組織拡大で生まれた距離を解消。
1on1を通じてコミュニケーションの質を高め、情報の同期をスムーズに
業界:IT|従業員数:50〜99名|導入目的:コミュニケーション促進
株式会社オーリーズ
執行役員 / CHRO
藤井 貴志 さん
Q:業務内容と1on1導入の背景を教えてください。
会社(経営)とメンバーとの密なコミュニケーションを成立させる場
株式会社オーリーズ(https://allis-co.com/)は、Google広告やMeta広告などの広告運用支援と、それに付随するアクセス解析、広告効果計測ツールなどのマーケティングテクノロジーツールの導入/運用支援を行う広告代理店です。1on1を始めたのは2017〜18年頃、マーケティング支援は「人材が付加価値そのもの」であり、メンバーひとり1人の能力開発を加速させるために1on1に取り組むようになりました。
組織として1on1を継続してきまして、メンバーへの期待事項のすり合わせやメンバーの成長支援を目的に、「会社(経営)とメンバーとの密なコミュニケーションを成立させる場」と位置づけています。
メンバーは日々の業務で多忙になりがちになってしまいますので、会社としてコミュニケーションを取りやすくする場を定期的に設けることが大切だと考えています。「定期的な場」というのは1on1だけではなく、評価制度やフィードバック面談も会社とメンバーのコミュニケーションの場のひとつとして捉えています。
Q:1on1支援ツールのKakeaiへのご期待と実感する効果を教えてください。
組織拡大に伴い生まれた経営とメンバーの距離を解消。『Kakeai』を通じて組織内の連携をスムーズに
組織拡大に伴って、昔は経営レイヤーとメンバーが直接行っていた1on1は、現在はマネジャーとメンバーが1on1をするようになりました。経営とメンバーが直接会話をする機会が減少したことで、いくつかの課題が生まれ始めました。
そのように考えていたタイミングでKakeaiを知る機会があり、導入を決めました。
Kakeaiを利用しようと考えた理由は、おおきく3点です。
(1)1on1における最低限のレギュレーションを仕組みで担保
1on1はクローズドな場であることが効果を高める要因のひとつですが、一方で属人化・ブラックボックス化しやすい側面もあるかと思います。そのため、1on1の質を担保するための最低限のレギュレーションや、1on1を可視化するような仕組みが必要になってきていました。
Kakeaiは「デフォルトのアジェンダを設定できる」「事前に話す内容を共有できる」「同じメモ画面を見ながら話せる」など、新任マネジャーでも1on1を改善できる仕組みが魅力的で、導入後すぐに1on1の質が底上げされたことを実感しました。
(2)経営陣とマネジャーでタイムリーに情報共有
マネジャーを経由してメンバーからアラートがあがってくる際に、文脈や背景の理解に時間がかかってしまい初動が遅れてしまうことがありました。Kakeaiは、1on1をした双方が許可をすれば、第三者に1on1の履歴を共有することができます。経営陣が1on1の履歴画面を見ながらマネジャーとメンバーの対話をタイムリーかつ的確に把握することができるので、文脈や背景を正しく理解できるようになったので迅速に物事に対応できるようになりました。
(3)メンバーが能動的に能力開発をできる仕組み
1on1は、メンバーが強く意識しないと、どうしてもマネジャー側の状況把握の時間になってしまうことが多いかと思います。どうにかメンバーの能力開発の時間を自然と増やせるように出来ないかと考えたときに、Kakeaiはメンバーが事前にテーマを設定するため、主体的に1on1を進められるプロセスになっています。
「自発的に成長したいというメンバーの想い」を組織的にサポートしたいと思っている企業にとっては、親和性の高いプロダクトだと感じています。
中長期的な取り組みになりますが、メンバーから能動的にアジェンダを持ち込むことが次第に多くなっていると感じます。
Q:今後のコミュニケーション施策に対する取り組みについて教えてください。
コミュニケーションの質を高め、事業を推進していく
昨年、広告運用だけではなくマーケティング全般に強い支援会社になるために、クライアント属性に特化したチームを組成、大規模な組織編成を行いました。この方針に伴い、メンバーに求める役割や期待も徐々に変化しています。そのため、メンバーが活躍し成長を支援するためにもよりコミュニケーションの質を向上させることが必要です。ただし、1on1やKakeaiの導入だけで全て解決できるものではありません。
「コミュニケーションの質」というのは大きなテーマですが、例えば、経営陣は多岐にわたる重要アジェンダを抱えており、全メンバーにそのすべてを詳細に説明することはどうしても限界があります。そのため、マネジャーが「経営陣が考えていることや感じていることを、背景や文脈を含めてどれだけ密に伝えられるか」という情報同期の質を向上させることが重要になってきます。また、メンバーの意見や発言を聴き、本質的な対話を行うことも重要です。ただ意見や希望を聞くだけでなく、なぜそうしたいのかの背景を深く掘り下げた先に、最も本質的な意見が含まれているのだと思っています。こうした個々のコミュニケーションの質を高めていくことを目指しています。
Q:マネジャーやメンバーに対する期待を教えてください。
“あなたを叶える” 自分自身を叶えるために自分で考え、自分で選択してほしい
オーリーズは「あなたを叶える」というミッションを掲げており、このミッションの中には、クライアントとメンバーに対する2つのメッセージがあります。
メンバーに対しては「一人ひとりの 『こうありたい』という理想に向け、運命共同体として、実現する。そのために必要な環境を、追求し続ける」というメッセージを込めています。もちろん会社が成長していくためにメンバーに行動してほしいことはたくさんありますが、自分自身を叶えるために「何をしたいのか」「何が必要なのか」を自身で考えてアクションすることを期待したいです。この時代、みんなが定年までオーリーズで働くかというと、必ずしもそういうわけでもないと思っています。自分のありたい姿は自分で決めるし、自分を変えるのは自分です。しかし、その中でもオーリーズという環境がベストだと思ってもらえるような関係性でありたいと思っています。
そして、マネジャーには、そのメンバーの想いを尊重しながら、会社の方針と個人のWillが重なる部分を見出し、一致させて推進力を高める。この点に力を注いで欲しいと考えています。
※上記事例に記載された内容は、2024年7月取材当時のものです。閲覧時点では変更されている可能性があります。ご了承ください。