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マネジメントの語源と由来

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

マネジメントの語源は、「手」を意味するラテン語のマヌス(manus)です。そこからイタリア語のマネッジャーレ(手で扱う、馬を手綱で扱って慣らす)が生まれ、英語のマネージ(manage。扱う、何とかやり遂げる)になりました。語源が示す意味は「手元で扱う」と「思い通りにいかないものを何とか目的地まで連れていく」の2つで、日本語の「管理」という訳語からは、どちらの意味も伝わりにくくなっています。職場に置き換えると、計画通りにいかないことを前提に、起きたことに合わせて次の手を決めていくことだと考えられます。

数字で見る

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談のあと行動につながらない理由として最も多く選ばれたのは「その時々によって違う」でした。面談で話したことが行動につながらない理由は1つに決まっておらず、面談が毎回その後の行動につながっている人は1割に届きません。面談で話したことを毎回行動につなげるのは、それだけ難しいことだと言えます。

26.1%
1万人調査
面談が行動につながりにくい人のうち、つながらない理由に「その時々によって違う」を選んだ人の割合
次に多かったのは「特にない」の23.4%でした。面談で話したことが行動につながらない理由は、1つには挙げにくいことがうかがえます。
9.4%
1万人調査
上司との面談が「毎回」その後の行動につながっている人の割合
「ほぼ毎回」は29.8%で、最も多い答えは「半分くらいの回で」の40.9%でした。面談で話したことを毎回行動につなげることは、それだけ難しいことだと言えます。

1万人調査は、部下の立場で上司との定期的な面談について尋ねたもので、マネジメントという言葉の意味や、管理職の仕事そのものを尋ねたものではありません。行動につながらない理由は、面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人だけに尋ねています。

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。

マネジメントの語源は「手」:手で扱い、何とかやり遂げること

マネジメント(management)の語源は、「手」を意味するラテン語のマヌス(manus)にさかのぼるとされています。そこから、イタリア語のマネッジャーレ(maneggiare。手で扱う、特に馬を手綱で扱って慣らす)という言葉が生まれました。これが16世紀ごろに英語に入ってマネージ(manage)になった、というのが辞書に載っている一般的な説明です。のちにフランス語のメナジェ(ménager。家の暮らしを切り盛りする、物を無駄にせず使う)の意味が重なり、「限られたものをうまく使って、物事を何とか進める」という今の意味に広がりました。

つまり、マネジメントという言葉の元には、「手で扱う」と「何とかやり遂げる」という2つの意味があります。英語で「何とか終わらせた」と言うときにも、マネージという動詞を使います。「何とかやり遂げる」というこの意味は、日本語の「管理」という訳語からは伝わりにくいものです。

言葉元の意味今のマネジメントに残っているもの
ラテン語のマヌス(manus)手離れたところから見るのではなく、手元で扱う
イタリア語のマネッジャーレ(maneggiare)手で扱う。馬を手綱で扱い、慣らす思い通りに動かない状況を、目指す結果まで進める
フランス語のメナジェ(ménager)家の暮らしを切り盛りする。無駄なく使う限られた人・時間・お金をやりくりする
英語のマネージ(manage)扱う。何とかやり遂げる計画通りにいかなくても、結果に届かせる

語源の説明は辞書によって細かな違いがありますが、「手」から始まり「何とかする」に至る流れは共通しています。以下では、この2つの意味が、今の職場のマネジメントで何を指すのかを書きます。例として、製造業の購買担当の部下と課長が、部品の納期の遅れに対応している場面を使います。

マネジメントが「管理」と訳されたときに、伝わりにくくなった2つの意味

日本語の「管理」は、決まりに沿って状態を保つこと、監督することを指す言葉です。マネジメントが「管理」と訳されたことで、報告を受けて進み具合を確かめ、決まりを守ってもらう仕事がマネジメントだと受け取られやすくなった面があります。語源に照らすと、訳語から伝わりにくくなったものが2つあります。

1つ目:「手で扱う」という近さ

馬を手綱で扱うには、馬のそばにいて、今どう動いているかを手で感じている必要があります。離れたところから報告だけを受けていても、手綱は握れません。職場に置き換えると、部下の仕事の今の状態を、報告の文面ではなく自分の目で見ていることが、マネジメントの前提になります。

KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、1on1は、その部下の仕事を決められる直属の上司が行うのがよいと考えています。ただし、上司であっても、部下の仕事を見てもいないなら、上司が行う意味はありません。その場にいる人だからこそできる観察、聞くこと、感じることがあってこそです。

部品の納期が遅れそうだと分かったとき、課長が最初に言うのは、指示ではなく、状況を近くで見るための一言です。

  • 納期が遅れそうだと聞きました。○○さんが今見えているところから、状況を教えてもらえますか。
  • 仕入れ先からの返事のメールを、一緒に見てもいいですか。どこで止まっているのかを、私も同じ画面で知りたいんです。
  • 私から見えていないことがあれば、遠慮なく言ってください。

2つ目:「何とかする」という前提

語源の「何とかやり遂げる」には、計画通りにはいかない、という前提が含まれています。思い通りに動かない馬を目的地まで連れていくのと同じで、途中で何かが起きるのが普通で、起きたときにどう手を変えるかがマネジメントの中身です。

語源そのものを尋ねた調査ではありませんが、KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査に、上司との面談のあと行動につながらない理由を尋ねた質問があります。答えているのは、行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人です(5つまで選択)。最も多かった答えは「その時々によって違う」の26.1%で、次が「特にない」の23.4%でした。面談で話したことが行動につながらない理由は、人によっても回によっても、1つには挙げにくいことがうかがえます。

1万人調査では、上司との面談が「毎回」その後の行動につながっている人は9.4%でした。「ほぼ毎回」が29.8%で、最も多いのは「半分くらいの回で」の40.9%です。面談で話したことを毎回行動につなげるのは、簡単ではないことがうかがえます。

仕事の進め方でも、計画通りにいかないことは珍しくありません。語源の「何とかする」は、一度でうまくいくことを指すのではなく、うまくいかなかったときに別の手を試し、結果に近づけていくことを指すと考えられます。

納期の遅れが分かった場面では、課長はこう続けます。

  • 計画通りにはいかなくなりましたね。ここからどう間に合わせるかを、一緒に考えたいです。
  • 代わりの仕入れ先を当たる案と、お客様に納期のご相談をする案と、どちらが現実的だと感じていますか。
  • 仕入れ先への値段の交渉は、私が引き受けます。○○さんには、必要な数量の確認をお願いしてもいいですか。
  • 前回と同じやり方では間に合いませんでした。次の発注の前に一度、在庫を一緒に確認する時間を取りませんか。
  • 今日決めたことは、金曜に一度、進み具合を一緒に見ましょう。うまくいっていなければ、そこで手を変えます。

語源から見た、上司と部下それぞれのマネジメント

「手で扱う」「何とかする」の主語は、上司だけではありません。英語のマネージは、自分の仕事や時間を何とかやりくりするときにも使う言葉です。部下も、自分の仕事を何とかやり遂げようとする当事者として、マネジメントに関わっています。上司と部下は、役割が違うだけで、仕事を前に進める当事者としては対等です。

語源の2つの意味を、上司と部下それぞれの立場で、言葉にするとこうなります。

語源の意味上司の側でできること部下の側でできること
手で扱う(近くで見る)部下の仕事の実物を見て、止まっているところに判断や情報を返す今の状況と、止まっている理由を、上司に見えるように伝える
何とかする(手を変える)計画通りにいかないときに、次の手を一緒に決め、自分が引き受けることを言う上司に期待すること(判断・情報・意見)を言葉にして伝える
無駄なく使う(やりくり)限られた時間とお金の中で、何を優先し、何を諦めるかを言葉にする自分の時間で足りない部分を、早めに言う

部下の側から、納期の遅れについて切り出すときの言い方です。

  • 部品の納期が2週間遅れそうです。お客様への説明をどうするかについて、ご判断をいただきたいです。
  • 代わりの仕入れ先を2つ当たっています。値段が合わない場合に、どこまでなら私が進めてよいか教えていただけますか。
  • 今回の遅れは、私の発注のタイミングも原因でした。次からどう変えるか、ご意見をいただけますか。
  • 今週は他の案件の締めも重なっています。納期の対応を優先してよいか、ご相談したいです。

上司の側は、部下が自分で何とかしようとしていることを前提に答えます。

  • 先に2つ当たってくれていて助かりました。値段は、見積もりの1割までなら○○さんの判断で進めてください。それを超えるときは、私に一度相談してもらえますか。
  • 発注のタイミングの話を、自分から出してくれてありがとうございます。私も、在庫の確認を任せきりにしていました。次からは一緒に見ます。
  • 他の案件の締めは、来週に回せるか私が確認します。今週は納期の対応を優先しましょう。
  • お客様への説明は、私も同席します。どう伝えるか、一緒に考えましょう。

マネジメントの語源についての、よくある誤解

語源をめぐる誤解は、「管理」という訳語から来るものと、「馬を扱う」というイメージから来るものに分かれます。

  • 「管理」が正しい訳で、マネジメントとは監督することだ。語源は「手で扱う」ことで、離れて見張ることではありません。管理はマネジメントの一部で、状態を保つ働きです。語源の「何とかする」には、状態を変える働きが含まれています。
  • 「何とかする」とは、気合いや根性で乗り切ることだ。語源にはフランス語の「無駄なく使う」という意味も入っています。何とかするとは、限られた人・時間・お金のやりくりを決めることで、無理を重ねることではありません。
  • 語源が「馬を慣らす」なら、部下を思い通りに動かすのがマネジメントだ。語源で手綱の先にあるものは、職場では、思い通りにならない仕事の状況です。部下を馬にたとえる話ではありません。上司も部下も、同じ仕事の状況を何とかしようとしている側にいます。
  • 逆に、語源は昔の話で、今の仕事には関係がない。「手で扱う」と「何とかする」の2つは、今の職場で上司と部下が向き合っていることを考える手がかりになります。

状況に合わせて手を変えるという語源の意味は、1on1の進め方を考えるときにも参考になります。KAKEAIは、1on1(上司と部下が1対1で定期的に行う面談)で、上司の行動を1つの型に決めておくことをおすすめしません。部下が上司に期待することは、人によっても回によっても違うからです。

語源の意味に沿ったマネジメントができているかを振り返る

語源の意味に沿ったマネジメントができているかどうかは、報告を受けた回数ではなく、仕事の実物を見たか、計画通りにいかなかったときに手を変えられたかで見るとよいでしょう。1か月ほどを区切りに、次の点を振り返ってみてください。

  • 部下の仕事の実物を見た回が思い当たらなければ、次の1on1は、仕事の実物を一緒に見ながら話してみてください。
  • 計画通りにいかなかったときに原因探しが先になっていたら、次は「ここからどうするか」から二人で話します。
  • 何を優先し、何を諦めるかを言葉にしていなかったら、今月の優先順位を二人で書き出すのも1つの方法です。
  • 上司が引き受けたこと(仕入れ先への交渉や他の案件の調整など)が進んでいなければ、次の1on1の最初に、どこまで進んだかを上司から伝えます。

部下の立場では、上司に期待することを伝えられた回があれば、次も同じように伝えてみてください。まだなら、話したいことと上司に期待することを1つずつ書いておくと、切り出しやすくなります。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。

マネジメントの意味や考え方を知ったうえで、部下との1on1で実際に試したいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。

部下との1on1の前、「1on1前のAIアドバイス」で。

言葉で知ったマネジメントを、目の前の部下との1on1の入り方として試せます。

Kakeai AI が、これまでの1on1と、選ばれたテーマや、部下が選んだ期待する対応をもとに、その回の入り方を書きます。最初に言う一言の例が示されることもあります。ご自身向けの内容で、部下には部下向けの別の内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

…「競合の範囲と情報源については、自分がやってきた中でこういう切り方をしていた、という話をまず共有しますね。そのうえで、森さんが今どこで迷っているかを聞かせてもらえますか。」…

1on1の最中と終了後、「1on1のAI要約」で。

話したことと決めたことを、二人が同じ記録で見返せます。

Kakeai AI が、実施中の会話をもとに2分ごとに全体を書き直し、話のまとまりごとに見出しと要点を並べます。終了後はそのまま履歴になり、お二人の画面に同じ内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

リストの項目は親会社・団地・担当者とし、担当者は名簿にないため藤本さんが拠点の人に聞いてみることになった。

部下との1on1のあと、「1on1後のAIアドバイス」で。

試した関わり方がどう届いたかを、自分の1on1の具体的な場面で振り返れます。

ご自身向けに、その回によかった関わり方が、実際の発言を引いて書かれます。次の1on1や日常で試せることも添えられます。部下には部下向けの別の内容が表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

提案書の話で、藤本さんが「何が足りなかったのかが、わからなくて」と困りごとを口にした場面で、「見せてみ」と一言で提案書を引き出しました。…「見せてみ」の一問が、漠然とした困りごとを具体の議論に変えた起点でした。

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よくある質問

マネジメントの語源は何ですか。

マネジメントの語源は、「手」を意味するラテン語のマヌス(manus)だとされています。そこからイタリア語のマネッジャーレ(maneggiare。手で扱う、特に馬を手綱で扱って慣らす)が生まれ、16世紀ごろに英語に入ってマネージ(manage)になりました。のちにフランス語のメナジェ(ménager。無駄なく切り盛りする)の意味が重なり、今の意味になりました。

マネジメントは「なんとかする」という意味だと聞きましたが、本当ですか。

英語のマネージ(manage)には、「何とかやり遂げる」という意味があり、「何とか終わらせた」と言うときにもこの動詞を使います。マネジメントの語源にある、思い通りに動かない馬を手綱で扱って目的地まで連れていくイメージが、この意味につながっています。職場に置き換えると、計画通りにいかない前提で、起きたことに合わせて次の手を決め続けることを指すと考えられます。気合いで乗り切るという意味ではありません。

マネジメントと管理は、語源から見ると何が違いますか。

マネジメントの語源は「手で扱う」「何とかやり遂げる」ことで、状態を変えて前に進める働きを指します。日本語の管理は、決まりに沿って状態を保つこと、監督することを指す言葉です。マネジメントが管理と訳されたことで、報告を受けて進み具合を確かめることがマネジメントだと受け取られやすくなった面があります。管理という訳語からは、部下の仕事を手元で見ていることと、計画通りにいかないときに手を変えることが伝わりにくくなっています。

マネジメントの語源が「馬を扱うこと」なら、部下を馬のように扱うという意味ですか。

マネジメントの語源にある「馬を手綱で扱う」というイメージは、部下を思い通りに動かすという意味ではありません。職場で手綱の先にあるのは、思い通りにならない仕事の状況です。上司も部下も、同じ仕事の状況を何とか前に進めようとしている側にいて、役割が違うだけの対等な当事者です。部下の側も、自分の仕事を何とか進めるために、上司に期待することを言葉にして伝えることで、マネジメントに関わっています。

マネジメントの語源を知ることは、実際の仕事に役立ちますか。

マネジメントの語源は、自分の仕事のどこが抜けているかを見直す手がかりになります。「手で扱う」は、部下の仕事の実物を自分の目で見ているかという問いになり、「何とかする」は、計画通りにいかなかったときに次の手を二人で決められたかという問いになります。報告や面談の回数だけでは見えないところを振り返るときに、この2つの問いを使ってみてください。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/management-etymology-and-origin

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: