上司の方へ部下との関わり
上司が部下に命令するとき、 気をつけることは何か
先に答え
上司が部下に命令するときは、まず、命令してよい場面かどうかを考えます。期限が迫っているとき、安全や法令・お客様への影響に関わるとき、会社や部署で既に決まったことを進めるときは、はっきり命令してかまいません。そのときは、理由・期限・本人が判断してよい範囲・困ったときの相談先の4つを添えます。それ以外の仕事は、上司の考えを伝えたうえで、本人の考えを聞いて一緒に決めるのがおすすめです。命令のあとは、足りない情報や困りごとがないかを尋ねてください。ハラスメントに当たるかどうかは、上司が一人で判断せず、就業規則と人事の担当に確かめます。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、言われたから面談をしている人は、自分の仕事のために面談をしている人より、面談の成果を感じている割合が低くなっていました。また、面談のあと動けない理由として、必要な情報が揃っていないことを挙げる人もいました。どちらも面談についての数字です。命令するときにも、理由と、動くために必要な情報を添えることをおすすめします。
- 12.5%
- 1万人調査
- 面談をしている一番の理由が会社や上司から言われているためである人のうち、面談の成果を実感している人の割合
- 一番の理由が「自分の仕事を進めるため」の人では41.2%でした。言われたから面談をしている人は、自分の仕事のために面談をしている人より、面談の成果を感じている割合が低いということです。
- 15.9%
- 1万人調査
- 面談が行動につながる回が半分以下の人のうち、「行動するために必要な情報が揃っていない」を挙げた人の割合
- 理由を5つまで選べる質問で、最も多い答えは「その時々によって違う」の26.1%でした。面談のあと動けない理由の1つとして、必要な情報が足りないことを挙げる人もいました。
1万人調査は上司との定期的な面談について尋ねたもので、仕事の命令や指示の出し方は尋ねていません。12.5%の「言われているため」には、会社や組織から言われている人も含まれます。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
上司が部下に命令するときは、 命令してよい場面かを先に考える
上司が部下に命令するときに最初に気をつけたいのは、言い方より先に、その場面が命令してよい場面かどうかです。命令がいつも悪いわけではありません。急ぎのときやお客様に影響が出ているときに、上司が「こうしてください」とはっきり言わなければ、部下は判断に迷い、かえって困ります。
一方で、本人と相談して決めたほうがよい仕事まで命令で決めると、部下は理由がわからないまま動くことになります。命令してよい場面と、相談して決めたい場面を分けたうえで、命令するときの伝え方を考えましょう。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談をしている一番の理由が「会社または所属組織または上司から実施するように言われているため」の人は20.5%でした。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は12.5%です。一番の理由が「自分の仕事を進めるため」の人では41.2%でした。つまり、言われたから面談をしている人は、自分の仕事のために面談をしている人より、面談の成果を感じている割合が低いということです。
面談についての数字ですが、理由を知らずに言われたから動く状態は、命令された仕事でも起こります。だからこそ、命令するときは理由を添えることをおすすめします。
以下では、通販サイトの運営チームで、サイトの更新を担当している部下と、その上司を例にします。
命令してよい場面と、 相談して決めたい場面
命令してよいのは、期限が迫っているとき、安全や法令・お客様への影響に関わるとき、会社や部署で既に決まったことを進めるときです。それ以外の仕事は、上司の考えを伝えたうえで、本人の考えを聞いて決めることをおすすめします。
| 場面 | 例 | 上司の伝え方 |
|---|---|---|
| 期限が | サイトに | はっきり |
| 会社や | 来月から、 | 決まったことと |
| 進め方を | キャンペーンの | 上司の |
どの場面か迷うときは、命令しなければ間に合わないか、お客様や会社に影響が出るかを考えると、判断しやすくなります。どちらにも当たらなければ、相談して決める場面だと考えてよいでしょう。
命令するときに添える4つ: 理由・期限・判断してよい範囲・相談先
命令するときは、何をしてほしいかに加えて、理由・期限・本人が判断してよい範囲・困ったときの相談先の4つを添えます。この4つがそろうと、部下は、上司に一つひとつ確認しなくても動きやすくなります。
急ぎの場面で命令するとき
- 決済の画面で障害が出ていて、お客様が注文できない状態です。今から1時間以内に、トップページにお知らせを出してください。
- 文面は、前回の障害のときのものを使ってかまいません。日時と内容の書き換えは、○○さんの判断で進めてください。
- 掲載する前に迷うことがあれば、私の携帯に電話をください。私が出られなければ、システム担当の△△さんに相談してください。
- お知らせを出したら、出した時刻を私に一言送ってもらえますか。お客様の窓口にも、私から伝えます。
決まったことを伝えるとき
決まったことを伝えるときも、理由を添えます。進め方まで細かく決めず、本人が考える余地を残すとよいでしょう。
- 来月から、商品ページの価格の表記を、すべて税込みにそろえることになりました。表示についてのお問い合わせが続いたことが理由です。
- 月末までに切り替える必要があります。どのページから手をつけるかは、○○さんが考えた順番で進めてもらえますか。
- 切り替えの途中で、決まりに当てはめにくい商品が出てきたら、私に知らせてください。扱いは一緒に決めましょう。
相談して決めたいとき
命令のつもりがなくても、上司の言葉は命令として受け取られることがあります。相談して決めたいときは、それがわかるように伝えます。
- これは指示ではなく、相談です。私はこう考えていますが、○○さんの考えも教えてください。
- キャンペーンのページは、商品を3つに絞って見せるのがよいと考えています。理由は、前回のページで、下のほうまで見られていなかったからです。○○さんはどう思いますか。
- 公開は再来週の金曜です。それまでに、二人で案を1つに決められればと思っています。
命令のあとに、 部下の意見と困りごとを聞く
命令したあとは、結果を待つだけでなく、本人の意見と、足りない情報や困りごとを聞く時間を取ります。
KAKEAIの1万人調査では、面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人に、理由を5つまで選んでもらっています。「行動するために必要な情報が揃っていない」を挙げた人は15.9%でした。最も多い答えは「その時々によって違う」で、26.1%です。動けない理由は人や回によって違い、必要な情報が足りないこともその1つに挙がっています。
命令のあとに部下が動きにくそうにしているときは、足りない情報がないかを上司から尋ねてみてください。
- 急ぎでお願いしましたが、進めるうえで足りない情報はありますか。
- 私の指示で、わかりにくかったところがあれば教えてください。
部下から反対の意見が出たときは、まず、相手の考えを最後まで聞きます。
- そう考える理由を、もう少し詳しく教えてもらえますか。
- その方法のほうが早いなら、そちらで進めましょう。お知らせの掲載だけは、1時間以内でお願いします。
変えられないときは、変えられない理由を伝えます。
- 今回は、会社として決まった表記なので変えられません。ただ、切り替えの順番は、○○さんの案で進めたいと考えています。
命令するときに、避けたいこと
避けたいのは、理由を言わずに強く命令することと、命令を避けて指示をあいまいにすることの両方です。
- 理由を言わずに、「いいからやって」と命令する。部下は、状況が変わったときに自分で判断しにくくなります。
- 強い言葉で言えば、早く動くと考える。急ぐ理由は、言葉の強さではなく、何が起きているかと期限で伝えます。
- 人格を否定する言い方や、ほかの人の前での叱責をする。命令の中身とは関係なく、部下を追い詰めるおそれがあります。
- 逆に、命令を避けて、何をしてほしいかをあいまいにする。急ぎの場面で「できれば」「余裕があれば」と言われると、部下は優先してよいのかがわかりません。
- どんな仕事も、質問を重ねて本人に考えさせようとする。KAKEAIは、答えを教えず、質問で本人に気づかせる、と決めておくことをおすすめしません。部下が上司の判断や考えを求めている場面もあるからです。
命令の仕方や頻度が、ハラスメントに当たるかどうかを、上司が一人で判断しないでください。仕事の範囲を超える頼みごとかどうかも含めて、迷うときは、就業規則と人事の担当に確かめます。
命令のあと、 仕事がどう進んだかを二人で振り返る
命令がうまくいったかどうかは、部下が言われた通りに動いたかではなく、二人のやり取りで仕事がどう進んだかで振り返ります。急ぎの対応が落ち着いたころに、次の点を振り返ってみてください。
- 命令するときに、理由と期限を伝えられていたでしょうか。
- 部下が自分で判断してよい範囲を、はっきり伝えていたでしょうか。
- 命令のあとに、部下の意見や困りごとを聞く時間を取れていたでしょうか。
- 相談して決めたい仕事まで、命令で決めていなかったでしょうか。
- 先週の障害のときは、急ぎで指示を出しました。私の指示で、わかりにくかったところや、やりにくかったところはありましたか。
- 次に同じことが起きたときに備えて、どこまで○○さんの判断で進めてよいかを、今のうちに決めておきませんか。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
仕事を任せたあとの進み具合が見えず、細かく口を出しすぎるか、任せきりになるかで迷うときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
報告を受ける1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
任せた仕事の出来だけでなく、 部下が途中で何を考えて決めたのかを聞いてから、 中身を一緒に確かめられます。
部下が「この1on1へのメモ」に書いた内容や、選んだ期待する対応(「報告したい」など)を踏まえて、報告をどの順で受け取るとよいかが書かれます。部下が自分の判断で加えたことを先に尋ねる、といった入り方が示されることもあります。ご自身向けの内容です。
インドの地元1社が加わっていることも含め、実際に調べてみて変わったことや気づいたことを先に聞いてから、表の中身を一緒に見ていくと、森さんが何を判断して今の形にしたかが見えてきます。
仕事を任せる1on1の実施中に。
任せる仕事の期限を、 部下の考えを聞きながら、 1on1の中で二人で決めておけます。
会話の中から次に取り組むことが出てくると、Kakeai AI が次の一歩の候補を作り、話に出た担当と期限を入れます。期限が決まっていない候補が残っているときに右の列の下の球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)をクリックすると、いつまでにするかを二人で決める提案が出ることがあります。決めるのはお二人で、「決定する」はどちらからもクリックできます。
残り4分ほどです。今日話した「一次調査の報告」の件で、一歩の候補が2つ出ています。「競合調査の表に代理店が日系か現地かの列を追加する」と「試算のやり方に割合の根拠(理由)を書く手順を入れる」、それぞれいつまでにやるかをお二人で一つ確かめて終わりませんか?森さん、いかがでしょう?
任せた1on1の終了後に、「今回よかった点」で。
口を出した場面と任せた場面のそれぞれで何が起きたかを、 具体的な発言で振り返れます。
部下が自分で考えた進め方を受け止めた場面や、ご自身が先に一言添えた場面が、実際の発言とともに書かれます。ご自身向けの内容で、部下には別の内容が表示されます。
要件表の項目についても「こっちで一回作ってみて」という小野寺さんの進め方を「それでいいと思う」と任せた判断は、相手が動きやすい余白を作っています。
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よくある質問
上司が部下に命令してもよいのですか。
上司が部下に命令や指示を出すこと自体は、上司の仕事の一部です。期限が迫っているとき、安全や法令・お客様への影響に関わるとき、会社や部署で決まったことを進めるときは、はっきり命令したほうが部下も迷わずに済みます。それ以外の仕事は、上司の考えを伝えたうえで、本人の考えを聞いて一緒に決めることをおすすめします。
部下への命令と指示は、 どう違いますか。
職場では、仕事を頼むことを「指示」と呼ぶことが多く、就業規則などでは「業務命令」という言葉が使われることがあります。どちらで呼ぶかより、理由・期限・判断してよい範囲・相談先が伝わっているかが大切です。業務命令として扱われる範囲や、その扱いは会社によって違うので、就業規則と人事の担当に確かめてください。
部下に命令すると、 パワハラになりますか。
部下に仕事の指示や命令を出すこと自体は、上司の仕事の一部です。ただし、言い方や頻度や場面によっては、ハラスメントと受け取られることがあります。当たるかどうかは上司が一人で判断せず、就業規則と人事の担当に確かめてください。命令するときは、理由と期限を添え、人格を否定する言い方やほかの人の前での叱責を避けましょう。
命令しても部下が動かないときは、 どうすればよいですか。
命令しても部下が動かないときは、強く言い直す前に、進めるうえで足りない情報や困りごとがないかを尋ねてみてください。動けない理由は人や場面によって違い、必要な情報が足りないこともその1つです。反対の意見が出たときは、まず理由を最後まで聞き、変えられないなら変えられない理由を伝えます。
命令口調にならずに、部下に仕事を頼むにはどうすればよいですか。
命令口調にならずに仕事を頼むには、言葉をやわらげるより、理由と期限、本人が判断してよい範囲を添えることをおすすめします。相談して決めたいときは、「これは指示ではなく、相談です。私はこう考えていますが、○○さんの考えも教えてください」と、相談であることを言葉にして伝えます。急ぎの場面では、遠回しにせず、はっきり伝えたほうが部下も動きやすくなります。
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出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/what-to-keep-in-mind-when-giving-orders
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: