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会議のグランドルールの決め方と例
先に答え
会議のグランドルールは、禁止の一覧ではなく、その会議で決めるために必要な意見と反対が出るようにする約束として決めます。決め方は5つの手順です。会議で今困っていることを1つ挙げ、参加者から案を集めて3〜5個に絞り、「〜しない」より「〜する」の形で書きます。そのうえで、破られたときに誰でも使える合図を決め、3か月ほどたったら見直します。よく挙がる「否定しない」というルールは、反対意見や気になる点まで出なくなるおそれがあるので、「人ではなく案に反対する」「反対するときは理由を添える」に置き換えることをおすすめします。司会である上司が最初に守り、自分が破ったときは自分で認めてください。
数字で見る
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査は、上司との1対1の面談について尋ねたものです。この調査では、面談の頻度・時間・場所・話題と、成果を感じるかどうかとの関係は小さなものでした。また、Kakeai AI 1on1の利用データでは、部下が上司に期待することとして、聞いてもらうことより一緒に考えることや意見・アドバイスが多く選ばれていました。
- 5.4%
- 1万人調査
- 成果の実感の差のうち、面談の頻度・時間・場所・話題の4つの違いで説明がつく割合
- 成果を感じるかどうかの違いの大半は、頻度や時間といった形以外のことと関係している、という意味です。面談の形を整えるだけで成果の実感が変わるとは考えにくいと言えます。
- 11.7%
- Kakeai AI 1on1 利用データ
- 部下が選んだ、上司に期待することのうち、「話を聞いてほしい」が選ばれた割合(選ばれた中での内訳)
- 選べる6つの中で最も少ない答えでした。「一緒に考えてほしい」「意見を聞きたい」「具体的なアドバイスがほしい」の3つは合わせて53.4%です。部下が1on1の前に選ぶ段階では、聞いてもらうことより、上司の考えや関わりを期待する選択が多い、という意味です。
1万人調査は上司との1対1の面談について尋ねたもので、会議のルールについては尋ねていません。利用データの割合は、1on1の前に部下が選んだ、上司に期待することの内訳で、会議での発言を集計したものではありません。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
会議のグランドルールは、 何のために決めるのか
会議のグランドルールは、会議の進め方について参加者全員が前提にする約束です。決める目的は、場を穏やかにすることではなく、その会議で決めるために必要な意見と反対が、会議の中で出るようにすることです。決めたあとに「実は気になっていた」が出てくる会議では、ルールそのものが意見を出にくくしていることもあります。
面談についての数字ですが、KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談の頻度・時間・場所・話題と、成果を感じるかどうかとの関係は小さなものでした。この4つを合わせても、成果の実感の差のうち説明がつくのは5.4%だけです。つまり、面談の形を整えるだけでは、成果の実感は変わりにくいということです。
会議についてこの調査は尋ねていません。ただ、時間厳守やスマートフォンを置くことのような形のルールだけを決めても、会議の中身は変わりにくいと、このページでは考えています。そのため、グランドルールは、意見の出し方と受け方についての約束を中心に決めることをおすすめします。
以下では、商品企画課が月に2回行う企画会議(新しい商品の案を広げ、試作に進める案を決める会議)を例にします。決め方と例を先に、守り方をあとに書きます。
会議のグランドルールの決め方: 5つの手順
会議のグランドルールは、上司が決めて配るのではなく、参加者と一緒に、今困っていることから決めます。手順は次の5つです。
- この会議で今困っていることを、上司が1つ挙げます(例:案が出ても、試作に進める案が決まらずに終わる)。
- 困っていることを減らすために、全員が守るとよいことを、参加者から集めます。1人1つで十分です。
- 集まった案を3〜5個に絞ります。「〜しない」より「〜する」の形で書き、誰が読んでも同じ行動が浮かぶ言葉にします。
- ルールから外れたときに、誰でも使える合図を決めます(例:「ルールの2番です」と言う、手を軽く挙げる)。
- 3か月ほど続けたら、役に立ったルールと使われなかったルールを見直します。
- この会議で私が困っているのは、案はたくさん出るのに、試作に進める案が決まらずに終わることです。全員が守るとよさそうなことを、1人1つ挙げてもらえますか。
- 出た案は7つなので、今日は4つに絞りたいです。残した4つは、3か月やってみて見直しましょう。
- ルールから外れたときは、誰でも「ルールの2番です」と言ってください。私が外れたときも、同じように言ってもらえると助かります。
ルールの言葉は、「建設的に話す」「前向きに」のような、人によって受け取り方が違う言葉を避けます。「反対するときは理由を添える」のように、何をすればよいのかがその場で分かる言葉にしてください。
- 「建設的に」だと、人によって意味が変わりそうです。たとえば「反対するときは、理由を1つ添える」のように、やることが分かる言葉にしませんか。
- 3か月たったので、ルールを見直したいです。役に立ったものと、一度も使わなかったものを、1つずつ挙げてもらえますか。
会議のグランドルールの例: 会議の種類別の一覧
会議のグランドルールの例を、会議の種類別にまとめました。全部を使うのではなく、今困っていることに合うものを3〜5個選んでください。
| 会議の種類 | ルールの例 | ねらい |
|---|---|---|
| 何かを | 「反対するときは、 | 反対が |
| 案を | 「実現できるかは、 | 案を |
| 共有の会議 | 「資料は | 読めば |
| オンラインの会議 | 「カメラは | 画面越しでも、 |
| どの会議にも共通 | 「人ではなく、 | 立場に |
企画会議のように、案を広げる時間と決める時間が1つの会議にあるときは、どの時間のルールかを分けて書きます。「実現できるかはあとで考える」は広げる時間のルールで、決める時間には合いません。
- ここまでは案を広げる時間だったので、実現できるかどうかは置いておきました。ここからは決める時間なので、反対するときは理由を添える、のルールに戻ります。
「否定しない」というルールの落とし穴と、 代わりの書き方
会議のグランドルールとしてよく挙がる「否定しない」「批判しない」は、そのまま第一のルールにすると、反対意見と気になる点まで出なくなるおそれがあります。案を出した人を守るつもりのルールが、案の穴を指摘する人を黙らせる結果になりがちです。
1on1を支援するサービス「Kakeai AI 1on1」の利用データ(抽出した30万回の1on1の記録)で、部下が選んだ、上司に期待することの内訳を見ました。「話を聞いてほしい」は11.7%で、選べる6つの中で最も少ない答えでした。「一緒に考えてほしい」「意見を聞きたい」「具体的なアドバイスがほしい」の3つは、合わせて53.4%です。つまり、部下が1on1の前に上司に期待することとして選ぶのは、聞いてもらうことより、一緒に考えることや意見・アドバイスのほうが多いということです。
この記録は1on1のものですが、会議で案を出す人にも、黙ってうなずかれるより気になる点や反対を含めた意見を返してほしいと思っている人がいると、このページでは考えています。
「否定しない」の代わりに置けるルールは、次の3つです。
- 人ではなく、案について話す。「○○さんはいつも」ではなく、「この案のここが」と言います。
- 反対するときは、理由を1つ添える。「それは無理です」で終わらせず、「人手の面で無理だと思います。今の体制だと、試作に2人を割けないからです」まで言います。
- 代わりの案がなくても、気になる点は言ってよい。「代案を出せないなら反対するな」というルールは、気になる点を持っている人を黙らせてしまいがちです。
反対するときと、反対を受けるときの言い方の例です。
- この案に反対です。理由は、試作の費用が今期の予算を超えそうだからです。代わりの案はまだありませんが、この点は決める前に見ておきたいです。
- その案で気になる点が1つあります。お客様が店頭で見たときに、既存の商品との違いが分かりにくいのではないでしょうか。
- 反対の理由を言ってもらえて助かります。費用の点は、私も見落としていました。
- 人ではなく案について、のルールに戻りましょう。この案のどこが気になるか、という形で聞かせてもらえますか。
- 私の案への指摘ですね。ありがとうございます。すぐには答えられないので、少し考えて、直した案をもう一度出させてください。
「否定しない」を残したいときは、「案を出す時間は、否定しない」のように、時間を限って使うとよいでしょう。案を広げる時間に評価が先に立つのを防ぐ、という元の目的に絞れます。
会議のグランドルールを守るために上司がすることと、 避けたいこと
会議のグランドルールを続けるには、司会である上司が最初に守ることが大きく関わります。上司が例外になると、ルールは参加者だけを縛るものとして受け取られやすくなります。
上司が気を配りたいのは、次の3つです。
- 会議の最初に、ルールを一度読む。張り出すだけでは読まれなくなりがちですが、会議の最初に読めば30秒で済みます。
- 自分が破ったら、自分で認める。「人ではなく案について」のルールを、上司が「○○さんはいつも」と言って破ったときは、その場で言い直します。
- 守れていない人を、会議の場で指摘しない。合図で戻すだけにし、何度も続く場合は、会議のあとに1対1で話します。
- 今日のルールを読みます。反対には理由を添える、人ではなく案について話す、最後の5分は確認に使う、の3つです。
- 新しく入った○○さんは初めてなので、ルールを決めた経緯を一言だけ話します。案が出ても決まらない会議が続いたので、みんなで決めました。
- 今の私の言い方は、人の話になっていました。言い直します。この案の、納期の見通しが気になります。
- ルールの1番ですね。理由も聞かせてもらえると助かります。
会議のあとに1対1で話すときは、ルールを守れていないことを責めるのではなく、本人がどう感じているかを聞きます。
- 会議のルールの話を少しさせてください。反対の理由を添える、という約束が、○○さんにとってやりにくいものになっていないかを聞きたいんです。
グランドルールで避けたいことは、次の4つです。
- ルールを10個以上並べる。覚えられない数のルールは、守られにくいものです。3〜5個に絞り、困っていることが変わったら入れ替えます。
- 上司がルールを決めて配る。自分で選んでいないルールは、参加者にとって守る理由が見えにくいものです。案を集める手順を省かないでください。
- ルールを盾に、意見を封じる。「否定しないルールですよ」と言って反対意見を止めると、ルールが意見を出にくくするものになります。
- 形のルールだけを決める。時間を守る、スマートフォンを置く、といったルールは要りますが、それだけでは会議の中身は変わりにくいものです。意見の出し方と受け方のルールを必ず入れます。
逆に、ルールを決めずに、毎回その場の空気で進める会議も、同じ人ばかりが話す形になりやすいものです。ルールがあることで、立場の違う人が同じ約束で話せるようになります。
会議のグランドルールが役に立っているかを、 どこで見るか
会議のグランドルールが役に立っているかどうかは、ルールが守られたかではなく、ルールを決めたときに困っていたことが減ったかで振り返るとよいでしょう。振り返る点は、次の3つです。
- ルールを決めるときに挙げた困っていること(例:試作に進める案が決まらない)は、3か月で減ったでしょうか。
- 上司の案への反対意見や気になる点が、会議の中で出るようになったでしょうか。決めたあとに会議の外から出てくることは減ったでしょうか。
- ルールから外れたときの合図を、上司以外の参加者も使えていたでしょうか。
3つ目で、合図を使うのが上司だけになっているなら、ルールは全員の約束ではなく上司の指示として受け取られているのかもしれません。次の見直しのときに、参加者からルールの案を集める手順を、もう一度やってみてください。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
会議では全体の方針や分担の大枠までしか決められず、一人ひとりの担当の中身が詰め切れないときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。
上司の側で、1on1の前に「1on1前のAIアドバイス」で。
会議で決めた分担の大枠を、 一人ひとりとの1on1で、 その人の担当範囲の具体まで詰められます。
これまでの1on1と今回の準備の内容を踏まえて、Kakeai AI がその回の狙いを書きます。最初に切り出す一言の例が示されることもあります。上司ご本人向けの内容です。
…「6月5日の定例で分担の大枠は決まりましたが、今日はその線引きをもう少し具体的に決めてしまいたいと思っています。小野寺さんの担当範囲で、今どこが一番動かしにくいですか。」…
相手の「概要」の画面の「ダイジェスト」で。
進捗を話す会議の前に、 その人との1on1で決めたことがどこまで進んだかを、 本人と同じ文章で確かめられます。
その相手とのこの半年の1on1を、Kakeai AI が文章にします。これまでの流れ、いま途中になっている話とそれが誰の手元にあるか、決まった次の一歩とその実行の順に書かれます。お二人に同じものが表示されます。
…藤本さんが競合3社の製品比較表を6月25日までに出すことが決まっており、6月24日に実行済みです。…藤本さんが「それ、私、考えてみたいです」と話し、海外向けの訴求案(こういうお客さんにこう言う、を3つ・1枚)を7月9日までにまとめることが決まっています。…
1on1の実施中に、球体をクリックしたとき。
会議で決めた大枠のうち、 その人が受け持つ次の動きを、 1on1の中で一つずつ決められます。
球体は、「1on1実施中」の画面の右の列の下にある、Kakeai AI に話題を提案させるボタンです。その回の話のうち、次に誰が何をするかが決まっていないものを Kakeai AI が取り上げ、二人で一つ決めることを提案します。お二人に同じ内容が表示されます。
今日話した「試作工程と海外仕様」の件で、部品手配を考えると6月中に要件を確定させる必要があるとのことでした。次に誰が何をするかを一つ、お二人で決めておけますか?
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よくある質問
会議のグランドルールは、 いくつくらいがよいですか。
会議のグランドルールは、3〜5個がよいでしょう。10個以上並べると覚えられず、守られにくくなります。決めるときは、その会議で今困っていることを1つ挙げ、それを減らすためのルールを参加者から集めて絞ります。困っていることが変わったら、3か月ほどを目安にルールを入れ替えてください。会議の最初に30秒で読める数、というのが1つの目安です。
会議のルールで「否定しない」と決めるのは、 よい方法ですか。
会議のルールで「否定しない」を第一のルールにすることは、おすすめしません。反対意見や気になる点まで出なくなるおそれがあり、決めたあとに問題が見つかりやすくなるからです。代わりに、「人ではなく案について話す」「反対するときは理由を1つ添える」「代わりの案がなくても気になる点は言ってよい」の3つを置くとよいでしょう。「否定しない」を残すなら、「案を出す時間は否定しない」のように、時間を限って使います。
会議のグランドルールは、 上司が決めて配ってもよいですか。
会議のグランドルールを上司が決めて配ることは、おすすめしません。自分で選んでいないルールは、参加者にとって守る理由が見えにくく、上司の指示として受け取られやすいからです。上司は、その会議で今困っていることを1つ挙げる役を引き受け、ルールの案は参加者から1人1つ集めて、一緒に3〜5個に絞ってください。上司が最初に守り、自分が破ったときは自分で認めることも、ルールが続くための条件です。
会議のルールを守らない人がいるときは、 どうすればよいですか。
会議のルールを守らない人がいるときは、会議の場で指摘せず、あらかじめ決めておいた合図(「ルールの2番です」と言う、手を軽く挙げるなど)で戻すだけにします。何度も続く場合は、会議のあとに1対1で、そのルールが本人にとってやりにくいものになっていないかを聞いてください。ルールのほうが合っていないこともあります。上司自身がルールから外れたときに、自分で認めて言い直しているかも、あわせて振り返るとよいでしょう。
オンライン会議のグランドルールには、 何を入れればよいですか。
オンライン会議のグランドルールには、「カメラは任意で、反応は声でもチャットでもよい」「発言の前に名前を言う」「資料は画面共有して、全員が同じ画面を見る」の3つを入れることをおすすめします。画面越しでは、誰が話しているかと、聞いている人の反応が分かりにくいからです。対面の会議と同じく、「人ではなく案について話す」「反対するときは理由を添える」のような、意見の出し方のルールも1つは入れてください。
関連するページ
出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
出典:株式会社KAKEAI「Kakeai AI 1on1 利用データの集計」(2025年10月12日〜2026年10月3日に行われた1on1から抽出した30万回の記録を、会社や個人が特定できない形で集計)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/meeting-ground-rules-how-to-set-and-examples
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: