部下の方へ上司との関わり
部下を潰すクラッシャー上司への対処
先に答え
クラッシャー上司と呼ばれるような上司への対処で最初に考えたいのは、上司への対応の工夫ではなく、自分の体調です。眠れない、出勤の前に体調が崩れるといった変化が出ているなら、先に産業医や人事に相談してください。出来事と決めたことは日付つきで残し、1on1では、仕事の範囲・優先順位・上司に判断してもらうことの3つに絞って話します。上司の言動がハラスメントに当たるかどうかは、自分で判断せず、人事・相談窓口・産業医に委ねてください。KAKEAIの1万人調査では、面談の困りごとに、上司の対応が期待と違う、約束を守らないといった上司のふるまいについてのものを挙げた人が27.3%いました。上司のふるまいに困っている人は少なくない、ということです。
数字で見る
上司との面談で、上司のふるまいについての困りごとを挙げている人は少なくなく、その人たちは面談の成果を実感している割合が低くなっています。上司の前で安心して話せないという困りごとを挙げた人も同じ傾向です。上司のふるまいに困ることは、珍しいことではないということです。困っているときは、体調を最優先にして、早めに相談先を使ってください。そのうえで、出来事と約束を残し、1on1では仕事の範囲と判断を決めることに絞るとよいでしょう。
- 27.3%
- 1万人調査
- 面談の困りごとに、上司のふるまいについての5つの困りごと(対応が期待と違う、約束を守らないなど)のどれかを挙げた人の割合
- この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は21.1%で、回答者全体の31.9%を下回っています。つまり、上司のふるまいに困っている人は少なくなく、その人たちは面談が成果につながっていると感じにくい傾向があります。
- 8.0%
- 1万人調査
- 面談の困りごとに「上司との信頼関係がなく安心して話せない」を挙げた人の割合(複数回答)
- この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は25.2%で、回答者全体の31.9%を下回っています。つまり、上司の前で安心して話せないと感じている人は、面談の成果を実感しにくい傾向があります。
1万人調査は、上司がクラッシャー上司と呼ばれるような人かどうか、ハラスメントがあるかどうかを尋ねたものではありません。数字は、上司との面談で困っていることを尋ねた結果です。
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
この調査は、上司と定期的に面談をしている会社員1万人に、面談を受ける立場での実感を尋ねたものです。
「クラッシャー上司」とは:部下が判断しなくてよいことと、 部下に見えること
「クラッシャー上司」は、部下を次々と体調不良や退職に追い込む上司を指す、世の中で使われている呼び名です。自分の上司がそれに当たるかどうかを、部下が確かめることはできません。上司の言動がハラスメントに当たるかどうかも、部下が自分で判断する必要はありません。判断は、人事の担当・会社の相談窓口・産業医に委ねます。
部下に見えるのは、上司の行動と、自分の体調の変化です。以下では、その2つを手がかりに、部下の側でできることを挙げます。
| 部下に見える上司の行動 | 部下の側に起きやすいこと | 部下の側でできること |
|---|---|---|
| 長時間の | 言われた | 出来事を |
| 一人では | 休めず、 | 体調の |
| 成果は | 何をしても | 決めたことと |
KAKEAIが会社員1万人を対象に行った調査では、上司との面談の困りごとに、上司のふるまいについての5つのどれかを挙げた人が27.3%いました。5つの困りごとには、上司の対応が期待と違う、以前の会話を覚えていない、約束を守らないなどがあります。この人たちのうち、面談が成果につながっていると感じている人は21.1%で、回答者全体の31.9%を下回っています。なお、この数字は、クラッシャー上司のような強い言動に限ったものではありません。
同じ調査で、面談の困りごとに「上司との信頼関係がなく安心して話せない」を挙げた人は8.0%で、この人たちの成果の実感は25.2%でした。上司の前で安心して話せないと感じている人も、面談が成果につながっていると感じにくいことがうかがえます。
上司のふるまいに困っているときは、1on1で話すことを、仕事の範囲・優先順位・上司に判断してもらうことの3つに絞るのも1つの方法です。上司の言動によるつらさを、自分の力不足のせいだけだと考える必要もありません。
体調を最優先にする: 先に産業医や人事に相談する言い方
クラッシャー上司への対処で最初に考えたいのは、上司への対応の工夫ではなく、自分の体調です。眠れない・出勤の前に体調が崩れる・休みの日も仕事のことが頭から離れないといった変化が出ているなら、上司との関係をどうするかより先に、産業医や人事に相談してください。
産業医につなぐ窓口は会社によって異なります。分からなければ、人事の担当に手続きを尋ねます。
- 産業医の面談を受けたいので、手続きを教えていただけますか。最近、眠れない日が続いていて、仕事に影響が出始めています。
- 上司との関係で相談したいことがあります。相談窓口は人事でよいでしょうか。それとも、別の窓口がありますか。
- 上司に知られずに相談できるかどうかを、先に教えていただけますか。
産業医や人事に話すときは、評価や判断は求めず、起きている事実と体調を伝えます。
- 先月から、週に2回ほど、1時間を超える叱責を受けています。内容は仕事のことですが、「向いていない」「辞めたほうがいい」という言葉が入ります。眠れない日が増えました。
相談の結果、休む、担当を変える、配置を変えるといった選択肢が出ることもあります。どれを選ぶかは、産業医や人事と一緒に決めてください。
出来事と約束を残す: 会社の決まりに沿って、 事実として
上司との間で起きた出来事と、仕事で決めたことは、日付つきで残しておきます。残す目的は2つです。1つは、相談のときに、記憶ではなく事実で話せるようにすること。もう1つは、上司と部下の間で決めたことがあとで食い違わないようにすることです。
ハラスメントに関わる記録は、会社の決まりに沿って残します。人事や相談窓口に、どんな形で残しておくとよいかを先に尋ねておくと、あとで使いやすくなります。
- 相談を続けるにあたって、出来事をどんな形で記録しておけばよいか、教えていただけますか。
記録の形は簡単なもので十分です。日時・場所・言われたこと(できるだけ言葉のまま)・そのときの仕事の状況・自分の体調の5つを短く書きます。以下では、新店舗の開店準備(内装の手配、備品の発注、スタッフの採用の段取り)を任された部下を例にします。
- 4月8日の午後、事務所で。「内装の見積もりがまだなのはなぜだ。お前は何もできない」と約30分。見積もりは業者の回答待ちで、その旨は前日に報告済み。帰宅後、眠れず。
仕事で決めたことは、その場で読み上げて確認し、短い文で送ります。証拠を集めるためではなく、あとで「言った」「言わない」の食い違いや、仕事のやり直しを減らすためです。
- 今日決めたことを確認します。内装の見積もりは業者の回答が来た当日に共有、備品の発注は○○さんの承認を得てから、採用の面接の日程は私が来週までに組む、の3つです。あとでメールにしてお送りします。
上司との1on1で何を話すか: 仕事の範囲・優先順位・判断に絞る
クラッシャー上司との1on1は、上司を変える場ではなく、仕事の範囲・優先順位・判断を決める場として使います。KAKEAIは、300万回以上の1on1を支援してきた経験と1万人調査の結果から、上司と部下の面談(1on1)の目的は、仕事と成長を前に進めることだと考えています。話す場を持つこと自体は、目的ではありません。叱責だけで終わる1on1では、仕事は前に進みにくくなります。
仕事の範囲と優先順位を決める言い方です。
- 開店準備の中で、今週は内装の手配と備品の発注の2つに絞って進めたいです。採用の面接は来週からでよいでしょうか。
- 今の量を、開店日までに一人で終えるのは難しいと考えています。どれを後に回すか、または誰かに分けるか、決めていただけますか。
- 私では決められないことが2つあります。内装の予算の上限と、採用する人数です。○○さんに決めていただきたいです。
休日や深夜の連絡については、対応の範囲を言葉で決めます。
- 休日のご連絡は、翌営業日の朝に確認して対応する形でよいでしょうか。緊急の場合は電話をいただければ対応します。
叱責の場では、言い方に答えず、内容だけに短く答えます。
- 見積もりは業者の回答待ちで、昨日その旨をご報告しました。回答が来たらすぐにお見せします。
- ご指摘の点は分かりました。直す点を確認させてください。内装の案を2つに絞る、ということでよいでしょうか。
言い方についてのお願いを、クラッシャー上司に直接伝えることは、おすすめしません。言い方の話は、人事や相談窓口に持ち込みます。
相談先の使い方: 人事・相談窓口・産業医、 そして異動や退職という選択肢
相談先は、限界まで取っておくものではありません。体調の変化が出た時点、同じ叱責が繰り返された時点で、早めに使います。相談先は1つに絞らず、人事・会社の相談窓口・産業医のうち、話しやすいところから始めてかまいません。会社の外にも、自治体や労働局の相談窓口があります。
- 上司からの叱責が続いていて、体調にも影響が出ています。まず事実をお伝えして、どう進めるかを相談したいです。
- この相談が上司に伝わるかどうか、伝わる場合はどの段階かを、先に教えていただけますか。
異動や退職は、逃げではなく、選択肢の1つです。異動の希望を出す制度(自己申告、社内公募など)があるかを人事に確認します。退職を考えるときも、体調が崩れた状態で一人で決めず、産業医や家族、信頼できる人と話したうえで決めてください。
同僚や前任者にも、話せる範囲で話しておきます。同じ上司のもとで同じ経験をしている人がいれば、一人で抱えている状態から抜け出すきっかけになることがあります。
クラッシャー上司への対処で、避けたいことも挙げます。
- 期待に応えようと量をこなして耐える。量をこなしても叱責が減る根拠はなく、体調を崩す時期が早まるおそれがあります。先に範囲と優先順位を決めます。
- 上司を変えようと、正面から議論する。その場の議論は、叱責を長くすることがあります。言い方の話は相談先へ持ち込みます。
- 「自分が未熟だから」と抱え込む。上司の言動によるつらさを、自分の力不足だけのせいにする必要はありません。一人で抱えず、相談先や話せる人に話してください。
- 相談を限界まで取っておく。体調が崩れてからでは、相談先と話す力も残っていないことがあります。
- ハラスメントかどうかを自分で判断してから動く。判断は人事・相談窓口・産業医に委ね、部下は事実と体調を伝えます。
クラッシャー上司への対処が進んでいるかを振り返る
対処が進んでいるかどうかは、上司が変わったかどうかより、自分の体調・相談先・仕事の範囲がどうなっているかで考えるとよいでしょう。次の点から振り返ってみてください。
- 眠れない、出勤前に体調が崩れるといった変化に気づいたら、次は、産業医か人事のどちらかに話してください。
- 出来事と決めたことを日付つきで残せるようになったら、次は、その記録を持って相談先に話しに行きます。
- 1on1で仕事の範囲や優先順位を決められたら、次は、決めたことを短い文で上司に送り、あとの食い違いを防ぎます。
- 同僚や家族、相談窓口のどこかに話せたら、次はその相手に続けて状況を伝え、一人で抱え込まないようにします。
範囲を決めても叱責が続き、体調の変化が止まらないなら、上司への対応の工夫はいったん置いて、産業医と人事との相談を優先してください。異動や退職も、その相談の中で選択肢として出してかまいません。
この場面で、Kakeai AI 1on1 でできること
Kakeai AI 1on1 は、上司と部下の1on1の準備・会話・ふりかえり、そして日常の仕事の場面で、お二人のこれまでの1on1を踏まえた具体的な支援を届ける AI です。
否定や細かい指摘、強い言い方が続き、言われたことのどこまでが仕事の直す点なのかが分からなくなるときに、会社でKakeai AI 1on1を利用している場合は次のことができます。
1on1の最中と終了後に、「1on1のAI要約」で。
指摘が続いた回でも、 何を直し、 誰がいつまでに何をするかを、 二人が同じ記録で確かめられます。
Kakeai AI が、会話から1on1全体の概要、話のまとまりごとの要点、決まった次の一歩を書き、1on1の最中は2分ごとに書き直します。終了時に確定したものが、そのまま履歴になります。お二人の画面に同じ内容が表示され、システム管理者には表示されません。ご契約によっては、要約をほかの方に共有する機能もあります(共有した相手はお二人とも確認できます)。評価や採点の言葉を使わず、話された事実の言葉で書くように作られています。
…西村さんが冒頭の1枚に機能ではなく導入効果を数字で書くよう具体的に伝え、藤本さんが更新版を7月中にC社へ出し直すことになりました。…
1on1のあと、「1on1後のAIアドバイス」で。
上司に短く問われて一言で返した場面について、 次は状況と自分の次の動きを添えて返す言い方を考えておけます。
ご自身向けの内容で、上司には別の内容が表示されます。上司に短く問われて一言で返した場面があると、その場面を取り上げ、次は状況と自分の動きをどう添えるかの例が示されることがあります。言い換えは、言い方の誤りの指摘ではなく、次に試すこととして書かれます。
…返事が来ていれば「返事が来ました。内容は〜です。」と事実を添えて知らせる。来ていなければ「まだ来ていないので、もう一度送ります。」と自分の次の動きを一言置く。どちらの形でも、状況と自分の判断をセットで伝える練習になります。…
1on1後のAIアドバイスの「今回よかった点」で。
否定や指摘が続いたと感じる回でも、 自分が言葉にできた場面を、 実際の発言とともに振り返れます。
その回に、自分の考えや状況を上司に言葉で返せた場面が、実際の発言を引いて取り上げられます。ご自身向けの内容で、上司には別の内容が表示されます。
…何が分からないかをそのまま伝えられたことで、西村さんから佐々木さんへの確認という次の手が出てきました。困りごとを「分からない」で止めず、何がどう分からないかを説明できたことが、今日の一歩につながっています。
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よくある質問
クラッシャー上司のもとで働いています。 最初に何をすればよいですか。
クラッシャー上司と呼ばれるような上司のもとで働いているなら、最初にすることは、上司への対応の工夫ではなく、自分の体調を確かめることです。眠れない、出勤の前に体調が崩れる、休みの日も仕事のことが頭から離れないといった変化があれば、先に産業医や人事に相談してください。「産業医の面談を受けたいので、手続きを教えていただけますか」と人事に尋ねれば、窓口が分かります。そのうえで、出来事を日付つきで残し始めます。
上司がクラッシャー上司かどうかは、 どう見分ければよいですか。
上司がクラッシャー上司に当たるかどうかを、部下が見分けることはできません。ハラスメントに当たるかどうかも同じで、判断は人事の担当、会社の相談窓口、産業医に委ねます。部下に見えるのは、長時間の叱責や人格を否定する言葉・一人では終わらない量の仕事・休日や深夜の連絡といった上司の行動と、自分の体調の変化です。この2つを事実として残し、相談先に伝えることが、部下の側でできることです。
クラッシャー上司とのやり取りは、 記録しておくべきですか。
クラッシャー上司と呼ばれるような上司とのやり取りは、会社の決まりに沿って、日付つきで記録しておくことをおすすめします。目的は、相談のときに記憶ではなく事実で話せるようにすることと、仕事で決めたことがあとで食い違わないようにすることです。日時・場所・言われたこと・そのときの仕事の状況・自分の体調の5つを短く書けば十分です。どんな形で残すとよいかは、人事や相談窓口に先に尋ねておくと、あとで使いやすくなります。
クラッシャー上司に、言い方を直してほしいと直接伝えてもよいですか。
クラッシャー上司と呼ばれるような上司に、言い方を直してほしいと直接伝えることは、おすすめしません。その場の議論は叱責を長くすることがあり、部下の側の負担が大きいからです。叱責の場では内容だけに短く答え、言い方の話は人事や会社の相談窓口に持ち込んでください。1on1は、仕事の範囲・優先順位・上司に判断してもらうことの3つを決める場として使います。
クラッシャー上司から逃げるために異動や退職をするのは、 負けですか。
クラッシャー上司と呼ばれるような上司のもとから異動や退職で離れることは、負けでも逃げでもなく、選択肢の1つです。異動の希望を出す制度があるかを人事に確認し、退職を考えるときは体調が崩れた状態で一人で決めず、産業医や家族や信頼できる人と話したうえで決めてください。相談の中で、異動や退職を選択肢として出してかまいません。
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出典と、この数字を引用するときの書き方
出典:株式会社KAKEAI「1on1実態調査」(N=10,000、2026年5月実施、インターネット調査)
引用する際は、「出典:株式会社KAKEAI『1on1実態調査』(2026年)」と、このページのURLを明記してください。
このページのURL:https://kakeai.co.jp/guide/crusher-boss-how-to-cope
作成者と運営者
KAKEAIでは普段、「上司」「部下」という言葉を使っていません。このページでは、多くの方に伝わりやすいよう、一般的な呼び方として「上司」「部下」と書いています。
このページは、Kakeai AI 1on1 を提供する株式会社KAKEAIが、自社で実施した1万人調査と Kakeai AI 1on1 の利用データの集計をもとに作成したものです。
運営者:株式会社KAKEAI(会社概要) 更新日: