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人事・経営の方へ管理職・マネジメント

マネジメントが属人化してしまうとき

更新日 株式会社KAKEAI

先に答え

マネジメントの属人化に対しては、やり方をマニュアルで統一するより、上司が誰であっても部下が受け取れるものをそろえることをおすすめします。そろえるのは、評価基準を期の初めに一緒に見て期の途中で見通しを伝えること、部下が上司に期待することを伝えられる場があること、上司が引き受けたことを次の回に返すことです。KAKEAIの1万人調査では、面談の頻度・時間・場所・話題の4つを合わせても、成果の実感の差のうち説明がつくのは5.4%でした。面談の形をそろえるだけでは、成果の実感はあまり変わらないと考えられます。

数字で見る

KAKEAIの1万人調査では、面談の形(頻度・時間・場所・話題)と成果の実感との関係は、小さなものでした。一方、上司の対応が期待と違うことを困りごとに挙げた人では、成果の実感が回答者全体より低くなっています。数字はどちらも上司との面談についてのものですが、管理職ごとの違いを見直すときは、形より、部下が受け取るものに目を向けるとよいでしょう。

5.4%
1万人調査
成果の実感の差のうち、面談の頻度・時間・場所・話題の4つの違いで説明がつく割合
4つを合わせても、成果の実感との関係は小さなものでした。面談の形を全員でそろえても、それだけで成果の実感が大きく変わるとは考えにくいということです。
12.9%
1万人調査
上司との面談の困りごと(複数回答)に、「上司の対応が期待するものと違う」を挙げた人の割合
この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は23.4%で、回答者全体の31.9%を下回っていました。部下の期待と上司の対応のずれは、成果の実感が低い人たちの困りごととして挙がっています。

調査は、部下の立場で自分の上司との面談について尋ねたもので、管理職ごとのやり方の違いそのものや、会社が決めた手順の有無は尋ねていません。

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。

マネジメントが属人化してしまうとき、何が問題になっているのか

マネジメントの属人化で問題になるのは、管理職ごとにやり方が違うこと自体ではありません。上司が誰かによって、部下が受け取れるものに差が出ることです。管理職ごとの違いは、次の2つに分けて考えると、手を打つ先が見えやすくなります。

違いの種類例人事・経営としての対応
やり方の違い面談の頻度や長さ、話の順番、雑談の有無、記録の取り方相手や職場に合わせた結果のこともあるので、そろえることを急がない
部下が受け取るものの違い評価の見通しを聞けるか、上司に期待することを伝えられるか、相談に判断や意見が返ってくるか上司が誰であっても受け取れるように、最低限の約束としてそろえる

KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、面談の頻度・時間・場所・話題の4つを合わせても、成果の実感の差のうち説明がつくのは5.4%で、関係は小さなものでした。成果の実感の差の大半は、面談の形以外のことで決まっている、という意味です。面談についての数字ですが、マネジメントの属人化についても、形の違いより先に、部下が受け取るものの違いに目を向けるとよいと考えられます。

KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごと(複数回答)に「上司の対応が期待するものと違う」を挙げた人が12.9%いました。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は23.4%で、回答者全体の31.9%を下回っています。つまり、部下の期待と上司の対応がずれていると感じている人は、面談の成果を実感している割合が低いということです。上司ごとに部下の期待の聞き方が違う職場では、このずれが、配属された課によって出たり出なかったりすると考えられます。

属人化を、手順の統一で解こうとすると起きること

属人化が気になると、マネジメントのマニュアルや質問の型を作り、全管理職に同じ進め方をお願いしたくなります。しかし、手順の統一には次のような副作用があります。

  • 部下の期待に合わない回が出る。部下が上司に期待することは、人や回によって違うことがあります。決まった順番で進めると、意見がほしい回に聞くだけで終わったり、聞いてほしい回に助言が続いたりすることがあります。
  • 型を守ることが目的になる。手順を守れているかを人事が確かめ始めると、管理職が、部下の仕事が前に進んだかより、手順を守れたかを気にするようになるおそれがあります。
  • 管理職の工夫が止まる。うまくいっている管理職のやり方も型に合わせて削られることがあり、ほかの管理職が学ぶ材料も減ってしまいます。

KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、マネジメントに万能のやり方はなく、仮説を立てて試して確かめ、直していくものだと考えています。KAKEAIは、1つの型や手順を、すべての管理職にどの場面でも当てはめることをおすすめしません。

一方で、管理職の裁量だからと何もそろえないと、部下にとっては、配属された課によって評価の見通しを聞けるかどうかまで変わってしまいます。属人化への対応は、型でそろえるか、何もしないかの二択ではありません。

属人化への対応で、そろえることと管理職に任せること

そろえるのは、上司が誰であっても部下が受け取れる最低限の約束と、面談の目的です。進め方の細部は、管理職に任せます。

項目そろえるか、任せるか理由
面談の目的(仕事と成長を前に進める)そろえる目的が違うと、同じ面談でも話す中身が変わるため
評価基準を期の初めに一緒に見て、期の途中で見通しを伝えるそろえる課によって、評価の見通しを聞けるかどうかが変わらないようにするため
部下が話したいことと上司に期待することを伝えられる場そろえる部下の期待と上司の対応のずれを、その回のうちに直せるようにするため
上司が引き受けたことを、次の回に返すそろえる相談したことが宙に浮く課と、そうでない課の差が出ないようにするため
面談の頻度と長さ最低限の回数の目安だけ決めて任せる仕事の進み方や相手によって、合う間隔が違うため
質問の仕方、話の順番、雑談の有無任せる相手と回に合わせて変えてよいため

約束は、増やしすぎないことも大切です。約束が多いと、管理職にとっては守ることが仕事になり、手順の統一と同じ副作用が出ます。まず3〜4つから始め、管理職の声を聞きながら見直すとよいでしょう。

やり方の違いは、そろえる代わりに、管理職どうしで工夫を持ち寄る材料にします。月に1回30分ほど、管理職が自分の面談で試したことと、その結果を1つずつ話す場を設けるのも1つの方法です。うまくいかなかった工夫も話せる場にすると、ほかの管理職が同じ失敗を避けられます。

管理職と話すときの最初の一言(中途入社の社員の受け入れの例)

以下では、中途で入社した社員の最初の3か月の受け入れ方が、課によって違っている会社を例にします。評価の基準を最初の月に説明する課もあれば、半年後の評価面談まで説明しない課もある、という状態です。

人事から、経営へ

人事から経営に方針を相談するときは、何をそろえ、何で状況をつかむのかを先に示します。

  • 管理職ごとの違いを、実施率や記録で比べることはしない方針にしたいと考えています。代わりに、中途で入社された方に、最初の3か月で受け取れたことを尋ねたいです。

人事から、部長へ

人事から部長に話すときは、違いを責めるのではなく、部長から見た状況を先に尋ねます。そのうえで、そろえたいのは何か、そろえないのは何かを分けて伝えます。

  • 中途で入社された方の、最初の3か月の受け入れ方が、課によって違っていると聞いています。部長から見た状況を、先に教えていただけますか。
  • やり方を全部そろえたいわけではありません。どの課に入っても、最初の1か月のうちに評価の基準を上司と一緒に見られる、という点だけはそろえたいと考えています。
  • この約束が、課長の負担になりそうな点があれば教えてください。進め方を決める前に、課長の皆さんの声も聞きたいです。

人事から、課長へ

課長には、工夫を集める側として話を聞き、記録や実施率で点検しないことをはっきり伝えます。

  • 中途で入社された方との最初の面談で、課長が工夫されていることがあれば教えてください。ほかの課長にも紹介したいです。
  • 受け入れの面談の記録は、人事では読みません。人事から伺いたいのは、進め方で困っている点だけです。
  • 受け入れの進め方で、人事が用意したほうがよい資料はありますか。評価基準の説明の資料が古くなっているようでしたら、こちらで直します。

部長から、課長へ

部長は、課長との1on1で、受け入れで迷っていることを先に尋ね、自分が判断できることはその場で決めます。

  • 今期中途で入社した○○さんの受け入れで、課長が迷っていることはありますか。私のほうで判断したほうが早いことがあれば、遠慮なく教えてください。
  • 評価の基準を最初の1か月で一緒に見る、という点だけは、どの課でもお願いしたいと考えています。進め方は、課長のやりやすい形でかまいません。

課長の側からも、進めにくい理由があれば、部長に具体的に伝えてかまいません。

  • 評価の基準の資料が今の等級に合っていないので、説明しにくいと感じています。新しい資料を人事にお願いしていただけますか。

管理職どうしで、工夫を持ち寄る場で

持ち寄る場では、結果がよかった工夫だけでなく、試している途中のことも話せるようにします。

  • 私の課では、入社2週目の面談で、評価シートを一緒に見るようにしています。うまくいかなかった点もあるので、皆さんの課のやり方も教えてください。
  • 先月から、面談の最後に私が引き受けたことを1つ書いて、次の回の最初に返すようにしています。続けられているかは、まだ試している途中です。

課長から、中途で入社した社員へ

最低限の約束は、課長と社員の面談の中で、具体的な一言になって表れます。

  • 評価シートのこの項目を、一緒に見てもらえますか。入社して最初の半年で、特に大事にしたいと考えている点です。
  • 今日の面談で、私に期待することはありますか。聞いてほしいことでも、意見がほしいことでも、どちらでもかまいません。
  • 前回お約束した、経費の申請の手順の資料を、今日お持ちしました。ほかに分からないことはありますか。

マネジメントの属人化への対応で、避けたいこと

避けたいのは、属人化を管理職の点検で解こうとすることと、何も手を打たないことの両方です。

  • 実施率や記録で、管理職ごとの差を探す。1on1の実施率を管理職の目標にすると、面談を行ったかどうかだけが数えられ、中身の違いは見えないままです。KAKEAIは、1on1の実施率を管理職の目標にすることも、人事が1on1の記録の中身を読むこともおすすめしません。
  • うまくいっている管理職のやり方を、そのまま全員に広げる。工夫は、その課の仕事や部下の事情と結びついていることがあります。紹介するときは、どんな場面で試したのかも一緒に伝えます。
  • 属人化の原因を、管理職の能力や性格の話にする。管理職が判断に迷ったときの相談先がない、評価基準の資料が古い、といった仕組みの側の理由が隠れていることがあります。
  • 逆に、管理職の裁量だからと、部下が受け取れるものの差を放っておく。配属された課によって評価の見通しを聞けるかどうかが変わると、部下の側では、どう働けばよいかが分からないまま期末を迎えることがあります。

マネジメントの属人化がやわらいできたかの振り返り方

属人化がやわらいできたかは、管理職のやり方がそろったかでは分かりません。どの課の部下も、最低限の約束を受け取れているかで振り返ることができます。3か月ほどを区切りに、次のように見直してみてください。

  • 中途で入社した方に、最初の3か月で評価の基準を上司と一緒に見る機会があったかを尋ねてみてください。課によって答えが分かれていたなら、次は、その課の課長と進めにくい事情を話してみましょう。
  • 管理職どうしで工夫を持ち寄る場が2回続いたなら、次は、うまくいかなかった工夫も話せているかを、参加した管理職に尋ねてみてください。
  • そろえた約束が管理職の負担になっているという声が上がったなら、次は、約束を減らせないかを管理職と一緒に見直してください。
  • 人事の側で実施率や記録を見て管理職ごとの差を探していたなら、次からは、管理職が困っている点を直接尋ねる形に切り替えてみましょう。手を打つ先が見つかりやすくなります。

この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること

Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。

管理職を育て、登用し、支える仕組みを整えても、研修で学んだことが日々の1on1で生かされているかが見えにくいときに、Kakeai AI 1on1では次のことができます。

管理職が部下との1on1を終えるたびに。

研修で学んだことを、管理職が自分の1on1の具体的な場面で振り返り続けられます。

管理職ご本人向けに、Kakeai AI が「1on1後のAIアドバイス」で、その回によかった関わり方と、次の1on1や日常で試せることを書きます。このアドバイスはご本人にだけ表示されます。1on1のAI要約と文字起こしは1on1をしたお二人の画面に表示され、システム管理者には表示されません。ご契約によっては、要約をほかの方に共有する機能もあります(共有した相手はお二人とも確認できます)。システム管理者が見られるのは、マネジャーごとの「Get Advice」(直近1か月の1on1のまとめと、1on1の強みと伸び代を示す画面)です。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

…数字の報告を受け取るだけでなく、担当者がその数字をどう読んでいるかを問う形は、西村さんが自分の判断を持ち込む場を作りました。…

システム管理者が「Get Advice」を見るとき。

管理職一人ひとりの1on1の強みと伸び代を、ご本人と同じ画面で知り、どこを支えるかを考える材料にできます。

「Get Advice」は、マネジャー権限をお持ちの方ごとに、直近1か月の1on1のまとめ、Kakeai AI が挙げる「1on1をよりよくするための3つのポイント」、テーマや関わり方ごとの「強み」と「伸び代」を示す画面です。マネジャーご本人のほか、マネジャーを支える立場として、システム管理者の方もご覧いただけます。

新任の管理職が、部下と初めて1on1をするとき。

着任したばかりの管理職でも、部下がこの場に何を期待しているかを聞くところから1on1を始められます。

1on1が始まるとき、Kakeai AI が開始の挨拶をします。テーマも前回の一歩も無い初めての回では、話題を一つ出すか、この場で話したいことを尋ねることがあります。お二人の画面に同じものが表示されます。

表示の例(テスト用の1on1で、実際に作られた表示です。人名・社名・案件は架空です)

…今日が初めての1on1です。この場をどう使うと一番役に立つか、山岸さん、いかがでしょう?

Kakeai AI 1on1 の導入を検討している方は、サービス資料をお受け取りください。

ご利用企業 累計600社以上/1on1実施 累計300万回以上(2020年から)

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  • 導入の進め方と、ご利用企業の事例
  • 料金の考え方

画面を見ながら説明を聞きたい方は、30分のオンライン説明をご予約いただけます。

よくある質問

マネジメントの属人化とは、どういう状態ですか。

マネジメントの属人化とは、部下の仕事の進め方や評価の伝え方などが管理職一人ひとりの経験や考えに任されていて、上司によって部下が受け取れるものが変わっている状態を指します。やり方が違うこと自体が問題とは限りません。上司が誰かによって、評価の見通しを聞けるかどうかや、相談に判断が返ってくるかどうかが変わるときに、属人化が問題になります。

マネジメントの属人化を防ぐには、マニュアルを作ればよいですか。

マネジメントの属人化を防ぐために、全員に同じ進め方をお願いするマニュアルを作っても、問題は解けにくいと考えられます。部下が上司に期待することは人や回によって違うことがあり、決まった手順では合わない回が出るからです。マニュアルを作るより、評価の見通しを期の途中で伝える、引き受けたことを次の回に返すといった最低限の約束を、3〜4つ決めるところから始めるのがおすすめです。

1on1のやり方が管理職によって違うのは、問題ですか。

1on1のやり方が管理職によって違うこと自体は、問題とは限りません。KAKEAIの1万人調査では、面談の頻度・時間・場所・話題の4つを合わせても、成果の実感の差のうち説明がつくのは5.4%で、関係は小さなものでした。目を向けたいのは形の違いより、部下が上司に期待することを伝えられているか、評価の見通しを聞けているか、といった部下が受け取るものの違いです。

管理職どうしでマネジメントの工夫を共有するには、どうすればよいですか。

管理職どうしでマネジメントの工夫を共有するには、月に1回30分ほど、自分の面談で試したことと、その結果を1つずつ話す場を設けるのも1つの方法です。うまくいった工夫だけでなく、うまくいかなかった工夫や試している途中のことも話せるようにすると、ほかの管理職が同じ失敗を避けられます。紹介するときは、どんな仕事と場面で試したのかも一緒に伝えるとよいでしょう。

属人化の状況をつかむために、人事が1on1の記録を確認してもよいですか。

1on1の記録は、上司と部下の二人が次の回に使うためのものです。人事が中身を読むと分かっていると、部下が仕事の悩みを話しにくくなるおそれがあります。属人化の状況をつかむときは、記録を読むより、管理職に進め方で困っている点を直接尋ねるほうが、手を打つ先が見えます。あわせて部下には、評価の基準を上司と一緒に見る機会があったかなど、実際に受け取れたことを尋ねます。

出典と、この数字を引用するときの書き方

出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)

調査と利用データの集計について

引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。

このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/reduce-manager-dependent-management

作成者と運営者

KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。

このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。

運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: