上司の方へ部下との関わり
部下を指導したくない・しないでよいと思うとき
先に答え
部下を指導したくないと思うのは、おかしなことではありません。やめてよいのは、上司が決めた形で教え続けることや、同じ指摘を繰り返すことです。残したいのは、仕事を見ることと、本人が上司に期待することを聞いて関わり方を二人で決めることです。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)として「意見を聞きたい」を選んだ人は33.6%、「一緒に考えてほしい」は29.4%でした。部下が上司に期待することは、教わることに限らず分かれています。関わり方を「教える」にも「聞かれたら答える」にも1つに決めず、本人に聞いて選ぶことをおすすめします。安全や法令に関わることは、気持ちに関わらず伝えます。
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部下が面談で上司に期待することは、教えてもらうことに限らず、意見を聞くことや一緒に考えることなどに分かれています。また、面談の困りごとに「上司の話が役に立たない」を挙げた人の成果の実感は、15の困りごとの中で最も低くなっています。気乗りしないまま同じ形で教え続けるより、本人が上司に期待することを聞いて、関わり方を二人で決め直すことをおすすめします。
- 29.4%
- 1万人調査
- 面談で上司に期待すること(5つまで選択)として、「一緒に考えてほしい」を選んだ人の割合
- 「意見を聞きたい」は33.6%、「具体的なアドバイスがほしい」は32.0%でした。部下が上司に期待することは、教わることに限らず、意見を聞くことや一緒に考えることなどに分かれています。教える以外の関わり方を、本人が期待している場合もある、ということです。
- 8.2%
- 1万人調査
- 面談の困りごとに「上司の話が役に立たない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じる人の割合
- 回答者全体では31.9%でした。集計に並ぶ15の困りごとの中で最も低い数字です。上司の話が役に立たないと感じている人では、面談が成果につながっていると感じる人が特に少ない、ということです。
- 20.4%
- 1万人調査
- 面談の困りごとに「上司が実施に前向きではない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じる人の割合
- 回答者全体の31.9%より低い数字です。上司が面談に前向きではないと感じている人でも、面談が成果につながっていると感じる人は、全体より少なくなっています。
1万人調査は上司との定期的な面談について尋ねたもので、上司が指導をしたいかどうかや、指導の有無は尋ねていません。「上司が実施に前向きではない」は、面談の実施について部下が挙げた困りごとです。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
部下を指導したくないと思うのは、 おかしなことではない
部下を指導したくない、しなくてよいのではないか、と思うことは、珍しいことではありません。何度言っても変わらないと感じて疲れたとき、相手と合わないと感じるとき、自分の仕事が立て込んでいるとき、本人が指導を望んでいないように見えるときなどです。気持ちそのものを否定する必要はありません。ただし、「指導したくない」の中身は場面で違い、やめてよいことと、やめないほうがよいことが混ざっています。
| 指導したくないと感じる場面 | その場面で起きていること | 切り替え方の例 |
|---|---|---|
| 何度言っても | 同じ指摘を | 言う |
| 相手と | 人柄の | 仕事の |
| 自分の | 教える | 教える |
| 本人が | 教えることがなく、 | 上司が |
以下では、売上の週報(データの集計と報告書の作成)を任せている部下との場面を例に書きます。
部下の指導をしないでよいか: やめてよいことと、やめないほうがよいこと
指導を「教える」「直すように言う」と狭く取れば、やめてよい場面はあります。けれども、部下が上司に求めているものは、教えてもらうことだけではありません。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)として「意見を聞きたい」を選んだ人は33.6%でした。「具体的なアドバイスがほしい」は32.0%、「一緒に考えてほしい」は29.4%です。部下が上司に期待することは、教わることに限らず、意見を聞くことや一緒に考えることなどに分かれている、ということです。
上司が「教えるのをやめる」と決めても、本人が期待しているのは、意見を聞くことや一緒に考えることかもしれません。何を期待しているかは、上司が決めずに、本人に聞くことをおすすめします。
KAKEAIの1万人調査では、面談で困っていることとして「上司の話が役に立たない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じる人は8.2%でした。「上司が実施に前向きではない」を挙げた人では20.4%、回答者全体では31.9%です。上司の話が役に立たないと感じている人も、上司が面談に前向きではないと感じている人も、面談が成果につながっていると感じる人は全体より少なくなっています。
面談についての数字ですが、本人の役に立っていない話を続けても、面談が成果につながるとは感じにくいと考えられます。気乗りしないまま同じ形で教え続けているなら、その形を続けるかどうかを、本人に聞いて決め直してよいでしょう。やめないほうがよいのは、仕事を見ることと、本人が上司に期待することを聞いて、関わり方を決め直すことです。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、部下の仕事を見てもいないなら、上司が1on1を行う意味はないと考えています。教えることは減らしてよくても、仕事を見ることと、聞かれたときに答えることは、上司の役割として残ります。
安全や法令、就業規則に関わることは、気持ちに関わらず伝える必要があります。この部分で迷ったら、人事に相談してください。
指導したくないときに、切り替える3つのこと
1. 上司が決めた関わり方から、 本人に期待を聞いて決める関わり方に
上司のほうから毎回声をかける形を続けるかどうかを、上司が一人で決めずに、本人に聞いてみます。意見がほしいのか、気づいたことを伝えてほしいのか、しばらく任せてほしいのかは、人によっても時期によっても違います。
- 週報のことで私から毎回言うのが、○○さんの役に立っているか気になっています。正直なところを教えてもらえますか。
- 気づいたことはその場で伝えるほうがよいか、金曜の1on1でまとめて話すほうがよいか、どちらが進めやすいですか。
- しばらく任せてほしいということなら、そうします。その代わり、聞きたいことが出たときは、遠慮なく声をかけてください。
2. 全部を直す指導から、 1つに絞る指導に
直してほしい点が5つあっても、言うのは1つにします。理由を添え、残りは次の機会に回します。
- 今週の週報で直してほしいのは1つだけです。前週比の数字を、合計ではなく店舗ごとに出してもらえますか。部長が店舗ごとの差を見ているからです。
- 今日はこの1つだけにしますね。次の週報ができたら、また一緒に見させてください。
- 先週お願いした店舗ごとの数字は、今週の週報に入っていました。ありがとうございます。
3. 教える指導から、 仕事を見て感想や質問を返す関わりに
教えることがなくなった相手には、仕事の結果を見て、感想や質問を返す関わり方もあります。見ていることが伝われば、それで足りる場面もあります。ただし、上司の確認を外すかどうかは、本人と相談して決めます。
- 週報は、もう私が確認しなくても出せていると思っています。私の確認を外しても大丈夫そうか、○○さんの考えも聞きたいです。
- 週報を読みました。在庫の欄の見方が、先月より分かりやすくなっていました。
- 私からは特に足すことはありません。○○さんのほうで、私に聞きたいことはありますか。
相手と合わない、 年上、自分より詳しいときの言い方
合わないと感じる相手には、人柄の話をせず、仕事の事実と期限だけで話します。合うか合わないかと、仕事を見て返事をすることは、別のことです。
- 週報の提出が木曜の夕方になっています。金曜の朝の会議で使うので、木曜の昼までにしてもらえますか。
- 私の言い方が合わないと感じていたら、教えてください。内容は伝えますが、言い方は変えます。
年上や経験の長い部下には、教える形をやめ、頼む形と聞く形にします。
- ○○さんの経験で、この週報の形に足りない点があれば教えてください。
- 新しい集計の仕組みは、私も使い始めたところです。分かったことがあれば、お互いに共有しませんか。
自分より詳しい部下には、教えることがないので、仕事の範囲と、どこまで本人の判断で進めてよいかを二人で決めることに切り替えます。
- 集計の方法は、○○さんの判断で進めてください。私が決めるのは、どの数字を部長に報告するかだけにしようと思います。進めにくい点があれば教えてください。
- 私が知らないやり方だったので、理由を教えてもらえると助かります。反対したいわけではなく、理解したいんです。
部下の指導をやめた場合に、 部下の側に起きること
上司が指導をやめたことは、言わなくても部下に伝わることが多いものです。本人が「もう見られていない」と受け取ると、相談も報告も減っていくおそれがあります。
KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に一番期待することとして「期待していることは特にない」を選んだ人は15.6%でした。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じる人は8.4%です。つまり、上司に期待することがない人では、面談が成果につながっていると感じる人も少なくなっています。
上司が関わりを引いたまま時間がたてば、部下の側の期待もなくなっていくかもしれません。やめてよいのは、上司が決めた形で教え続けることで、やめないほうがよいのは、次の3つです。
- 仕事の結果を見ること(週報を読むこと)。
- 聞かれたら返事をすること。
- 月に1回は、本人が上司に期待することを聞く時間を取ること。
- 最近、私から言うことを減らしていますが、○○さんにとってはどうですか。私に聞きたいこと、やってほしいことはありますか。
- 私が見ていないと感じることがあれば、言ってください。週報は毎週読んでいます。
指導したくない気持ちと、 二人の時間を、 どこで振り返るか
指導したくない気持ちがあるときは、気持ちを変えることより、二人の時間がどうなっているかを振り返ります。
- やめたのは上司が決めた形で教えることだけで、仕事を見て、聞かれたことに答えることは続けているでしょうか。
- 月に1回、本人が上司に期待することを聞いているでしょうか。
- 相手への気持ちと、仕事の事実を、分けて話せているでしょうか。
- 関わり方を変えるとき、上司が一人で決めて伝えるのではなく、本人と相談して決めたでしょうか。
- 上司自身が、自分の上司や人事、同じ立場の管理職に、この気持ちを話せているでしょうか。
指導したくない気持ちは、上司が一人で抱えるものではありません。自分の上司や人事に、まず話してみてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
部下の指導や関わり方に疲れたり、迷いを一人で抱えたりしているときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
ご自身の上司との1on1の終了後に。
部下とのことを一人で抱えず、 ご自身の上司と話した内容を、 次の部下との1on1の一言につなげられます。
ご自身の上司とも Kakeai AI 1on1 で1on1をしている場合、ご自身が部下の立場になる回でも、Kakeai AI は要約と「1on1後のAIアドバイス」を作ります。上司との話の中でご自身が口にした部下への思いをもとに、次に部下と話すときの一言の案が書かれることもあります。アドバイスはご自身向けで、ご自身の上司には別の内容が表示されます。
次回の石田さんとの1on1で、「設計の判断を聞かずに決めることが増えてきた。そのことを伝えておきたかった」と一言話してみませんか。…
部下との1on1の終了後に、「今回よかった点」で。
指導がうまくいっていないと感じるときも、 実際の会話の中でできていたことを確かめられます。
「1on1後のAIアドバイス」の「今回よかった点」に、その回のご自身の問いかけや返し方のうち、部下の言葉につながったものが、実際の発言を引用して書かれます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。
…問いを短く置いたことが、藤本さん自身の言葉で論点を整理する場になっています。
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よくある質問
部下を指導したくないと感じるのは、 上司として問題がありますか。
部下を指導したくないと感じること自体は、上司として問題ではありません。何度言っても変わらないと感じて疲れたとき、相手と合わないとき、自分の仕事が立て込んでいるときには、珍しくない気持ちです。気持ちを変えようとするより、上司が決めた形で教え続けることを減らし、本人が上司に期待することを聞いて、関わり方を決め直すことをおすすめします。自分の上司や人事に、その気持ちを話すことも1つの方法です。
部下の指導を、 まったくしないでいてもよいですか。
部下の指導のうち、上司が決めた形で教え続けることはやめてよい場面がありますが、仕事を見ることと、本人が上司に期待することを聞くことは残すことをおすすめします。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)として「一緒に考えてほしい」を選んだ人が29.4%いました。教えることをやめても、一緒に考えることを本人が期待している場合があります。安全や法令に関わることは、気持ちに関わらず伝えてください。
合わない部下、 苦手な部下を指導するときは、 どうすればよいですか。
合わない部下や苦手な部下を指導するときは、人柄の話をせず、仕事の事実と期限だけで話すことをおすすめします。「週報の提出が木曜の夕方になっています。金曜の朝の会議で使うので、木曜の昼までにお願いできますか」のように、何をいつまでに、と理由を添えて伝えます。合うか合わないかと、仕事を見て返事をすることは別のことです。言い方が合わないと感じていたら教えてほしい、と本人に伝えておくのもよいでしょう。
年上の部下や、 自分より仕事に詳しい部下に、 指導は必要ですか。
年上の部下や自分より詳しい部下には、教える形の指導をやめ、頼む形と聞く形に切り替えることをおすすめします。「この週報の形に足りない点があれば教えてください」のように、本人の経験を聞きます。自分より詳しい相手には、仕事の進め方は本人の判断に任せ、二人で決めるのは仕事の範囲と、どこまで本人の判断で進めてよいかだけにします。教えることがなくても、仕事を見て返事をすることは続けます。
上司が指導をやめると、 部下にはどんな影響がありますか。
上司が指導をやめたことは、言わなくても部下に伝わることが多く、本人が「もう見られていない」と受け取ると、相談や報告が減っていくおそれがあります。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に一番期待することとして「期待していることは特にない」を選んだ人(15.6%)のうち、面談が成果につながっていると感じる人は8.4%でした。上司が関わりを引いたままにせず、月に1回は本人が上司に期待することを聞く時間を残してください。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/when-you-dont-want-to-coach-staff
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: