「スキルアップを目指すメンバーを支援したい」キャリア形成と信頼づくりのための1on1事例

業界:保育園|従業員数:1〜19名|導入目的:キャリア形成

杉の子保育園(社会福祉法人 信和会)
事務長
伊藤 美代子 さん


組織課題:
・スタッフ一人ひとりと業務以外の会話をする機会が少なく、働き方やキャリア形成についての会話の機会がなかった。

 

『Kakeai』を選んだ理由:
・上司、部下、それぞれに1on1を進めるためのサポートが豊富
・上司部下(縦)だけではなく斜め・横の関係性で1on1を実施することができるので、今後、メンター制度でも活用できそう

 

導入6ヶ月で見えた効果:
・「スキルアップ」を目指している職員が多いことが分かり、各々が目指す資格取得等に対するサポートを強化することができた
・子育て世代のメンバーが多いため「プライベート」というトピックから、今後の働き方の意向を把握できた


杉の子保育園を運営されている、社会福祉法人 信和会 伊藤さんに、1on1支援ツール『Kakeai』の導入の背景や、目指す組織について伺いました。


仕事と子育ての両立を支援する「365日開園」の企業主導型保育園

Q:杉の子保育園 について教えてください。

0〜2歳の12名を定員とした、茂原市の企業主導型保育園です
運営母体となっている社会福祉法人信和会は、365日運営している介護施設(居宅介護支援センター、デイサービスセンター、グループホームなど)を展開しており、信和会グループの従業員や共同利用企業様の社員の方も利用できる杉の子保育園も365日開園することで、地域で働く方々の仕事と子育ての両立を支援しています

また、急に病気になってしまった子どもたちを預けられる「病児保育」や、一日単位でのご利用が可能な「一時預かり保育」も利用いただけます。なかなか日曜日や祝日に預けられる保育園はないので、信和会グループの介護施設では、子育て層の方からの採用応募が増えています。入社を決めてくれた方も「安心して子どもを保育園に預けて働ける環境が応募の決め手です」と仰ってくださっています。

業務以外の話をすることが、予想以上にメンバーのキャリア支援に繋がることに気づきました

Q:導入前に抱えていた課題を教えてください。

実は、特に課題を感じていなかったんです
1on1については、母体の信和会全体で導入することが決まったので、私たちもスタートさせました。介護施設では、地方から採用した新卒採用メンバーのメンタルヘルス対策として活用したいという意図があったそうです。
保育園は、一部を外部に委託しているため、信和会の保育園スタッフは合計7名(看護師1名、保育士3名、調理師2名、保育補助1名)と少人数ですし、良いチームワークで仕事ができています。

ただ、365日運営している保育園ということもあり、一人ひとり対面で時間をとって話をしたり、プライベートな話をする場をもつ機会もなかなか作れていない状態でした。
今回、『Kakeai』を導入したことで、きちんと時間を取ることができ、業務以外の話をすることが、予想以上にメンバーのキャリア支援に繋がることに気づきました

1対1じゃないとできないような深い話をするきっかけになって良かったなと思っています。

Q:1on1では、実際にどんなトピックが選ばれることが多いのですか。

『Kakeai』のデータを見ると「スキルや力の向上」「プライベート」というテーマを、事前設定で選択する人が多いようです。具体的に紹介しますね。

 

①スキル向上
「業務面でこういう研修を受けてみたい」「資格取得をしたい」と、スキルアップに関心がある人が多いです。

例えば、以下のような声がありました。
・保育士 – 発達に課題があるお子さまもいるので、もっとよく見てあげるためにどうしたら良いか悩んでいる。研修があれば受けてみたい。
・保育補助 – 保育士の資格をとりたいので実務の内容について相談したい。
・調理師 – 「食育」に興味があるのでもっと学んでいきたい。

スキルアップに前向きなのは嬉しいことなので、今後それぞれの目標に向けて支援していきたいと思っています。また、行政から研修のお知らせがくることもあるのですが、1on1の時間で個別に案内しやすくなりました。

 

②プライベート
まず、1on1で話すのは業務のことだけだと思っていた人もいて「プライベートについて話していいんですね!」という反応があったのが嬉しい驚きでした。
特に、お子さんをお持ちの方からは「来年は進学があるので、今後は勤務時間を減らさないといけないかも」「最近ちょっと家族の体調が悪いんです」など、家族の皆さんの状況を聞くことが多いです。プライベートの変化は、働き方の希望に直結するのでフォローにつながっています。

上司、部下、それぞれに1on1を進めるためのサポート機能が豊富

Q:『Kakeai』を使ってみてのご感想をお聞かせください。

信和会全体で導入を決めた際、上司、部下、それぞれに1on1を進めるためのサポート機能が豊富だったことが決め手だったと聞いています。

本当にその通りで、上司側としては、事前のテーマ設定があることで、1on1に対する準備ができることが助かっています。スキルアップについてのテーマも多いので、どういう支援ができるか考えたり、専門外の資格については、事前に調べてから1on1に臨むようにしています。また、過去の記録がみられるメモ機能や、テーマや対応に対するヒント機能も参考になっています!

Q: 今後の取り組みについて教えてください。

すでに1on1をすることで良くなったところはたくさんありますが、さらに信頼関係を深めて、相談しやすい環境を整備していきたいです。

また、信和会全体では「メンター制度」というものを取り入れています。新卒1人に対してプリセプターとメンターと呼ばれる先輩を2名つけて3人組をつくり、気軽に相談できるような関係づくりを目指す制度です。『Kakeai』は、上司・部下(縦)だけではなく、斜め・横の関係性でも1on1を実施することができるので、今後、メンター制度でも活用を検討していきたいです。

最後に、保育園だけではなく、介護施設やグループホームなどが連携しているのが私たちの大きな強みです。現在も、バルーンやキャンドルづくりなど介護施設の職員の方が得意なことを、保育のプログラムとして実施していただいています。
1on1を通じてグループ全体でのコミュニケーションが活性化すれば、さらに施設を跨いだ挑戦をしやすい環境づくりに繋がるのではないかと期待しています。


※上記事例に記載された内容は、2023年2月取材当時のものです。閲覧時点では変更されている可能性があります。ご了承ください。