支社全体で同じ方向を向いて成果を出すために、
100%部下のための1on1を
朝日生命保険相互会社
湘南支社 支社長 罇 一哉さん
湘南支社 総務部長 新倉 明子さん
湘南支社 営業・CS推進マネージャー 田中 絹代さん
【罇 支社長】
湘南支社における 1on1 ミーティング
業務上の指示や落とし込みは日々の業務の中で当然やっていかなければいけません。1on1の位置付けは基本的には、1対1で話す機会に部下側が何でも話して良いという時間です。通常の業務の運営に関して、日頃から十分にコミュニケーションできているからこそ、プライベートや健康面の話などもやりとりできる場として1on1を活用しています。
湘南支社は営業所の距離が比較的近く、全員が顔を合わせる機会が多い支社だという印象をもっています。コミュニケーションが活発な組織風土があるからこそ、組織としても総務部長の推進で職員の皆さんと1対1で定期的に対話をしていくことを重視しています。
私自身も湘南支社に着任した時には、初めて一緒に働く方も多くいましたので、「この人はどんな人なのだろう」「どのような観点を大切にしようとする人なのか」ということが見えない状態でした。実際に1on1をしたところ、自分の担当やこれまでの成果を教えてくれる人もいれば、逆に、私の考えが聞きたいとたくさん質問をしてくれた人もいました。1on1の場で1対1で話をしていくと、やはり会議の場とは違って、お互いの理解が進み関係が深まっていくと思います。きちんと話をする場を持つことで距離が縮まりますよね。1on1という制度がせっかくあるので、ぜひ自分の話をしたり、相談したいことを伝えたり、上司に改めて聞きたいことを聞いてみる時間として主体的に活用してほしいですね。
私自身が1on1をするのは、営業所長の皆さんですが、営業所の運営を進めていく中で感じている課題や職員個々の皆さんにどう関わるかなど、困っていることや手詰まりになりそうなことを話してもらえるのは私にとっても大きな意味があります。
業績についての話をする機会は山ほどあるわけですから、手前に業績以外の課題について相談しておく場として1on1を使うのは上司側にとっても部下側にとっても有効だと思います。
Kakeaiを活用して
Kakeaiのアクセスは、以前はパスワードを入力しなければいけなかったものが、Microsoftのアカウントでログインできるようになり、かなり楽になりました。システムは使う側の意識次第で良い物にもイマイチな物にもなります。私は1on1をする際にKakeaiにメモを残して、しっかり振り返りをするような使い方が上司、部下の双方にとってメリットが大きいと思います。メモをしておくことで仮に異動になった場合も引き継ぎもできて、対話もゼロベースになりません。
独自施策も取り入れて組織の一体感を
会社としての1on1の強化月間もありますが、湘南支社では総務部長が支社としての強化月間を設定して1on1を推進しています。支社長として当然ながら、支社の業績が1番の関心事ですが、結果だけが良ければ良いとは全く考えていません。大事なのは、業績の出し方で、正しい仕事で皆さんに成果を出してほしいという想いがあります。そのためには、支社全体で同じ方向を向いて一体感をもって進んでいきたいわけですが、同じ目線を支社全員でもっていくためにも1on1の時間は活用できると思っています。
【新倉 総務部長】
100%の 1on1 実施に向けて
私は人事部の1on1研修を受講し、1on1の大切さを理解していました。とはいっても、1on1開始当初は「仕事が忙しいから1on1ができない」と理由をつけて取り組むことができず、後回しにしてしまっていました。しかし、1on1の強化月間を会社から打ち出され、「会社が上司と部下の対話をする時間を作っていこうとしている」と感じ、支社長へ湘南支社も1on1をしっかり取り組んでいきたいと相談をしました。
所属員と1on1で少なくとも月に1回は話をするという事を、湘南支社の決め事としました。所属員とたくさん話をする中で、新たな気づきになったり、また定期的に話ができる場があるからこそ、「何かが起きた時」にも、上司へ相談しやすくなる。またプライベートな相談や悩みも含め、打ち明けやすい雰囲気作りにもつながると考えました。
1on1は、所属員とのコミュニケーションを取る場であり、回数が重ねるごとに1on1の質も変わってきたという実感があります。それは、私が営業所に臨店した際や電話での会話が増えたことです。今までは「〇〇はどうなった?」や「〇〇の状況どんな感じ?」等、進捗確認がほとんどの会話でしたが、1on1でコミュニケーションが取れるようになってからは、業務での進め方や、ちょっとした悩み事の相談を受けることもあり、進捗確認以外の会話も増えたと感じています。
コミュニケーションを取ることの大切さは、現場への指示にもつながっていると感じています。現場である営業所の所属員とコミュニケーションが取れていると、支社がこれから力を入れて取り組もうとしていることの浸透具合や徹底の度合いが全く異なってくると感じています。
Kakeaiを活用して
1on1時の会話等は備忘録としてkakeaiのメモ機能を利用して残しています。相談してくれた事の振り返りにもつながり、お互いその時の気持ちや感情を残せるので便利な機能だと思います。また、1on1が終わった後に感想の確認ができること、また満足度のデータも見ることができるので、上司役として手応えを感じ、「次も頑張ろう」という気持ちにもなっています。
支社全員で取り組む
湘南支社では1年間を通して1on1のペアを決め取組んでおります。今年度のペア決めが、日々の業務に忙殺されてしまいできておりませんでした。あるスタッフから「今年度の1on1はいつですか?私の担当は〇〇さんで良いですか?」と質問を受け、1on1の時間が所属員の皆さんにとって、大切な時間になっていると実感ができ嬉しかったです。
また、当初は強制的に始めていた1on1への取り組みでしたが、「次の1on1を入れておきました」と自分から1on1を設定してくれる人が出たり、自分で話したいことを考えて1on1の場に臨んでくれる人が出たりと、所属員の1on1への取り組みの変化を感じました。30分という時間制限の中だからこそ、自分のための時間だと思って所属員の皆が準備してきてくれるのは本当に嬉しいことです。
所属員からの声掛けもあり、急いで1on1のペアを決め、2024年6月を支社としての1on1強化月間としました。湘南支社は1on1を絶対全員でやろうと決めたので、1on1が実施できていない人がいれば声をかけながら進めています。1on1のペアが決まっているので、それぞれが責任も持って取組めると考えています。また、1on1は業務内で行う大切な時間でもあり、1人1人のかけがえのない時間だと考えています。私がどれだけ1on1をやろうと旗を振っても、支社長や所属員の皆さんの協力がなければやれないので、湘南支社の全員が、この大切な時間を利用してお互いを高め合いながら、1on1に取り組んでいきたいと思っています。
【田中 営業・CS推進マネージャー】
部下役・上司役それぞれの立場から
私は業務部長や総務部長に1on1をしていただく立場でありながら、昨年から5名ほどの部下の上司役として1on1をしています。日常的にかなり会話が多いですが、部下として1on1をするときは、「ちょっと行き詰まっていること」の相談の場として解決策を見出したいことをお話しするようにしています。自分のプライベートを話すこともありますし、業務をより良く進めるための捉え方や考え方もお話しいただくこともあります。仕事だけではなく、本当に色々なことをお話しできる時間をとってもらえるので、1on1の時間を心待ちしています。
逆に上司役として1on1をする部下の方は営業所でそれぞれ少ない人数で業務を進めてくれている仲間たちです。今、抱えていることや家族のことなど話したくても時間もないし、話すことができないという状況が多々あることを実感しているので、しっかり話を聴くことを心がけています。毎月話をしているとだんだん慣れてきて、仕事とは関係のないところから話をスタートするようにしています。話をしていく中で「こんなことが好きなのか」、「こんなことに関心があるのか」と相手の新しい面を発見することも多いです。
対話の機会の大切さを実感
「最近、気になっていることや悩んでいることがある?」と投げかけてみると、それぞれの困りごとが出てきます。当然全てのことが綺麗に解決できるわけではありませんが、悩みを共有すること自体にも意味があると思います。「話をしてすっきりした!」、「気持ちが楽になった」と言ってもらえると、この1on1の時間は本当に大切な時間になっていると実感できます。一人で仕事を進める中で話をする相手がいないとどうしても堂々巡りになってしまって、ひっかかりがあると仕事にも集中できません。話をしただけでも顔色が明るくなったと感じられるのでやはり対話の機会は重要です。
例えば、子育て中のスタッフから「実は目標を持っていて仕事を頑張りたい。でも今は、仕事だけに全力投入はできないけど、ゆくゆくは・・・」という言葉を聞けただけでも、こちらのサポートの仕方が変わってきます。「想いをもって仕事をしてくれている」こと自体が純粋に嬉しいですし、100%仕事に向き合えない中でもできることをアドバイスすることもできます。状況が見えるだけでも、上司役としては心から応援したくなります。
Kakeaiを活用して
私は事前にKakeaiで部下が選んでくれた話したいトピックや期待する対応を確認するようにしていて、実際に1on1をする時にメモをフル活用しています。これは覚えておいた方が良いなと思ったことは記録として自分だけのメモにいれるようにしています。共有メモを使ってくれる部下もいますが、お互いに話したことを同じ内容で確認できるのも良いと思います。
仕事は楽しいのが一番ですので、「自分が仕事を楽しんで!」ということと「一人で悩まなくて良い」ということをしっかり伝えながら、1on1の時間をしっかり有効活用して部下の皆さんに向き合っていきたいと思います。
※上記事例に記載された内容は、2024年6月取材当時のものです。閲覧時点では変更されている可能性があります。ご了承ください。