上司の方へ部下との関わり
部下の性格やタイプに合わせた指導・育成の仕方
先に答え
部下の性格やタイプに合わせた指導は、部下を型で分けることではなく、その部下がその仕事で上司に期待することと、仕事が止まっている理由に合わせることです。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に一番期待することとして「具体的なアドバイスがほしい」を選んだ人は、20代の回答で25.7%、60代の回答で11.4%でした。年代で傾向はあるものの、最も高い20代でもほかの答えを選んだ人のほうが多いということです。年代の数字ですが、性格の型で決める場合も、同じ型の中の多くの人に外れると考えられます。タイプ分けの道具を使うなら仮説として扱い、その回に何を期待しているか、どこで止まっているかを本人に聞いて合わせることをおすすめします。
数字で見る
部下が上司に期待することは、年代で見ると傾向はあるものの、同じ年代の中でも分かれています。また、同じ部下でも話の種類によって求めることが入れ替わり、行動が止まる理由も1つに決まっていません。性格の型で接し方を決めるより、その回に本人が期待することと、止まっている理由を聞いて合わせることをおすすめします。
- 25.7%
- 1万人調査
- 20代の回答者のうち、面談で上司に一番期待することとして「具体的なアドバイスがほしい」を選んだ人の割合
- 30代では23.2%、40代では18.9%、50代では14.8%、60代では11.4%でした。年代で見ると傾向はありますが、最も高い20代でも、ほかの答えを選んだ人のほうが多くなっています。年代で「教えてほしいはずだ」と決めると、多くの人に外れるということです。
- 21.8%
- Kakeai AI 1on1 利用データ
- 「プライベート」のテーマのうち、部下が上司に期待することとして「話を聞いてほしい」を選んでいた割合
- 「業務の進捗や進め方」のテーマでは7.5%、「今後のキャリア」のテーマでは7.6%でした。話の種類が変われば、部下が上司に求めることも変わります。その部下を「聞いてほしい人」だと決めてしまうと、仕事の話をする回には合わないことが多いと考えられます。
- 26.1%
- 1万人調査
- 面談が行動につながらない理由(5つまで選択)として、「その時々によって違う」を選んだ人の割合
- 面談が行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人の数字です。選べる10の理由の中で最も多く、「特にない」23.4%が続きます。行動が止まる理由は人によっても回によっても分かれていて、1つには決まっていない、ということです。
年代ごとの数字は、「20代の回答では」のように、その年代の回答者の中での割合として使っています。1万人調査も利用データも、部下の性格やタイプを尋ねたものではありません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
部下の性格やタイプに合わせた指導は、 型で分けることではない
部下の性格やタイプに合わせて指導を変えることは、大事な考え方です。ただし、部下を「慎重な人」「行動が先の人」のような型で分け、型ごとに決めた接し方をそのまま使うと、目の前の部下に外れることがあります。合わせる先は性格の型ではなく、その部下が、その仕事で上司に期待することと、仕事が止まっている理由です。この2つは、型から推し量るより、本人に聞くほうが確かです。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談で上司に一番期待することとして「具体的なアドバイスがほしい」を選んだ人は、20代の回答で25.7%でした。30代では23.2%、40代では18.9%、50代では14.8%で、60代では11.4%でした。年代が上がるほど低く、年代で見ると傾向はあります。ただし、最も高い20代の回答でも、ほかの答えを選んだ人のほうが多くなっています。年代についての数字ですが、性格の型で「この人は教えてほしいはずだ」と決める場合も、同じように多くの人に外れると考えられます。
1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)では、話のテーマごとに、部下が上司に期待することを集計しています。部下が上司に期待することとして「話を聞いてほしい」を選んでいた割合は、「プライベート」のテーマで21.8%、「業務の進捗や進め方」のテーマで7.5%でした。つまり、話の種類が変われば、部下が上司に求めることも変わります。その部下を「聞いてほしい人」だと決めてしまうと、仕事の話をする回には合わないことが多いと考えられます。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、関わり方を部下の型で先に決めておくより、その回に本人が期待することを聞いて合わせるほうがよいと考えています。型は、本人に聞くまでの手がかりにはなりますが、答えにはなりません。
以下では、新しい取引先に出す提案書の作成を任せている部下との場面を例に書きます。
性格のタイプ分けを使うなら、 仮説として本人に確かめる
タイプ分けの道具(診断や分類)を職場で使っている会社もあります。使うこと自体を否定する必要はありませんが、結果は「この人はこうだ」という答えではなく、「こうかもしれない」という仮説として扱うことをおすすめします。仮説を確かめる相手は、本人です。
性格を評する言葉を、本人に向けて言わないようにします。「○○さんは慎重なタイプだから」と言われた部下は、仕事の話ではなく自分の人柄の話をされたと受け取りがちで、言い返しにくくなります。代わりに、その仕事をどう進めたいかを聞きます。
- 提案書の進め方で、私が先に意見を言うほうが進めやすいですか。それとも、まず○○さんの案を聞くほうがよいですか。
- 前回は構成を一緒に考えましたが、今回も同じ進め方でよいですか。違うほうがよければ、遠慮なく言ってください。
- 私の印象で決めつけているところがあるかもしれません。合わないと感じたら、そう言ってもらえると助かります。
- もし診断の結果に、○○さん自身の感じ方と違うところがあったら、教えてもらえますか。私は、○○さんの感じ方のほうを優先したいです。
部下ごとに合わせる3つのこと: 期待する関わり、 止まっている理由、 伸ばしたい仕事
性格ではなく、次の3つに合わせます。どれも、その部下に聞くことで分かります。
| 合わせる先 | 聞き方の例 | 聞いたあとに上司がすること |
|---|---|---|
| その回に | 「今日は、 | 求められた |
| 止まっている理由 | 「提案書で、 | 情報が |
| 伸ばしたい仕事 | 「この半年で、 | 本人の |
その回に期待することに合わせる
部下が上司に期待することは、人によっても、回によっても変わります。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に一番期待することとして最も多く選ばれたのは「その時々によって違う」で、20.9%でした。つまり、最も多い答えは、1つに決まった期待ではなく「回によって変わる」でした。上司が関わり方を1つに決めてしまうと、この最も多い人たちには、合わない回が出てきます。
意見を求められたときは、相手にも考えがあることが多いので、まず本人の考えを尋ね、そのうえで具体的に意見を言います。一緒に考えてほしいと言われたときは、何に困っていて、どうしたいのかを把握することから始め、真剣に一緒に考えます。
- 私の意見を言う前に、○○さんはどの案がよいと考えていますか。
- 私なら、価格の表を提案書の先頭に置きます。先方が最初に見るのはそこだと、営業部から聞いているからです。
- 一緒に考えましょう。まず、何が決まっていて、何が決まっていないのかを教えてください。
- 今日は聞くだけにします。話し終わったら、私に何かしてほしいことがあるか教えてください。
止まっている理由に合わせる
提案書が進んでいないとき、「慎重だから」「自信がないから」と性格で説明すると、上司が次に何をすればよいのかが見えにくくなります。理由は、情報や時間、判断のように、仕事の進め方の中にあることが多いようです。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談がそのあとの行動につながるのは半分くらいの回か、それより少ないと答えた人に、行動につながらない理由を5つまで選んでもらいました。最も多かったのは「その時々によって違う」26.1%で、「特にない」23.4%が続きます。残りの理由も分かれていて、「ありたい状態が定まっていない」が16.3%、「行動するために必要な情報が揃っていない」が15.9%でした。「時間やコストの制約で動けない」は15.4%、「判断材料はあるが確信がもてない(不安・恐れ・迷い)」は11.0%です。つまり、行動が止まる理由は人によっても回によっても分かれていて、1つには決まっていません。
面談についての数字ですが、提案書が止まっている場面でも、理由を性格ではなく、情報・時間・判断・やり方のどれが足りないのかで聞くとよいでしょう。
- 提案書で今一番進めにくいところを、1か所だけ教えてもらえますか。情報が足りないのか、判断に迷っているのか、それとも時間が取れないのか、話しながら一緒に整理しましょう。
- 先方の予算の情報がないなら、私が営業部に確認します。明日の午前中にはお伝えできます。
- 判断に迷っているなら、私の考えを言います。A案で出して、先方の反応を見てから直すほうが早いと思います。
- 今週は見積もりの件数が多いですね。提案書の期限を来週に動かせるか、私が先方に聞いてみます。
伸ばしたい仕事に合わせる
育成で合わせる3つ目は、本人がどの仕事を一人でできるようになりたいかです。「この人は数字に強いタイプだから分析を」と上司が決めるより、本人の希望を聞いてから任せる仕事を選ぶほうが、本人も続けやすくなります。上司の考えも、本人の希望を聞いたあとに伝えます。
- この半年で、提案書のどの部分を一人で仕上げられるようになりたいですか。
- 私は、○○さんに先方との打ち合わせの進行も任せたいと考えています。○○さんは、どう思いますか。
- 希望が今の仕事と離れていても、まず聞かせてください。どう近づけるかは、そのあと一緒に考えます。
性格やタイプに合わせた指導で、 避けたいこと
- 型を本人に言う。「○○さんは内向的なタイプなので」と言われると、部下は人柄を評されたと受け取りがちです。話は仕事に戻してください。
- 型で関わり方を固定する。「聞いてほしいタイプ」と決めて聞くだけに回ると、意見やアドバイスを求めている回に応えられません。逆に「教えてほしいタイプ」と決めて毎回説明すると、本人の考えを聞く前に話し始めてしまいます。
- 性格を変えようとする。「もっと積極的になってほしい」では、本人は何をすればよいのかが分かりません。「打ち合わせで1つ質問してみませんか」のように、仕事の行動で言います。
- 一度決めた見方を更新しない。半年前の印象で接し続けると、本人の変化に気づけません。
- 性別・年齢・世代で接し方を決める。年代ごとの数字に傾向はあっても、目の前の一人がどうかは、聞くまで分かりません。
部下に合わせた指導がうまくいっているかを、 どこで見るか
合わせられているかどうかは、タイプの見方が当たったかではなく、二人のやり取りで振り返ります。
- 指導の前に、その回に本人が上司に期待することを聞いているでしょうか。
- 止まっている理由を、性格ではなく、情報・時間・判断・やり方の言葉で話せているでしょうか。
- 本人の希望を聞いてから、任せる仕事を決めているでしょうか。
- 半年前と比べて、二人のやり取りの中で、相談や意見を交わす場面は増えているでしょうか。
- 上司自身が、半年前と同じ言葉でその部下を説明していないでしょうか。
部下を性格の型で見ると、見方が固まりやすくなります。合わせる先を型から「その人が、その仕事で求めていること」に置き換えると、聞く言葉が変わり、指導の仕方も変わっていくでしょう。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
本や研修で学んだ育成のやり方を、目の前の部下との会話にどう当てはめればよいか迷うときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
部下との1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
一般的なやり方をそのまま当てはめる前に、 その部下が今回何を期待しているかに合わせた入り方を考えられます。
Kakeai AI が、選ばれたテーマと、部下が選んだ期待する対応、これまでの1on1でのやり取りをもとに、今回どう関わるとよいかと、最初の一言の案を書きます。ご自身向けの内容で、部下には部下向けの別の内容が表示されます。
加藤さんは「一緒に考えてほしい」と言っているので、答えを渡すより、どこから手をつけるかを一緒に絞る関わりが今日の軸になります。
1on1の終了後に、「今回よかった点」で。
自分の関わり方のうち続けるとよいものを、 本の中の一般論ではなく、 実際の会話の場面で確かめられます。
「1on1後のAIアドバイス」の「今回よかった点」に、その回のどの場面で、ご自身のどの問いかけや返し方が部下の言葉につながったかが、実際の発言を引用して書かれます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。
数字の報告を受け取るだけでなく、担当者がその数字をどう読んでいるかを問う形は、西村さんが自分の判断を持ち込む場を作りました。
1on1の終了後に、「次の1on1や日常へ向けて」で。
本で読んだ問いかけではなく、 その部下との実際の会話から、 次の1on1で試す一言を持てます。
「1on1後のAIアドバイス」のご自身向けの欄に、その回の会話をもとに、次の1on1で部下に試せる一言の案が書かれます。部下には別の内容が表示されます。
次回、自動車系列や提案書の軸について藤本さんが実際に動いた結果を聞く場面で、「自動車系列、リストに入れてみてどうだった?」と一問返してみてはいかがでしょうか。
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よくある質問
部下をタイプ別に分けて指導するのは、 よい方法ですか。
部下をタイプ別に分けて指導することは、仮説として使うならよい方法ですが、型ごとに決めた接し方をそのまま使うと、目の前の部下に外れることがあります。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に一番期待することとして最も多く選ばれたのは「その時々によって違う」で、20.9%でした。型は本人に聞く前の手がかりとして使い、その回に何を期待しているかを尋ねることをおすすめします。
内向的な部下と外向的な部下で、 指導の仕方を変えるべきですか。
内向的か外向的かで指導の仕方を決めるより、その部下がその仕事で上司に期待することと、止まっている理由に合わせることをおすすめします。「内向的だから聞くだけにする」と決めると、意見やアドバイスを求めている回に応えられません。Kakeai AI 1on1の利用データでも、話の種類によって、部下が上司に求めることは変わっていました。性格の印象ではなく、「今日は意見がほしいですか、聞いてほしいですか」と本人に聞いてください。
部下の性格に合わせた指導をするとき、 やってはいけないことはありますか。
部下の性格に合わせた指導でやってはいけないのは、「○○さんは慎重なタイプだから」のように、性格を評する言葉を本人に向けて言うことです。部下は仕事の話ではなく人柄の話をされたと受け取りがちで、言い返しにくくなります。また、性格そのものを変えようとする指導も、本人が何をすればよいのかが分からないので避けてください。話は仕事に戻し、「打ち合わせで1つ質問してみませんか」のように、行動で伝えます。
若手の部下には、 年上の部下より細かく教えたほうがよいですか。
若手の部下に細かく教えるかどうかは、年代ではなく本人に聞いて決めることをおすすめします。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に一番期待することとして「具体的なアドバイスがほしい」を選んだ人は、20代の回答で25.7%、60代の回答で11.4%でした。20代のほうが高いものの、20代でもほかの答えを選んだ人のほうが多い、ということです。年代で決めず、その回に何を期待しているかを本人に尋ねてください。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/coaching-by-personality-type
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: