風通しの良い環境づくりを支える1on1──誰もが本音で語れる組織へ

大成建設株式会社
エンジニアリング本部 エンジニアリング企画管理部長
中田 文夫さん

Q:1on1を重視される背景や本部として目指す状態を教えてください

フラットな組織文化でも、話しにくいことを本音で話し合える場を

大成建設は創業150年以上という長い歴史がありますが、当本部はその中で56年の歴史を持ち、他本部とは違い比較的フラットな組織文化が特徴です。
全社で数年前から導入されたエンゲージメントサーベイのスコアを見ると、当本部にも改善の余地があることが分かりました。
より、風通しの良い環境を整えるためには、業務指示や進捗確認のコミュニケーションだけでは不十分で、階層間の意思疎通を含めた更なるコミュニケーションの向上に着目しました。

日ごろから上司部下間でしっかりと対話ができていれば、いろいろな問題も気づけるサインがあるはずで、事前に解決できるものもあるのではないかと感じ、より上司部下がコミュニケーションをとれるキッカケがあれば良いなと考えていました。

また、40代・50代の管理職の多くは、「部下から何か上司に質問をする時には、事前に自分で調べたうえで聞いてくる」というのが当たり前だと考えています。しかし今は、ビジネスを取り巻く環境や新入社員が求めてきていることも変化してきており、上司は部下が求めることに臨機応変に対応しなければならないケースも増えてきています。
そんな環境での上司のマネジメント力の強化にも1on1は有効ではないかと考えています。

Q:Kakeaiを導入いただいた理由とご期待を教えてください

1on1を根付かせ部下の成長を促す場とするために支援ツールが必要

1on1での対話の文化がなかった当本部で、1on1を根付かせるためには何かしらの支援ツールが必要だと考えました。単に「やりましょう」と言っても、上司も部下も何をどう進めて良いかわからず、長続きしない可能性が高いと感じていたからです。

上司の中には仕事にプライベートの話を持ち込むものではないという価値観の人もいるので、上司の方から仕事以外の話は出づらいと思います。一方で部下はプライベートやその他の話をしたい人もいるので、テーマを選択肢から選べることで話すきっかけになるはずです。

特にキャリアの相談ができていないという人も多いと思います。
昔はキャリアを会社が勝手に作ってくれたので、自分自身でキャリアを考えることがありませんでした。キャリアを考えた経験のない上司が、部下側から突然キャリアの相談をされても困ってしまいます。Kakeaiにはテーマごとにヒントが出てくるのでキャリアに関する対話の苦手意識がなくなり、キャリアの相談に慣れてくるのではと期待しています。

また、Kakeaiは事前にテーマだけでなく、部下が上司に「どうしてほしい」という期待する対応を設定することができます。アドバイスをしてほしいのか、話をきいてほしいのかは非常に重要で、我々はすぐに何か答えを言ってしまいがちです。結局部下よりも上司のほうが話す時間が多くなるパターンに陥ると思うので、Kakeaiの対応があることで、上司は部下の期待に沿った対応ができます。

Q:1on1と組織の活性化に向けて今後の展開をどのように想定されていますか

本音の対話を当たり前の文化に。横や斜めのつながりで組織の課題解決能力を高める

まずは、1つのコミュニケーションツールとして1on1を使い、フラットなコミュニケーションが浸透していってほしいと思います。そこから将来的にエンゲージメントが向上したり、びっくり退職を減らしていきたいです。1on1を続けることで、業務指示のやり取りを超えた本音での対話が当たり前の文化として根付いてほしいと思っています。

今回は、エンジニアリング本部全体ではなく、1on1ミーティングによって上司部下間の意思疎通を含めた更なるコミュニケーションの向上を希望する室から1on1をスモールスタートしますが、将来的には横や斜めのつながりにも取り組んでいければという想いです。1つの専門性だけでなく、お客様の課題に対してあらゆる専門知識を掛け合わせて解決策を提案していくのがエンジニアリング本部の役割です。自分の専門分野以外でもいろんなスキルを吸収し、身につけるためには横のコミュニケーションも効果的だと思います。個々の成長だけでなく、組織全体の課題解決能力を高めていきたいです。


※上記事例に記載された内容は、2025年1月取材当時のものです。閲覧時点では変更されている可能性があります。ご了承ください。