離職率50%から20%へ。お弁当配達員のモチベーション向上とチームづくりのための1on1

業界:その他サービス業(お弁当配達)|従業員数:20名〜49名|導入目的:離職

株式会社国貞商店
専務取締役
國貞幸司さん


組織課題:
・離職率が約50〜60%

 

解決策:
・日々の悩みをいつでも相談できる場(1対1)として『Kakeai』を導入

 

導入6ヶ月で見えた効果:
・離職率が約20%に改善
・従業員ひとりひとりのモチベーションが向上


まごころ弁当石切店を運営されている、株式会社国貞商店 國貞さんに、1on1支援ツール『Kakeai』の導入の背景や、目指す組織についてを伺いました。


「人が辞めるのは仕方がないことだと思っていた」離職率の高さの裏にある、孤独な職場環境

Q:まごころ弁当石切店 について教えてください。

高齢者のためのお弁当配達をしています。
私は、東大阪市で創業60年を超える食品卸売会社の3代目です。当社は、介護事業所や保育施設など地域に密着した取引先が多いこともあり、そのネットワークを生かして「地域にもっと貢献したい」という思いがありました。そこで、妻の看護師としての経験も活かし、訪問看護事業を立ち上げたのが2014年です。

訪問看護ステーションの活動を通して、地域の医療や介護の現場に関わるうちに、在宅で療養生活を送っている方や独り暮らしのご高齢者様が安心して食べられる健康に配慮したお食事の確保が意外に大変だということを知りました。そういった想いから始めた事業であるため、食の「安心・安全」はもちろん、訪問看護ステーションを併設している強みを生かし、安否確認や健康状態の確認にも力を入れています。

Q:導入前の課題を教えてください。

離職率が50〜60%と高かったものの、正直、人が辞めるのは仕方がないことだと思っていました配達員の仕事は、ひとりで仕事が完結することが多いので孤独になりやすいです。「毎日同じことを、ミスなく繰り返せるか」という仕事なので、モチベーションが保ちづらいんです。そして、誰がミスをしたのかというのがお客様の声からすぐに分かります。ミスがでたときに、自分で背負い込んでしまい、そのまま辞めるケースがよく見られました。

一方で、先ほどお話しした通り、私たちはお弁当配達が主な業務です。しかし、ただ配達するだけでなく、お年寄りの安否確認や健康状態の確認といった「見守り」もサービスの一環だと考えています。だからこそ、大切にしたいのは「フットワーク・チームワーク・ネットワーク」という3つのことです。長年勤める配達員と顔見知りになって安心してもらうことや、配達員同士でコミュニケーションをとって連携を強くすることが、サービスの向上に繋がると考えていました。

1on1の実施がストレスになってしまい一時中断。過去の失敗経験を活かして新たなツールを検討

Q: 1on1、そして『Kakeai』導入の経緯について教えてください。

『Kakeai』を導入する前、2014年の創業当時から1on1に取り組み始めていました。元々人事カウンセラーという仕事をしていたこともあり、1対1のミーティングで、こまめにスタッフの不安や不満を聞いて「何かを改善してほしい」というサインを見つける。辞めると決める前に拾い上げる仕組みとして、1on1が有効だと実感していたからです。
しかし、当時使用していたツールは「必ず定期的に1on1をしなければいけない」という仕様でした。そのため、1on1をするためにわざわざ事務所に戻ってこなければいけないという状況になり、負担感も増してしまいました。また、オンラインでの実施も一般的でなかったこともあり、良い運用方法が見つからず、一時中断していたのです。ただ、1on1を実施している時は、明らかに離職率が改善していたので、良い仕組みがあれば再開したいと思っていました。

そして、ある雑誌でKAKEAI社の本田代表のインタビューを拝見したことをきっかけで1on1支援ツール『Kakeai』について知りました。『Kakeai』は、オンラインで1on1の実施ができますし、部下のタイミングで、困ったときや相談したいときに気軽にスケジュール調整ができます。これらの点が、私たちの現場仕事にはフィットすると感じました

スタッフからは「いつでも相談できる安心感がある」と言ってもらえています。
今後は、もっと変化に気づけるようにこちらから定期的に面談を組む運用も考えていますが、現在は、1on1は部下から設定してもらうようにしています。
スタートした頃は、すごい頻度で1on1の設定がされて「毎週このペースでやっていたら大変だな」と思っていたのですが、現在はなにか相談があった時の目安箱みたいな使われ方をしていますね。

1on1で大切にしているのは「誰かの責任にしない仕組み」を一緒に考えること

Q:離職率の改善、という素晴らしい結果に繋がっているとお伺いしました。1on1の中で大切にされていることはありますか。

はい。『Kakeai』を導入して、離職率が50%から約20%に改善しました
大概の問題は、しっかりとコミュニケーションをすれば解決できると思ってるんです。
みんな不安や不満に思っていることはあるんですよね。ただ、普段の会話ではなかなか話す機会がない。1on1の場があるからこそ「この場だから言わせてもらうんですけど」って色んな話がでてくるんです。「一人ひとりが抱えている不満や不安を取り除く」ことで離職率を減らすことに繋がったと思います。

1on1で大切にしているのは、何か不満がでてきた時に「なぜ、そのような状況がが起きてしまうんだろう?」と投げかけたり「誰がミスをしても、誰かが気づくような仕組みを一緒に考えよう!」とメンバーに意識的に伝えています。

ネガティブなことを普通に話して良いという環境を整えたいですし、誰かの責任にしてしまうのではなく「仕組みをつくっていけば改善する」という意識を持つことで、一人ひとりの行動が変わってきていると感じます。
最初にお伝えした通り「できて当たり前、できなかったら怒られる」ような仕事なので、できる部分はそのままシステム化する。できなかったときにみんなで考え、できたときにはみんなで拍手できるような状態にしていけたら良いなと思います。

Q: 『Kakeai』活用のご感想をお聞かせください。

部下から1on1のフィードバックがあり、自分の振り返りになっています。こちらが良いと思って話していたことも、実際はどうだったのだろう?と不安に思っていたことが解消されました。また、事前設定するテーマが用意されており、以前使用していたツールよりも、業務以外のことを話してもらいやすくなったと思います。
1on1の時間をただ設定するだけだと「貴重なお時間は無駄にしたくないので!」ということで、アクションプランの確認のようなミーティングになっていたこともありました。人間関係やプライベートについて話していいんだよ、と事前に伝える大切さを実感しています
また、『Kakeai』は「部下が悩んでいること・困っていること」を発信できるようになっているので、部下が主人公ということを追求されている点が、他にない魅力だと感じています。

現在は、お弁当配達の事業のみで『Kakeai』を使用していますが、今後は訪問看護の事業でも1on1を導入して、離職防止やチーム力の強化をしていきたいと思っています。


※上記事例に記載された内容は、2023年2月取材当時のものです。閲覧時点では変更されている可能性があります。ご了承ください。