上司の方へ管理職・マネジメント
管理職は現場に出て作業すべきか
先に答え
管理職が現場に出て作業をすること自体に、よい悪いはありません。分けて考えたいのは目的です。部下の仕事を自分の目で見るために現場に出ると、面談や相談で仕事の中身について具体的に話せます。一方、人手として作業に入り続けると、管理職にしかできない判断や調整が後回しになり、部下の仕事を引き取ってしまうこともあります。現場に出るときは何のために出るのかを部下に伝え、作業に入るなら期間を決めて、判断と相談の時間を残しておくとよいでしょう。
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KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談の頻度が同じ人どうしで比べても、面談で具体的な仕事の話をしている人のほうが、面談が成果につながっていると感じていました。面談で仕事の話をしていない人では、成果を感じている人が少なくなっています。面談で仕事の中身を話しているかどうかで、部下の受け止め方に違いがあるということです。
- 35.1%
- 1万人調査
- 面談が2週間〜1か月に1回で「具体的な仕事」の話をしている人のうち、成果につながっていると感じる人の割合
- 同じ頻度で仕事の話をしていない人では25.9%でした。週1回以上の人(43.9%と37.1%)でも、半年〜1年に1回の人(21.6%と15.8%)でも、仕事の話をしている人のほうが高くなっています。
- 23.3%
- 1万人調査
- 上司との面談で「具体的な仕事」の話をしていない人の、回答者全体に対する割合
- この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は25.4%で、仕事の話をしている人の33.8%を下回っています。仕事の話をしていない面談では、成果を感じる人が少ないということです。
1万人調査は、部下の立場で上司との面談について尋ねたもので、上司が現場に出ているかどうかや、現場での作業の量は尋ねていません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
管理職は現場に出て作業すべきか: 出る目的を「人手」と「部下の仕事を見ること」に分ける
管理職が現場に出ること自体に、よい悪いはありません。分けて考えたいのは、出る目的です。部下の仕事を自分の目で見るために現場に出ることはおすすめできますが、人手として作業に入り続けると、判断や相談が後回しになることがあります。
管理職が現場に出る目的は、大きく次の4つに分けられます。目的によって、得られることと気をつけたいことが違います。
| 現場に出る目的 | 得られること | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 部下の | 面談や | 何のために |
| 人手が | 売り場や | 期間を |
| お客様や | 判断の | 知ったことを、 |
| 作業の | やり方の | 決める |
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、1on1は、その部下の仕事を決められる直属の上司が行うのがよいと考えています。ただし、上司であっても、部下の仕事を見てもいないなら、上司が行う意味はありません。現場に出ることは、部下の仕事を見る機会の1つです。
管理職が現場に出るよい点: 部下の仕事を見ていると、 面談で仕事の中身を話せる
管理職が現場に出るよい点は、部下の仕事を自分の目で見ておくことで、面談や相談の場で、仕事の中身について具体的に話せるようになることです。報告だけでは分からない、作業の順番や時間のかかり方が見えることもあります。
KAKEAIの1万人調査で、上司との面談が2週間〜1か月に1回の人を、面談で「具体的な仕事」の話をしているかどうかで比べました。面談が成果につながっていると感じている人は、仕事の話をしている人で35.1%、していない人で25.9%でした。週1回以上の人(43.9%と37.1%)や、半年〜1年に1回の人(21.6%と15.8%)でも、仕事の話をしている人のほうが高くなっています。つまり、面談の頻度が同じでも、仕事の中身を話している人のほうが、面談が成果につながっていると感じているということです。
KAKEAIの1万人調査では、面談で「具体的な仕事」の話をしていない人は、回答者の23.3%でした。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は25.4%で、話をしている人の33.8%を下回っています。言い換えると、面談で仕事の話をしていない人のほうが、成果につながっていると感じる人の割合が低いということです。
面談についての数字ですが、現場で部下の仕事を見ている上司のほうが、面談で仕事の中身に踏み込んだ話をしやすいと考えられます。
管理職が現場の作業に入りすぎると起きやすいこと、 ほとんど出ないと起きやすいこと
管理職が現場の作業に入りすぎることにも、反対に現場にほとんど出ないことにも、それぞれ起きやすいことがあります。どちらか一方だけが正しいわけではありません。
作業に入りすぎると、管理職にしかできない判断や、自分の上司や他部署との調整が後回しになることがあります。部下が判断を待ったまま仕事を止めてしまったり、任されていた仕事を上司が引き取ってしまったりすることもあります。仕事は、部下にとって成長の具体的な材料でもあるので、上司が手を出し続けると、部下がその材料に触れる機会が減ってしまいます。
反対に、現場にほとんど出ないと、売上や作業時間の数字と報告だけで判断することになります。部下が話す困りごとの中身が想像しにくくなり、面談でも、仕事の話が「順調ですか」「大丈夫です」で終わりやすくなるかもしれません。
なお、作業に資格や安全の決まりがある職場(機械の操作や刃物の扱い、食品の衛生など)では、管理職であっても会社の決まりに沿って作業に入ってください。分からない点は、職場の安全や衛生の担当に確認することをおすすめします。
管理職が現場に出るときの最初の一言(食品スーパーの例)
管理職が現場に出るときは、何のために出るのかを、先に部下に伝えておくとよいでしょう。目的が分からないと、部下は、仕事ぶりを点検されていると受け取ることがあるからです。以下では、食品スーパーの店長が、売り場の担当者と話す場面を例にします。
部下の仕事を見るために出るとき
- 今日の午前中、青果の売り場の品出しを、横で見させてもらえますか。夕方の値引きを一緒に考えるのに、朝の売れ方を知っておきたいんです。
- 見ていて気づいたことは、あとでお伝えします。その前に、○○さんが今やりにくいと感じているところを教えてもらえますか。
- 品出しの順番は、○○さんのやり方で大丈夫です。私が知りたいのは、どこで時間がかかっているかです。
人手として作業に入るとき
- 今週は二人お休みなので、夕方のレジに私も入ります。来週からは、元の体制に戻す予定です。
- レジに入っている間も、値引きの判断が必要なときは声をかけてください。その場で決めます。
- 私がレジに入るのは18時までにします。そのあとは、明日の発注を○○さんと一緒に見る時間にしたいと考えています。
- 私のレジのやり方で、売り場の決まりと違うところがあったら教えてください。今の売り場のことは、○○さんたちのほうが詳しいので。
部下から「現場に入ってほしい」と頼まれたとき
- (部下)土曜の朝の品出しが、二人では開店に間に合いません。店長にも入っていただけないでしょうか。
- 教えてくれてありがとうございます。今週の土曜は私も入ります。ただ、毎週となると難しいので、品出しの順番や人の配置で変えられることがないか、一緒に考えませんか。
- 私が入れない週のために、本部に応援の人を頼めるかを確認します。金曜までに結果をお伝えします。
作業を部下に任せて、 判断に回るとき
- 鮮魚の売り場の朝の段取りは、これから○○さんにお願いしたいと考えています。迷ったときの判断は私がしますので、遠慮なく声をかけてください。この分け方で、○○さんはどう思いますか。
- 私が手を出したほうが早いと思うときもあります。ただ、このやり方は○○さんが考えたものなので、まずはこのまま進めてみましょう。
現場で見たことを、 面談でどう話すか
現場で見たことは、指摘として言い渡すのではなく、見た事実と上司の考えを伝えたうえで、部下の見方を尋ねる順で話すとよいでしょう。部下の側にも、そうしている理由があることが多いからです。
- 火曜の朝に青果の売り場を見ていて、品出しが開店に少し間に合っていないように見えました。○○さんから見て、何に一番時間を取られていますか。
- 段ボールを運ぶ回数が多いのが気になりました。私の見方が違っていたら、教えてください。
- 品出しの順番を変えるかどうか、一緒に考えませんか。○○さんの考えを聞いたうえで、私の考えもお伝えします。
- 私が売り場に行ったことで、かえってやりにくくなったことはありませんでしたか。気になることがあれば、遠慮なく言ってください。
部下の考えを聞いたあとは、上司の考えを理由と一緒に具体的に伝えます。
- 私は、よく売れる野菜から先に並べるのがよいと考えています。開店直後にいらっしゃるお客様が多いからです。○○さんが心配な点があれば、教えてください。
現場で気づいたことを、部下のいないところで黙ってやり直すのは避けたいところです。部下は、どこがなぜ変わったのかが分からないままになるからです。
管理職が現場に出る時間の使い方を振り返るには
管理職が現場に出る時間の使い方は、出た時間の長さより、その時間が部下の仕事と面談にどうつながったかで振り返るとよいでしょう。1か月ほどを区切りに、次の点を考えてみてください。
- 現場に出た時間を、部下の仕事を見るために使った時間と、人手として作業した時間に分けて振り返ります。
- 現場で見たことを面談や相談の場で部下と話せていたら、次は、部下の見方を先に尋ねる順で話してみてください。
- 作業に入っていた間に部下が判断を待ったままになった仕事があれば、次に作業に入るときは、判断が必要なときに声をかけてほしいと先に伝えておきます。
- 現場に出る理由を部下に伝えられていたら、次は、現場で見て気づいたことを部下にも伝える時間を、面談の中に作ります。
作業に入る時間が長くなっていると分かったら、まずは翌週の予定に、部下の仕事を見る時間と、判断のための時間を先に入れるところから始めてみてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
部下一人ひとりの今の仕事や状態、上司に期待することがまだ分からない、仕事以外の話を聞く機会が少ないと感じるときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
部下との初めての1on1で、球体を押したとき。
着任したばかりで部下の仕事をまだよく知らない時期でも、 部下から教えてもらう話から1on1を始められます。
実施中に球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)を押すと、お二人のこれまでの1on1と関係を踏まえた話題が1つ提案されます。初めての回で話の材料が少ないときは、部下が気になっていることや、上司に知っておいてほしいことを尋ねる話題が出ることがあります。お二人の画面に同じものが表示されます。
初回の1on1ということで、まだお互いの状況を共有する機会がなかったかと思います。今の業務の中で気になっていることや、西村さんに知っておいてほしいことがあれば、ぜひ聞かせてもらえますか?山岸さん、いかがでしょう?
1on1の途中で、球体を押したとき。
仕事の話が続いた回でも、 部下が話したいと選んだキャリアや状態の話を、 1on1の中で聞くきっかけができます。
球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)を押したとき、事前に選ばれたテーマにまだ触れていなければ、Kakeai AI が、そのテーマと期待する対応を根拠に示して、時間を取ることを二人に提案することがあります。お二人の画面に同じものが表示されます。
事前テーマに「今後のキャリア」(期待する対応:「話を聞いてほしい」)が挙がっています。今日の会話では競合比較の話が進みましたが、このテーマはまだ触れていません。今日のうちに少し時間を取って、今どんなことを考えているか聞かせてもらえますか? 藤本さん、いかがでしょう?
部下との1on1のあと、「1on1後のAIアドバイス」で。
部下一人ひとりへの気づきがどの言葉で届いたかを振り返り、 次の回にどう続けるかを考えられます。
ご自身向けに、部下の様子に気づいて声をかけた場面などが、実際の発言を引いて書かれることがあります。次の回でその話に戻るときの一言が添えられることもあります。部下には部下向けの別の内容が表示されます。
…今日いちばん動いた場面は、メールの返信が遅いと気づいて「なんか、疲れてない?」と声をかけた場面です。…
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よくある質問
管理職が現場に出て作業をするのは、 よくないことですか。
管理職が現場に出て作業をすること自体は、よくないことではありません。部下の仕事を自分の目で見るために出るなら、面談や相談で仕事の中身を具体的に話せるようになります。気をつけたいのは、人手として作業に入り続けることです。管理職にしかできない判断や調整が後回しになり、部下が判断を待ったまま仕事を止めてしまうことがあります。
管理職は、どのくらい現場に出ればよいですか。
管理職が現場に出る時間に、決まった目安はありません。職場の仕事の進み方や、部下の人数によって変わるからです。おすすめしたいのは、部下の仕事を見るための時間を、作業に入る時間とは別に、週の予定へ先に入れておくことです。そのうえで、現場で見たことを面談で話せているかを、1か月ほどを区切りに振り返ってみてください。
人手不足で、管理職が現場の作業から離れられないときは、 どうすればよいですか。
人手不足で現場の作業から離れられないときは、作業に入る期間と時間帯を決め、その外に判断と相談の時間を残しておきます。作業に入っている間も、判断が必要なときは声をかけてほしいと部下に伝えておきます。人を増やすことや応援を頼むことは、自分の上司や本部に、事実を示して相談してください。
管理職が現場に来ると、 部下が監視されていると感じないか心配です。
部下が監視されていると感じやすいのは、上司が何のために現場に来たのかが分からないときです。「夕方の値引きを一緒に考えるのに、朝の売れ方を知っておきたいんです」のように、見る目的を先に伝えてみてください。見たことは、指摘として言い渡すより、事実を伝えて部下の見方を尋ねる形で話すと、受け取ってもらいやすくなります。
現場をあまり見ていない管理職が、 部下と1on1をしてもよいですか。
1on1は、その部下の仕事を決められる直属の上司が行うのがよいのですが、上司であっても部下の仕事を見てもいないなら、上司が行う意味はありません。現場をあまり見られていないと感じるなら、1on1の前に一度、部下の仕事を見る時間を取ってみてください。見たことをもとに話すと、仕事の中身に踏み込んだ1on1にしやすくなります。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/should-managers-work-on-the-floor
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: