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フィードバックについて学べるおすすめの本
先に答え
フィードバックについて学べる本は、有名さや型の新しさではなく、4つの観点で選ぶことをおすすめします。「相手の期待を知る方法が書いてあるか」「伝えたあとに相手が動けるかまで書いてあるか」「受け取る側のことが書いてあるか」「型を変える余地があるか」の4つです。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談で上司に一番期待することとして最も多かった答えは「その時々によって違う」(20.9%)でした。期待は回によって変わると答えた人が最も多いということです。面談についての数字ですが、誰にでも同じ順番で話す型だけを教える本では、合わない回が出てくると考えられます。
数字で見る
上司との面談で上司に一番期待することは人によって分かれ、「その時々によって違う」と答えた人が最も多くなっています。また、面談のあと行動につながらない理由として、「スキルが不足していてできない」より「行動するために必要な情報が揃っていない」を選んだ人のほうが多くなっています。上司に期待することも、動けない理由も、人や回によって分かれているということです。
- 20.9%
- 1万人調査
- 上司との面談で上司に一番期待することとして、「その時々によって違う」を選んだ人の割合
- 選べる答えの中で最も多く、「具体的なアドバイスがほしい」は18.3%、「意見を聞きたい」は14.1%、「話を聞いてほしい」は7.9%でした。上司に一番期待することは人によって分かれ、そのうえ、回によって変わると答えた人が最も多いということです。
- 9.1%
- 1万人調査
- 面談が行動につながりにくい人のうち、理由に「スキルが不足していてできない」を選んだ人の割合
- 「行動するために必要な情報が揃っていない」は15.9%で、力の不足より多く選ばれています。最も多い答えは「その時々によって違う」の26.1%でした。行動につながらない理由は、本人にもはっきりしていない場合が多いことがうかがえます。
1万人調査は、フィードバックの本や学び方について尋ねたものではありません。数字は、上司との面談で上司に期待することと、面談のあと行動につながらない理由を尋ねた結果です。行動につながらない理由は、面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人だけに尋ねています。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
フィードバックの本で学べることと、 本では学べないこと
フィードバックについて学べる本は数多くありますが、1冊を読めば身につくというものではありません。本から学べるのは、伝える順番、言葉の選び方、避けたい言い方といった型です。一方で、目の前の相手がその回に何を期待しているのか、伝えたあとに相手が動けるのかどうかは、本を読むだけでは分かりません。本を選ぶときは、型の新しさや著者の知名度より、相手の期待と、伝えたあとに相手が動けるかどうかを職場で知る方法まで書いてあるかを見ることをおすすめします。
ここでは、書名や著者名は挙げていません。合う本は、読む人の立場や、一緒に仕事をしている相手によって変わるためです。代わりに、本を選ぶ観点と、立場ごとの選び方、読んだ内容を職場で試すときの言い方を紹介します。
フィードバックの本を選ぶ4つの観点
本を選ぶ観点は、「相手の期待を知る方法が書いてあるか」「伝えたあとに相手が動けるかまで書いてあるか」「受け取る側のことが書いてあるか」「型を変える余地があるか」の4つです。目次と前書きを見れば、おおよそ見分けられます。
| 選ぶ観点 | 目次や前書きで見るところ | 合いにくいと考えられる本 |
|---|---|---|
| 相手の | 相手に | 相手が |
| 伝えた | 次の | 伝える |
| 受け取る | もらい方、 | 伝える |
| 型を | 合わないときの | この順番で |
観点1:相手の期待を知る方法が書いてあるか
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談で上司に一番期待することとして最も多く選ばれたのは「その時々によって違う」で、20.9%でした。「具体的なアドバイスがほしい」は18.3%、「意見を聞きたい」は14.1%、「一緒に考えてほしい」は13.2%、「話を聞いてほしい」は7.9%です。つまり、上司に一番期待することは人によって分かれ、なかでも、回によって変わると答えた人が最も多くなっています。
面談についての数字ですが、フィードバックの場面にも同じことが当てはまると考えられます。同じ部下でも、はっきり言ってほしい回と、一緒に考えてほしい回があるかもしれません。相手が誰でも同じ順番で話す型だけを教える本では、合わない回が出てきやすくなります。伝える前に相手の期待を聞く方法が書いてある本を選ぶと、読んだ型を相手に合わせて使いやすくなります。
観点2:伝えたあとに相手が動けるかまで書いてあるか
KAKEAIの1万人調査では、面談のあと行動につながるのが半分くらいの回か、それより少ないと答えた人に、行動につながらない理由を尋ねています(5つまで選択)。「スキルが不足していてできない」を選んだ人は9.1%で、「行動するために必要な情報が揃っていない」の15.9%より少ない結果でした。最も多い答えは「その時々によって違う」の26.1%、次が「特にない」の23.4%です。つまり、力の不足を理由に挙げる人は情報の不足を挙げる人より少なく、上位には「その時々によって違う」「特にない」のような、理由のはっきりしない答えが並んでいます。
面談についての数字ですが、フィードバックの場面でも、言い方を磨くだけでは、相手が動くのに必要な情報までは補えないと考えられます。伝えたあとに相手が動くために、どんな情報や判断が要るのか、伝える側は何をするのか、まで扱っている本を選ぶとよいでしょう。相手が動けない理由を決めつけず、尋ねる方法が書いてあれば、さらに使いやすい本です。
観点3:受け取る側のことが書いてあるか
フィードバックは、伝える側と受け取る側の2人で成り立ちます。伝える側だけに向けて書かれた本は、受け取る側の動き(聞き返す・自分の考えを言う・次に何をするかを決める)を扱っていません。部下の立場で読む人はもちろん、上司の立場で読む人も、受け取る側の章がある本を選ぶと、相手に何を頼めるかが見えてきます。
観点4:型を変える余地があるか
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、フィードバックに万能のやり方はなく、型や手順を守ること自体は目的ではないと考えています。本に書かれた型は、最初の手がかりです。合わないときの対処や相手による違いに触れている本は、型を試して確かめ、直していく前提で書かれています。「この順番で話せば必ず伝わる」と書いてある本では、合わない相手に当たったときの手がかりが得にくくなります。
また、「上司は聞き役に徹する」「答えを教えず、質問で本人に気づかせる」と教える本もあります。KAKEAIは、上司の関わり方をそのように1つに決めておくことをおすすめしません。先ほどの調査の通り、上司に一番期待することとして意見やアドバイスを選んだ人は、「話を聞いてほしい」を選んだ人より多いからです。聞くことが合う回はありますが、毎回そう決めておくと、意見を求めている回に応えにくくなります。
立場別:フィードバックの本をどう選ぶか
上司の立場で読むとき
伝え方の本を1冊読んだら、2冊目は受け取る側に向けて書かれた本を選んでみてください。部下が何に困り、どう頼みたいのかが分かると、自分の伝え方のどこを変えればよいかが見えてきます。読んだ型は、部下に「本で読んだやり方を試してみたい」と伝えてから使うと、合わないときに部下の側からも言いやすくなります。
部下の立場で読むとき
もらい方、聞き返し方、受け取ったあとの動きが書いてある本を選びます。あわせて、上司向けに書かれた本を1冊読むと、上司が何に迷いながら伝えているのかが分かり、こちらから頼みやすくなります。上司からのフィードバックを待つのではなく、自分から求める方法が書いてある本が、職場では使いやすいでしょう。
人事・経営の立場で読むとき
研修の教材や推薦図書にする前に、上の4つの観点で見てください。とくに、1つの型を全管理職に教える本は、相手の期待を知る方法と型を変える余地が書いてあるかを確かめ、慎重に選ぶ必要があります。伝える側の本と受け取る側の本を1冊ずつ組み合わせ、管理職と一般の社員の両方に紹介すると、伝える側と受け取る側が同じ言葉で話しやすくなります。
読んだ本の内容を、 職場で試すときの言い方
本で読んだことは、相手に伝えてから試すと、合わないときに直しやすくなります。以下では、部署の週報(毎週の報告書)の書き方について、上司と部下がフィードバックをやり取りする場面を例にします。
上司が、本で読んだ伝え方を試すとき
- 今日の週報の話は、私の意見を先に言うのと、一緒に考えるのと、どちらが助かりますか。
- 週報の書き方について、私の考えを1つお伝えしたいです。その前に、今の書き方で○○さんが迷っている点があれば教えてください。
- 本で読んだやり方を試してみたいのですが、合わないと感じたら遠慮なく言ってください。
- 「今週の課題」の欄に、課題だけでなく、私に判断してほしいことも書いてもらえると、翌週の動きが早くなります。私も、読んだその日に返事を書きます。
- 先週お話しした書き方は、使いにくい点はありませんでしたか。
部下が、本で読んだもらい方を試すとき
- 週報の「今週の課題」の欄について、課長のご意見を伺いたいです。先週は、何をどこまで書けばよいか迷いました。
- 今のご指摘は、結論を先に書く、ということでよろしいでしょうか。来週の週報から、1行目に結論を書くようにします。
- 直したほうがよい点を、1つに絞って教えていただけますか。一度に全部を直すより、確実に変えたいです。
- 来週の週報で試した結果を、次の1on1で見ていただけますか。
人事が、本を研修や推薦図書に使うとき
人事の担当から管理職の方に、本の感想を頼むときの言い方です。
- 研修の教材にするかを決める前に、この本を読んでいただき、ご自分の部下との1on1で使えそうかを教えていただけますか。
- 管理職向けの本と、受け取る側向けの本を1冊ずつ紹介します。どちらの立場の方も、両方を読んでいただけるとありがたいです。
フィードバックの本の選び方で、 避けたいこと
避けたいのは、本を読むこと自体を目的にすることと、逆に、本で読んだことを試さずに自分の経験だけで続けることの両方です。
- 有名な本を1冊読んで、身についたと考える。本で学べるのは型までです。相手の期待と、伝えたあとの動きは、職場で確かめるしかありません。
- 言い方のテクニックの本ばかりを集める。言い方を増やしても、相手が動くのに必要な情報が足りなければ、行動にはつながりにくくなります。
- 1つの型を、どの相手にも当てる。期待は人と回によって異なります。型は手がかりとして使い、合わなければ変えます。
- 逆に、本で読んだことを試さない。自分の経験だけで続けると、伝え方が1つに固まります。読んだことを1つ選んで、相手に伝えてから試してみてください。
- 本の内容を、相手に押しつける。「本にこう書いてあった」は、相手の考えを聞かない理由にはなりません。
本で学んだフィードバックがうまくいったかを振り返る
本で学んだことがうまくいったかどうかは、型の通りに進められたかではなく、そのあとの二人のやり取りで振り返ります。
- 相手の期待を聞かずに伝えていたら、次は話し始める前に一言尋ねてみてください。
- 伝えたあとに、相手と自分がそれぞれ次にすることが決まらなかったら、次の面談の最初に二人で決めます。
- 次の面談を前回の続き(試した結果)から始めると、伝えたことが役に立ったかを話しやすくなります。
- 本の型が相手に合わなかったら、どこを変えるとよいかを相手に尋ね、次は変えた形で試します。
- 受け取る側として聞き返せなかったら、次は「〜ということでよろしいでしょうか」と一言添えてみてください。
本の内容が相手との間で役に立ったかどうかは、1回では分かりにくいものです。次の1か月のやり取りを通して振り返るとよいでしょう。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
本や研修で型や原則を学んでも、目の前の相手にどう伝え、いつ伝えるかで迷い、伝えそびれてしまうときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
1on1の前に、「1on1前のAIアドバイス」で。
一つの型をどの回にも当てはめず、 その回に部下が期待していることを知ったうえで伝え方を選べます。
選ばれたテーマと、部下が選んだ期待する対応(話を聞いてほしい、一緒に考えてほしい、具体的なアドバイスがほしい など)を踏まえて、今日の関わり方を提案する、上司ご本人向けの文章です。
加藤さんは「一緒に考えてほしい」と言っているので、答えを渡すより、どこから手をつけるかを一緒に絞る関わりが今日の軸になります。
1on1の終了後に、「1on1後のAIアドバイス」で。
自分の伝え方を、 型の知識ではなく、 その回の実際の発言をもとに見直せます。
上司ご本人向けの「次の1on1や日常へ向けて」で、その回の大事な場面のご自身の発言を取り上げ、次の回に試せる言い換えの一言を提案することがあります。直すのはご自身の発言だけで、部下の言葉は直しません。
加藤さんが何を怖れているのか、もう少し聞ける余地が残っています。…次回、昇格試験の準備状況を確認するタイミングで、「社内の評価の場面って、具体的にどんなときが一番きつい?」と一問戻してみませんか。
ホームの「この先1週間のポイント」で。
次の1on1を待たずに、 期限が近い仕事に気づき、 声をかける時を逃しにくくなります。
Kakeai AI が、ご自身の1on1の予定や次の一歩の期限などから、この先1週間で気にかけておくとよいことを、事実と、問いかけの形の提案で、最大3件書きます。ホームはご自身だけに表示されます。
小野寺さんとの1on1で決まった「今月の受注見込みをシステムで更新する(インドの案件を7月へ)」は6月17日が期限で、まだ完了していません。…期日前に状況を確認してみてはいかがでしょうか。
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よくある質問
フィードバックの本は、 何を基準に選べばよいですか。
フィードバックの本は、4つの観点で選ぶことをおすすめします。「相手の期待を知る方法が書いてあるか」「伝えたあとに相手が動けるかまで書いてあるか」「受け取る側のことが書いてあるか」「型を変える余地があるか」の4つです。目次と前書きを見れば、おおよそ見分けられます。有名な本でも、伝える場面の言い方だけで終わっている本は、職場で使うと合わない回が出てきやすいと考えられます。
フィードバックの本は、 上司と部下のどちらが読むべきですか。
フィードバックの本は、上司と部下のどちらが読んでもかまいません。フィードバックは伝える側と受け取る側の2人で成り立つので、上司の立場の方は受け取る側に向けた本も、部下の立場の方は上司向けの本も、1冊ずつ読むと相手の動きが分かります。読んだ内容は、相手に「本で読んだやり方を試してみたい」と伝えてから試すと、合わないときに二人で直しやすくなります。
本に書いてある型の通りにフィードバックすれば、 うまくいきますか。
本に書いてある型の通りに話しても、うまくいくとは限りません。KAKEAIの1万人調査では、上司との面談で上司に一番期待することとして最も多かった答えは「その時々によって違う」(20.9%)でした。期待は回によって変わると答えた人が最も多いということです。型は最初の手がかりとして使い、伝える前に相手の期待を聞いて、合わなければ変えることをおすすめします。型を守ること自体は、目的ではありません。
部下の立場でフィードバックの本を読むなら、 どんな本がよいですか。
部下の立場でフィードバックの本を読むなら、もらい方、聞き返し方、受け取ったあとの動きが書いてある本が合っています。上司からの言葉を待つだけでなく、どの仕事のどこを見てほしいかや、上司に期待することを自分から伝える方法が書いてある本は、職場でそのまま使えます。あわせて上司向けの本を1冊読むと、上司が何に迷って伝えているのかも分かります。
フィードバックの本を、 管理職研修の教材にしてもよいですか。
フィードバックの本を管理職研修の教材にすることはできますが、1つの型を全管理職に教える本は、相手の期待を知る方法と型を変える余地の2つの観点で、慎重に選ぶ必要があります。教材に決める前に、現場の管理職の数人に読んでもらい、自分の部下との1on1で使えそうかを聞いてみてください。伝える側の本と受け取る側の本を1冊ずつ組み合わせ、管理職と一般の社員の両方に紹介するとよいでしょう。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/feedback-books-how-to-choose
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: