部下の方へ管理職・マネジメント
マネジメント職とスペシャリスト職のどちらを選ぶか
先に答え
マネジメント職とスペシャリスト職のどちらを選ぶかは、どちらが上かで決めるものではありません。人の仕事を通じて成果を出したいのか、自分の専門の仕事で成果を出したいのかと、会社の制度をあわせて考えるとよいでしょう。専門職の等級があるか、あとから道を変えられるかは会社によって違うので、人事の担当に確認します。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談でキャリアの話をしている人は27.7%でした。面談でキャリアの話をしていない人のほうが多いということです。進む道の相談は、今の仕事の中で両方の役割を少しずつ試しながら、自分から上司との1on1の議題に出すことをおすすめします。
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KAKEAIの1万人調査では、上司との面談でキャリアの話をしている人は3割に届きませんでした。一方、Kakeai AI 1on1の利用データの「今後のキャリア」のテーマでは、上司に期待することとして「一緒に考えてほしい」「意見を聞きたい」が「話を聞いてほしい」より多く選ばれています。どちらの道に進むかを考えるときは、自分から面談の議題に出し、上司の意見も聞いてみるとよいでしょう。
- 27.7%
- 1万人調査
- 上司との面談で、「キャリア」の話をしている人の割合(複数回答)
- 「具体的な仕事」の話をしている人は76.7%、「人事評価」は43.4%でした。面談でキャリアの話をしていない人のほうが多いということです。進む道の相談は、自分から議題に出すとよいでしょう。
- 16.4%
- Kakeai AI 1on1 利用データ
- 「今後のキャリア」のテーマのうち、部下が上司に期待することとして「一緒に考えてほしい」を選んでいた割合
- 同じテーマで「意見を聞きたい」は16.6%、「話を聞いてほしい」は7.6%でした。キャリアのテーマでは、「話を聞いてほしい」より、上司と一緒に考えることや上司の意見を求める選択のほうが多く選ばれています。
利用データの割合は、1on1の前に選ばれた「今後のキャリア」のテーマ全体に対する割合で、上司に期待することが選ばれていないテーマも分母に含みます。調査も利用データも、マネジメント職とスペシャリスト職のどちらを選んだかは尋ねていません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
マネジメント職とスペシャリスト職の違い: どちらが上かではなく、 成果の出し方の違い
マネジメント職とスペシャリスト職の違いは、どちらが上かではなく、成果をどう出すかにあります。マネジメント職は、一緒に仕事をする人の仕事を決め、判断や意見を伝えて、チームとして成果を出す役割です。スペシャリスト職は、特定の分野の専門性を深め、自分の専門の仕事で成果を出す役割です。
会社によっては、スペシャリスト職を「専門職」「エキスパート職」と呼び、管理職と同じ等級まで上がれる仕組みを設けています。一方で、上位の等級が管理職にしか用意されていない会社もあります。2つの道の違いを、観点ごとに並べると次のようになります。
| 観点 | マネジメント職 | スペシャリスト職 |
|---|---|---|
| 成果の出し方 | 一緒に | 自分の |
| 1日の | メンバーの | 専門の |
| 評価される | チームの | 専門の |
| 深めていく | 人事制度、 | 専門分野の |
評価される中身は、会社の評価制度によって異なります。この表は、考えるときの手がかりです。自分の会社の基準は、等級ごとの評価基準の資料で確認してください。
以下では、経理部で月次決算を受け持っている人が、来期の役割の希望を出す前に考えている場面を例にします。
ゼネラリストとの違いと、 2つの道のほかの選び方
ゼネラリストは、いくつもの部署や仕事を経験して、幅広い知識を持つ人を指す言葉です。マネジメント職と同じ意味ではありません。ゼネラリストとして経験を積んだ人がマネジメント職に就くこともあれば、専門を1つに絞らずに担当者として働き続けることもあります。
進む道は、マネジメント職とスペシャリスト職の二択とは限りません。たとえば、次のような選び方もあります。
- 今の役割を続けながら、時期を決めて考える。希望を出す時期が決まっていない会社なら、急いで決める必要はありません。
- ゼネラリストとして、経験する仕事の幅を広げる。異動の希望を出せる制度があるかは、人事の担当に確認します。
- 自分の仕事を持ちながら、少人数のチームをまとめる。プレイングマネージャーと呼ばれる働き方で、会社によっては管理職の入口に当たります。
異動を考えるときは、人事の担当に時期と相談先を尋ねておくと、希望を出す準備がしやすくなります。
- 経理以外の仕事も経験してみたいと考えています。異動の希望は、いつ、どなたに出せばよいでしょうか。
選ぶ前に確かめること: 会社の制度と、 今の仕事の中での実感
マネジメント職とスペシャリスト職のどちらを選ぶかは、一人で頭の中で比べるだけでは決めにくいものです。会社の制度と、今の仕事の中での実感の2つをそろえてから考えると、自分に合う道を選びやすくなります。
会社の制度を、 人事の担当に確認する
まず確認したいのは次の3つです。専門職の等級があるか、選んだあとで道を変えられるか、そして希望を出す時期はいつかです。給与や等級の扱いも、制度によって決まります。
- 来期の役割の希望を出す前に、専門職の等級の仕組みを確認させてください。専門職を選んだあとで、管理職の道に変えることはできますか。
- 管理職と専門職で、評価の基準はどう違いますか。等級ごとの基準の資料があれば、拝見したいです。
今の仕事の中で、 両方の役割を少しずつ試す
KAKEAIは、仕事は、成果に対してクリアしなければならないものであると同時に、成長にとっての具体的な材料でもあると考えています。どちらの道が合うかも、今の仕事の中で両方の役割を少しずつ試すと、自分の実感として見えてきます。
経理の仕事であれば、人の仕事に関わる役割として、決算の締めのスケジュールを組んで課の皆さんに作業を割り振る役が考えられます。専門を深める役割としては、新しい会計基準を調べて、監査法人への説明の資料をまとめる仕事があります。試したあとは、面白かった点と負担に感じた点を、それぞれ書き出しておきます。上司に話すときも、その実感をそのまま伝えると、意見をもらいやすくなります。
- 先月の締めで作業の割り振りを受け持ってみて、皆さんの予定を合わせるのは、思っていたより面白いと感じました。一方で、自分の調べものの時間が取れなかったのが負担でした。
上司の側は、試した役割の感想を聞くときに、出来ばえの評価から入らず、本人が何を感じたかを先に尋ねてください。
- 割り振りを受け持ってくれて、助かりました。予定を合わせるときに、どこで一番迷いましたか。
マネジメント職かスペシャリスト職かを上司に相談するときの、 最初の一言
進む道の相談は、自分から上司との1on1の議題に出すことをおすすめします。上司が普段の仕事ぶりを見ているからこそ、伝えられる意見があるからです。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談で話している話題(複数回答)のうち、キャリアの話をしている人は27.7%でした。「具体的な仕事」の話をしている人は76.7%です。面談でキャリアの話をしている人は、3割に届きません。面談についての数字ですが、マネジメント職とスペシャリスト職のどちらに進むかという相談も、自分から切り出さなければ話題に上がりにくいと考えられます。
1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)には、1on1の前に選ばれたテーマと、部下が上司に期待することが残っています。「今後のキャリア」のテーマのうち、部下が上司に期待することとして「一緒に考えてほしい」を選んでいた割合は16.4%でした。「意見を聞きたい」は16.6%、「話を聞いてほしい」は7.6%です。このテーマでは、「話を聞いてほしい」より、「一緒に考えてほしい」や「意見を聞きたい」が多く選ばれています。迷っている段階でも、上司の意見を聞いてみるとよいでしょう。
部下から、上司へ
切り出すときは、何に迷っているのかと、上司に期待することを一緒に伝えると、上司も何を返せばよいかが分かります。
- 今日は、来期以降の役割についてご相談したいです。管理職と専門職のどちらに進むかで迷っていて、課長のご意見を伺いたいと思っています。
- 月次決算の取りまとめは面白いと感じる一方で、新しい会計基準を調べる仕事にも、もっと時間を使いたいと考えています。
- 私の仕事ぶりを見ていて、どちらの役割で力を出せそうだと感じますか。率直に教えていただけると助かります。
- どちらが合うかを考える材料にしたいので、次の締めで、作業の割り振りを受け持たせていただけませんか。
- 専門のほうでは、監査法人への説明の資料づくりに加わってみたいです。
上司から、部下へ
相談を受けた上司は、自分の意見を言う前に、本人がそれぞれの道のどこに引かれているのかを先に尋ねるとよいでしょう。そのうえで、普段の仕事で見ていることを根拠に、具体的に意見を伝えます。
- 相談してくれてありがとうございます。私の意見を言う前に、○○さんがそれぞれの道のどこに引かれているのかを、先に教えてもらえますか。
- 私の意見としては、締めの段取りを組むのが上手なので、管理職の道も合うと考えています。ただ、会計基準の調べ方が丁寧なのも、大きな強みです。
- どちらに進むかは、○○さんが決めることだと考えています。私にできるのは、両方を試せる仕事をお願いすることです。
- 管理職の道に進む場合も、専門の仕事をすぐに手放す必要はないと考えています。どこまで両方を続けるかは、一緒に考えましょう。
- 次の締めで、作業の割り振りを一度お願いしてもいいですか。やってみて感じたことを、来月の1on1で話しましょう。
- 専門職の等級の仕組みは、私も細かくは知りません。人事の担当に確認して、来週お伝えします。
マネジメント職とスペシャリスト職を選ぶときに、 避けたいこと
避けたいのは、比べる材料がそろわないまま、どちらかに決めてしまうことです。
- 給与や肩書だけで選ぶ。処遇は大事な判断材料ですが、日々の仕事の中身が合わないと、続けるのがつらくなることがあります。処遇の違いは制度で決まるので、人事の担当に確認したうえで、仕事の中身と合わせて考えます。
- 逆に、専門を深めたいからといって、人の仕事に関わる役割を一度も試さないまま、管理職の道を選択肢から外す。試してみて、思っていたより面白いと感じることもあれば、やはり合わないと分かることもあります。
- 向き不向きを、性格だけで決める。「人前で話すのが苦手だから、管理職は無理だ」と考える人もいますが、管理職の仕事は人前で話すことだけではありません。
- 一人で決めて、希望を出す直前に上司に伝える。上司が両方を試せる仕事をお願いする時間がなくなり、意見を伝える材料もそろいません。
- 一度選んだら戻れないと思い込む。逆に、いつでも変えられると思い込む。道を変えられるかどうかは、会社の制度によって違います。
進む道の考えがまとまってきたかの振り返り方
考えがまとまってきたかは、どちらに決めたかより、比べる材料がそろってきたかで振り返ることができます。1か月ほどを区切りに、次のように見直してみてください。
- 上司との1on1で、進む道の話をまだ議題に出していないなら、次の1on1で「今後のキャリア」の話をしたいと伝えてみましょう。
- 試した役割のあとで、面白かった点と負担に感じた点を自分の言葉で話せたなら、次は、その実感を踏まえて上司に意見を求めてください。
- 会社の制度で分からない点が残っているなら、希望を出す前に、人事の担当に確認しておくと安心です。
- 上司の立場で、相談を受けたのに自分の意見を先に話していたなら、次は、本人がそれぞれの道のどこに引かれているのかを先に尋ねてみてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
管理職を打診された、管理職と専門職のどちらに進むかを迷う、昇格の準備でマネジメント経験をどう書くかに悩むというときに、会社でKakeai AI 1on1を利用している場合は次のことができます。
上司との1on1の前、「1on1前のAIアドバイス」で。
管理職になるかどうかの結論を急がず、 今の仕事で感じていることから上司に話し始められます。
キャリアのテーマが選ばれた回には、ご自身向けのアドバイスで、キャリアの話にどう入るかと、最初に言う一言の例が示されることがあります。ご自身の側で選んだテーマと期待する対応は、上司の画面にも表示されます。
…最初の一言はこんな形はどうでしょう。「今日は初めてなので、まず今の仕事で感じていることを少し話してから、キャリアの話に進んでもいいですか」。…
上司との1on1の途中で、球体を押したとき。
キャリアについて考えていることを、 話して終わりにせず、次の1on1までに試す一歩にできます。
実施中に球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)を押すと、その日に出たキャリアの話を受けて、次の1on1までに動けることを一つ決めることを、Kakeai AI が二人に提案することがあります。お二人の画面に同じものが表示されます。
今日話した「今後のキャリア」の件で、秋の公募(10月ごろ)に向けてこのプロジェクトの間に企画の仕事のやり方を見ておきたいという話がありました。次回までに動けることを一つ、お二人で決めておきませんか?
昇格の準備を上司と話した回のあと。
昇格のレポートに書く仕事の中身を、 1on1で話して決まったことから書き始められます。
ご自身向けの「1on1後のAIアドバイス」に、昇格のレポートなどを書くときに、その回に決まったことをどう使うかが書かれることがあります。上司には上司向けの別の内容が表示されます。
…骨子を書き始めるとき、「何をした」の欄に今日決まった条件…を仮で置いてみると、「薄い」と感じていた部分が少し埋まるかもしれません。…
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この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)
- 1万人のデータで見る、1on1の頻度・時間・場所・話題の実態
- 成果・成長の実感を左右するもの(実施理由・上司への期待・困りごと・行動への接続)
- 明日の1on1からできること(前・最中・直後・日常の4つの場面と、具体的な声のかけ方)
よくある質問
マネジメントとスペシャリストは、 どちらが出世しやすいですか。
マネジメント職とスペシャリスト職のどちらが上の等級まで上がりやすいかは、会社の人事制度によって違います。上位の等級が管理職にしか用意されていない会社もあれば、専門職にも管理職と同じ等級を設けている会社もあります。自分の会社の仕組みは、等級ごとの評価基準の資料で確認し、分からない点は人事の担当に尋ねてください。処遇だけでなく、日々の仕事の中身が合うかもあわせて考えるとよいでしょう。
マネジメント職とゼネラリストは、 何が違いますか。
マネジメント職は、一緒に仕事をする人の仕事を決め、判断や意見を伝えて、チームとして成果を出す役割です。ゼネラリストは、いくつもの部署や仕事を経験して幅広い知識を持つ人を指す言葉で、役割の名前ではありません。ゼネラリストとして経験を積んだ人がマネジメント職に就くこともあれば、担当者として働き続けることもあります。
管理職になりたくないと上司に伝えると、 評価に影響しますか。
管理職を希望しないことが評価にどう影響するかは、会社の評価制度と等級の仕組みによって異なります。気になる場合は、評価の基準を人事の担当に確認しておくと安心です。上司に伝えるときは、なりたくない理由だけでなく、どんな仕事で成果を出したいと考えているのかを添えると、上司も今後の仕事の相談に乗りやすくなります。
マネジメント職とスペシャリスト職のどちらが合うかは、 どうすれば分かりますか。
どちらが合うかは、今の仕事の中で両方の役割を少しずつ試すと、自分の実感として見えてきます。たとえば、作業の割り振りやスケジュールづくりのような人の仕事に関わる役割と、専門の調べものや社外への説明の資料づくりのような専門を深める役割を、上司に相談して受け持ってみます。試したあとに、面白かった点と負担に感じた点を書き出し、上司との1on1で意見を聞くと、次に試すことが見えてきます。
スペシャリスト職を選んだあとで、 マネジメント職に変えることはできますか。
スペシャリスト職を選んだあとでマネジメント職に変えられるかどうかは、会社の人事制度によって違います。変えられる会社でも、希望を出せる時期や条件が決まっていることがあります。選ぶ前に、人事の担当に「専門職を選んだあとで、管理職の道に変えることはできますか」と確認しておくと、迷いを減らせます。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/management-or-specialist-career-path
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: