上司の方へ管理職・マネジメント
管理職のストレスは、 どう減らせばよいか
先に答え
管理職のストレスを減らすには、ストレス耐性を鍛えるより、ストレスの元を減らすことをおすすめします。特に人間関係のストレスは、部下の期待や気持ちを一人で推し量り、当たったかどうかも分からないまま進むことから生まれていると考えられます。KAKEAIの1万人調査では、面談で上司に期待することとして「その時々によって違う」を選んだ人が28.7%いました。つまり、上司に期待することが回ごとに変わる人は少なくない、ということです。推し量らずに本人に聞くこと、自分の一存で決められないことを自分の上司に早めに持ち込むこと、の2つから始めてください。頭痛や眠れない状態が続くときは、仕事のやり方を変える前に産業医に相談してください。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査は、部下の立場で上司との面談について尋ねたものです。部下の側を見ると、上司に期待することが回ごとに変わる人は少なくなく、上司が一人で言い当てるのは難しいものです。また、上司との信頼関係がないことを困りごとに挙げる人は、上司の時間が取れないことを挙げる人より少ない、という結果でした。部下の気持ちと期待を一人で想像し続けるより、本人に聞くことをおすすめします。
- 28.7%
- 1万人調査
- 面談で上司に期待すること(5つまで選択)として、「その時々によって違う」を選んだ人の割合
- 一番期待することを1つ選ぶ質問でも、最も多い答えは「その時々によって違う」20.9%でした。上司に期待することが回ごとに変わる人は少なくありません。その回に何を望んでいるかは、一人で言い当てようとするより、本人に聞くほうが確かでしょう。
- 8.0%
- 1万人調査
- 上司との面談で困っていること(複数回答)として、「上司との信頼関係がなく安心して話せない」を選んだ人の割合
- 最も多い答えは「上司の時間確保や日程調整」の24.6%でした。部下が面談の困りごとに挙げるのは、上司との信頼関係がないことより、上司の時間が取れないことのほうが多い、という結果です。
- 3.9%
- 1万人調査
- 上司との面談で困っていること(複数回答)として、「上司が実施に前向きではない」を選んだ人の割合
- この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は20.4%で、回答者全体の31.9%を下回ります。上司が面談に前向きでないと感じている部下は、その面談で成果を感じている割合も低くなっています。
1万人調査は、部下の立場から上司との面談について尋ねたもので、管理職のストレスそのものは尋ねていません。ストレスの元を3つに分けた整理は、このページの考えです。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
管理職のストレスは、 耐性を鍛えるより、 元を減らす
管理職のストレスへの対処としては、ストレス耐性を上げることや、考え方を変えて気持ちを切り替えることがよく勧められます。どれも役に立つ場面はありますが、ストレスの元がそのままなら、耐える力を上げても消耗は続きます。このページでは、管理職のストレスのうち、特に人間関係のストレスの元を減らす方法を中心に書きます。
管理職の人間関係のストレスの多くは、相手の気持ちや期待を一人で推し量り、当たったかどうかも分からないまま次に進むことから生まれていると考えられます。「あの言い方で嫌われたかもしれない」「本当は不満があるのではないか」と、部下について一人で考え続けることは、正解が分からないぶん、終わりにくいものです。
| ストレスの元 | よくある場面 | 減らし方 |
|---|---|---|
| 相手の | 部下が | 推し量らずに、 |
| 一人で | 部下同士の | 二人で |
| 体の | 頭痛、 | 産業医や |
以下では、小売店の店長がスタッフのシフト作成と欠員対応を抱えている場面を例にします。部下との人間関係、自分の上司との関係、体のサインの3つに分けて、減らし方とそのまま使える言い方を書きます。
部下との人間関係のストレス: 「嫌われているかも」を推し量らず、 期待を聞く
部下との人間関係のストレスの中で大きいものの1つは、相手の期待が分からないまま対応し、その結果も分からないことです。部下の側の数字を見ると、上司に期待することが回ごとに変わる人は少なくありません。
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査は、部下の立場で、上司との定期的な面談について尋ねたものです。この調査では、面談で上司に期待すること(5つまで選択)として「その時々によって違う」を選んだ人が28.7%いました。一番期待することを1つ選ぶ質問でも、最も多い答えは「その時々によって違う」で、20.9%です。上司に期待することが回ごとに変わる人は、少なくないと言えます。回ごとに変わるものを、上司が一人で言い当てるのは難しいと考えられます。
面談についての数字ですが、普段の声かけでも、相手が何を望んでいるかを最初に一言で尋ねることをおすすめします。相手の気持ちを想像しながら対応する時間が、そのぶん減ります。
- シフトの件、私の考えを言う前に、○○さんはどうしたいと思っていますか。先に聞いておきたいです。
- 今の話は、聞いてほしい話ですか。それとも、私に何か決めてほしい話ですか。
- 私の返し方が、○○さんの望んでいたものと違っていたら、遠慮なく言ってください。
もう1つのストレスは、「嫌われているのではないか」という不安です。この不安に直接答える数字はありませんが、部下の側が面談で何に困っているかは分かります。
KAKEAIの1万人調査では、上司との面談で困っていること(複数回答)として「上司との信頼関係がなく安心して話せない」を挙げた人は8.0%でした。最も多い答えは「上司の時間確保や日程調整」の24.6%です。つまり、部下が面談の困りごとに挙げるのは、上司との信頼関係がないことより上司の時間や日程のような具体的なことのほうが多い、ということです。
嫌われているかもしれないと感じたときは、気持ちを想像し続けるより、仕事の中の具体的な場面について直接尋ねるほうが、答えが返ってきやすいでしょう。
- 先週、急なシフト変更をお願いしたとき、言い方がきつかったかもしれません。あのときの頼み方で、困ったことはありましたか。
- 私のやり方で、やりにくいと感じていることが1つでもあれば、教えてもらえますか。直せるものは直したいので。
- 話してくれて、ありがとうございます。シフトの出し方を、来月から1週間早めようと思います。それで困ることはありますか。
部下同士のもめごとも、管理職の人間関係のストレスの元になりがちです。どちらが悪いかを上司が一人で判断して裁こうとすると、その判断の重さを一人で背負うことになります。本人たちと話す前に、別の管理職との話だけで二人への関わり方を決めてしまうことも避けたいところです。まず、それぞれから仕事の事実を聞くことから始めます。
- △△さんとの件、○○さんから見て、仕事のどこで困っているかを教えてもらえますか。誰が悪いかという話ではなく、まず状況を知りたいんです。
- 二人の間のことを、私が全部決めるのは難しいと思っています。シフトの引き継ぎのやり方だけ、3人で一度決めませんか。
KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司と部下の関係は、仕事の話を前に進める中でできていくものだと考えています。部下の気持ちを一人で想像して先回りすることは、関係をよくするための条件ではありません。
自分の上司との関係のストレス: 自分で決めることと、 上に決めてもらうことを分ける
上からの売上目標や人員の制約と、部下の事情との間で苦しくなるとき、管理職は全部を自分で何とかしようと考えてしまうことがあります。ただし、自分の一存で決められないことを一人で抱えている時間は、ストレスが増えるばかりで、仕事は前に進みにくいものです。自分で決めることと、自分の上司に決めてもらうことを分け、上司に決めてもらうことは早めに持ち込みましょう。
自分の上司に持ち込むときは、つらいという気持ちだけでなく、何が決まれば自分が動けるのかを具体的に伝えます。
- 来月のシフトは、今の人数では土日の欠員を埋められません。応援を頼めるか、営業時間を一時的に短くするかを、ご判断いただけますか。
- 私が決めてよい範囲を確認させてください。パートの方の勤務時間の変更は、私の判断で進めてよいでしょうか。
- 正直に申し上げると、今月は人員のことに時間を取られていて、売上の対策まで手が回っていません。優先順位を一緒に決めていただけますか。
ストレスを一人で抱えない: 部下、同じ立場の管理職、 人事、産業医
管理職のストレスは、部下にも自分の上司にも言いにくいものです。だからこそ、話せる相手を1人でも先に決めておくことをおすすめします。同じ立場の管理職と、月に一度でも話す場があると、自分だけが困っているわけではないと感じられることが多いようです。
部下にも、余裕がないことを隠し続ける必要はありません。余裕のなさを隠して面談を続けると、部下の側には上司が面談に前向きではないと映ることがあります。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごととして「上司が実施に前向きではない」を挙げた人が3.9%いました。この人たちのうち、「面談が成果につながっている」と感じている人は20.4%で、回答者全体の31.9%を下回っています。上司が面談に前向きでないと感じている部下は、その面談で成果を感じている割合も低くなっています。
余裕がないときに、何も言わずに気乗りしないまま面談を続けることは、おすすめしません。今の状態と、できることの範囲を部下に伝えるほうがよいでしょう。
- 今月は私の余裕がなくて、1on1を短くしたいと思っています。15分でも、○○さんが一番話したいことだけは聞きます。それでもいいですか。
- 私の返事が遅くて、○○さんの仕事を止めていたと思います。すみません。急ぎのものは、最初にそう書いて送ってもらえますか。
頭痛が続く、眠れない、朝起きられないといった体の変化があるときは、仕事のやり方を変える前に産業医や医療の専門家に相談してください。ストレスが体に出ているかどうか、どの程度のものかは、自分では判断しにくいものです。会社にストレスチェックの仕組みがあれば、その結果をもとに面談を申し込むこともできます。相談窓口がどこにあるかは、人事に確認してください。管理職の役割を一時的に軽くできるかどうかは、就業規則を読み、人事の担当に確認したうえで考えるとよいでしょう。
- 人事の方にご相談したいことがあります。ここ1か月、頭痛と眠れない日が続いていて、産業医の面談を受けたいと思っています。申し込みの手順を教えていただけますか。
- 部長、体調のことでお話があります。業務の調整が必要になるかもしれないので、先にお伝えしておきたいです。
管理職のストレスが減ってきたかを、 どこで見るか
管理職のストレスが減ってきたかどうかは、気分の軽さだけでなく、一人で考え続ける時間と一人で抱えている判断がどれだけ減ったかで見るとよいでしょう。1か月ほど続けたあとに、次の点を振り返ってみてください。
- 部下が何を望んでいるかを、推し量る前に本人に聞けた場面が、先月より増えたでしょうか。
- 自分の言い方や対応について、部下に直接尋ねた日があったでしょうか。
- 自分の一存で決められないことを、自分の上司に持ち込むまでの日数は、短くなったでしょうか。
- 同じ立場の管理職や人事と、自分の状態を話した日があったでしょうか。
- 体の変化があったとき、産業医や医療の専門家に相談できていたでしょうか。
最初の2つが変わってきていれば、一人で考え続けるストレスは減り始めていると言えるでしょう。体の変化に心当たりがあるまま後回しにしているなら、仕事のやり方を変える前に、今週のうちに相談の予約を取ってください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
部下との1on1の準備や判断を一人で抱えて、疲れてしまうときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
部下との1on1の前、「1on1前のAIアドバイス」で。
何から話すかを一人で考え込まずに、 入り方を決めてから1on1を始められます。
Kakeai AI が、これまでの1on1と、選ばれたテーマや、部下が選んだ期待する対応をもとに、その回の入り方を書きます。最初に言う一言の例が示されることもあります。ご自身向けの内容で、部下には部下向けの別の内容が表示されます。
…今日最初に言う一言はこちらです。 「東南アジアの新規開拓リスト、今どんな状態か教えてもらえますか。C社の件も含めて、今一番気になっているところから聞かせてください。」…
部下との1on1のあと、「1on1後のAIアドバイス」で。
自分のどの問いかけで部下の話が進んだかを、 Kakeai AI の見立てとして、 具体的な場面で振り返れます。
ご自身向けに、その回によかった関わり方が、実際の発言を引いて書かれます。次の1on1や日常で試せることも添えられます。部下には部下向けの別の内容が表示されます。
「何で止まってんの?」の一問で、三浦さんが…と状況を言葉にしました。止まっている理由を具体的に引き出せたのは、この問いがあったからです。…
自分の上司との1on1で、球体を押したとき。
管理職自身の負担を、 自分の上司との1on1で話す時間にできます。
ご自身の上司との1on1(ご自身が部下の側になる1on1)でも、「1on1の準備」でテーマと期待する対応を選べます。実施中に球体(Kakeai AI に話題を提案させるボタン)を押すと、選んだテーマにまだ十分触れていないとき、そのテーマに戻ることを二人に提案することがあります。提案はお二人の画面に同じものが表示されます。
今日のテーマに「心身の状態」を「話を聞いてほしい」というかたちで入れてくれていますね。今日の会話でも、3役兼務で部長会資料・課の判断・プロジェクトの判断が集中し、部下の話を聞けていないことのほうが困ると話してくれていました。今の状態、もう少し聞かせてもらえますか。柳瀬さん、いかがでしょう?
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この手引きの数字のもとになった、 1万人調査のレポート
1on1の踊り場から脱却するヒント:1万人調査が解明した、形骸化を超える構造(全43ページ・PDF)
- 1万人のデータで見る、1on1の頻度・時間・場所・話題の実態
- 成果・成長の実感を左右するもの(実施理由・上司への期待・困りごと・行動への接続)
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よくある質問
管理職のストレスが限界に近いとき、 まず何をすればよいですか。
管理職のストレスが限界に近いと感じるときは、仕事のやり方を変える前に、産業医や医療の専門家に相談してください。頭痛が続く、眠れない、朝起きられないといった体の変化は、自分ではどの程度のものか判断しにくいものです。相談窓口が分からなければ人事に確認し、自分の上司には、業務の調整が必要になるかもしれないことを先に伝えておきます。管理職の役割を一時的に軽くできるかどうかは、就業規則と人事に確認したうえで考えてください。
管理職にはストレス耐性が必要ですか。
管理職にストレス耐性があれば助けになりますが、耐性を鍛えるだけでは、ストレスの元は残ります。管理職の人間関係のストレスの多くは、部下の期待や気持ちを一人で推し量り、当たったかどうかも分からないまま進むことから生まれていると考えられます。想像せずに本人に聞く、一人で決められないことは自分の上司に持ち込む、という形で元を減らすほうが、長く続けやすいでしょう。
部下に嫌われているかもしれないというストレスは、 どうすればよいですか。
部下に嫌われているかもしれないと感じるときは、気持ちを想像し続けるより、仕事の中の具体的な場面について本人に尋ねることをおすすめします。相手の気持ちを一人で想像しても正解は分からず、不安は終わりにくいものです。「先週の頼み方で困ったことはありましたか」と、場面を1つ挙げて聞いてみてください。言いにくいことを部下が話しやすいように、自分の言い方がきつかったかもしれないと先に認めるのも、1つの方法です。
部下同士の人間関係のトラブルで管理職がストレスを感じるとき、 どう関わればよいですか。
部下同士の人間関係のトラブルでは、どちらが悪いかを上司が一人で判断して裁こうとすると、判断の重さがそのままストレスになります。まず、それぞれから仕事の事実を聞き、二人の間で決めなければならないことを、仕事の進め方に絞って一緒に決めます。本人たちと話す前に、別の管理職との話だけで二人への関わり方を決めてしまうことは避けます。ハラスメントの可能性がある場合は、上司が判断せず、就業規則と人事の担当に確認してください。
管理職のストレスを、 部下に見せてもよいですか。
管理職のストレスを部下に全部打ち明ける必要はありませんが、余裕がない状態を隠して無理に続けるより、今の状態と、できることの範囲を伝えるほうがよいでしょう。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとに「上司が実施に前向きではない」を挙げた人のうち、面談が成果につながっていると感じている人は20.4%で、回答者全体の31.9%を下回っています。「今月は余裕がないので、1on1を15分にしたい」のように、仕事の情報として伝えます。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/manager-stress-reduce-the-sources
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: