上司の方へ管理職・マネジメント
管理職の責任とは何か、 責任の取り方は
先に答え
管理職の責任は、結果への責任・説明の責任・決めたことへの責任・配慮の責任の4つです。任せた仕事と部署の目標の結果に責任を持ち、自分の上司やお客様への説明を引き受けます。そのうえで、部下に任せる範囲や判断を決めたことに責任を持ち、部下の働く時間や体調と成長に配慮します。責任の取り方は、結果が出たあとに謝ることや役職を降りることだけではありません。決めてよい範囲を部下に伝える・判断を引き受ける・評価の見通しを期の途中で伝えるといった、結果が出る前に取る責任のほうが、日々の中では大きな部分を占めます。懲戒や法的な責任の範囲は、就業規則と人事の担当、必要なら専門家に確かめてください。
管理職の責任とは何か: 4つに分けて知る
管理職の責任とは、一言でいえば、自分で手を動かしていない仕事の結果にも責任を持つことです。担当者は自分の仕事の結果に責任を持ちますが、管理職は、一緒に仕事をする人に任せた仕事の結果と、部署としての目標の結果に責任を持ちます。中身は、次の4つに分けると整理しやすくなります。
| 管理職の責任 | 中身 | 誰に対して |
|---|---|---|
| 結果への責任 | 任せた | 会社、 |
| 説明の責任 | 部署で | 自分の |
| 決めたことへの責任 | 誰に | 部下 |
| 配慮の責任 | 部下の | 部下 |
このうち、法律や会社の決まりが関わる部分があります。労働時間の管理・安全への配慮・ハラスメントへの対応は、管理職にどこまで責任があるのかが法律と就業規則で決まっていて、会社によっても扱いが違います。この部分の範囲は、このページでは言い切れません。就業規則を確認したうえで、人事の担当に尋ねてください。必要に応じて、社会保険労務士や弁護士などの専門家に確認する方法もあります。
任せた仕事の結果に責任を持てるのは、その仕事を決め、実際に見ている人です。部下の仕事を見てもいないまま結果だけを問う管理職は、結果への責任を果たせません。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司も部下も両方が当事者であり、上司だけ、部下だけに責任を負わせるものではないと考えています。管理職の責任を考えるときも、「部下のミスはすべて管理職の責任」と抱え込むことと、「ミスをした部下の責任」と切り離すことの、どちらにも寄らないことが出発点です。
管理職の責任の取り方: 結果が出る前に取る責任のほうが大きい
「責任を取る」という言葉は、結果が悪かったあとに謝る・処分を受ける・役職を降りる、という意味で語られがちです。けれども、管理職の責任の多くは、結果が出る前に取るものです。結果が出たあとにできることは限られていて、結果が出る前にしておくことのほうが、部下の仕事と部署の目標を前に進めます。
| 先に取る責任 | 具体的にすること |
|---|---|
| 決めてよい | 任せる |
| 判断を | 部下が |
| 引き受けたことをする | 「私が |
| 評価の | 期末を |
| 働く | 残業や |
KAKEAIの1万人調査では、上司と週1回以上面談している人のうち、面談で人事評価の話をしている人の50.8%が「面談が成果につながっている」と感じていました。評価の話をしていない人では39.7%です。同じ頻度で面談している人どうしで比べると、評価の話をしている人のほうが、面談の成果を実感しています。
評価の見通しを期の途中で伝えることは、管理職が先に取れる責任の1つです。期末に初めて評価を告げられる部下は、期の間、自分の仕事がどう見られているかを知る機会がなかったことになります。
問題が起きたあとの責任の取り方: 4つの順番
任せた仕事で問題が起きたときの責任の取り方は、次の4つの順番で進めます。以下では、営業課の担当者が、お客様に送った提案書に別の会社の名前が残っていた場面を例にします。前の案件の提案書を元に作ったときに、社名の差し替えが1か所漏れていた、という状況です。
1. 事実を把握する
最初にすることは、誰の責任かを決めることではなく、何が起きたかを部下と一緒に確かめることです。
- 教えてくれて、ありがとうございます。まず、何が起きたかを一緒に整理しましょう。提案書はいつ送って、お客様からは何か連絡がありましたか。
- 責めるつもりで聞いているのではありません。お客様に正確に説明するために、経緯をそろえておきたいんです。
2. お客様と自分の上司への説明を、 管理職が引き受ける
お客様への説明と、自分の上司への報告は、管理職が自分の名前で行います。部下に「自分で謝ってきてください」と任せることは、おすすめしません。お客様から見れば、提案書は課として出したものだからです。
- お客様へのお詫びと差し替えのご連絡は、私から入れます。○○さんには、正しい提案書を今日中に用意してもらえますか。
- 部長への報告は、私からします。○○さんの名前を出して責任を問う報告にはしません。課として起きたことと、今後どう防ぐかを報告します。
- (自分の上司に)提案書に別の会社名が残ったまま、お客様に送ってしまいました。送る前の確認の仕組みが課になかったことが原因で、私の責任です。お客様へのご連絡は、今日中に済ませます。
3. 部下とは、責めずに原因を一緒に整理する
お客様への対応が済んだら、部下と一緒に、なぜ起きたかを整理します。注意力の不足で片づけず、作業の手順と確認の仕組みに目を向けてください。
- お客様には差し替えをお送りして、了解をいただきました。ここからは、同じことを防ぐための話をしましょう。
- 前の提案書を元に作ったとき、社名を差し替える箇所はいくつありましたか。確認する時間は取れていましたか。
- 私も、提出の前に見ていませんでした。見る時間を取らなかったのは、私の判断です。
4. 自分の任せ方と、 確認の仕組みを変える
最後に、管理職が自分で変えることを決め、部下に伝えます。同じことが起きない仕組みを管理職が作ることが、責任の取り方の中心です。
- 来月から、お客様に出す提案書は、送る前に私がもう1人の目として見ます。確認にかかる時間は、私の予定の中で取ります。
- 前の案件の提案書を元に作るときは、社名と金額を差し替える箇所の一覧を先に作ってから始める形にしませんか。○○さんは、どう思いますか。
- 人事上の扱いがどうなるかは、私の一存では決められません。就業規則の決まりを人事に確認して、わかったことはお伝えします。
ミスを切り出しやすい形を、 先に作っておく
問題が起きたあとの責任の取り方は、問題が管理職に早く届くかどうかにも左右されます。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談の困りごと(複数回答)に「話したいこと、話すべきことを切り出せない」を挙げた人が9.7%いました。20代の回答では15.0%です。つまり、上司と話す場があっても、切り出せずにいる人が一定数います。面談についての数字ですが、ミスや遅れのような悪い知らせは、普段の仕事の中でもさらに切り出しにくいと考えられます。
「問題が起きたときは私が窓口になる」と、問題が起きる前に伝えておくことをおすすめします。悪い知らせが早く届けば、打てる手が増えるからです。
- お客様に関わることで困ったときは、わかった時点ですぐに声をかけてください。お客様への説明は私が引き受けます。早くわかれば、一緒に打てる手が増えます。
- 間に合いそうにないとわかった日に教えてもらえれば、それで十分です。間に合わなかった理由を、一人で抱えなくて大丈夫です。
管理職の責任をめぐって、 避けたい考え方
- 責任を取るとは、辞めることや役職を降りることだと考える。役職を降りても、お客様への対応と、再発を防ぐ仕組みづくりは残ります。残っている部下の仕事と面談も止まります。先に取る責任と、起きたあとの対応を果たすことが、責任の取り方の中心です。
- 部下のミスはすべて管理職が抱え、部下には何も言わない。原因を一緒に整理しなければ、部下は次に何を変えればよいかがわかりません。部下を守ることと、原因を話さないことは別です。
- 逆に、「任せたのだから部下の責任」と切り離す。任せる範囲と確認の仕組みを決めたのは管理職です。上司も部下も、両方が当事者です。
- 処分や評価への影響を、その場で口にする。「評価は下がる」も「評価には響かない」も、管理職の一存では言えません。就業規則と人事の担当に確認してから伝えます。
- 責任を問われないように、判断を先送りする。判断を引き受けないことも、管理職の責任の取り方としては問題です。決められないときは、いつまでに誰が決めるかを部下に伝えます。
責任を果たせているかを、 どこで振り返るか
管理職の責任を果たせているかどうかは、問題が起きたときの対応だけでなく、日々のやり取りに表れます。月に1回ほど、次の点を振り返ってみてください。
- 任せた仕事について、部下が自分で決めてよいことと相談してほしいことを言葉で伝えられていたら、次は、二人が同じ範囲を思い描けているかを面談で一緒に確かめてみてください。
- 「私が確認します」と引き受けたことに遅れたものがあれば、次の面談の最初に、その報告から始めてみてください。期限までに行えていたら、次は、遅れそうなときに早めに部下へ伝えることを続けます。
- 評価の見通しを期末を待たずに伝えられていたら、次は、部下がその見通しをどう受け取ったかを尋ねてみましょう。伝えていなければ、次の面談で、今の時点での考えを理由と一緒に話すところから始めるのがおすすめです。
- 悪い知らせが部下から早い段階で届くようになっていたら、次は、届いたときの最初の一言をお礼から始めることを続けましょう。届いていないと感じるなら、「困ったときは私が窓口になる」と改めて伝えてみてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
仕事を任せる範囲や、誰が判断するのかがはっきりしないまま話が終わり、あとで二人の理解が食い違ってしまうときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の最中、次の一歩の候補が出るとき。
部下に任せることと上司が引き受けることを、 1on1の中で担当と期限の形にして分けられます。
会話の中から次に取り組むことが出てくると、Kakeai AI がその発言をもとに次の一歩の候補を作り、担当と期限を入力していきます。上司が引き取ったことが候補になることもあります。決めるのはお二人で、どちらからも「決定する」をクリックできます。終わり際に球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)を押すと、部下の分と上司の分を分けて確かめようという提案が出ることもあります。
残り3分ほどです。今日話した「仕様書の体裁」と「試作工程と海外仕様」の件で、柳瀬さんが石田さんへの確認を引き取り、長谷部さんが両工程を用意する形になっています。この二つ、期限や連絡のタイミングをお二人でここで一つ確かめておきますか。
1on1の最中と終了後、「1on1のAI要約」で。
部下が自分で決めてよい範囲と、 上司が判断することの分け方を、 あとから二人で同じ記録で見返せます。
Kakeai AI が、話のまとまりごとの要点に、何が決まり、誰が何を担当し、どの判断を誰が行うかを、話した内容をもとに書きます。お二人の画面に同じ内容が表示されます。
Gマーク認証は必須でなく要望として表に入れており、取得要否の判断は柳瀬さん側(営業含む)が行う。
相手との「概要」の画面のダイジェストで。
決めたことが実行まで進んだかを二人が同じ文章で確かめてから、 次に試すことを話し合えます。
ダイジェストは、この半年のお二人の1on1を Kakeai AI が文章にしたものです。これまでの流れ、いま途中になっている話とそれが誰の手元にあるか、決まった次の一歩とその実行の順に書かれ、1on1が終わるたびに書き直されます。お二人に同じものが表示されます。
…6月22日の「バンコク要件確認」の話から、小野寺さんがタイ拠点(バンコク)との要件確認…を7月6日までに行うことが決まっています。決まった一歩は2件、実行済みは1件です。
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よくある質問
管理職の責任とは、 具体的に何ですか。
管理職の責任は、4つに分けて考えられます。1つ目は、任せた仕事と部署の目標の結果に責任を持つことです。2つ目は、部署で起きたことを自分の上司や他の部署やお客様に説明することです。3つ目は、誰に何を任せてどこまで決めてよいとしたかという判断に責任を持つこと、4つ目は、部下の労働時間や体調と成長に配慮することです。労働時間や安全、ハラスメントに関わる責任の範囲は法律と就業規則で決まるので、人事の担当に尋ねてください。
部下のミスは、 管理職の責任になりますか。
部下のミスについて管理職が引き受けるのは、お客様や自分の上司への説明と対応の窓口になること、そして同じことが起きない仕組みを作ることです。一方、人事上の処分や評価にどう関わるかは、就業規則と会社の制度で決まるので、管理職の一存で「責任を取る」「取らない」とは言えません。上司も部下も両方が当事者なので、すべてを管理職が抱え込むことも、部下の責任と切り離すことも、おすすめしません。
管理職の責任の取り方として、 辞めたり役職を降りたりすべきですか。
管理職の責任の取り方は、辞めることや役職を降りることだけではありません。役職を降りても、お客様への対応と再発を防ぐ仕組みづくりは残り、残っている部下の仕事と面談は止まります。責任の取り方の中心は、起きたことへの対応を自分が引き受け、原因を部下と一緒に整理し、自分の任せ方と確認の仕組みを変えることです。処分や降格の扱いは、就業規則と人事の担当に確認してください。
管理職の責任と権限は、 どう関係しますか。
管理職の責任は、任された権限の範囲と対になっています。仕事の割り振りや期限、任せる範囲を決める権限があるから、その結果に責任を持ちます。逆に、昇給や異動、評価の最終的な結果のように管理職の権限の外にあることは、部下に約束できません。権限の外のことは、決める人と時期を伝えるまでにします。自分の権限の範囲は、職務権限の規程と自分の上司に確認するのが確かです。
管理職は、部下の残業や体調にどこまで責任がありますか。
部下の労働時間と体調への配慮は、管理職の責任の1つです。ただし、法律上どこまでの責任があるかと会社としての手続きは、労働基準法や安全衛生の法律と就業規則で決まっていて、会社によっても違います。このページでは言い切れないので、就業規則を見たうえで人事の担当に尋ねてください。管理職が自分でできるのは、残業や休みの状況を見て仕事の量と割り振りを調整することと、体調の話が出たときに産業医や人事の窓口を伝えることです。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/manager-responsibility-and-how-to-take-it
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: