部下の方へ管理職・マネジメント
管理職の打診は、 断ってもよいか
先に答え
管理職の打診を断ってよいかどうか、断った場合にどう扱われるかは、会社の人事制度や就業規則によって異なるため、一律には言えません。まず、今回の話が正式に決まる前の相談なのかと、返事の期限を上司に尋ねてください。制度の扱いは、就業規則を読み、人事の担当に尋ねて確かめます。そのうえで、何を任されるのか、なぜ自分なのかを尋ね、迷っている理由を分けて伝えるとよいでしょう。打診は、これからのキャリアについて上司と話すきっかけにもなります。受けるかどうかを一人で抱えず、上司の意見を求めたり、一緒に考えてほしいと伝えたりしてかまいません。
数字で見る
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談で今後のキャリアの話をしている人は、仕事の話をしている人より少なくなっていました。Kakeai AI 1on1の利用データでは、「今後のキャリア」のテーマで、部下が上司に期待することとして「意見を聞きたい」と「一緒に考えてほしい」が多く選ばれていました。どちらも「話を聞いてほしい」を上回っています。どちらも面談についての数字ですが、管理職の打診のようなキャリアの分かれ目も、上司と一緒に考えてよい話題だと考えられます。
- 27.7%
- 1万人調査
- 上司との面談で、今後のキャリアの話をしている人の割合(複数回答)
- 「具体的な仕事」の話をしている人は76.7%でした。上司との面談では、キャリアは仕事の話に比べて、ずっと話題になりにくいということです。
- 16.4%
- Kakeai AI 1on1 利用データ
- 1on1の前に選ばれた「今後のキャリア」のテーマのうち、部下が「一緒に考えてほしい」を選んでいた割合
- 同じテーマで「意見を聞きたい」は16.6%、「話を聞いてほしい」は7.6%でした。キャリアの話では、聞いてもらうことより、上司の意見や一緒に考えることが求められている回のほうが多いという意味です。
1万人調査は、部下の立場で上司との面談について尋ねたもので、管理職の打診や昇進の受け止め方は尋ねていません。利用データの割合は「今後のキャリア」のテーマ全体に対する割合で、上司に期待することが選ばれていないテーマも分母に入っています。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
管理職の打診は断ってもよいか: 断れるかどうかと、その扱いは会社の制度で決まる
管理職の打診を断ってよいかどうか、断った場合にどう扱われるかは、会社の人事制度や就業規則によって異なり、一律には言えません。そのため、まずは制度の扱いを調べたうえで、上司と話して決めることをおすすめします。
「打診」は、正式に決める前に本人の意向を尋ねる段階で使われることの多い言葉です。ただし、職場によっては、正式な辞令に近い意味で使われることもあります。今回の話が、意向を尋ねる相談なのか、すでに決まったことの知らせなのかは、上司に直接尋ねてかまいません。
| 確かめること | 尋ねる先 | 尋ね方の例 |
|---|---|---|
| 意向を | 打診をした上司 | 「今回の |
| 返事の期限 | 打診をした上司 | 「いつ頃までに |
| 断った | 就業規則、 | 「管理職になった |
断った場合に評価や今後の昇進に影響するかどうかは、打診をした上司が一人で約束できることではない場合もあります。上司が答えられない点は、就業規則を確認し、人事の担当に尋ねてください。会社に相談窓口や労働組合があれば、そちらに相談することもできます。
以下では、保険会社で保険金の請求の審査をしている人が、5人の審査担当のチームをまとめる課長代理への打診を、課長から受けた場面を例にします。
返事をする前に、 上司に尋ねておきたいこと
打診を受けたら、その場で受けるか断るかを決めずに、考える時間をもらってかまいません。返事をする前に、何を任されるのかとなぜ自分なのか、返事の期限はいつかを尋ねておくと、迷っている点が具体的になります。
- お声がけいただき、ありがとうございます。少し考える時間をいただけますか。いつ頃までにお返事すればよいでしょうか。
- 今回のお話は、正式に決まる前のご相談と受け止めてよいでしょうか。
- 課長代理になった場合、今の審査の仕事は、どのくらい続けることになりますか。
- 私にお声がけいただいた理由を、伺ってもよいですか。
打診をする上司の側にも事情があります。部署の体制や会社の方針の中で候補を考え、返事の期限も、上司だけでは決められないことがあると考えられます。上司が答えにくそうな点は、責めずに、人事の担当に尋ねてよいかを相談するとよいでしょう。
- 管理職になった場合の給与や残業の扱いについて、人事の方に確認してもよいですか。
迷っている理由を分けて、 上司に伝える
打診に迷う理由は、1つとは限りません。仕事の中身への不安・これからのキャリア・家庭や体調の事情・処遇や働き方のどれに当たるのかを分けて伝えると、上司もどこを相談すればよいかが分かります。
| 迷っている理由 | 上司と相談できること | 伝え方の例 |
|---|---|---|
| 管理職の | 最初の | 「最初の |
| 今の | 管理職になっても | 「管理職になっても、 |
| 家庭や | 働き方の | 「今は |
| 処遇や働き方 | 給与や | 「管理職になると、 |
家庭や体調の事情は、詳しく話さなくてもかまいません。話せる範囲で、何が難しいのかだけを伝えれば十分です。体調に不安があるときは、産業医や医療の専門家、人事の担当に相談してください。
- 5人のチームをまとめて審査を進めていく自信が、まだありません。判断に迷う案件が出たときに、どなたにご相談できるかを教えていただけますか。
- 審査の仕事をもう少し深めたい気持ちがあります。管理職にならずに専門を深める道があるかどうかも、伺えますか。
キャリアの話は、 上司と一緒に考えてよい
打診は、これからのキャリアについて上司と話すきっかけにもなります。受けるかどうかを一人で抱えず、上司の意見を求めたり、一緒に考えてほしいと伝えたりしてよい話題です。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談で今後のキャリアの話をしている人は27.7%でした(複数回答)。「具体的な仕事」の話をしている人は76.7%で、キャリアは仕事の話に比べて話題になりにくいということです。また、面談でキャリアの話をしている人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は36.2%で、していない人では30.2%でした。キャリアの話をしている人のほうが、面談が成果につながっていると感じる割合が高いという傾向があります。
1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)で、1on1の前に選ばれた「今後のキャリア」のテーマを見ます。このテーマのうち、部下が上司に期待することとして「意見を聞きたい」を選んでいた割合は16.6%、「一緒に考えてほしい」は16.4%でした。「話を聞いてほしい」は7.6%です。キャリアの話では、聞いてもらうことより、上司の意見や一緒に考えることが求められている回のほうが多いということです。
どちらも面談についての数字ですが、管理職の打診のようなキャリアの分かれ目でも、上司に意見を求めたり、一緒に考えてほしいと頼んだりしてよいと考えられます。KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、1on1は仕事と成長を前に進めるための時間だと考えています。打診について迷っていることも、1on1で話してよい話題です。
- 受けるかどうか、まだ決めきれていません。私が迷っている点を挙げますので、課長のご意見を伺えますか。
- 5年後にどんな仕事をしていたいかを、一緒に考えていただけると助かります。
- 課長が課長代理だった頃、どんなところで苦労されたか、伺ってもよいですか。
打診を断るとき、 受けるときの伝え方
断るときも受けるときも、声をかけてもらったことへのお礼と、そう決めた理由を伝えます。断るときは、これから今の仕事でどう力を出したいかも添えると、上司と次の話をしやすくなります。
断るときは、たとえば次のように伝えます。
- 考えた結果、今回はお受けしないことにしたいと考えています。審査の仕事をもう少し深めたいからです。お声がけいただいたことは、本当にありがたく思っています。
- 今の課で、新人の審査の相談に乗ることなど、私にできることは続けていきたいです。
- 時期を改めていただけるなら、1年後にもう一度考えたいと思っています。
受けるときや、条件を相談したうえで受けたいときの言い方の例です。
- お受けしたいと考えています。そのうえで、最初の3か月は、判断に迷う案件を週に一度ご相談する時間をいただけますか。
- 家庭の事情で、夕方の会議に出られない日があります。その点をご相談したうえで、お受けしたいです。
打診についての話し合いがうまくいったかを、 どこで見るか
話し合いは、その場で返事ができたかどうかより、二人が同じ前提で次の一歩を決められたかどうかで振り返ってみてください。
- 返事の期限と、今回の話が正式に決まる前の相談かどうかが上司との間ではっきりしたら、期限から逆算して、次に話す日を決めておきましょう。
- 迷っている理由を、仕事の中身・これからのキャリア・家庭や体調・処遇に分けて伝えられたら、次は、それぞれについて上司と相談できることを尋ねてみてください。
- 上司が答えられなかった点が残ったら、就業規則を読み、人事の担当に尋ねる日を決めておくと、返事の期限に間に合わせやすくなります。
- 話し合いの終わりには、受ける場合も断る場合も次に何をするのか(いつまでに考えるか、誰に何を聞くか)を、上司と一緒に決めておくとよいでしょう。
話し合いのあとで、まだ聞けていないことが残っていたら、返事の期限の前に、もう一度面談の時間をお願いしてみてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
管理職を打診された、管理職と専門職のどちらに進むかを迷う、昇格の準備でマネジメント経験をどう書くかに悩むというときに、会社でKakeai AI 1on1を利用している場合は次のことができます。
上司との1on1の前、「1on1前のAIアドバイス」で。
管理職になるかどうかの結論を急がず、 今の仕事で感じていることから上司に話し始められます。
キャリアのテーマが選ばれた回には、ご自身向けのアドバイスで、キャリアの話にどう入るかと、最初に言う一言の例が示されることがあります。ご自身の側で選んだテーマと期待する対応は、上司の画面にも表示されます。
…最初の一言はこんな形はどうでしょう。「今日は初めてなので、まず今の仕事で感じていることを少し話してから、キャリアの話に進んでもいいですか」。…
上司との1on1の途中で、球体を押したとき。
キャリアについて考えていることを、 話して終わりにせず、次の1on1までに試す一歩にできます。
実施中に球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)を押すと、その日に出たキャリアの話を受けて、次の1on1までに動けることを一つ決めることを、Kakeai AI が二人に提案することがあります。お二人の画面に同じものが表示されます。
今日話した「今後のキャリア」の件で、秋の公募(10月ごろ)に向けてこのプロジェクトの間に企画の仕事のやり方を見ておきたいという話がありました。次回までに動けることを一つ、お二人で決めておきませんか?
昇格の準備を上司と話した回のあと。
昇格のレポートに書く仕事の中身を、 1on1で話して決まったことから書き始められます。
ご自身向けの「1on1後のAIアドバイス」に、昇格のレポートなどを書くときに、その回に決まったことをどう使うかが書かれることがあります。上司には上司向けの別の内容が表示されます。
…骨子を書き始めるとき、「何をした」の欄に今日決まった条件…を仮で置いてみると、「薄い」と感じていた部分が少し埋まるかもしれません。…
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この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)
- 1万人のデータで見る、1on1の頻度・時間・場所・話題の実態
- 成果・成長の実感を左右するもの(実施理由・上司への期待・困りごと・行動への接続)
- 明日の1on1からできること(前・最中・直後・日常の4つの場面と、具体的な声のかけ方)
よくある質問
管理職の打診は、 断ってもよいのですか。
管理職の打診を断ってよいかどうかは、会社の人事制度や就業規則によって異なり、一律には言えません。打診は正式に決める前に本人の意向を尋ねる段階で使われることの多い言葉ですが、職場によって意味が違うこともあります。今回の話が正式に決まる前の相談なのかを上司に尋ね、断った場合の扱いは、就業規則を確認したうえで人事の担当に尋ねてください。
管理職の打診を断ると、 評価や今後の昇進に影響しますか。
管理職の打診を断ったときに評価や今後の昇進に影響するかどうかは、会社の人事制度によって異なり、打診をした上司が一人で約束できることではない場合もあります。気になるときは、就業規則を確認し、人事の担当に尋ねてください。会社に相談窓口や労働組合があれば、そちらに相談することもできます。断るときは、今の仕事でこれからどう力を出したいかも上司に伝えておくとよいでしょう。
管理職の打診を断るときは、 どんな理由を伝えればよいですか。
管理職の打診を断るときは、声をかけてもらったことへのお礼と、そう決めた理由を伝えます。理由は「今の審査の仕事をもう少し深めたい」のように、仕事の中身・これからのキャリア・家庭や体調・処遇のどれに当たるのかが分かる形にすると、上司も受け止めやすくなります。時期を改めれば考えられる場合は、そのことも添えるとよいでしょう。
管理職の打診を受けるか迷うときは、 誰に相談すればよいですか。
管理職の打診を受けるか迷うときは、まず打診をした上司に、迷っている点を挙げて意見を求めてかまいません。キャリアの分かれ目は、一人で抱えず、上司と一緒に考えてよい話題です。処遇や制度のことは人事の担当に、管理職の仕事の実際は、経験のある先輩に聞くのも1つの方法です。
家庭や体調の事情で管理職の打診を断るとき、 どこまで話せばよいですか。
家庭や体調の事情で管理職の打診を断るときは、詳しく話さなくてもかまいません。「今は残業を増やすのが難しい事情があります」のように、何が難しいのかを話せる範囲で伝えれば十分です。働き方の調整や時期をずらすことで受けられる場合は、その相談もできます。体調に不安があるときは、産業医や医療の専門家、人事の担当に相談してください。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/decline-promotion-offer-to-manager
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: