面談のあと行動につながりにくい人が挙げた理由のうち、「時間やコストの制約で動けない」は15.4%で、「スキルが不足していてできない」の9.1%より多くなっていました。面談のあとの行動についての数字ですが、仕事の遅れも、力の問題と決める前に時間を取られているものを見るとよいでしょう。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談のあと動けない理由として、時間の制約は力の不足より多く挙がっていました。Kakeai AI 1on1の利用データでは、進み具合の話で部下が選んだ、上司に期待することは、「一緒に考えてほしい」が「報告したい」をわずかに上回っていました。仕事の遅れは、速さを求める前に、どの工程で時間がかかっているかを二人で見ることから始めてください。
- 7.4%
- Kakeai AI 1on1 利用データ
- 全テーマの中で、「業務の進捗や進め方」と「一緒に考えてほしい」(上司に期待すること)の組み合わせの割合
- テーマと上司に期待することの組み合わせの中で、最も多いものです。同じテーマで「報告したい」は6.3%でした。進み具合の話で部下が上司に期待することとして選んだのは、「報告したい」より「一緒に考えてほしい」のほうがわずかに多かったということです。
- 15.4%
- 1万人調査
- 面談のあと行動につながりにくい人のうち、理由に「時間やコストの制約で動けない」を選んだ人の割合
- 面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人(6,074人)の数字です。「スキルが不足していてできない」は9.1%でした。動けない理由として、時間の制約は力の不足より多く挙がっています。
- 26.1%
- 1万人調査
- 面談のあと行動につながりにくい人のうち、理由に「その時々によって違う」を選んだ人の割合
- 10の答えの中で最も多く、「特にない」23.4%が続きました。動けなかった理由は、1つに決まらないか、挙げられないという答えが多いということです。
1万人調査は、上司との面談のあとに行動につながらない理由を尋ねたもので、仕事の速さや遅れの理由は尋ねていません。利用データの割合は、1on1の前に選ばれたテーマごとに、部下が選んだ、上司に期待することを集計したものです。実際の会話の内容を示すものではありません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
仕事が遅いと感じたとき、 指導の前に時間がかかる理由を3つに分ける
部下の仕事が遅いと感じたときは、「もっと早く」と伝える前に、その仕事のどの工程で時間がかかっているのかを、本人と一緒に見つけることをおすすめします。上司の目に入るのは、期限の日に仕上がっていないという結果だけで、途中のどこで止まっていたのかは、本人に聞かなければ分からないからです。
時間がかかる理由は、大きく3つに分かれます。1つ目は、誰かの返事や上司の確認を待っていて、工程の途中で止まっている場合です。2つ目は、同時に抱えている仕事が多く、どれから手を付けるかが決まっていない場合です。3つ目は、やり方そのものに時間がかかっている場合で、手順を知らないときと、必要以上に仕上がりを整えているときがあります。3つは重なることもあり、同じ人でも仕事によって違います。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談のあとに動けなかった理由を尋ねています。答えたのは、上司との面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人で、理由は5つまで選択できます。「時間やコストの制約で動けない」を選んだ人は15.4%で、「スキルが不足していてできない」の9.1%より多くなっていました。つまり、動けない理由として、時間の制約は力の不足より多く挙がっているということです。面談のあとの行動についての数字ですが、仕事が遅いと感じるときも、本人の力の問題と決める前に、時間を取られているものが何かを見るとよいでしょう。
同じ質問で最も多かった答えは「その時々によって違う」の26.1%で、「特にない」が23.4%で続きました。動けなかった理由は、1つに決まらないか、挙げられないという答えが多いということです。「何に時間がかかっていますか」と尋ねて「特にありません」と返ってきたときも、理由がないというより、本人も言葉にしにくいのかもしれません。だからこそ、仕事を工程に分けて、1つずつ見ていく進め方をおすすめします。
以下では、営業事務の部下が新しい取引先の登録手続きを担当している場面を例にします。手続きは与信の確認・契約書類の回収・システムへの登録の3つの工程からなり、目安の5営業日に対して2週間ほどかかっています。
仕事が遅いときの指導は、 どこで時間がかかっているかを一緒に見ることから始める
指導の最初の一歩は、仕事を工程に分けて書き出し、それぞれに何日かかったかを二人で並べることです。責める形にならないよう、目的を先に伝えるとよいでしょう。
- 取引先の登録に、最近は2週間ほどかかっていますね。○○さんを急がせたいのではなく、どこで日数がかかっているのかを一緒に見たいんです。
- 与信の確認、書類の回収、システムの登録と分けると、それぞれ何日くらいかかっていますか。
- 一番待たされている、または一番手間だと感じているのは、どの工程ですか。
1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)では、1on1の前に選ばれたテーマごとに、部下が上司に期待することを集計しています。選ばれたすべてのテーマを分母にすると、テーマが「業務の進捗や進め方」で、上司に期待することが「一緒に考えてほしい」だった組み合わせは7.4%でした。テーマと上司に期待することの組み合わせの中で、最も多いものです。同じテーマで「報告したい」は6.3%でした。進み具合の話で部下が上司に期待することとして選んだのは、「報告したい」より「一緒に考えてほしい」のほうがわずかに多かったということです。差は小さいものですが、仕事が遅れている話も、報告を聞いて「急いでください」で終えるより、一緒に考える時間にしてみてください。
工程ごとに時間の使われ方が見えてきたら、時間がかかっている箇所に合わせて、上司ができることを決めます。
| 時間がかかっている箇所 | 上司ができること | 最初の一言 |
|---|---|---|
| 取引先からの | 待ちの | 「書類を |
| 上司の | 確認の | 「与信の |
| 同時に | 優先順位を | 「今週は |
| 手順が | 手順を | 「システムの |
| 必要以上に | どこまでの | 「登録の |
待ちや確認で止まっているとき
誰かの返事を待っている時間は、本人の努力では縮まりません。上司の確認待ちが含まれていれば、まず上司の側から直します。
- 私の確認で止まっている日が、月に何日くらいありますか。正直に言ってもらえると助かります。
- 私の確認は、翌日の午前中までに返すようにします。遅れそうなときは、その日のうちに一言入れます。
- 取引先の書類が1週間届かなかったら、○○さんから催促してもらってかまいません。言いにくければ、私の名前で送ってください。
量と優先順位で止まっているとき
抱えている仕事が多いときは、本人に優先順位を任せきりにせず、どの仕事を先に進めるかを上司も一緒に決めます。後に回した仕事の説明は、上司が引き受けます。
- 今、手元にある仕事を全部挙げてもらえますか。順番は、私も一緒に決めたいです。
- 登録と見積書が重なったら、登録を先にしてください。見積書が遅れることは、私から営業に伝えます。
- 新しい依頼が来たときは、受ける前に私に聞いてもらえますか。断るときは、私が断ります。
- 今の量だと、登録は週に何件くらいなら無理なく回せそうですか。それを超える分は、私が調整します。
やり方そのものに時間がかかっているとき
手順を知らずに進めているなら、教えることが先です。一方で、丁寧に仕上げようとして時間がかかっているなら、どこまでの仕上がりでよいかを決めることで、同じ力でも早く終わりやすくなります。
- システムの登録で、迷いながら進めている画面はありますか。一度、横で見せてもらえると、どこを説明すればよいか分かります。
- 備考欄まで全部埋めてくれていますが、登録の時点で要るのは、与信の結果と担当者の名前だけです。残りは、あとで足していきましょう。
- ここまで整えてくれていたのは、ありがたいです。ただ、今は登録を先に終えることのほうを優先したいと考えています。
期限と途中の確認を、 仕事を始める前に二人で決める
遅れが期限の日に初めて分かる状態を変えるには、仕事を頼むときに、期限と一緒に途中の確認日を決めておくことをおすすめします。途中で声をかける約束を先にしておけば、上司が途中で様子を尋ねても、催促とは受け取られにくくなります。
- この登録は、来週金曜までにお願いしたいです。水曜に一度、どこまで進んだかを5分だけ聞かせてもらえますか。
- 遅れそうだと分かったら、その日のうちに教えてください。早く分かるほど、私が手を打てることが増えます。
- 書類が届かない、確認が返ってこないなど、私が動いたほうが早いことは、遠慮なく言ってください。
遅れそうだと本人から早めに知らせがあったときは、まずそのことに感謝を伝えてください。知らせた結果が叱責なら、次からは期限の日まで黙っていることになりがちです。
- 早めに言ってくれて助かりました。今の時点なら、営業に納期を相談できます。
- 今回の遅れは、私の確認が2日止まっていたことも原因です。そこは私が直します。
仕事が遅いと感じたときの指導で、 避けたいこと
避けたいのは、時間がかかっている箇所を見ずに、速さだけを求めることです。逆に、遅れを上司が引き取ってしまうことも避けてください。
- 「もっと早く」「急いで」とだけ伝える。本人は、どの工程を変えればよいのかが分かりません。何日で、どの工程を、どう変えるかまで二人で決めてください。
- 期限を細かく切って、進み具合を何度も尋ねる。途中の確認日を先に約束していない状態で何度も尋ねると、本人は見張られているように感じやすくなります。確認の日は、仕事を頼むときに決めておきます。
- 性格や能力の話にする。「慎重すぎる」「要領が悪い」という言い方は、本人が何を変えればよいかにつながりません。話題は、工程と日数に絞ります。
- 逆に、遅れている仕事を上司が引き取る。その場は早く片づきますが、次も同じ工程で時間がかかりがちです。上司が引き取るのは、上司の確認と、他部署への調整までにしてください。
- 本人に理由を言わせることを目的にする。理由は1つに決まらないことが多いので、「なぜ遅いのか」を問い続けるより、工程を一緒に分けるほうが早く答えに近づきます。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、面談は仕事を前に進める時間として正面から使ってよいと考えています。仕事の遅れには、工程と日数という具体的な材料があるので、面談で扱いやすい話の1つです。
仕事の遅れへの指導がうまくいったかを、 どこで見るか
うまくいったかどうかは、仕事が速くなったかだけでなく、遅れそうなときに本人から早く知らせが来るようになったかを見ると分かります。次の仕事を1つ終えたあとに、自分に問いかけてみるとよいでしょう。
- 時間がかかっていた工程を、工程ごとの日数で、二人で見ることができたでしょうか。
- 上司の確認待ちや他部署への調整など、上司の側で縮められる時間を、上司自身が縮めたでしょうか。
- 仕事を頼むときに、期限と一緒に途中の確認日を決めていたでしょうか。
- 遅れそうだと分かった日に、本人から知らせが来るやり取りになっているでしょうか。
仕事の速さは、本人の性格で決まるものというより、工程のどこで何日かかっているかの積み重ねとして見ることができます。その積み重ねを二人で見られるようになることが、指導の中心だと考えられます。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
ミスや仕事の遅れが続くとき、本人の性格や能力のせいにする前に、仕事のどこで止まっているのかを二人で確かめたいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
遅れを話す1on1の最中と後に、「1on1のAI要約」で。
遅れの原因を、 本人への評価ではなく、 仕事のどこで止まっていたかという事実として、 二人が同じ記録を見ながら確かめられます。
Kakeai AI が会話をもとに、2分ごとに「1on1のAI要約」全体を書き直します。何がわからずに止まっているのか、誰が何をいつまでにするのかが、評価の言葉ではなく、二人が話した事実の言葉で書かれるように作られています。終了後はそのまま履歴に残ります。
…引き継ぎの担当者一覧が、先方の意思決定者の情報が不明なため作成途中になっています。三浦さんが佐々木さんに電話で直接確認した上で、6月25日までに一覧を完成させることになりました。
期限が近づいたときに、ホームで。
期限が過ぎてから気づくのではなく、 期限の前に部下に声をかけるきっかけを持てます。
ホームの「この先1週間のポイント」では、Kakeai AI が、ご自身の1on1の予定や次の一歩の期限などから、この先1週間で気にかけておくとよいことを、事実と、問いかけの形の提案で、最大3件書きます。ホームはご自身だけに表示されます。
小野寺さんとの1on1で決まった「今月の受注見込みをシステムで更新する(インドの案件を7月へ)」は6月17日が期限で、まだ完了していません。…期日前に状況を確認してみてはいかがでしょうか。
仕事を頼んだ1on1の後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。
仕事の遅れの原因が、 頼む側の決め残しにある場合にも、 作業が進む前に気づけます。
会話の中で決めきれずに終わったことがあると、部下が作業を始める前に何を決めておく必要があるかと、確かめるための一言が書かれることがあります。ご自身向けの内容です。
6月23日の一次調査に向けて、対象国の範囲は森さんが表を作り始める前に決まっている必要があります。次回の冒頭か、それより前に一言確認しておくと、森さんが迷わず進められます。
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よくある質問
仕事が遅い部下には、 最初に何を言えばよいですか。
仕事が遅いと感じる部下には、最初に「急がせたいのではなく、どこで日数がかかっているのかを一緒に見たい」と目的を伝えます。そのあとで、仕事を工程に分けて、それぞれ何日かかったかを尋ねます。たとえば「与信の確認、書類の回収、システムの登録と分けると、それぞれ何日くらいかかっていますか」のように聞きます。「もっと早く」とだけ伝えると、本人はどの工程を変えればよいかが分かりません。
仕事が遅いのは、 部下の能力の問題ですか。
部下の仕事が遅いとき、能力の問題と決める前に、時間を取られているものを見ることをおすすめします。KAKEAIの1万人調査では、面談のあと行動につながりにくい人が挙げた理由のうち、「時間やコストの制約で動けない」は15.4%でした。「スキルが不足していてできない」は9.1%で、時間の制約のほうが多く挙がっています。返事や確認を待つ時間と抱えている仕事の量は、上司の側で変えられることが多いものです。
部下の仕事が遅いとき、 上司が代わりにやってしまってもよいですか。
遅れている仕事を上司が代わりに引き取ることは、おすすめしません。その場は早く終わりますが、次も同じ工程で時間がかかりがちです。上司が引き取るのは、上司自身の確認を早く返すことと、他部署や取引先への調整までにしてください。本人の工程については、どこまでの仕上がりでよいかを決めたり、詳しい人と一緒に進める時間を作ったりして、本人が進められる形を一緒に整えます。
仕事が遅い部下の進み具合は、 どのくらいの頻度で確認すればよいですか。
進み具合の確認は、回数を決めるより、仕事を頼むときに期限と一緒に途中の確認日を決めておくことをおすすめします。たとえば「金曜が期限なので、水曜に5分だけ進み具合を聞かせてください」と先に約束します。約束のないまま何度も尋ねると、本人は見張られていると感じやすくなります。あわせて、遅れそうだと分かった日に本人から知らせてもらえるよう頼み、知らせがあったときはまず感謝を伝えてください。
丁寧すぎて仕事が遅い部下には、 どう伝えればよいですか。
丁寧に仕上げようとして時間がかかっている部下には、丁寧さを否定せず、どこまでの仕上がりでよいかを具体的に伝えます。たとえば「登録の時点で要るのは与信の結果と担当者の名前だけで、備考欄はあとで足せます」のように、今の時点で必要な範囲を示します。そのうえで、今は仕上がりより登録を終えることを優先したいと、上司の考えとして理由と一緒に伝えるとよいでしょう。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/slow-work-subordinate-how-to-guide
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: