急成長ベンチャー企業の人材育成・組織力強化のための1on1事例

業界:コンサルティング|従業員数:50名〜100名|導入目的:人材育成・組織力強化

株式会社オーツー・パートナーズ
取締役
勝見 靖英さん


課題
●組織の再統合・事業拡大に伴い地方採用の強化を行い、首都圏居住以外が30%、入社2年未満の社員が増えたことで、コミュニケーション不足問題が顕在化。チームとしてのサポート体制が課題に。

●製造業×コンサルティングという強みを強化するため、各々のプロフェッショナルと深く知り合いシナジーを生み出す機会が不足。

●入社後、担当する仕事が希望していた職務内容と異なり離職に繋がったケースがあった。

 

解決策
● 全体のコミュニケーション施策として、年に4回の全社会議や毎月のナレッジシェアセッションを実施。営業企画会議も参加希望者が自由に参加できるようにした。

● より深いコミュニケーションの場(1対1)として『Kakeai』を導入。

 

導入2ヶ月で見えた効果
● 「何でも話せる関係性」を目指す土台づくりができた。

● 1on1ミーティングの管理が楽になり、スムーズに対話ができるようになった。


株式会社オーツー・パートナーズの取締役である勝見 靖英様に、1on1支援ツール『Kakeai』の導入の背景や、実際に活用されたご感想などを伺いました。

 

組織の再統合、そして事業拡大に伴いコミュニケーションが希薄に

Q:オーツー・パートナーズの事業内容と組織についてを教えてください。

私たちはエンジニア視点をもった、製造業特化のコンサルティング会社です

オーツー・パートナーズに在籍するコンサルタントは80%以上が製造業のエンジニア出身で、技術に裏付けされた発想で日本の製造業を元気にするために、様々なお悩みの本質的な解決をしています。

以前は4つの法人をもっていたのですが、コロナをきっかけに事業の選択と集中を進めました。そして「技術力に強いコンサルティング会社」として、オーツー・パートナーズの1社に再統合。ロゴも刷新しリブランディングしました。その後、業績としても年間160%を超える成長をしています。

その成長に伴い、採用活動も積極的に行っており、2022年度末には従業員100名を越える見込みと急速に拡大しています。今後もこのペースで人を増やしていく予定で、数百人規模の組織を目指しています。

Q:導入前に抱えていた課題を教えてください。

大きく3つございます。

①複数の法人から再統合、事業を拡大のなかコミュニケーションが希薄になり、チームとしてサポート体制が課題に。

・約50%が入社2年以内のメンバー
・約30%が首都圏以外に居住
・客先常駐または自宅リモート勤務
という状況の中で、入社するメンバーの多くは製造業出身者です。

製造業は、出社を前提とする会社が多く、常にチームとして意識できる文化があるので、大きな働き方の変化があります。メンバーを孤独にさせないような工夫が必要でした。

②事業としての強みを発揮するためのシナジー不足

弊社の特徴である「製造業出身エンジニア」と一括りに言っても、自動車、ゲーム、クレーンなどの機械装置等、モノづくりの世界でもAIやデジタルの世界でも、様々な領域で尖った知見をもっている人が在籍しています。

オンライン飲み会などでは、なかなか1人ひとりのバックボーンを語るまでに時間がかかってしまいます。そこでより直接的に会話をする機会をつくることで、各々のプロフェッショナルと深く知り合い、シナジーを生み出していけるようになるのではないかと考えていました。

③自己実現のための成長支援

オーツー・パートナーズに入社いただく方は、製造業の課題解決に関心があり「こういう事をやりたい、成し遂げたい」という想いを強く持っている人ばかりで、成長意欲が非常に高いです。だからこそ「本当はしたかった仕事が、入社後やれてない」というギャップが発生しそうな状況があることに危機感を覚えていました。

このように、コミュニケーション不足によって起こる、人材育成や組織力強化という課題が顕在化しておりました。

 

マネジメントの型を決めずに、コミュニケーションの土台として1on1の機会を用意することが重要

Q:人材育成や組織力強化のためのコミュニケーション施策というところが大きなテーマとなっていますが、どのような人事施策をされたのでしょうか。

そもそも、コンサルティング会社出身でプロジェクト型の仕事で成果を出してきたメンバーが幹部になっているので、組織開発や人材開発の知見に基づいたマネジメント力が弱いという課題もありました。ただ、いわゆる「階層級研修」のような型にはまることはしたくないと思っています。

ベンチャー企業ということもありますが、お客様の変革を支援するのが私たちの仕事なのに「ジェネラルマネジャーの職務ってこれだから、これは僕の仕事じゃない」と言うような組織にはしていきたくないと思っています。固まってしまうことが一番、悪なんですよね。

そこで、改めて考えたときに、私たちに必要なのは「会社としてのコミュニケーションの土台」であり、有機的に各々が成長、変化していくような施策を実施する必要がある」と考えました。

そこで、全体のコミュニケーション施策として、年に4回の全社会議や毎月のナレッジシェアセッション、営業企画会議の開放などを実施。より深いコミュニケーションの場(1対1)として『Kakeai』の導入を決めました。

かゆいところに手が届く、継続しやすい仕組みがあるKakeaiの決め手

Q: 1on1、そして『Kakeai』導入の経緯を教えてください。

さまざまなコミュニケーション施策を検討する中で、他企業でCHROをされている方から1on1の効果を聞いたことがきっかけで検討を始めました。

もちろん言葉としては知っていましたが、1on1を正しく理解するためにいくつかのオンラインのトレーニングを受け、書籍も読み、私と執行役員、ジェネラルマネジャー5名くらいで1on1を始めました。

しかし、多くの問題点に気づくことになります。
・発信型のマネジャーが多いので、上司側から話しすぎてしまう。
・1on1の記録を振り返るのが大変、前回何を話したのか忘れてしまう。
・プライベートな情報も含まれるログ管理方法 等

「これはすぐに限界がきてしまう」と感じ、目指す対話をサポートするための仕組みを探し始めました。タレントマネジメントシステムの1on1機能や、話しすぎている状態を察知するセンシングの仕組みも検討したのですが、『Kakeai』は私が感じていた問題を解決し、細かなところまで痒いところに手が届くツールだったことが決め手で導入しました。

Q:『Kakeai』導入の効果・感想を教えてください。

会社として「コミュニケーションが大切である」というメッセージを伝えるだけではなく、そのコミュニケーションを推進する仕組みである『Kakeai』を導入することで、誰もが「もっとこうしたい」「今、こんなことで悩んでいる」等とリアクションを取る場をつくれたと思っています。

 

また、1on1の実施の観点で言うと実態の把握が楽になりました。『Kakeai』があれば、ローカルルールが出来てしまったり、上司の一方的なお説教タイムになってしまったり、逆に雑談タイムになってしまうこともなく、筋を通しながら有意義な時間にすることができます。

1on1について特別な教育を受けていないマネジャー・メンバーも簡単に仕組みを理解できるので、全社での活用を進めています。

結果として、各1on1を通じたマネジメント力の向上も重要ですが、『Kakeai』を通じて、組織全体としてどういうことをトピックとして選択している人が多いのか、どんな傾向にあるのかというのを分析することが重要だと思っています。

分析からの改善はこれからの挑戦ではありますが、上司部下の1on1だけではなく、プロジェクトで関わるメンバーや知見が欲しいメンバーとの1on1というところでも『Kakeai』を活用していきたいと思っています。


※上記事例に記載された内容は、2022年11月取材当時のものです。閲覧時点では変更されている可能性があります。ご了承ください。