上司の方へキャリア・退職・目標設定ほか
部下が辞めると上司の評価や責任はどうなるか
先に答え
部下が辞めたときに上司の評価がどうなるかは、会社の評価制度と就業規則によって決まるため、最初に人事に確認してください。上司が自分で引き受けられる責任は、辞めた理由のすべてではありません。振り返るのは、本人が面談で言いたいことを言える場をつくっていたか、本人から言われたことに返事をしていたか、の2つです。引き継ぎと残っている部下との面談を止めないことは、これから引き受ける責任です。面談についての数字ですが、KAKEAIの1万人調査では、困りごとに「上司が実施に前向きではない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は20.4%でした。回答者全体では31.9%です。部下が辞めたあとこそ、残っている部下との面談を止めないでください。
数字で見る
面談の困りごととして「上司が実施に前向きではない」を挙げた人は、面談の成果と成長の実感がどちらも回答者全体を下回っています。部下が辞めた直後に上司が面談に気乗りしなくなると、残っている部下にも、上司が前向きではないように見えるかもしれません。評価の扱いは人事に確認し、残っている部下との1on1は間隔をあけずに続けてください。
- 3.9%
- 1万人調査
- 上司との面談の困りごと(複数回答)として、「上司が実施に前向きではない」を挙げた人の割合
- 集計に並ぶ15の困りごとの中で、最も少ない答えです。少数ですが、この人たちの面談の成果の実感は20.4%、成長の実感は15.3%で、回答者全体の31.9%と26.7%を下回っています。
- 20.4%
- 1万人調査
- 「上司が実施に前向きではない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人の割合
- 回答者全体では31.9%でした。成長の実感も15.3%で、全体の26.7%より低くなっています。つまり、上司が面談に前向きではないと感じている部下は、面談が成果や成長につながっているとも感じにくい、ということです。
この調査は、部下の退職や、部下が辞めたあとの上司の評価については尋ねていません。数字は、上司との面談の困りごととして「上司が実施に前向きではない」を挙げた人の、面談についての実感です。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
部下が辞めると上司の評価はどうなるか: 会社の決まりを人事に確認する
部下が辞めたときに上司の評価がどう扱われるかは、会社の評価制度と就業規則によって決まります。会社によって扱いが違うため、一般論として言い切れることではありません。最初に人事に確認することをおすすめします。
管理職の目標に部署の定着率や離職率が入っている会社もあれば、入っていない会社もあります。入っている場合でも、退職の理由や人数によって扱いが変わることがあります。「下がるはずだ」「関係ないはずだ」と推測で決めて動くと、確認すればわかることに気持ちをすり減らすことになります。退職の申し出を受けた週のうちに、次のことを人事に確認しておくとよいでしょう。
| 人事に確認すること | 確認する理由 | 確認する時期 |
|---|---|---|
| 管理職の | 自分の | 退職の |
| 退職の | 手続きの | 退職の |
| 本人との | 会社の | 本人との |
| 後任の | 残っている | 本人の |
人事への聞き方は、次のような言い方で十分です。
- 課の○○さんから、退職の申し出がありました。手続きのほかに、管理職として確認しておくことがあれば教えていただけますか。
- 管理職の評価で部下の退職がどう扱われるのかを、制度上の決まりとして教えてください。推測で動きたくないので、確認しておきたいです。
部下が辞めたとき、 上司の責任はどこまでか
部下が辞めた責任について上司が考えるときは、辞めた理由のすべてではなく、上司が自分で変えられたことと、これから変えられることに分けて考えるのがよいでしょう。責任は、次の3つに分かれます。
- 上司が変えられたこと。本人が面談で言いたいことを言える場を持っていたかどうかと、本人から言われたこと(仕事の進め方や仕事の量、希望)に返事をしていたかどうかです。ここは、上司が振り返る価値のあるところです。
- 上司の一存では変えられなかったこと。給与や異動、人の配置、本人の家庭の事情などです。上司は希望を聞いて人事に伝えることはできても、決めるのは会社です。ここまで自分の責任として背負うと、次に何をすればよいのかが見えなくなります。
- これから上司が引き受けること。引き継ぎを本人に任せきりにしないこと、残っている部下の仕事と面談を止めないことです。
辞める理由のすべてが上司に見えるわけではありません。本人が上司に言わずに決めた理由もあり、退職の面談で聞いた理由がすべてとも限りません。そのため、「全部自分のせいだ」も「自分には関係がない」も、理由がわからないうちに出した結論になりがちです。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司との面談で部下が何を話せ、何を話せなかったかには、上司と部下の両方が当事者として関わっていると考えています。部下が辞めた責任を上司一人に負わせる見方も、上司には関係がないとする見方も、この考えとは合いません。
辞めると決まった日から上司がすること: 順番と最初の一言
部下から退職の申し出を受けたら、本人と話すことから始め、人事への確認と自分の上司への報告を済ませたあとで、残っている部下に伝えます。以下では、経理課で月次決算を担当している部下から退職の申し出を受けた課長を例にします。
1. 本人と、残りの期間の進め方を決める
退職の申し出を受けた日は、理由を詳しく聞くより、受け止める言葉と、残りの期間の進め方を話します。
- 話してくれて、ありがとうございます。驚きましたが、決めたことは尊重します。
- 今日は理由を詳しく聞くより、これからの進め方を一緒に決めたいです。最終出社日の希望は、いつ頃ですか。
- 月次の締めの引き継ぎは、私も入って一緒に整理します。○○さんが一人で抱えなくてよいようにしたいです。
2. 人事に確認する
上の表の項目を、申し出を受けた週のうちに確認します。会社の決まりで面談の記録が必要な場合は、人事に相談したうえで、決まりに沿って残します。
3. 自分の上司に報告する
自分の上司への報告は、事実と自分の見方とこれからの対応の3つを分けて話すと、聞く側が判断しやすくなります。
- ○○さんから退職の申し出がありました。最終出社日は、来月末の希望です。月次の締めの引き継ぎは、私が入って進めます。
- 理由として本人から聞いているのは、別の分野の仕事に移りたいということです。私の見方としては、業務の分担について返事が遅れていたことも関係したかもしれないと考えています。
- 後任の採用か異動の見通しについて、ご相談したいです。来月の締めは、私と○○さんで進められます。
4. 残っている部下に伝える
残っている部下には、本人の了解を得たうえで、事実と仕事の見通しを伝えます。心配なことは、全員の前ではなく、一人ひとりとの1on1で聞きます。
- ○○さんが、来月末で退職することになりました。来月の月次の締めは私と○○さんで進め、その後の分担は皆さんと相談して決めます。
- 次の1on1で一人ずつ、今の仕事の量と心配なことを教えてもらえますか。
5. 本人との残りの面談を続ける
本人との残りの1on1は、引き継ぎの確認と、本人がここで身につけたことの整理に使います。上司に改めてほしかったことは、差し支えない範囲で尋ねます。
- 残りの1か月の1on1は、引き継ぎの確認と、○○さんがこの課で身につけたことの整理に使いませんか。
- 私に直してほしかったことがあれば、差し支えない範囲で教えてもらえますか。次に一緒に働く人のために生かしたいです。
部下が辞めたあと、 残っている部下との面談を止めない
部下が辞めたあとこそ、残っている部下との面談を止めないことをおすすめします。上司の気持ちが面談に向かなくなると、それは残っている部下にも伝わることがあります。
面談についての数字ですが、KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談の困りごと(複数回答)として「上司が実施に前向きではない」を挙げた人は3.9%でした。集計に並ぶ15の困りごとの中で、最も少ない答えです。ただし、この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は20.4%、成長につながっていると感じている人は15.3%でした。回答者全体では、31.9%と26.7%です。つまり、上司が面談に前向きではないと感じている部下は、面談が成果や成長につながっているとも感じにくい、ということです。
部下が辞めた直後には、上司の側に「面談をしていても意味がなかったのではないか」「また辞める人が出るのではないか」という気持ちが残ることがあります。その気持ちのまま面談の間隔をあけたり、形だけ続けたりすると、残っている部下には、上司が前向きではないように見えるかもしれません。残っている部下との1on1は、間隔をあけずに続けることをおすすめします。
- ○○さんが辞めることになって、私自身も考えるところがありました。皆さんとの1on1は、これまで通り続けたいと思っています。
- 今の仕事の量で、無理が出ているところはありますか。先に私が動けることがあれば、教えてください。
- 引き継ぎで増えた仕事については、来月の1on1で一度まとめて相談したいです。それまでに困ったことがあれば、その場で声をかけてください。
部下が辞めたとき、 やらないほうがよいこと
避けたいのは、上司の評価や気持ちを守るために、本人や残っている部下との話し方を変えてしまうことです。
- 辞める本人から、本当の理由を聞き出そうとする。理由のすべてを本人が話す義務はありません。問い詰められた本人は、残りの期間に話しにくくなります。聞くなら、上司に直してほしかったことを、差し支えない範囲で尋ねるまでにします。
- 残っている部下に、次に辞めそうな人を探る聞き方をする。「辞めるつもりはありませんか」と聞かれた部下は、本音を話しにくくなります。聞くのは、仕事の量と心配なことです。
- 自分の上司への報告を、自分の評価を守る言い方にする。「面談は毎月していました」と先に言うより、事実と自分の見方と対応を分けて話したほうが、聞く側は判断しやすくなります。
- 自分を責めて、面談を減らす。面談が減ると、残っている部下には、上司が前向きではないように見えるかもしれません。
- 辞めた理由を、本人の人柄の問題として片づける。残っている部下は、その言い方も聞いています。
- 引き継ぎを本人に任せきりにする。月次の締めのように手順の多い仕事ほど、上司が入って一緒に整理します。
部下が辞めたあとの対応がうまくいったかを振り返る
部下が辞めたあとの対応がうまくいったかどうかは、自分の評価がどうなったかではなく、本人の最終出社日までと、その後の1か月に、本人や残っている部下との時間をどう使ったかで振り返ります。
- 本人の最終出社日までに、引き継ぎの内容を二人で確認する時間を取れたでしょうか。
- 残っている部下との1on1は、間隔をあけずに続いているでしょうか。
- 引き継ぎで増えた仕事について、残っている部下が相談しやすい時間を取れているでしょうか。
- 評価の扱いを人事に確認し、推測ではなく事実を知ったうえで動けたでしょうか。
部下が辞めたこと自体は、もう動かせません。上司が動かせるのは、ここからの1か月の、本人と残っている部下との時間です。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
部下が辞めたあとに、残っている部下の仕事の量や負荷を1on1で確かめたいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1のあと、「1on1後のAIアドバイス」で。
残っている部下の仕事の量について、 次の1on1で具体的な場面を挙げて尋ねる準備ができます。
仕事の量や兼務の話で、部下の返事が短く終わった場面があった回は、その場面を挙げて、次の回に具体的な場面を挙げて尋ねる一言の案が書かれることがあります。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。
…次回、同じ場面に戻るとしたら、「大丈夫」の一言で終わらせず、「月曜の午前が取られると、週の動き出しはどう変わってる?」のように、具体の場面を一つ挙げて聞いてみると、小野寺さんが答えやすくなるかもしれません。…
1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
部下が負荷の話を聞いてほしいと選んだ回に、 仕事の確認だけで終わらせずに尋ねる入り方を用意できます。
「1on1の準備」で選ばれたテーマ(「心身の状態」など)と、部下が選んだ期待する対応、これまでの1on1を踏まえて、その回の入り方と最初の一言の案をKakeai AIが書きます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。
…柳瀬さんが「話を聞いてほしい」と入れた「心身の状態」も今日のテーマにあります。…報告を受けながら、「3つで回っていない」という状況の輪郭が見えてきたところで、「どのあたりが一番きついですか」と一つずつ確かめていく流れが、自分用メモの「一個ずつ見る」に沿います。…
1on1の実態を1万人のデータで見たい方は、無料のレポートをお受け取りください。
ご利用企業 累計600社以上/
無料の資料
この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)
- 1万人のデータで見る、1on1の頻度・時間・場所・話題の実態
- 成果・成長の実感を左右するもの(実施理由・上司への期待・困りごと・行動への接続)
- 明日の1on1からできること(前・最中・直後・日常の4つの場面と、具体的な声のかけ方)
画面を見ながら説明を聞きたい方は、30分のオンライン説明をご予約いただけます。
よくある質問
部下が辞めると、 上司の評価は下がりますか。
部下が辞めたときに上司の評価が下がるかどうかは、会社の評価制度と就業規則によって決まります。管理職の目標に定着率や離職率が入っている会社もあれば、入っていない会社もあり、入っている場合でも退職の理由や人数によって扱いが変わることがあります。推測で「下がるはずだ」と決めて動くより、退職の申し出を受けた週のうちに、管理職の評価項目にどう関わるのかを人事に確認することをおすすめします。
部下が辞めたのは、 上司の責任ですか。
部下が辞めた責任は、辞めた理由のすべてを背負うのではなく、上司が自分で変えられたことと、変えられなかったことに分けて考えるのがよいでしょう。上司が変えられたのは、本人が面談で言いたいことを言える場をつくっていたか、本人から言われたことに返事をしていたか、の2つです。給与や異動、人の配置、家庭の事情は、上司の一存では変えられません。そして、引き継ぎを本人に任せきりにしないことと、残っている部下の仕事と面談を止めないことが、これから上司が引き受ける責任です。
部下が辞めると言ってきたとき、 上司は理由を聞いてもよいですか。
部下が辞めると言ってきたとき、上司が理由を聞くことはかまいませんが、本当の理由を聞き出そうと問い詰めることは避けてください。理由のすべてを本人が話す義務はなく、問い詰められた本人は残りの期間に話しにくくなります。申し出を受けた日は受け止める言葉と残りの期間の進め方を話し、理由は本人が話す範囲で聞きます。会社の決まりで面談の記録が必要な場合は、人事に相談したうえで決まりに沿って残します。
部下が辞めることを、 自分の上司にはどう報告すればよいですか。
部下が辞めることを自分の上司に報告するときは、事実と自分の見方とこれからの対応の3つを分けて話します。事実は退職の申し出があったことと最終出社日の希望、見方は本人から聞いた理由と上司として関係したかもしれないと考えていること、対応は引き継ぎの進め方と後任の相談です。「面談は毎月していました」のように自分の評価を守る言い方を先に出すより、この3つを分けて話したほうが、聞く側は判断しやすくなります。
部下が辞めたあと、 残っている部下にはどう伝えればよいですか。
部下が辞めたあと、残っている部下には本人の了解を得たうえで、退職の事実と当面の分担や後任の見通しを伝えます。心配なことや仕事の量は、全員の前ではなく一人ひとりとの1on1で聞きます。部下が辞めた直後こそ、残っている部下との1on1を間隔をあけずに続けてください。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/when-subordinate-resigns-manager-evaluation-and-responsibility
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: