上司の方へ部下との関わり
部下の指導・育成に疲れたときの対処
先に答え
部下の指導・育成に疲れたときは、疲れの元を3つに分けることをおすすめします。言っても変わらないこと、届いているのか分からないこと、結果を上司一人で背負っていることの3つです。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が行動につながるのは「半分くらいの回でそうなっている」と答えた人が40.9%で最も多く、「毎回そうなっている」人は9.4%でした。面談についての数字ですが、伝えたことがすぐに変わらないのは珍しいことではないと考えられます。1回に伝えることを1つに絞り、教える前にその回の期待を聞き、上司の上司や人事とも話すと、疲れの元を減らしやすくなります。体調に出ているときは、産業医や医療の専門家に相談してください。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談がそのあとの行動につながるのは「半分くらいの回」という答えが最も多く、毎回つながっている人は1割に届きませんでした。また、面談で上司に一番期待することが「具体的なアドバイスがほしい」の人は、期待が特にない人より、面談が成果につながっていると感じている割合が高くなっています。どちらも部下の立場で面談について答えた数字で、上司の疲れを尋ねたものではありません。ただ、伝えたことがすぐに変わらないのは珍しくないこと、助言を求めている人のほうが面談の成果を感じていることの2つは、指導の疲れを見直す手がかりになると考えられます。
- 40.9%
- 1万人調査
- 上司との面談がそのあとの行動につながるのは「半分くらいの回でそうなっている」と答えた人の割合
- 5つの答えの中で最も多い答えでした。「毎回そうなっている」は9.4%、「ほぼ毎回」は29.8%です。つまり、面談で話したことが毎回行動に結びつく人はごく少なく、半分くらいの回でつながるという人が最も多いということです。
- 42.7%
- 1万人調査
- 面談で上司に一番期待することが「具体的なアドバイスがほしい」の人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- 「期待していることは特にない」と答えた人では8.4%でした。上司の助言を求めている人のほうが、面談が成果につながっていると感じている割合が高いということです。部下の実感を尋ねた数字で、上司の助言が届いたかどうかを尋ねたものではありません。
この調査は、上司の疲れやストレスについて尋ねたものではありません。数字は、部下の立場で上司との面談について答えた結果です。このページでは、伝えたことがすぐに変わらないのは珍しくないこと、助言を求めている人のほうが面談の成果を感じていることの2つの手がかりとして使っています。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
部下の指導・育成に疲れたときは、 疲れの元を3つに分ける
部下の指導や育成に疲れたときは、気持ちを立て直そうとする前に、何に疲れているのかを分けてみてください。疲れの元は、次の3つに分けると考えやすくなります。
- 言っても変わらない。同じ指摘を何度も繰り返していて、伝えたことがなかなか変わらない。
- 届いているのか分からない。相手の反応が薄く、教えたことが役に立っているのか分からないまま、教え続けている。
- 一人で背負っている。指導に時間を取られて自分の仕事が終わらず、部下が伸びるかどうかも、上司一人の責任として背負っている。
3つは対処が違います。ここでは、設備管理の会社で、ビルの設備点検の報告書の作成を部下に任せている上司を例にします。毎月の報告書で、写真の抜けや数値の記載の間違いを、何度も直している場面です。
| 疲れの元 | 起きていること | 最初に変えること |
|---|---|---|
| 言っても | 同じ指摘を | 1回に |
| 届いているのか | 相手が | 教える |
| 一人で | 指導の | 上司の |
言っても変わらないことに疲れたとき
伝えたことがすぐに変わらないのは、珍しいことではありません。上司一人の力不足と受け取る前に、数字を1つ見てください。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談がそのあとの行動につながっているかを尋ねました。最も多い答えは「半分くらいの回でそうなっている」で40.9%、「毎回そうなっている」は9.4%でした。つまり、面談で話したことが毎回行動に結びつく人は1割に届かず、半分くらいの回でつながるという人が最も多いということです。
面談についての数字ですが、指導で伝えたことについても、毎回すぐに変わることを前提にしないほうがよいでしょう。10個を一度に伝えて半分を直してもらうより、1つを伝えて次の確認の日を決めるほうが、進んだかどうかを二人で見やすくなります。
- 今月の報告書で直したいことは3つありますが、今日は1つだけにします。写真の抜けを、提出の前に一緒に確認する手順を入れませんか。
- 来週の金曜に、10分だけ時間をもらえますか。その手順がうまく回っているかを、二人で見たいんです。
- ほかの2つは、来月以降に順に話します。一度に全部を直さなくて大丈夫です。
同じ指摘を繰り返しているときは、言い方を強くする前に、何が妨げになっているのかを尋ねます。
- 写真の抜けについて、何度も同じ話をしてしまっていますね。私の伝え方で、分かりにくいところはありませんか。
- 現場で写真を撮るときに、何が一番やりにくいですか。チェックの表が現場に合っていないなら、作り直します。
求められていない回にも教え続けて疲れたとき
教え続けても反応が薄いと感じるときは、相手がその回に何を求めているかを、教える前に聞いてみることをおすすめします。相手が求めていないのに教え続けていることが疲れの元なら、先に尋ねることで、その疲れは減らせると考えられます。
KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に一番期待することが「具体的なアドバイスがほしい」の人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は42.7%でした。「期待していることは特にない」と答えた人では8.4%です。つまり、上司の助言を求めている人のほうが、面談の成果を感じている割合が高いということです。この数字は部下の実感で、教えたことが届いたかどうかを尋ねたものではありません。
教える前に、短く尋ねるとよいでしょう。同じ助言でも、求めている回と求めていない回では、受け取られ方が違うと考えられます。
- 今日の報告書のことは、私から直し方を話すのがいいですか。それとも、○○さんが考えている進め方を先に聞いたほうがいいですか。
- 今の話、役に立っていますか。的を外していたら、遠慮なく言ってください。
「特にありません」と返ってきたときは、教えるのをやめて、上司から話題を1つ出すか、その日は短く終えてかまいません。教えない回があることは、育成を止めることではありません。
- それなら今日は、私から1つだけ聞かせてください。報告書の作成で、一番時間がかかっているのはどの部分ですか。
- 今日は報告書の確認だけで終えましょう。何か私に聞きたいことが出てきたら、そのときに声をかけてください。
指導の時間で自分の仕事が終わらない、 結果を一人で背負っているとき
指導の時間が自分の仕事を圧迫しているときと、部下が伸びるかどうかを上司一人の責任として背負っているときは、上司の上司や人事に話すことが対処になります。育成は会社の仕事でもあるので、上司一人で抱え込まないことをおすすめします。
上司の上司に話すときは、部下の問題としてではなく、自分の仕事の配分の相談として切り出します。
- ○○さんの報告書の確認に、毎月5時間ほどかかっています。この時間を半年は続けるつもりですが、その間、私の担当の案件を1つ減らしていただけませんか。
- 点検報告書の書き方は、私以外にも教えられる人がいると思います。△△さんに月に一度見てもらうことは、お願いできますか。
人事には、会社として用意されている研修や、同じ立場の管理職と話す場があるかを尋ねます。同じ立場の人から「同じことで疲れている」と聞くだけで、上司一人の問題ではないと分かることがあります。
- 部下の指導の進め方について、同じ立場の管理職と話す場はありますか。研修があれば、受けてみたいです。
部下にも、上司が全部を教えるわけではないことを伝えてかまいません。
- 報告書の数値の確認は、△△さんのほうが詳しいので、来月から△△さんにも見てもらおうかと考えています。私の目が届かないところを補ってもらえると思うのですが、○○さんはどう思いますか。
疲れを部下にぶつけそうなとき、 体調に出ているとき
疲れがたまると、指摘の言葉が強くなったり、ため息が先に出たりします。その日に気づいたら、無理に指導を続けず、日を改めるのも1つの方法です。
- 今日は私のほうに余裕がなくて、きつい言い方になりそうです。報告書の話は、明日の午後に改めてもよいですか。
- この前の言い方は、きつかったと思います。申し訳なかったです。内容は変わりませんが、言い方は直したかったので、改めて話させてください。
疲れが、眠れない、食欲が落ちるなど体調に出ているときは、上司自身が産業医や医療の専門家に相談することをおすすめします。上司の体調を整えることは、部下の指導を続けるための条件でもあります。部下に対して、上司の疲れの原因が本人にあると伝えることは避けます。
指導の疲れが減ってきたかを、 どこで見るか
指導の疲れが減ってきたかどうかは、部下が変わったかではなく、二人の間のやり取りの形が変わったかで振り返ります。次の点を、1か月後に自分に問いかけてみてください。
- 1回の指導で伝えることを1つに絞り、確認する日を決めるようになっているでしょうか。
- 教える前に、相手がその回に何を期待しているかを尋ねているでしょうか。
- 上司の上司や人事に、自分の時間の配分や分担の相談をしたでしょうか。
- 伝えたことがすぐに変わらなかった月に、それを自分の力不足としてではなく、次に伝える1つを決める材料として受け取れたでしょうか。
- 疲れが体調に出ていないでしょうか。出ているなら、相談先に連絡したでしょうか。
- この1か月、1つずつ進める形にしてみましたが、○○さんから見てどうでしたか。やりにくかったところがあれば、教えてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
部下の指導や関わり方に疲れたり、迷いを一人で抱えたりしているときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
ご自身の上司との1on1の終了後に。
部下とのことを一人で抱えず、 ご自身の上司と話した内容を、 次の部下との1on1の一言につなげられます。
ご自身の上司とも Kakeai AI 1on1 で1on1をしている場合、ご自身が部下の立場になる回でも、Kakeai AI は要約と「1on1後のAIアドバイス」を作ります。上司との話の中でご自身が口にした部下への思いをもとに、次に部下と話すときの一言の案が書かれることもあります。アドバイスはご自身向けで、ご自身の上司には別の内容が表示されます。
次回の石田さんとの1on1で、「設計の判断を聞かずに決めることが増えてきた。そのことを伝えておきたかった」と一言話してみませんか。…
部下との1on1の終了後に、「今回よかった点」で。
指導がうまくいっていないと感じるときも、 実際の会話の中でできていたことを確かめられます。
「1on1後のAIアドバイス」の「今回よかった点」に、その回のご自身の問いかけや返し方のうち、部下の言葉につながったものが、実際の発言を引用して書かれます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。
…問いを短く置いたことが、藤本さん自身の言葉で論点を整理する場になっています。
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よくある質問
部下の指導に疲れるのは、 上司として向いていないからですか。
部下の指導に疲れることは、上司に向いていないことを示すものとは限りません。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が行動につながるのは「半分くらいの回でそうなっている」と答えた人が40.9%で最も多く、「毎回そうなっている」は9.4%でした。つまり、伝えたことがすぐに変わらないのは珍しいことではありません。疲れたときは、「言っても変わらない」「届いているか分からない」「一人で背負っている」のどれなのかを分けて対処を選びます。
部下の育成に疲れたとき、 しばらく距離を置いて放っておいてもよいですか。
部下の育成に疲れたとき、教えない回を作ることはかまいませんが、確認の約束までなくして放っておくことはおすすめしません。おすすめするのは、1回に伝えることを1つに絞り、次に確認する日を決めておく形です。教える前に「私から直し方を話すのがいいですか。それとも、考えている進め方を先に聞いたほうがいいですか」と尋ね、求められていない回は確認だけで短く終えます。教えない回があることは、育成を止めることとは違います。
部下の指導に時間を取られて、 自分の仕事が終わらないときはどうすればよいですか。
部下の指導に時間を取られて自分の仕事が終わらないときは、上司の上司に、自分の仕事の配分の相談として切り出します。「○○さんの報告書の確認に毎月5時間ほどかかっています。半年は続けるつもりなので、その間、私の担当の案件を1つ減らしていただけませんか」のように、時間と期間を具体的に伝えます。教える内容の一部を、詳しい同僚に分けてもらうことも1つの方法です。育成は会社の仕事でもあるので、上司一人で抱え込まないようにします。
部下の指導のストレスを、 上司の上司や人事に相談してもよいですか。
部下の指導のストレスは、上司の上司や人事に相談してかまいません。相談するときは、部下の人柄の話ではなく、自分の時間の配分と分担の話として伝えます。人事には、同じ立場の管理職と話す場や研修があるかを尋ねてみてください。同じ立場の人から同じ悩みを聞くだけで、上司一人の問題ではないと分かることがあります。疲れが眠れない、食欲が落ちるといった体調に出ているときは、産業医や医療の専門家に相談してください。
疲れから部下に強く当たってしまったときは、 どうすればよいですか。
疲れから部下に強く当たってしまったときは、日を置かずに、言い方について本人に謝ります。「この前の言い方はきつかったと思います。申し訳なかったです。内容は変わりませんが、言い方は直したかったので、改めて話させてください」のように、伝えたい内容と言い方を分けて話します。余裕がない日に先に気づいたら、「今日は私に余裕がなくて、きつい言い方になりそうです。明日に改めてもよいですか」と伝えて、その日の指導を見送ってかまいません。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/tired-of-coaching-subordinates
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: