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マネジメントのスキルマップはどう作るか
先に答え
マネジメントのスキルマップは、まず使う目的を1つ決め、「仕事の管理」「人との関わり」「組織の運営」のように領域を分けてから作ります。項目は「傾聴」「リーダーシップ」のような言葉ではなく、管理職が実際にしていることで書き、段階は一人でできる場面の広さで書きます。部下との面談に関わる項目は、回数より、面談のあとに部下の仕事が動いたかで書くのがおすすめです。KAKEAIの1万人調査では、上司と週1回以上面談していても、面談が行動につながっていない人のうち、成果を実感している人は12.7%でした。いきなり全社で使わず、まず1つの部署で試し、使いにくい項目を直してから広げます。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司と頻繁に面談していても、面談がそのあとの行動につながっていない人は、面談の成果をあまり感じていませんでした。面談の回数が少なくても、行動につながっている人では、成果を実感している割合が高くなっていました。スキルマップで面談に関わる項目を書くときは、回数より、面談のあとに部下の仕事が動いたかで段階を書くことをおすすめします。
- 12.7%
- 1万人調査
- 上司と週1回以上面談していて、面談が行動につながっていない人のうち、面談の成果を実感している人の割合
- 回答者全体の31.9%を下回っています。面談の回数が多くても、そのあとの行動につながっていなければ、成果の実感は低いということです。
- 52.8%
- 1万人調査
- 上司との面談が2か月に1回より少なく、面談が行動につながっている人のうち、面談の成果を実感している人の割合
- 回答者全体の31.9%を上回っています。面談の回数が少なくても、面談のあとの行動につながっていれば、成果を実感している人が多いということです。
- 67.3%
- 1万人調査
- 上司と週1回以上面談していて、面談が行動にもつながっている人のうち、面談の成果を実感している人の割合
- 同じ週1回以上の人でも、行動につながっていない人では12.7%でした。回数と行動の両方がそろっている人では、成果の実感がさらに高くなっています。
数字は、上司との面談の頻度と、面談がそのあとの行動につながっているかで回答者を分けて比べたものです。管理職のスキルやスキルマップについて尋ねた調査ではありません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
マネジメントのスキルマップとは: 管理職のスキルを、 項目と段階で一覧にした表
マネジメントのスキルマップは、管理職に求めるスキルを項目に分け、それぞれの到達の段階を一覧にした表です。管理職一人ひとりが今どの段階にあり、次に何を伸ばすのかを、本人と上司が同じ表を見ながら話せるようにするために使います。
使い道は、育成の計画や配置・登用の判断、研修の選び方など、会社によってさまざまです。ただし、1つの表ですべての目的を満たそうとすると、項目が増えすぎて使いにくくなります。そのため、何のために使うのかを1つ決めてから作り始めます。
スキルマップは、管理職どうしを並べて比べるための表として使われることもあります。一方で、本人と直属の上司が、次に任せることと伸ばすことを話すための材料として使うと、現場で使われ続けやすいと考えられます。
マネジメントのスキルマップの作り方: 5つの手順
スキルマップは、次の5つの手順で作ります。項目の一覧を外から持ってくるよりも、自社の管理職が実際に出会っている場面から作るほうが、現場の言葉で使える表になります。
- 目的を1つ決める:育成の話し合いに使うのか、登用の基準に使うのかを決めます。
- 領域を分ける:「仕事の管理」「人との関わり」「組織の運営」のように、大きな領域に分けます。
- 項目を、周りから見える行動で書く:「傾聴力」「リーダーシップ」のような言葉ではなく、管理職が実際にしていることで書きます。
- 段階を、一人でできる場面の広さで書く:「助けを借りればできる」「一人でできる」「ほかの管理職に教えられる」のように区切ります。
- 1つの部署で試して直す:いきなり全社で使わず、半年ほど試し、使いにくい項目を直してから広げます。
項目と段階の書き方の例を、表にまとめました。
| 領域 | 項目の例(行動で書く) | 段階の例 |
|---|---|---|
| 仕事の管理 | 仕事の | 定型の |
| 人との関わり | 部下が | 慣れた |
| 人との関わり | 評価の | 上司の |
| 組織の運営 | 会社の | 決まったことは |
項目を技法の名前で書くと、同じ言葉でも人によって思い浮かべることが違い、段階を付けにくくなります。とくに「傾聴」を全員共通の最上位の項目に置くと、聞くことだけが正解のように受け取られるおそれがあります。KAKEAIは、上司の関わり方を「聞き役に徹する」のように画一的に決めておくことをおすすめしません。部下が上司に期待することは、人と回によって異なるからです。聞くことを項目に入れる場合も、意見やアドバイスを伝える項目と並べて書きましょう。
部下との面談に関わる項目は、 回数より、面談のあとに仕事が動いたかで書く
スキルマップの「人との関わり」の領域には、部下との面談(1on1)に関わる項目を入れる会社もあります。この項目の段階を、「月1回以上実施している」のような回数で書くのはおすすめしません。
KAKEAIの1万人調査では、上司と週1回以上面談していても、面談がその後の行動につながっていない人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は12.7%でした。回答者全体の31.9%を下回っています。面談の回数が多くても、行動につながっていなければ、成果の実感は低いということです。
KAKEAIの1万人調査で、面談が2か月に1回より少ない人を見ると、面談が行動につながっている人では52.8%が成果を実感していました。週1回以上で、行動にもつながっている人では67.3%です。回数の少ない人でも、面談が行動につながっていれば成果を実感している割合が高く、回数と行動の両方がそろっている人では、さらに高いということです。
どちらも上司との面談についての数字で、スキルマップについて尋ねたものではありません。それでも、面談に関わる項目の段階を回数で書くと、部下の仕事が動いているかどうかが表に表れにくいと考えられます。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、面談のよしあしは、そのあとの行動で見るものだと考えています。スキルマップでも、面談に関わる項目の段階は、面談で決めたことが部下の仕事に表れているかで書くとよいでしょう。
たとえば、次のような書き方があります。
- 面談の終わりに、次に取り組むことを部下と一緒に決めている。
- 次の面談を、前回決めたことの続きと、上司が引き受けたことの報告から始めている。
- 面談で決めたことが、翌月までに部下の仕事に表れている場面を、具体的に挙げられる。
スキルマップを作るとき、 使うときの最初の一言: 賃貸管理会社の例
以下では、賃貸住宅の管理会社の管理部で、人事が課長向けのスキルマップを作り、部長と課長が使い始める場面を例にします。課長は、入居者からの修繕の連絡への対応と、物件のオーナーの方への報告を、担当者と一緒に進めています。
人事から、部長へ(項目を作るとき)
人事は、項目を作る前に、課長が実際に判断している場面を部長に尋ねます。
- 部長、課長向けのスキルマップの案を作る前に、管理部の課長の方々が普段どんな場面で判断しているのかを伺えますか。項目を、実際の仕事の言葉で書きたいと考えています。
- 項目は、「傾聴」や「リーダーシップ」のような言葉ではなく、課長が実際にしていることで書く方針です。案ができたら、一度一緒に見ていただけますか。
- このスキルマップは、課長どうしを比べるためではなく、部長と課長が次に伸ばすことを話すために使いたいと考えています。
試す部署の課長にも、使い始める前に一言添えておきます。
- スキルマップの案に、分かりにくい項目や、実際の仕事と合わない項目があれば教えてください。試している半年の間に直します。
部長から、課長へ(面談で使うとき)
部長は、表を一緒に見ながら、自分の考えとして段階を伝え、課長の見方を尋ねます。
- スキルマップのこの項目を、一緒に見てもらえますか。修繕の連絡の優先順位を担当者と決める場面は、今は一人でできていると私は考えています。○○さんは、どう感じていますか。
- 次の半年で伸ばしたい項目を、○○さんの考えで1つ挙げてもらえますか。そのうえで、私からも1つ提案させてください。
- オーナーの方への報告で、担当者が判断に迷う点を引き受ける場面を増やしたいと考えています。来月から、私が報告に同席する物件を1つ決めませんか。
- この項目の段階は、私も自信を持って付けられていません。担当者の方々の仕事がどう変わったかを見ながら、3か月後に一緒に見直しましょう。
- 担当者の方々との面談で決めたことが、その後どう進んでいるかを、一緒に見てみませんか。うまく進まなかった例があれば、その理由も一緒に考えたいです。
課長から、部長へ
課長の側からも、段階を付けた根拠や、伸ばしたい項目の進め方を相談してかまいません。
- 「面談で決めたことが担当者の仕事に表れている」の項目について、ご相談したいです。面談では決めているのですが、修繕の連絡が多い月は進まないことがあります。
- この項目は、自分では「一人でできる」の手前だと考えました。根拠にした場面を、説明させていただけますか。
- 新しく入った担当者との面談を、部長はどのように進めていらっしゃいましたか。参考に伺いたいです。
課長から、担当者へ(項目を日々の仕事で試すとき)
スキルマップで決めた項目は、課長と担当者の普段のやり取りの中で試します。
- 先週の雨漏りの連絡は、オーナーの方への報告まで一人で進めてくれて助かりました。判断に迷ったところがあれば、次の面談で教えてください。
- 今日決めた点検の順番は、次の面談で、進めてみてどうだったかを一緒に振り返りましょう。
- 修繕の業者さんとの日程の調整で、私が引き受けたほうが早いことはありますか。
- 入居者の方への連絡の文面は、○○さんの判断で決めてかまいません。オーナーの方に費用のご負担が出る修繕のときだけ、送る前に相談してください。
マネジメントのスキルマップづくりで、 避けたいこと
避けたいのは、表を作ること自体が目的になることです。項目の多さや見た目の整い方より、本人と上司が表を使って話せるかを優先しましょう。
- 一般的なスキルの一覧を、そのまま使う。自社の管理職が出会う場面と合わず、段階を付けるときに迷いやすくなります。
- 項目を増やしすぎる。1回の面談で話せる項目の数には限りがあります。まずは領域ごとに数個から始めます。
- 1つの関わり方を、全員共通の正解として置く。聞くことだけ、教えることだけを最上位に置くと、部下の期待に合わせて関わり方を選ぶことが難しくなります。
- 面談に関わる項目を、回数や時間で書く。回数が多くても、面談が行動につながっていなければ、部下の仕事は前に進みにくいままです。
- 段階を人事だけで付け、本人に結果だけを伝える。本人と直属の上司が、根拠にした場面を一緒に見ながら付けます。
- 逆に、作ったあと一度も見直さない。会社の方針や組織が変われば、管理職に求めることも変わります。
マネジメントのスキルマップがうまく使われているかを、 どこで見るか
スキルマップがうまく使われているかは、全員の段階が上がったかどうかでは分かりません。本人と上司が表を見ながら次に伸ばすことを決め、それが仕事に表れているかで振り返ることができます。半年ほどを区切りに、次のように見直してみてください。
- 部長と課長の面談で、スキルマップを一度も開かなかったなら、次の面談で、伸ばしたい項目を1つだけ一緒に見る時間を取ってみましょう。
- 段階を付けるときに意味が分からないと言われた項目があったなら、その項目を、実際の場面の言葉で書き直しましょう。
- 伸ばすと決めた項目について、具体的な場面を挙げられなかったなら、次の3か月で試す場面を、本人と一緒に1つ決めるとよいでしょう。
- 段階が全員同じに付いている項目があったなら、項目の書き方か段階の区切り方を、試した部署の管理職と見直してみてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
管理職を育て、登用し、支える仕組みを整えても、研修で学んだことが日々の1on1で生かされているかが見えにくいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
管理職が部下との1on1を終えるたびに。
研修で学んだことを、 管理職が自分の1on1の具体的な場面で振り返り続けられます。
管理職ご本人向けに、Kakeai AI が「1on1後のAIアドバイス」で、その回によかった関わり方と、次の1on1や日常で試せることを書きます。このアドバイスはご本人にだけ表示されます。1on1のAI要約と文字起こしは1on1をしたお二人の画面に表示され、システム管理者には表示されません。ご契約によっては、要約をほかの方に共有する機能もあります(共有した相手はお二人とも確認できます)。システム管理者が見られるのは、マネジャーごとの「Get Advice」(直近1か月の1on1のまとめと、1on1の強みと伸び代を示す画面)です。
…数字の報告を受け取るだけでなく、担当者がその数字をどう読んでいるかを問う形は、西村さんが自分の判断を持ち込む場を作りました。…
システム管理者が「Get Advice」を見るとき。
管理職一人ひとりの1on1の強みと伸び代を、 ご本人と同じ画面で知り、 どこを支えるかを考える材料にできます。
「Get Advice」は、マネジャー権限をお持ちの方ごとに、直近1か月の1on1のまとめ、Kakeai AI が挙げる「1on1をよりよくするための3つのポイント」、テーマや関わり方ごとの「強み」と「伸び代」を示す画面です。マネジャーご本人のほか、マネジャーを支える立場として、システム管理者の方もご覧いただけます。
新任の管理職が、部下と初めて1on1をするとき。
着任したばかりの管理職でも、 部下がこの場に何を期待しているかを聞くところから1on1を始められます。
1on1が始まるとき、Kakeai AI が開始の挨拶をします。テーマも前回の一歩も無い初めての回では、話題を一つ出すか、この場で話したいことを尋ねることがあります。お二人の画面に同じものが表示されます。
…今日が初めての1on1です。この場をどう使うと一番役に立つか、山岸さん、いかがでしょう?
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- 1on1の前・最中・あとに、Kakeai AI が上司と部下それぞれに出すもの
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画面を見ながら説明を聞きたい方は、30分のオンライン説明をご予約いただけます。
よくある質問
マネジメントのスキルマップには、 どんな項目を入れればよいですか。
マネジメントのスキルマップの項目は、「仕事の管理」「人との関わり」「組織の運営」のような領域に分け、自社の管理職が実際に出会う場面から作ります。「傾聴力」「リーダーシップ」のような言葉ではなく、周りから見える行動で書きます。たとえば「仕事の優先順位を部下と決め、判断の理由を伝えている」のように書くと、本人と上司が同じ意味で使えます。
スキルマップの段階(レベル)は、 何段階にすればよいですか。
スキルマップの段階の数に、決まった答えはありません。数を先に決めるより、一人でできる場面の広さで区切れるかどうかで考えるとよいでしょう。たとえば、「助けを借りればできる」「一人でできる」「ほかの管理職に教えられる」の3段階から始め、1つの部署で試して、区切りにくい項目があれば直していく方法があります。
スキルマップを、管理職の人事評価に使ってもよいですか。
スキルマップを人事評価に使うかどうかは、作るときに決めた目的によります。評価に使う場合は、どの項目のどの段階を根拠にしたのかを、上司と本人が評価シートと一緒に見ながら話せるようにしておくとよいでしょう。上司は段階を自分の考えとして伝え、本人の見方を尋ねます。育成の話し合いにだけ使う場合は、その目的を先に伝えておきます。
スキルマップの段階は、 誰が付けるのがよいですか。
スキルマップの段階は、本人と直属の上司が話し合って付けるのがよいでしょう。本人が先に付け、上司は根拠にした場面を聞いたうえで、自分の考えを理由と一緒に伝えます。人事だけで付けて結果を伝えると、本人はどの場面を見て付けられたのかが分からず、次に何を伸ばせばよいかを考えにくくなります。
部下との1on1に関わるスキルは、 スキルマップにどう書けばよいですか。
部下との1on1に関わる項目は、実施の回数ではなく、面談で決めたことが部下の仕事に表れているかで書くのがおすすめです。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談が2か月に1回より少なくても、面談が行動につながっている人の52.8%が、面談の成果を実感していました。回答者全体の31.9%を上回っています。
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出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/management-skill-map-how-to-make
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: